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2014年12月

2014年12月26日 (金)

2014年お疲れ様です。

本日12月26日をもちまして今年のET研究所は仕事納めとなり、今日は年末の大掃除などに忙しい一日となりましたsweat01

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採卵棟は荷物をすべて出し、洗浄しshine

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事務所や実験室も床掃除のため椅子をすべて廊下に出しておりますshine

一年間がんばった研究所に感謝ですhappy01

ちなみに2014年のがんばり度合いを数字にしてみますと、本場の人員でのET頭数がのべ4013頭!
採卵した頭数は外部も含めのべ3368頭!!
みんながんばりましたね…。お疲れ様でしたcoldsweats01
来年も生産者のためがんばっていきましょうrock

ではET研ブログをご覧の方々および日ごろお世話になっている皆さま、本年は大変お世話になりありがとうございました。来年もET研究所をよろしくお願いいたしますsign03
それでは良いお年をお迎えくださいsun

2014年12月25日 (木)

真っ赤お鼻の・・・

全国のET研ブログファンの皆様、メーリークリスマスxmas

皆様はどのようなクリスマスをお過ごしでしょうか?

 クリスマスといえばサンタクロースがトナカイに乗って現れ、枕元にプレゼントpresentを置いていってくれるわけですが、本日はそのトナカイに注目してみます!

 トナカイはアイヌ語の「トゥナカイ」に由来し、英語では「reindeer」、北米では「caribou」とも呼ばれております。ユーラシア大陸やアメリカ大陸北部のツンドラ地帯に群れを成して生息し、草食性の強い雑食性で夏は草や葉、時にレミングや虫等の小動物を食べ、冬は角や蹄で雪を掻き分けて下に生えた地衣類を食べるそうです。シカ科で唯一、雌雄共に角があり、繁殖期におけるオスの抗争だけでなく、雪を掘ってエサを得る役割もあるそうです。人類が最も古く家畜化した動物の一つでもあり、乳用、食肉用、毛皮用に加え、ソリを引く使役や荷役にも利用されてきました(以上、ウィキペディア調べ)。繁殖期は9月上旬から10月中旬だそうです。

 トナカイの繁殖技術はどの程度進んでいるかと思い調べたところ、人工授精や過剰排卵処理、受精卵移植を行った報告は見当たりませんでしたwobbly20年前に体外受精により、卵母細胞154個中2個が桑実胚期まで発育したという報告がありました(In vitro maturation and fertilization of oocytes from Norwegian semi-domestic reindeer (Rangifer tarandus ),Krogenaes et al,Theriogenology. 1994 Feb;41(2):371-7.)。研究対象としてはまだいくらでもできることがありそうですねeye

2014年12月24日 (水)

お楽しみクイズ

さて問題です!flair
牛乳1リットルをつくるのにいったい何リットルの水が必要でしょうか?shine

・10リットル
・100リットル
・500リットル
・1000リットル

少し考えてみてください。eye


決まりましたか!?

正解は1000リットルです!good
え!?そんなに!?と驚いた方も多いのではないでしょうか。
牛乳をつくるには牛の飼育と放牧(牛の食べる草を育てる水、飲み水など)、搾乳や製品にする工程で多くの水を必要としているようです。taurus

以前、テレビで搾乳体験風景を放送していました。搾乳指導にあたっていた酪農家さんが
直接、消費者の口につながっていることを考えて搾乳してください、とおっしゃっていました。
そうやって大切につくられているのですね。
プロ意識だなと感じました。
感謝しながらいただきたいものです。happy01

2014年12月22日 (月)

外れちゃダメ!

国立成育医療研究センターの研究グループが

哺乳類の染色体についている特定の物質が外れると、

受精卵が正常に育たず流産することをマウス受精卵を用いて世界で始めて明らかにし、

科学雑誌Nature Communicationsに発表しましたflair

http://www.nature.com/ncomms/2014/141114/ncomms6464/pdf/ncomms6464.pdf

これまでの研究から、イグジストという遺伝子が

X染色体を働かなくすることが知られていました。

そこで、染色体を構成するヒストンというタンパク質に注目し、

卵子由来X染色体のヒストン上にイグジストの機能を止めるための「目印」を発見しました。

この目印は、ヒストンのリジンというアミノ酸に、

メチル基という構造が結合してできています。

この目印があると、卵子由来のX染色体のイグジストは機能しないため、

X染色体は機能することができますnotes

一方、精子由来のX染色体は目印を持たないので、

イグジストが機能するため、X染色体は働きませんsleepy

このように、哺乳類の精子と卵子にあるX染色体は、

受精すると精子のX染色体だけが働かなくなり、受精卵が正常に成長していきますbud

しかし、卵子のX染色体についているメチル基が外れてしまうと、

卵子のX染色体も一緒に働かなくなり、受精卵が正常に育たなくなるそうです。

同じような仕組みがヒトにもあるそうで、今後の研究によって不妊・不育症に対する

新しい治療法が開発されるかもしれませんし、

牛や豚などの動物においても同じ仕組みがあるのであれば、

受胎率や体外受精において胚の発育の改善に繋がるかもしれませんねconfident

2014年12月19日 (金)

大雪の影響?

