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2020年11月

2020年11月 9日 (月)

11月2日リスト発信について

112日に凍結卵のリスト発信がありました!

個人的なおすすめはゲノム卵G6120×幸紀雄です。

この雌牛は枝肉形質のゲノム育種価だけでなく、採卵性も非常に優れています。母牛にするともしかすると繁殖性が良いかもしれません。

採卵性も中程度に遺伝する形質でありますので、採卵牛としても期待大ですよ!

また高育種価卵、R2518×美津照重。

供卵牛は北海道育種価でBMS542位ですが、それ以外にもロース芯面積(300位以下)、皮下脂肪厚(60位以下)、歩留基準値(200位以下)と他の成績も非常に優秀です!

詳しくはこちらのパンフレットをご覧ください。

さらにさらに特対卵!

百合未来豊奨菊は今回初供給です!

以前のブログでも紹介しているので、是非ご確認ください。

締め切り直前の更新となってしまい申し訳ありませんが、ぜひご検討ください。

楽々過排卵

採卵で受精卵がいっぱい手に入りますが、過剰排卵の処置って注射を何回も打つので大変ですよね。

この度、長期作用型のリコンビナントFSH製剤を使った採卵の報告があったので紹介します。

N.Sanderson and M.Martinez
A single administration of a long-acting recombinant ovine FSH (roFSH) for cattle superovulation
Theriogenology Volume 154, 15 2020, Pages 66-72

通常の8回投与とリコンビナントヒツジFSH(roFSH)の1回投与で比較しています。
結果は8回投与とroFSHの1回投与で回収(8.3 vs 13.7)ならびに移植可能卵数( 7.6 vs 10.3)に差はなし!
1回打つだけでいいなんて最高ですね。しかもリコンビナントなんでロット差とか気にしなくて良いでしょうし。(※正確にはhCGとかPGも投与してます)

きっと近いうちに商品化されるでしょうからその時は試してみたいですね。
ただ薬の承認がおりるのってすごい時間がかかるんですよね。
しばらくはアントリンR10とアントリンR10・Alのお世話になるしかなさそうです。

2020年11月 6日 (金)

受胎する卵としない卵の違い

受胎する卵としない卵の違いはなんだろう。
日々疑問に思うところですが、そこに切り込んだ論文が発表されました。
ついにやってくれた、と少々興奮気味です。
A.M. Zolini et al.,
Molecular fingerprint of female bovine embryos produced in vitro with high competence to establish and maintain pregnancy
Biology of Reproduction, 2020, 102(2), 292–305

何をしたかと言いますと、受精卵を真ん中で真っ二つにします。
一方をウシの子宮へ移植します。
そしてもう一方を使いまして、その受精卵から発現しているRNAの量を全て解析します。
その後、受胎したものとしなかったものでRNAに違いのあったところを比較するということをやっています。
簡単に書きましたが、RNAを全て調べるというのが技術、手前、機材、お金とたくさんのものが必要なので簡単にできるものではありません。これができるのはさすがアメリカ、さすがPJ Hansenです。

さて結果ですが、今回の解析により増えたもの、減ったもの含め617個の違いが見つかったそうです。
遺伝子1つ1つ比較してこれが影響する、すごいと言っていたものが600個です。
もちろん相関の強い因子もありますので、キーとなるものはもっと少ないですが間違いなく受精卵の品質評価は1歩前に進んだと思います。
ざっくり、しかもほんの一部ですが、trophoblastに関する因子が高い方が受胎しているようです。INFT、WBP1、TEAD4などを調べれば簡便な品質評価に使える可能性も出てきました。
あとはこれを基に影響する因子を増やす、減らす培養法を改善する取り組みも加速するでしょう。

今回の知見をもとに受精卵の品質がさらに高まる可能性は高いです。
この機に乗じて我々もさらなる高みを目指して頑張りたいですね!