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2014年8月

2014年8月29日 (金)

今年は冷夏?

8月ももうすぐ終わり、北海道では朝などは肌寒く感じられるようになりました。
そんな中、近年は猛暑の影響で本州以南の地域では牛に対する暑熱ストレスが大きな問題となっていますsun
我々としても大きな関心ごとであり、それに対する対策としてETの普及などをおこなっています。
そんな中、出張で九州へ行ってきたのですが、空港に着いて気付いたことは、暑くない…sign02
帯広を出発した時点で25℃くらいだったのですが、福岡はそれより低い22℃。現地の方に聞いてみると今年は異常気象だとか。過ごしやすいし、牛も調子いいよ、とのことでした。
きっと繁殖も悪くないのでしょう、来年の春は例年以上の産子が期待できるとともに牛乳の出荷も安定するかもしれませんtaurus

しかし、良いことばかりでないのがこの冷夏。家畜は良くとも農作物には大打撃とかshock
長雨と冷夏の影響でかなり発育が悪いようです。これから収穫の秋を迎えますが、今年は色々と厳しい面もあるのかもしれません。

2014年8月28日 (木)

不妊に梅が効く!!

和歌山市の産婦人科病院と和歌山県立医科大により、梅が人の女性不妊に効果がある可能性があると発表されました!!

(時事ドットコム 2014/08/28)

難治性の不妊患者19人に、梅酢を6mlずつ、2ヶ月間飲んでもらった後、体外受精を行ったところ、11人が妊娠したそうです!!

梅に含まれている「3,4-DHBA」という物質に抗酸化作用があり、加齢による卵子の酸化を防ぐ可能性があると考えられているそうです!

牛でも試せないか?と思い調べてみると、「大阪ウメビーフ」と呼ばれる牛が存在することが分かりました!!(大阪ウメビーフ協議会)

大阪ウメビーフは、梅酒の製造過程で生じる漬け梅を肥育に用いた和牛もしくは交雑種牛で、商標登録されています。

出荷前の6ヶ月以上、1日1kg以上給与するそうですが、嗜好性はかなりいいようです。

梅を肥育に用いた例ですが、繁殖和牛においても給与させることで、繁殖性の向上が期待できるかもしれませんねhappy01

2014年8月27日 (水)

9th International Ruminant Reproduction Symposium

~9th International Ruminant Reproduction Symposium~
第9回 国際反芻家畜生殖科学シンポジウムが8月25日から29日まで帯広市で開催されています。
反芻動物(とくにウシとヒツジ)の生殖科学の世界中の研究者が集まり、最新の研究成果について議論する場となっています。
研究開発室から4名参加させていただきました。

このシンポジウムのマークがかわいいんです。heart

Irrsprogram


ET研究所からは8月26日のポスター発表にて1タイトル参加しました。
研究成果をポスターにまとめ掲示し、これを使って研究の説明を行います。発表時間には自分のポスターの前で研究内容の紹介をしたり、質問に答えたり、アドバイスを頂いたりします。confident
写真はちょうど議論しているところです。sign01


Irrs


先週はずっと雨続きでしたが、今週は今のところ十勝晴れが続いていてよい歓迎になっているのでは!?sun
十勝の魅力たくさん知ってもらいたいと思いますbleah
学会は金曜日まで続きます。新たな技術開発のためにたくさん勉強してきたいと思います。

2014年8月25日 (月)

グループ行動

精子は卵子と受精するために

何億という数の精子とたった一つの卵子をめぐる競争をしていますrun

精子がこの競争に勝つには、スピードだけでなく、

いかに卵子の方向へ正しく移動できるかが重要になりますtyphoon

今回、精子は単独でいるよりも、

ある程度グループでいた方が正しい方向へ移動できることが分かったそうですflair

げっ歯類の精子の動きを顕微鏡下で観察し、その動きを数学的モデルで解析しました。

精子を単独~小規模なグループ、多数の精子が存在する大きなグループ、

その中間(精子が6~7個)に分けて調べていきました。

グループのサイズは小さすぎても、大きすぎても良くなくて、

6~7個の精子のグループがスピード自体は変わらないものの、

正しい方向へ向かうことですばやく移動できましたsign01

さらに生物種ごとに見ていくと、シカネズミの精子は近縁のハイイロシロアシマウスと比べて、

精子の形状は似ているものの、動きが早く、

適切なサイズのグループを作りやすいということがわかりました。

ハイイロシロアシマウスは 一雌一雄で、シカネズミはそうではないので、

シカネズミの精子のほうが他の個体との競合もあるので、

より激しい競争を勝ち抜くために適切なサイズのグループを作るように

進化したのではないかとのことでしたthink

なぜ6~7個の精子のグループだと適切な方向にいけるようになるのかは不明だそうですsign01

Proceeding of the royal societyで発表されておりました↓

http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/281/1790/20140296

2014年8月22日 (金)