大雪の影響もおさまり、今日はいつも通りに出勤できましたhappy01
年末だからでしょうか、今研究所の牛にくわえていつもより多めで5頭の外部持ち込み牛の採卵がありましたtaurus
気合を入れていざ採卵にとりかかると、卵巣の表面がつるっつとした感触sign02
どうも黄体が形成されていないようです。エコーで確認しても映るのは卵胞のみdown
せっかく過剰排卵処置をして頂いたのですが、残念ながら採卵は中止になりましたshock

さて気を取り直してもう1頭と思って手を入れると…こちらもつるっと…sign02
なんと5頭中、3頭が黄体がなく中止となってしまいました。

ここまで高確率に中止したことが過去にあったでしょうか?

もしかすると大雪の影響が黄体の形成に…。これから採卵を予定されている方々はくれぐれも寒さに気をつけてくださいねdanger

2014年12月18日 (木)

「危険」を伝えるフェロモン

 爆弾低気圧の影響は収まったようですが、十勝の冬はこれからどんどん寒さを増して行きますsad

 ここ数週間、暖かさを求めて室内に入ってきたネズミを目撃することもあり、トラップを仕掛けて対処しておりますcat

 ネズミは一度掛かった罠にはかからないと言われていますが、先日東京大学の研究グループにより、この危険を伝える物質が特定されたそうです。(「危険」を伝えるフェロモン=ラットで初特定-東大など 時事ドットコム2014.12.16)

 東京大学大学院農学生命科学研究科の武内ゆかり准教授らは、ラットが危険を感じた際に肛門付近から発するさまざまな匂い分子を分析し、ラットにかがせて反応を見ることで、どの分子が「危険」の情報を伝えているかを調べました。その結果、4メチルペンタナールとヘキサナールと呼ばれる二つの分子が、フェロモンとして機能していることが判明し、どちらか一つでは機能せず、二つそろって初めて機能することも分かったそうです。

 研究の成果は嗅覚を用いたコミュニケーションや害獣対策への応用が期待されているそうです。

 ・・・命の危機が高まると繁殖能力が向上するという話を聞いたことがある方も多いかとは思いますが、ひょっとすると繁殖にも何らかの影響を与えているかもしれません。今後の研究も注視していこうかと思います。

2014年12月17日 (水)

爆弾低気圧

今朝は除雪車の音で目を覚ましました。
除雪車のプワーンプワーンって音とオレンジ色の光。

そんなに大雪になったのかと覚悟しましたが、想像以上でした!
なんと十勝の新得町では69センチの積雪。ET研究所ではおおよそ50センチはありました。snow


ET研究所への道

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雪のせいで車線がひとつしかありませんsweat01

除雪後の研究所牛舎前

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なんでも数年に一度の猛吹雪なんだそうです。でっかい台風並!外出禁止!表現に困るほどの危険な低気圧!などとニュースで報じられていました。bearing
明日はさらに吹雪くそうです、気をつけてください!

今日は雪のため若干開始は遅れましたが7時ごろから採卵を行いました。飛行機も遅延等あったものの、無事飛びチルド受精卵の出荷もできました。airplane よかった〜、一安心。


年内の採卵も残りわずかとなりました。需要に追いつくよう職員一同対応していきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

2014年12月16日 (火)

GATC

今回は、人の生殖医療について、記事を書かせていただきますflair


みなさんは、1997年製作のSF映画「ガタカ」をご存知でしょうか?

「ガタカ」とはGとAとTとC。

DNAの基本塩基であるguanine(グアニン)、adenine(アデニン)、thymine(チミン)、cytosine(シトシン)の頭文字のことです。


内容は、出生前の遺伝子操作により、生まれながらに優れた知能と体力と外見を持った「適正者」と、「欠陥」のある遺伝子を持ちうる自然出産により産まれた「不適正者」との間で、厳格な社会的差別がある近未来を描いた映画です。


その「ガタカ」が、近い将来、現実になるかもしれません。


12月14日の新聞記事に、「来年度にも受精卵検査を拡大 流産減に期待 批判も」

という、見出しが。

以下、記事の内容です。

「日本産科婦人科学会(日産婦)が、体外受精した受精卵の染色体すべてを調べて異常がないものを子宮に戻す「着床前スクリーニング」を、臨床研究として実施することを承認した。
来年度にも始め、3年間で結果をまとめるという。

