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研究 Feed

2018年12月11日 (火)

ゲノム編集でどうなるの?

何かと話題の「ゲノム編集」

先日、

CCR5遺伝子を編集してエイズに感染しない赤ちゃんが生まれたとか?

家畜での研究も進んでいるようで、

「10 Predictions for the Future of Gene Editing in Livestock」
(家畜ゲノム編集の未来!)

https://www.agriculture.com/livestock/10-predictions-for-the-future-of-gene-editing-in-livestock

という記事を見つけました。

ざっくり紹介すると、

「角が生えない牛が作れるぜ!」

「暑さに強い牛が作れるぜ!」

「枝肉量が増えるぜ!」

「お腹がゴロゴロしない牛乳を生産できるぜ!」

「柔らかい牛肉を生産できるぜ!」

「いろいろな疾病にかかりにくい牛群が造成できるぜ!」

「雄しか生まれないようにできるぜ!」

「別の個体(動物)の生殖細胞が簡単に作れるようになるぜ!」

らしいです。

と、ここで思い出したんですが、

「別の個体(動物)の生殖細胞が簡単に作れるようになるぜ!」

に関しては我々、以前研究してました。

2年前ですが本ブログでも紹介してます。

「黒毛和牛にホルスタインの卵子をつくらせることに成功~異品種間で生殖細胞の置換技術を確立、牛での成功は世界初!~」
http://etken-blog.lekumo.biz/et/2016/04/post-cd17.html

ゲノム編集がポピュラーになるまで、

まだ先は長そうですが、

期待したい技術です。

2018年12月 4日 (火)

またまた問題!!!

最近の3記事、

「問題!!!子牛のOPUは何ヶ月齢からできるでしょう?」

「ヒント!!!子牛のOPUは何ヶ月齢からできるでしょう?」

「正解は???子牛のOPUは何ヶ月齢からできるでしょう?」

つながり問題!

「4週齢の子牛からOPUすると何個卵子が回収できるでしょうか!」

平均値をお答えください。

2018年12月 3日 (月)

人体実験 using カルニチン

最近お気に入りのカルニチン。

採卵牛に飲ませたいなぁと思っているところですが、

その前にヒトで実験しましょう。

カルニチンはダイエットサプリとして簡単に入手できます。

そこで今回は疲労度と脂肪燃焼効果を検証。

「方 法」

1,500mgのカルニチンを中年男性に経口投与後、

50キロメートルを走らせ、

疲労度、体重および体脂肪率を計測。

「結 果」

体の疲労感はいつもより少なく感じた。

体重は走行前後で2.0kg減。

体脂肪率は2.0%減。

「考 察」

(たぶん、途中の買い食いのせいで)体重・体脂肪減はイマイチだったが、

疲労感の軽減にはほんの少し驚き。

しかしながら、次回はプラシーボ検証が必要。

ちなみに実験場所は、

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頑張ればまだ泳げそうな青い海、

Photo_4

サンフランシスコっぽい?

最西端の地でした〜

2018年11月26日 (月)

ATPはイイにおい!

先日、

「連続採卵による成績低下を抑制したいです」

で、

L-カルニチンが、

脂肪酸をミトコンドリアに運んでATP産生を。。。ということを書きました。

このATP、

魚類には非常においしそうな<におい>がするそうです。

以下の動画で一目瞭然。


YouTube: ATPのおいしそうな匂いに誘われて / ATP attracts zebrafish

おもしろい!

ATPに魚が引き寄せられ、

餌を探す行動をとってます。

この発見によって、

今後は養殖魚の餌にアデノシンを混ぜて低コスト化するなど、

水産分野での貢献が期待されてます。

なるほど~。

身近なところでは、

釣り餌に混ぜて売ってほしいですね。

サビキのアミエビに入れたり

ワームに塗りつけたり?

