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2014年3月

2014年3月17日 (月)

実験室のゆかいな仲間たち

今日は実験室のゆかいな仲間たちを紹介しますpaper

じゃ~~ん彼らの住みかですdownwardleft

Photo_2
そう、実験には欠かせないガラス器具君たちですよshine

これで実験に必要な培地を作ったりしていますwine

作る量とか入れる物質によって使い分けるため、たくさんの種類・大きさがそろっておりますscissors

それでは~~~ビーカー一家です(笑)

Photo_3
父・母に3人の子供みたいですね(笑)

容量で言うと、左から30、50、100、200、500mlとなっています。

次はメスシリンダー一家の登場ですmotorsports

Photo_4
こちらの方が大家族ですねhappy01

左から25、50、100、200、500、1000mlです。

ビーカーにしてもメスシリンダーにしても100~1000mlくらいをよく使用するので、

一番小さいやつは見ててかわいくてしょうがないです(笑)

無性に欲しくなったりします。。。

そしてフラスコ三兄弟もいますよflair

Photo_5
・・・実はフラスコは四兄弟でして・・・一番チビちゃんを入れ忘れましたcoldsweats01

写真に載ってるのは1000、2000、5000mlですが、

一番小さいのだと300mlというのがいました・・・失礼sweat01

もちろん小さいやつはかなりかわいい感じですよ~wink

と、いうことで今回は実験室に欠かせないガラス器具を紹介させていただきましたnote

実験室の中はなかなか見る機会もないと思うので、少しずつ紹介していきたいと思いますgood

興味を持っていただけたら幸いですconfident

それでは、またお付き合い下さいcatface

「さよなら、さよなら、さよならpaper」・・・っと言いたくなる終わり方ですね(笑)

若い方には分かりませんよね(笑)

2014年3月14日 (金)

新しくなって1年

今日は今年度12回目の十勝新ETシステムの移植日でしたrvcar
今更ですが、新ETシステムとは発情の同期化処置をおこない、その後のETを集中的におこなうET研究所の事業の名称です。
今年度は十勝地方全域を月1回に集約しておこなう体制をとりましたので、3月のETで今年度最後のETとなりました。

1年を通しての思うことは…とにかくたくさん移植をした、ということですsweat01
というのもH24年度までは十勝を4分割しての作業でしたので、今年度は単純に4倍の頭数を一度に移植しています。
また十勝での昨年度の移植頭数は800頭、これに対して今年度は1259頭でしたので単純に移植頭数が1.5倍も増加していますup
数字だけみてよくがんばった、と思ってしまった自分がいますcoldsweats01

来年度は十勝のみならず、全国で新ETシステムの普及拡大を予定していますshine
もっと大変にはなりますが1頭でも多く受胎させられるよう今年度の反省も踏まえ新たな年度に繋げていきたいですねhappy02

話は変わりますが、移植に使ったYTガンです↓

140314_162147

これ実は1回使用したら使い捨てなのですが、こんな調子でたくさん使っているのでなんだかもったいない気がしています…。外筒のみを取り出し、シース管を子宮内に挿入する際の中芯として使用することはありますが、こんなに大量には使いませんdown
なにか新たな使い道のアイデアありましたら募集中ですeye

2014年3月13日 (木)

フェロモンはオレンジの香り

先月末、雑誌Natureのニュースに、東京大学の研究グループによって、多くの雄のフェロモンの中から、雌の繁殖を制御する物質が特定されたという記事が載っていましたsign03

ニュース原文はこちら

 雄ヤギの香りは雌に排卵を引き起こすなど、繁殖能力を刺激することが知られていましたが、多くの研究者たちはこれが「プライマーフェロモン(雌のホルモン分泌に影響を与えるフェロモン)」であると考えていたものの、実際にこの「雄効果」を与える物質が何かは分かっていませんでしたgawk

 この研究グループは、まず吸着剤を含んだ自作の帽子を1週間雄ヤギにかぶせ、そこから芳香のある物質を回収し、18種の化学物質に分離しました。

 そしてその化学物質それぞれを雌ヤギに嗅がせ、脳内の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の活動を電気的に記録することで、繁殖能力に影響を与える単一の物質「4-エチルオクタナール」の分離に成功しましたbearing

 得られる産子のほとんどがAIもしくはETに由来する牛では、雌と雄が同居するような状況はほとんどありませんが、牛でも同様にこのような「雄効果」をもたらす物質が特定できれば、繁殖能力の向上に寄与するかもしれません。

 ところで、この新たに見つかった物質「4-エチルオクタナール」はオレンジの香りがするらしいです。

確かに爽やかな柑橘系の香りをまとった男性はもてそうだなーと思うのはわたしだけではないのではないでしょうか?人の領域でもこんな素敵な物質が早く見つかってほしいなーと思いますsign03

2014年3月12日 (水)