 従来の受精卵検査は、重い遺伝病の子どもが生まれる可能性のある夫婦や、染色体の異常によって流産を繰り返している夫婦を対象に、原因となる染色体異常に限って調べていた。

新しい検査は、流産を減らすことや、妊娠率を高める効果を期待している。
調べる異常の範囲や、検査を受ける夫婦の対象が大幅に拡大する。ダウン症などの病気もわかり、「命の選別」につながるとの批判もある。

 認められた臨床研究の実施計画によると、対象は体外受精で妊娠しなかったことが3回以上あったり、流産を2回以上繰り返したりした女性。新しい検査を受ける300人と、検査をせずに受精卵を子宮に戻す300人とで比較し、子どもを得る確率が増えるのかを調べる。

朝日新聞社」

命の選別については、過去にも、このような記事があります。

「妊婦の血液からダウン症など胎児の染色体異常を調べる新出生前診断について、診断した病院グループは2014年6月27日、昨年4月の開始からの1年間に7740人が利用し、「陽性」と判定された142人の妊婦のうち、羊水検査などで異常が確定したのは113人だったと発表した。

このうち97%にあたる110人が人工妊娠中絶をしていた。

7740人が診断を受けたのは昨年4月から今年3月。

受診者の平均年齢は38.3歳で、妊娠週数は13.3週だった。出産時に35歳以上が目安となる「高齢妊娠」を理由に診断を受けた人が9割以上を占めた。

 受診者の1.8%に当たる142人が陽性と判定され、このうち126人が羊水検査などの確定診断を受けた。診断結果が「異常あり」だったのは113人。内訳はダウン症が70人、心臓疾患などを伴う異常は43人だった。

 113人中、人工妊娠中絶した人は110人を占めた。このうちダウン症の異常が確定した人が69人で、その他が41人。異常が確定した後も妊娠を継続している人もいる。

日本経済新聞」

以上の記事より、出世前診断で97%の妊婦が中絶している事実を踏まえ、着床前診断で受精卵の遺伝子検査を行うことで、中絶という女性の体の負担は軽減されるものの、今まで出世前診断では分からなかった病気が判明し、さらに命の選別が助長されるのではないかと、私個人は思いました。

命の選別だけではなく、「ダカタ」のように、倫理の枠を越えて、オーダーメイドベイビーも、近い将来あるのかもしれませんね。


2014年12月15日 (月)

12年間の凍結保存

高校2年生の時に血液のがんである悪性リンパ腫を発症した女性が、

がんの治療で生殖機能を失う恐れがあったため、

不妊治療施設で卵子2個を採取し、凍結保存を行いましたsnow

12年間凍結保存の後、夫の精子と体外受精を行い、

受精卵1コを女性の体に戻したところ妊娠し、今年8月に出産したそうですshine

近年卵子の凍結保存がかなり話題になっておりますが、

国内で10年以上凍結保存した卵子で出産したケースは珍しいとのことですflair

こうした生殖医療関係の記事は最近多く目につくようになってきましたeye

少しずつ進歩しているのも感じますねconfident

私達も繁殖に関する課題を少しずつでも改善できるようがんばって行きたいと思いますrock

2014年12月12日 (金)

呼吸器症の予防は

最近のニュースを聞くと、インフルエンザが大流行しているそうです。どうやら近所の中学校でも学年閉鎖になったところもあるとかshock
幸いインフルエンザはワクチンがありますので、よほど型が外れなければ予防することができます。
しかし、今年はインフルエンザだけではなくRSウイルスというものも流行っているようです。
成人が感染しても症状は軽いようですが、乳児などでは重症化するそうですので、小さいお子さんがいる家庭は心配になると思います。残念ながら人のRSウイルスにはワクチンがないそうですので日ごろの手洗いや消毒によって子供が感染しないように注意する必要があるそうですdanger

一方、牛ではRSウイルスという単語はよく聞くと思いますが、大きな問題になることは少ないように思います。
というのも、牛の場合はワクチンがありますのでワクチネーションをしっかりしていれば人のように大流行とはならないようです。今日も導入した牛にワクチンを接種しました。ワクチンの箱にはちゃんと牛RSウイルスと書いてありますね。また、ずっと研究所にいる供卵牛では抗体価が落ちている可能性もありますので、年に1回、追加で接種をおこなっています。きっとこれで今年の冬も万全でしょうshine

牛は大丈夫ですが、どうも研究所内インフルエンザのワクチンを接種していない人がちらほら…牛の前に人が倒れないようにしたいですね…bearing