新人研修と

今日も一日雨が降り、若干肌寒い日でしたrain
本州ではまだまだ暑い日が続いているそうですが、お盆を過ぎ早くも北海道では秋が近づいていそうです。
そんな中、全農の子会社である科学飼料研究所より今年入社した新社会人2名がET研究所にきていますshine
どうやら研修の一環で、北海道の畜産、とくに牛農家を見て回り内地と北海道の違いなどを勉強していくそうですtaurus
ちなみに今回来られた2名は初の北海道であり牛を見たこともあまりないとのことだそうで、すべてが新鮮な経験のようです。何に対しても目新しく反応が良いので我々も調子に乗って解説なんてしてしまいますねbleah
しかし何も分からないところから生まれる疑問というのも面白いものです。普段何気なく使っているものも、いざ質問されると自分もよくわかっていないもので、勉強せねばと感じることが多いですcoldsweats01
さて明日で研修も終わりですがあと一日、頑張っていきましょうup

2014年8月21日 (木)

アメリカの繁殖管理

 本日十勝青年獣医師会という十勝管内の若手獣医師を中心とした会合の勉強会があり、「牛の繁殖に対する治療困難な状況と現在わかっている解決策」という演題で、アメリカの製薬会社メルクアニマルヘルスのAndrew Skidmore先生からお話を聞かせていただきましたeye

分娩後の無排卵の重要性および対処法、リピートブリーダーについて、繁殖技術のサイクルなど、様々なお話を聞かせていただいたのですが、お話全体を通して、「日本とアメリカの繁殖管理における根底的な考え方の違い」を強く感じました。

 日本の酪農における繁殖管理の基本は、「発情をきちんと見つけて、授精する」ことであると思います。発情がこない牛などの問題牛がいた際は、都度現場において獣医師が頭を悩ませ試行錯誤しながらホルモン剤等の処置を行っています。

 一方日本よりも規模がはるかに大きいアメリカでは、日本以上に繁殖業務の省力化が前提となります。そのため日本とは異なり、予め設けた生理的空胎期間以内に授精を行うこを前提とし、オブシンク法を用いた定時人工授精を行っているそうです。アメリカでは初回PG投与の14日後で再度PGを投与、その後12-14日目からオブシンクを開始するプレシンク法が一般的に行われているそうですが、この方法であれば、生理的空胎期間を70日と設定した場合、子宮卵巣機能が回復していない可能性も高い分娩後34日目からホルモン剤処置を開始することとなります。

 射つ注射の数もかなりの数になるわけですが、「木曜日は授精の日」といったように曜日ごとに作業を統一化して繁殖業務の簡略化を図っているわけです。

 頭数規模、薬価等、日本で行ってコスト的には合わないとも考えられます。直にお話を聞くことで、改めてアメリカの酪農の規模の大きさを感じられるいい機会となりましたconfident

 

2014年8月20日 (水)

夢は牛のお医者さん


全国各地で上映中!slate
獣医さん関係の映画やドラマは気になってチャックしちゃいますね。happy01
産業動物獣医師をテーマにした映画ってあまりないように思います。

~Story紹介~

1987年(昭和62年)。
新潟県の山あいにある生徒9人の小さな小学校に、3頭の子牛が入学してくる。
当時、小学3年生だった高橋知美さんは、病気がちだった子牛の世話を続ける中で、いつしか“牛のお医者さん”である獣医になる夢を膨らませてゆく。
親しんだ牛との辛い別れを経て、家族や周囲に支えられ、高校生活は親元を離れ勉強一筋。一途に夢を追い続け、故郷への強い思いを胸に挑んだ13.5倍の難関。
ペットではない“家畜”のお医者さんとなったかつての少女はやがて母となり、かけがえのない“いのち”と向き合いながら今日も戦っている。

十勝ではこれから上映予定があるようです。

映画HP:https://www.teny.co.jp/yumeushi/staff.html

2014年8月19日 (火)