めちゃ売れそう。

しかしながら、この行動、魚類だけのようです。

畜産界でも個体の発育時期によって餌の食い込みをコントロールできるようになれば。。。ですね

さて、今回の実験の詳細は

An Adenosine Receptor for Olfaction in Fish

Current Biology

Wakisaka et al., 2017

をご覧ください。

2018年11月21日 (水)

連続採卵による成績低下を抑制したいです

通常、

連続的な過剰排卵処置で排卵数や卵子の品質は低下することが予想されます。

本日紹介する研究では、

マウスの飲み水に5 mg/mL L-カルニチンを溶かし経口投与しました。

その後、

5回連続で過剰排卵処置を施します。

結果、

カルニチン投与区の回収卵子数やその後の胚盤胞作出率は、

無投与区と比較して有意に高い値を示したそうです。

では、

なぜ?

遺伝子発現を調べるとカルニチンは卵巣へのストレスを軽減し、

卵子のミトコンドリアの機能を整えていることが明らかとなりました。

カルニチン!

ダイエット食品だとばかり思っていましたが、、
(脂肪酸をミトコンドリアに運んでエネルギー生産、いわゆる脂肪燃焼系)

うちの牛にもゴクゴク飲ませたいです。


このカルニチン、

野菜や魚にはほとんど含まれませんが、

牛肉にはたっぷりと含まれているそうです。

ということは、牛のカルニチン濃度には個体差があって、

これが連続採卵性に反映していれば選抜淘汰の基準に使えてイイですね。


マウスの実験の詳細は知りたい方は、

以下の論文を確認してください。

キレイなデータでした。


Effect of oxidative stress during repeated ovulation on the structure and functions of the ovary, oocytes, and their mitochondria.

Free Radical Biology & Medicine

Miyamoto et al.,2010

2018年11月18日 (日)

正解は???子牛のOPUは何ヶ月齢からできるでしょう?

自分で作ったパワーポイントを数えてみました。


この1年半、54か所で講演や勉強会を開催させていただいたみたいです。


今回の答えはその講演の中でいつも紹介しているので、


すでにご存知の方も多いと思います。


さて、


答えは、

4週齢(28日齢)でした〜


問題が何ヶ月齢?だったので、


0.93ヶ月齢ですね。


しかし、生まれて4週間の子牛から卵子を回収できるっていうのが驚き!


畜産業界はOPU-IVFを駆使して世代間隔がここまで短縮されてます。


世界的に見ると近年では「体内」受精卵より「体外」受精卵の生産数が上回っているようですし、


これもゲノム育種価の爆発的な普及が要因でしょう。

2018年11月14日 (水)

ヒント!!!子牛のOPUは何ヶ月齢からできるでしょう?

長友牧場様、
コメントありがとうございます!
今回は登記は考えず、試験的(物理的?)な問題です。

ヒント!!!
OPUは一般的に経膣採卵と和訳されますが、
経膣は無理な月齢です。
いわゆる腹腔鏡を使ってOPUします。

2018年11月13日 (火)

問題!!!子牛のOPUは何ヶ月齢からできるでしょう?

何ヶ月齢だと思います?

2017年1月31日 (火)

和牛の双子生産④ ~双子受胎牛の分娩成績~

和牛の双子生産、第4回目の今回は、前回お示しした、双子受胎牛の妊娠末期の栄養管理ごとの分娩成績を紹介します。

 

試験区が混乱しないように、前回記事のリンク先も示しておきます(和牛の双子生産③)

                  ↓↓↓

http://etken-blog.lekumo.biz/et/2016/08/post-5bc2.html

○試験区のおさらい

 

一定区

増給区

急増区

単子区

配合飼料給与量(充足率)

  分娩2ヶ月前~

  分娩3週間前~

 

3kg(100%)

3kg(100%)

 

3kg(100%)

6kg(130%)

 

1kg(85%)

6kg(130%)

 

1kg

3kg

母牛試験頭数

8頭

8頭

8頭

19頭

 

