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2013年2月

2013年2月15日 (金)

牛の絵

研究所においてあった、とある発行誌の表紙が牛のイラストなのですが、これがなんともリアルなんです。

最初は写真だと思っていたのですがよくみると非常に丁寧に描かれた子牛の絵でしたtaurus

この絵の作者は冨田美穂さんという方で、北海道の小清水町に在住されているようです。

さきほどの発行誌の過去の表紙も冨田さんの絵が使われていて、牛の自然な表情を描いていますhappy01

興味が沸いたので、調べてみると木版画も作製されていて、非常に細かい線で描かれた牛たちは今にも動き出しそうな迫力ですhappy02

勝手に絵を載せられないのが残念ですが、興味のある方は【うしのつむじ】というブログを開設されているのでこちらをチェックですshine

あと、ブログを見てたら気付いたのですが、なんと明日から札幌にて冨田さんの個展が開かれるようですsign03

明日は休日ですし札幌までひとっ走り、是非いってみたいですねrvcardash

2013年2月14日 (木)

FTAI

まだ要約しかみてないのですが・・・。

性判別済み精液と通常精液の、FTAI(定時人工授精)における未経産牛の受胎率について、
紹介した論文がありましたので、ちょこっとご紹介。
この論文では、ホルスタイン未経産牛で、CIDRを14日間使用し、抜去時にPGを投与、
PG投与後66時間でFTAIを行っておりました(GnRHはAI後13日後に投与していた)。
PG投与時にパッチをはり、発情の有無を観察していました。
通常精液と性判別精液、発情の有無で受胎率を比較しておりました。
発情の発現率は、どちらのグループも55%前後だったのですが、
気になる受胎率みると、通常精液68%(82/120)、性判別済み精液38%(45/120)と、
通常精液群のほうが高く、また、発情発現の有無で受胎率をみると、
通常精液では発情の有無にかかわらず受胎率は60%前後と安定していたのにもかかわらず、
性判別済み精液では、発情が観察されなかったものの受胎率は、発情が観察されたものと比較し20%低下しておりました
(26% vs 46%)。
結果としては性判別精液の受胎はやっぱり難しいなweepという印象なのですが、
同期化方法として14日間プロジェステロン製剤を使用している点。
以前は卵子の老化が進むため、12日間以上留置後の人工授精は受胎率が低下する、
と記憶していたのですが、今回の論文では未経産牛だからか、そのようなことがなかった模様。
長期間入れてるわりに発情の発現率も55%前後とあまり高くない。
月齢がどれくらいで、FTAIのだいぶ前に発情が来たらどうしたか等気になるところはありますが、
自分の記憶はあてにならないな、と思った論文でした。
この論文の要約はこちら から。

2013年2月13日 (水)

男にも避妊薬?

男性用避妊薬の開発が進められているのをご存知でしょうか?

雄牛では肉質のために精巣を子牛の時点で取ってしまうのがほとんどですね。

一方で、早い段階で去勢してしまうと、尿道がうまく発育せず成牛時に結石などで

尿道閉塞に陥りやすいと言われているのも事実ですflair

日本産婦人科学会によると人ではコンドームをつけていても2%ぐらいが

妊娠(失敗?)してしまうそうですcoldsweats01

昨年度いくつか男性用避妊薬に結びつく研究が報告されました。

なかでも昨年末に発表されたものは

「あるタンパク質を注射することで、精巣周辺の血液循環を悪くし、

受精能力をもたない未熟な精子が放出されるように仕向けるという方法」

で、しかも作用は”リバーシブル”とのこと。

http://news.sciencemag.org/sciencenow/2012/11/scienceshot-protein-makes-sperm-.html?ref=hp

まだ実験段階ですが、男性用避妊薬の開発が実現する日も近いかもしれませんflair

もっとも、牛は”リバーシブル”では困るのですが。。

2013年2月12日 (火)

近頃、血中遊離DNAが気になります、その2

先週ご紹介した「血中遊離DNA」ですが、

立て続けに同じグループから論文が発表されました

Analysis of Circulating DNA Distribution in Pregnant and Nonpregnant Dairy Cows

Mayerら、Biology of Reproduction, 2013

人工授精後20日目の妊娠牛(24頭)と非妊娠牛(16頭)の「血中遊離DNA」を回収し、

次世代シーケンサーで差を確認したところ、

牛は妊娠初期でBovB、Art2A、BovA2、Bov-tA2などが体の中をグルグル回っていることが明らかとなりました

これらがどのような働きをするのかまだはっきりとわかっていないようですが、

予想通りと言いますか(妊娠20日目なので)、

インターフェロンタウ(IFNt)や妊娠関連糖蛋白質(PAGs)