さよならだけが人生さ 

この時期は出会いと別れが多いものです。

先週ご紹介した、岩手から研修でこられていた方も昨日帰られました。

http://etken-blog.lekumo.biz/et/2014/03/post-7470.html

最後に、私が採卵した牛で、非常に頚管にクセのある牛がおりましたので

薬注やっていただきました(卒業試験?)。

外口部が突出してしかも頚管が曲がっている感じでしょうか。。

時間はかかりましたが無事クリアされました。

岩手でもがんばってください。

Dscf2818

 

 

 

2014年3月11日 (火)

わかさぎ

先日の日曜日に、ET研の若手の職員でワカサギ釣りへ行ってまいりましたpisces

釣りスポットはET研の近くにある糠平。(スキー場、温泉の名所としても有名ですよね)
朝9時に着いたのですが、すでに湖の上は釣り人でごった返しております。

釣れるかな…?と不安に思っていましたが、いざ釣り糸を湖に落とした瞬間、釣れる釣れる。

昔は早朝からよく釣りに行っていたのですが、その時のわくわく感が蘇ってきました。
寒さを忘れ、ひたすら釣りまくること3時間…dash

結果は、一人20~30匹釣れ、最後にから揚げにして皆で美味しく頂きましたtaurus

Karaage

自慢ではないですが、私は学生時代に釣り雑誌に取材されたことがあります。
その記事の見出しが「女性の釣り師も急増中~山ガールの次は釣りガールか!?~」。

ということで、上士幌女性釣り部員、絶賛募集中ですscorpius

2014年3月10日 (月)

ドラクエ?

マウスを用いた試験で、雌の子宮には精子の受精能を高める働きはなく、

逆に精子を殺して排除しようとする働きがあること、

精漿(精巣上体および精嚢などからの分泌物で構成される精液の液体成分です。)に

多く含まれているタンパク質「Seminal Vesicle Secretion2(SVS2)」は

精子の細胞膜を保護することが以下の試験により明らかとなりましたdownwardleft

SVS2を欠損させた雄マウスの精子は、野生型の雄と同様に体外受精では

高い受胎率を示しましたが、自然交配では産仔がほとんど得られなかったのですwobbly

一方、同様の実験においてSVS2存在下では高い受胎率を示したことから、

SVS2は体内受精に必須な因子であることが明らかになりましたflair

電子顕微鏡で解析したところ、SVS2非存在下では、

精子は子宮内で細胞膜が破壊されて死滅していることが観察されましたdanger

また、子宮内液を回収して体外で精子に添加したところ、有意に精子の生存性が低下し、

精子が凝集する様子が観察されたそうですeye

これらの結果から、子宮内には精子を死滅させる液性因子が存在すること、

精漿中のSVS2はその因子から精子を保護する作用があることが明らかとなりました。

雄と雌による精子の攻撃と防御のバランスが子宮内での競合的な精子選抜を引き起こし、

これによって選ばれた精子が卵管で待つ卵子と受精するというわけですねgood

やはり精漿中には受精に重要な因子が多く含まれているのですねsign03

精漿を除去してしまっている凍結精液なんかはこのような要因もあって

受胎率が落ちるのかもしれませんねdown

精液中にSVS2が存在する場合、精子はSVS2を表面にまとって

子宮内でも生存可能になるとのことなので、SVS2をまとわせてあげることができれば

受胎率は上がるかもしれませんねup

SVS2という最強の鎧をまとった戦士にしなければ・・・

そして受精した精子は勇者ですねcrownshine

2014年3月 7日 (金)

研修お疲れ様でした

本日、全農の岩手県本部から研修にいらしていた獣医さんの送別会をささやかながら行いましたshine
研修という名目でしたが業務多忙のET研において、かなり多くの仕事を手伝っていただきました。
職員一同、感謝の気持ちでいっぱいですhappy01

岩手に戻ってもET研で学んだことが何かの役にたてば幸いです。
岩手といえばこの1年、移植頭数は急増しており、その業務の多忙さに驚かされますcoldsweats02(本場、他分場もかなり増加してますが)。

きっとこれからもET研を助けてくれると期待して、今後のご活躍をお祈りしておりますhappy02

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この左手でたくさん牛を妊娠させてくれることでしょうgood

2014年3月 6日 (木)

繁殖寿命を制御する遺伝子

最近興味深く読んだ論文をかいつまんで紹介いたします。

題:Loss of the pro-apoptotic BH3-only protein BCL-2 modifying factor (以下BMF) prolongs the fertile lifespan in female mice(和訳:アポトーシス促進性のBH3-onlyタンパク質であるBMFが雌マウスにおける繁殖寿命を延長させる)

著者:Seng H. Liewら

ジャーナル:Biology of Reproduction in Press. Published on February 26, 2014 as DOI:10.1095/biolreprod.113.116947

緒言:

女性の繁殖寿命は卵巣内に原始卵胞として貯蔵されている卵母細胞の数に影響される。

貯蔵されている原始卵胞で、発育したもののほとんどは退行し、実際に排卵までにいたるのはごくわずかである。

胎生期および出生後の卵巣発育における細胞死(アポトーシス)が卵巣内における原始卵胞数を決める重要な役割を果たしているが、個々のアポトーシス制御因子の役割はよくわかっていない。