○分娩成績 ~妊娠期間~

・単子と比較し、双子はすべての区で妊娠期間が5日前後短縮されました。

○分娩成績 ~産出子牛頭数~

・増給区は比較的安定した分娩成績が得られました(子牛16頭中15頭生産)。

・一定区は最も死産が多く、栄養摂取量が不足していた可能性があります(子牛16頭中10頭生産)。

・急増区も死産が多く、配合飼料を1kgから6kgに急激に増給させたことが母牛へ影響を及ぼしたと考えられます(子牛16頭中12頭生産)。

・なお、本試験では5~7産の母牛を試験に用いており、ほぼ自然分娩でした。


 
  
  

○分娩成績 ~子牛の生時体重~

・単子と比較し、双子はすべての区で生時体重が5kg前後小さくなりました。

・なお、血統による差を防ぐため、使用した受精卵の種雄牛は1種類(増体系)に統一しました。

 
  
  

以上の結果から、双子受胎牛の妊娠末期の栄養管理を調整することで、

・死産を少なくすることができる

・妊娠期間や子牛の生時体重は変わらない

ということが分かりました。

このことから、死産を少なくし、多くの子牛を生産するためには、【増給区】を基本とした栄養管理が理想的であると言えます。

 

次回は、分娩後に気をつけたいポイントをご紹介します。


  
  
  
  
  
 
 
 

 
 

2016年8月16日 (火)

和牛の双子生産③ ~双子受胎牛の妊娠末期の栄養管理~

和牛の双子生産、第3回目の今回は、双子受胎牛の妊娠末期の栄養管理の考え方・試験内容をご紹介します。

◎妊娠末期の栄養管理

・繁殖母牛は太らせないことが基本ですので、分娩予定日の約2ヶ月前までは母牛を維持させる程度のエサの給与量で十分です。

・一方、分娩予定日の約2ヶ月前である妊娠末期に差し掛かると、胎子が急激に成長にするため、胎子の成長に見合った栄養分を給与する必要があります。『増飼』とも言われます。

・双子生産においては、この増飼がポイントになります。双子受胎牛のお腹には当然、2頭の胎子がいますので、2頭の胎子に見合った『増飼』をしなければなりません。

・必要な栄養給与量は「日本飼養標準・肉用牛」を参考にし、母牛の維持栄養量に胎子2頭分の栄養量を加えました。

「日本飼養標準・肉用牛」

http://jlia.lin.gr.jp/cali/info/standart/nikuusi.html

・なお、実際の給与量は母牛の体重、給与する配合飼料や粗飼料の成分値などによって変わってきますので、今回は配合飼料給与量の他に、日本飼養標準で設定されている栄養給与量を基にし『充足率〇%』という形で表します。

 

◎試験区の設定

〇一定区

・日本飼養標準の充足率が100%となるように、分娩予定日の約2ヶ月前から配合飼料を3kgに増飼し、分娩まで一定量の給与としました。

〇増給区

・当研究所の一般管理の中で、分娩予定日の3週間前からタンパク充足率が130%となるように、2段階の増飼を行うことで分娩成績が安定した事例がありました。

・そのため、増給区では分娩予定日の約2ヶ月前から配合飼料を3kgに増飼(充足率100%)、3週間前から配合飼料を6kgにさらに増飼しました(充足率130%)。

〇急増区

・増給区のような2段階の増飼を行おうとすると、分娩予定日の約2ヶ月前から給与量を変更するために別飼しなければならないですが、牛舎構造を考えると2段階の増飼は難しい、という農場を想定し、それでも最後の増飼だけはやってもらおう、と考えた区です。

・分娩予定日の3週間前までは配合飼料が1kgなので維持期と同等の管理です(充足率85%)。そして、分娩予定日の3週間前から増給区と同じく、配合飼料を6kgに増飼しました(充足率130%)。

〇単子区

・2卵移植を行いましたが、残念ながら単子のみの受胎だった牛は、単子区としました。

〇各試験区の配合飼料給与量と充足率を、以下の図に示します。

次回は、各試験区の分娩成績をご紹介します。