とからめて考察されています

次の展開が非常に楽しみな研究です

2013年2月11日 (月)

パーコール法

今日は体外受精時に行なう精子の洗浄方法の1つである

パーコール法について説明しますflair

パーコール法とは45%と90%のパーコール液を用いて、

密度の違いで精液中の不純物や死滅精子などを取り除き、

元気な精子のみを分離する方法ですscissors

まず、一番下に90%パーコール液を入れ、

その上に45%のパーコール液を重ねますconfident

さらにその上に精液を静かに重ねると・・・

比重の違いで写真の様な層ができあがりますdownwardleft

Photo

45%と90%の境目が分かりづらいですが、

慎重に重ねるときちんと層に分かれますgood

この状態で遠心分離を行ないますtyphoon

すると・・・

Photo_2

遠心管の一番下に白い物が貯まっているのが見えますが、

これが分離した元気な精子くんですnote

(写真が見づらくてごめんなさい)

このようにして体外受精では、

死滅精子や異常精子を取り除くことができます~catface

こんな簡単な方法でX精子も分離できたらなぁなんて思いますcoldsweats01

そううまくはいきませんねsweat01

2013年2月 8日 (金)

春機発動はまだ?その2

先週、春機発動について書きましたが、その続きです。

ちょうど春機発動を促すホルモン処置に関する論文があったので紹介したいと思いますhappy01

春機発動前のNellore種未経産牛におけるプロジェステロンをペースにした排卵誘起の方策

(原題:Progesuterone-based strategies to induce ovulation in prepubertal Nellore heifers)

Theriogenology 79 (2013) 135-141

【緒言】

春機発動を引き起こすための研究は様々おこなわれています。

プロゲステロンを処置すると下垂体のエストロゲンレセプターを減少させ、エストラジオールによるネガティブフィードバックを減退させることで、GnRHの放出を促すと考えられており、プロゲステロン製剤の使用で未経産牛が春機発動を迎えたとする報告があります。

そこで、この研究ではプロゲステロン製剤のCIDRとその他のホルモン剤を春機発動前のNellore種未経産牛に処置し、その後の発情、排卵、AIの受胎率を調査しました。

【方法】

エコーで7日間隔で卵巣を確認し、黄体のない牛を試験に使用。

試験1は3回使用した後のCIDRを12日間腟内に留置したもの(CIDR4)と無処置(CIDR0)のもので、その後の発情、排卵、AIの受胎率を調査。

試験2はCIDRのみの処置をコントロールとして、CIDR抜去時にeCGを200IU注射。

試験3は試験2に加えて、CIDR抜去時にeCG+ECP(シピオン酸エストラジオール)50㎎を注射。

試験4は試験3に加えて、CIDR抜去時にECPのみ注射で排卵率のみ観察。

【結果】   

発情発見率 排卵した割合 受胎率
試験1 CIDR 0 10.7%a(19/177)   18.6%a(33/177)   79.0%a(15/19)
CIDR 4 16.6%b(143/862) 39.1%b(337/862) 42.0%b(60/143)
試験2 コントロール 27.6%a(124/450)   53.3%a(240/450)   43.6%a(54/124)
  eCG 34.3%b(153/446)   72.0%b(321/446)   45.1%a(69/153)
試験3 コントロール 21.5%a(17/79) 45.5%a(36/79) 46.7%a(7/17)
eCG 34.4%b(55/160) 75.0%b(120/160) 34.7%a(17/55)
eCG+ECP 56.2%c(91/162) 90.1%c(146/162) 33.3%a(27/91)
試験4 コントロール -   74.9%b(176/235)   -
eCG - 85.0%a(199/234) -
eCG+ECP - 85.5%a(200/234) -
  ECP -   80.4%ab(197/245)   -

【感想】

結果より、CIDRを使用することで、Nellore種牛で春機発動を迎えさせることができましたshine

また、CIDRの抜去時にeCGかECPもしくは両方を注射することでその確率は上昇することが明らかとなりました。

とくにeCGとECPを併用した場合には90%以上の牛が排卵しており、かなりの高確率で効果が期待できますねwink

この報告では3回も使用したCIDRをもちいていますが、これもミソのようで、低濃度のプロゲステロンのほうが高濃度より効果が高いとかLHの分泌が多くなるといった報告があるための処置であるようですflair