勝手に性転換

先週、夏休みを頂き、実家に帰省がてら、さらに南下して、珊瑚礁の海へ潜って参りましたhappy01

浅瀬を探索していると、あちらこちらのイソギンチャクから、大きなカクレクマノミが威嚇してきます。

この威嚇してくるクマノミ、♂かと思いきや、実は♀なんです。

地元のインストラクターの話によると、クマノミは性転換するらしいです。

イソギンチャクの中には何組かのクマノミ夫婦が共同生活をしており、一番大きな♀が門番をします。
その♀が死んでしまうと、そのイソギンチャクに住んでいる♂の中で一番体が大きな♂が性転換をし、次の門番になるのです。


ファインディングニモの話はウソだったってことになりますね。

他にも♂→♀に性転換する生き物として、エビやエソ等、深海魚に見られます。

その理由として、深海で外敵に襲われる危険が少ない代わりに、同族魚種と出逢う確率も低いことから、より魚体が大きいほうが♀化して多く卵をもてるほうが効率がいいかららしいです。

逆に外敵が多い浅層や熱帯の海域では、外敵対策を優先してガタイのいいのが♂化、その代わりにハレムを形成して繁殖を効率化ってのを選択したわけですね。

例えば、ベラやハゼ科の魚は♀→♂へ性転換するみたいです。

とすると、カクレクマノミはなぜ亜熱帯浅層に生息しながらも、リスクの高い一夫一妻制、♂→♀化を選んだのか?
とても不思議です。


イソギンチャクとの共生って能力を先に獲得してたからですかね?


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↑人が近づくと、このように威嚇してくるんです。

2014年8月18日 (月)

氷結晶結合蛋白質に関する国際会議

1週間ちょっと前になりますが、「氷結晶蛋白質に関する国際会議」に参加してきましたsign03

参加と言っても一応口頭発表をするので、英語での発表ですcoldsweats02

人生初ですsweat01

とても緊張いたしましたwobbly

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あぁ、母国語が英語だったらなぁ~と何度も思いました(笑)

会場内は最終日ということもあってそんなに人数は多くなかったと思いますが、

色々な国の方々がいらっしゃってましたeye

それだけで圧倒されました(笑)

さらに壇上で発表している方々の饒舌なこと・・・(笑)

日本の学会発表の様子とは少し雰囲気が違って、

壇上を少し歩いてみたり、ジェスチャーが大きかったですねpaper

いやいや、非常にお勉強になりましたthink

そして度胸がついたような気がしますcoldsweats01

サポートして下さった方々に心より感謝申し上げます。

ところで話は変わりますが、

発表前には「腹が減っては戦はできぬ!」ということで、

気合を入れるためにおいしいご飯を食べてきましたrestaurant(すいません、ゆるして下さいcrying

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ここはあの仙台の有名店でございますflair

札幌に進出したんですねsign01

知らなかったですshine

おいしいご飯を食べて、良い経験をさせてもらって、

緊張のあまり倒れてしまうんじゃないかと思いましたが、(笑)

参加して本当に良かったと思いましたcatface

2014年8月13日 (水)

精子の記憶

おもしろい記事を見つけました!taurus

身の危険を感じると、その「記憶」は精子を介して子孫に伝えられる――。マウスを使った実験で、個体の経験が遺伝的に後の世代に引き継がれる現象が明らかになった。米国の研究チームが科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表した。

 実験は、オスのマウスの脚に電気ショックを与えながらサクラの花に似た匂いをかがせ、この匂いを恐れるように訓練。その後、メスとつがいにして、生まれてきた子どもに様々な匂いをかがせた。

 すると、父親が恐怖を感じたサクラの匂いのときだけ、強くおびえるしぐさをみせた。孫の世代でも、同様の反応が得られた。

 父マウスと子孫の精子のDNAを調べると、嗅覚(きゅうかく)を制御する遺伝子に変化の跡があり、脳の嗅覚神経細胞の集まりが大きく発達していた。これらの変化が親の「教育」によるものでないことを確かめるため、父マウスから精子を採り、人工授精で子を育ててその脳を調べると、同様の変化が見られた。

 生物の遺伝情報はDNAに刻まれて親から子へ引き継がれるが、生活習慣やストレスなど、後天的な要因で遺伝子のスイッチの入り方が変わることが知られている。研究チームは「今回の成果は、ある種の精神神経疾患の解明につながる可能性がある」としている。

マウス以外の動物にもあてはまるなら・・・gemini
種雄牛に優しくしておかないと、子どもがみんな人間嫌いになるってことでしょうか?


引用:朝日新聞デジタル 2013年12月4日
文献:Parental olfactory experience influences behavior and neural structure in subsequent generations
Brian G Dias, Nature Neuroscience(2013)doi:10.1038