 アポトーシス促進タンパク質の一つであり、精巣において生殖細胞のアポトーシスを引き起こすと考えられているBCL-2-modifying factor(以下BMF)が生体卵巣内で維持される原始卵胞数と繁殖寿命の長さの決定にどのような役割をもつかを調査するため、遺伝子改変マウスを用いて実験を行った。

方法:

・野生型マウスおよびBMF欠損マウス(以下BMF-/-)それぞれについて、日齢20、100、200、300、400、545で各6頭のマウスを使用し、卵巣を回収。鏡検し、卵胞数および退行卵胞数を計測

・20、150、300日で過剰排卵処理を実施、排卵誘起した後、卵管より卵子を回収し、卵子数を評価

・野生型とBMF-/-マウスそれぞれを野生型オスと同居させ、18ヶ月齢までの産子数、分娩頻度、産子の健康状態を記録。

結果:

BMF-/-マウスは

・原始卵胞数が野生型マウスに比べ、出生後20日目では変わらなかったが、100、200、300、400日で多くなった。

・退行卵胞数が20日目まで有意に少なく、以降の日齢では野生型と変わりなかった。

・過剰排卵処理により得られた卵子数は野生型マウスと変わらなかった。

・繁殖能力について:下表参照

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考察:本研究はBMFが成体の繁殖適齢期を通して卵巣内において維持される原始卵胞数を決定する重要な役割を果たしており、したがってBMFの働きを抑制することで、卵巣内に維持される原始卵胞数が増加し、女性の繁殖寿命を延長させることができるかもしれない。

 この報告はマウスについての報告ですが、牛でも同様の遺伝子改変動物が作出できるなら、産子数の増加が見込めるかもしれません。

 また、全農ET研究所では黒毛和種供卵牛に対し頻回のにわたる受精卵回収を行っています。採卵を繰り返し行っていくうちに品質の高い受精卵がほとんど回収できなくなってきますが、本研究と同様の形質を持った牛ならば、安定して長期間にわたり高品質の受精卵が回収できる事も見込まれます。

 調べた限りでは牛についてはまだBMFについての報告はないようですが、牛でも同様な遺伝子が見つかれば、高い繁殖能力を持った牛の選抜につながりうるかもしれませんね。

2014年3月 5日 (水)

ある高受胎率の農家さん

北海道のむかわ町で新ETシステムをはじめて2年が過ぎました。

その中で、私が移植した牛が全頭受胎している和牛繁殖農家さんが一軒あります。

いつも

「受胎率いいですね~」

と言っているのですが、先日訪問した際、何か変わった匂い。。

見ると餌用に大量の”ニラ”が。

20140214_090739
そこで農協の方と生産者と3人で

「ニラって牛にいいのかねぇ」

「冬場は免疫力つきそうですね」

「乳牛だったら乳がくさくなりそうだねぇ」

なんて会話をしていましたが、

実際のところどうなんでしょうか?

意外に高受胎率の秘訣かも??

2014年3月 4日 (火)

黄体の成長

岡山大学の環境生命科学研究室の奥田潔教授らの研究グループは、卵巣中の黄体が、細胞の肥大のみではなく、細胞の増殖によっても成長することを、去年の12月に世界で初めて発表しましたhappy01

ウシの人工授精では、ホルモン製剤の投与で排卵の時期を制御していますが、黄体の成長期には効果が見られないため、成長期が過ぎるのを待つ必要があり人工授精の効率が低いことが問題となっていますtaurus

今回の研究で、黄体細胞の増殖が確認されたのは、活発な成長段階にある黄体のみであり、その後の黄体の成熟期においては増殖する黄体細胞は確認されていませんでした。

また、成長期および成熟期の黄体細胞における細胞周期調節遺伝子発現を調べた結果、細胞周期の進行の促進に重要な役割を果たすタンパク質「サイクリン」(細胞において細胞周期を移行させるためのエンジンとして働くタンパク質のこと。 サイクリン依存性キナーゼ(CDK)と結合して働く)が成長期に高い発現を示すこと、一方細胞周期の進行を阻害するタンパク質群「Cip/Kip ファミリー」(サイクリン-CDK 複合体に結合してその活性を抑制するタンパク質群のこと)の発現が成熟期に高い発現を示すことを明らかにしましたsmile


今回の成果は、黄体の成長期における黄体細胞の増殖と黄体形成過程のメカニズムを明らかにしたものであり、今後これらのメカニズムを詳細に調べることにより、成長期にある黄体機能を人為的に制御することが可能となり、人工授精効率の向上に大きく貢献することが期待されますhappy01

発表論文: Yoshioka S, Abe N, Sakumoto R, Okuda K. Proliferation of luteal steroidogenic cells in cattle. PLoS One, 2013, 8(12);
(doi: 10.1371/journal.pone.0084186)