ただ3回も使用したCIDRを使うのは衛生面で気をつけなくてはいけないと思いますが…sweat02

今回の報告はET研究所ニュースでも紹介していますので、よければそちらもご覧になってみてくださいhappy01

ET研究所HP

2013年2月 7日 (木)

自然現象

先日新ETシステムで、JA十勝高島管内をまわっていると、

ちょっと幻想的な風景に出会いました。
Imag0299
雲海です。
北海道ではトマムが有名ですが、まさか十勝地方でもみれるとは思っていませでした。
wikiペディアを読むと、冬を除く10から2月頃にみられるらしいですが、
このときは丁度真冬日だったと思います。
Imag0302
樹氷のような、枝の水滴?が凍ったものもみられました。
幻想的だなーshineと若干感動していたのですが・・・
Imag0303
ちょっと降りるとそこは霧のなか。先が見えなくて怖かったですwobbly
以上、とある日における北海道の神秘でした。

2013年2月 6日 (水)

インフルエンザ

が急激に広まっています。

皆様お気をつけくださいconfident

牛にはインフルエンザはないのでしょうか?

ご存知でしょうか?

馬インフルエンザ

豚インフルエンザ

鳥インフルエンザ

はありますが、答えは牛にはありませんflair

似た名前で「牛パラインフルエンザ」という感染症はありますが、

インフルエンザウィルスがオルトミクソウィルス科という科に分類されるのに対し、

このパラインフルエンザウィルスはパラミクソウィルス科に分類されています。

まったく別のウィルスということですねflair

パラインフルエンザに感染した場合、肺炎を発症してしまうこともありますが、

不活化ワクチンを投与していればある程度防げるものと思います。

研究所の黒毛ドナー牛たちは、毎年冬が始まるころに

不活化ワクチンを投与していますshine

そのおかげか、この数年肺炎を発症するドナー牛に出くわしたことがありませんsign03

予防が大事ですsign03

Imag0349

↑地面も凍りつく中、元気なドナーたちshine

2013年2月 5日 (火)

近頃、血中遊離DNAが気になります

死んだ細胞から血液中に放出されたDNAを「血中遊離DNA」といいます

ガン組織や炎症組織は細胞死が盛んに起こっているためにガン患者や炎症性疾患患者の血液にはこれが多く含まれるそうです

最近、この「血中遊離DNA」が牛の妊娠鑑定に利用できる可能性が報告されました

Early pregnancy diagnosis in dairy cows using circulating nucleic acids

Mayerら、Theriogenology 79, 173-179, 2013

ザックリ中身をまとめると

血清中の「血中遊離DNA」濃度を調べることで、AI後20日で妊娠鑑定ができる(可能性がある)そうです

妊娠も炎症反応おきますからね

うまい!

そこで、、、

同じことをやっても面白くないので、、、

例えば、

夏場のヒートストレスが原因で受胎しない牛や、

分娩後、なかなか受胎してくれない経産牛(特に乳牛)などなど

この「血中遊離DNA」濃度がどうなっているのか調べてみたいです

ただ単純に、受胎しにくい牛としてのマーカーとなるだけではなく、

「血中遊離DNA」の配列を確認し、

細胞死がどこの組織由来であるか予測することで、

その後の飼養管理法など改善すべき点が明らかとなってくるのではないでしょうか

少々飛躍しすぎかもしれませんが(夢を語りすぎる悪い癖があります)、

不妊の原因といなっている炎症などを改善することを目的とした飼料も開発できるかもしれません

また、上のMayerさんの牛の妊娠鑑定に関する研究でも人工授精日、胚盤胞期(7日目)、孵化期(10日目)、伸長期(15日目)などダメもとで「血中遊離DNA」を調べてみると面白い現象が起こっているかも?

2013年2月 4日 (月)

ガス滅菌

ET研では採卵や研究などの業務を行っていますが、

そこで使う器具は全て滅菌しています(当たり前の話ですが・・・)sign01

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これは採卵で使用しているフィルターですねupwardleft

採卵頭数も多い時期が続くと滅菌するべき器具もかなりの量になってきますcoldsweats02

このように滅菌する器具は滅菌バックという袋のようなものに入れて、

熱シールで封をしますconfident

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これらの器具はガス滅菌で滅菌をしますshine

ここがガス滅菌室ですdownwardleft

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ET研の機械は色々古いものが多くなってきましたが・・・

フル稼働でがんばってもらいまっせーpunch