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研究 Feed

2019年5月12日 (日)

ゲノムで乳期生産量を予測する

Genome-wide association analysis and gene set enrichment analysis with SNP data identify genes associated with 305-day milk yield in Holstein dairy cows.

Anim Genet. 2019 Apr 17. doi: 10.1111/age.12792.

Clancey et al.の報告

乳期生産量って

よく305-day milk yield (305MY)などで評価されます

この生産量に関わる遺伝子は

「どこだ!」

っていう研究が上の論文です

もちろん、複数の遺伝子が関連していたわけですが、

今後のゲノム選抜がさらに加速するような内容でした

現在、サマリーだけしか読めないので

大雑把な情報となりましたが、、、

2019年5月11日 (土)

ゲノムで雄牛の受精能を予測する

Genomic prediction of bull fertility in US Jersey dairy cattle

JDS, 102, 3230-3240, 2019

Rezende et alの報告です

ジャージーの雄牛で

どれくらい受精するか

遺伝情報で予測できるようになったそうです

雄1,569頭のデータを使った研究

やはりというか、

カルシウムイオンに関する部分が結構影響してるみたいです

今後、和牛でも明らかになってくるでしょう

しかし、ジャージー雌の受胎能ってすごくないですか?

ホルスタインと遺伝的に何が違うのか知りたいです

2019年5月 9日 (木)

RNA干渉か~

みつばちのローヤルゼリーには

RNAが含まれていて、

これが幼虫の体に取り込まれる、

すなわち、血縁外に由来するRNAが体内に拡散しているということが明らかになりました

この機構を使ってワクチンを開発できないかと

The Gurdon InstituteのMaoriさんが考えてるみたいです

興味のある方は下の論文をご覧ください

フリーアクセスです

Cell Reports
A Transmissible RNA Pathway in Honey Bees
Maori et al.,

Cell_reports_graphical_abstract_new

(図は上記の論文より引用)

いわゆるRNA干渉なんでしょうか?

モンサント社がRNA干渉を使って農薬をつくっていると聞いたことがあります

RNA干渉スプレーを葉っぱにふりかけて、

それを食べた特定の害虫だけが死ぬと、、

RNA干渉で子牛用のワクチンもできればいいですね~

あと、卵巣の老化を防ぎたい!

2019年5月 7日 (火)

人工サイコロステーキ

少し前ですが、

日清と東大が共同で

牛の筋細胞を培養して、

サイコロステーキを作ることに成功しました

あまり肉肉しくないですが、

これ↓

0011

キャラメルのようです

我々が扱っている筋細胞を集めると

こういう色になるんだと勉強になりました

今回のポイントとしては

ビタミンC

添加で細胞の成長が促進されること、

コラーゲンゲル中で立体的に培養することらしいです

昔、人工肉でハンバーガーを作るととんでもない値段だったと記憶してますが、

現在の技術ではどこまで低コスト化されたんでしょう?

宇宙で生活ができるようになったら、

ステーションで大量培養して欲しいです

(写真は東大生研HPより)

2019年4月26日 (金)

性別を簡単にコントロール

Wired

なんだか

「WIRED」

の表紙がかっこよくて惹かれました

「くりすぱー」何とかと書いてます(笑)

ざっと読んでみると、

UC Davisの先生が

X染色体でSRY遺伝子が働くようにして

すべて雄化する!

とのことです

クリスパーは比較的簡単なんでいけるでしょうね

最近、研究に携わってないんで

世間からどんどん置いていかれている感じがします

(写真はWIREDより)

2019年3月12日 (火)

28,000年の時を超えて刺激を受けたDNA

1990年でした

液体窒素で凍結・融解を繰り返して

完全に運動能を失った「牛精子」

いわゆる死んだ精子を(学術的には死んでない、、と思います)

強制的に「牛卵子」に注入して

ETすると

子牛が誕生したことを聞いた

ある新聞記者が、

「永久凍土に眠るマンモスの精子を

見つけることができればマンモスが復活するのか?」

って質問したのが

マンモス復活プロジェクト

の始まりみたいです

その後、

クローン技術が大きく進展したため

このプロジェクトも体細胞を使ったクローン技術にシフトしていきました

というか、永久凍土からマンモスの筋肉が出てきたんで

体細胞をつかった研究が開始されたんでしょうね

昨日、

近畿大学がマンモスの細胞をマウス卵子細胞質に入れて、

卵割の手前までいきましたっていう論文を発表してました

マンモスDNAも突然の事でびっくりしたでしょうが

個人的には28,000年も氷漬けになっていたDNAに活(渇)を与える

卵子の能力

半端ない、、、不思議、、、

かなり難しそうですが、今後、

マンモスiPS細胞が樹立されればいいですね

今回の実験結果の詳細に興味のある方は、ココ↓

Yamagata et al., Sientific Reports, doi.org/10.1038/s41598-019-40546-1

2019年1月17日 (木)

牛IVF胚の受胎率はなぜ悪いんですか?パート3

http://etken-blog.lekumo.biz/et/2019/01/ivf-4743.html

過去ネタパート1  ↑

http://etken-blog.lekumo.biz/et/2019/01/ivf-71a5.html

過去ネタパート2  ↑

本日は過去ネタの内容を簡単にまとめた資料を紹介します。

Ivf

在庫など、不明な点はご遠慮なく

ivf.pdfをダウンロード

ファイルのダウンロードはココ  ↑

2019年1月15日 (火)

ウ◯コを食べます

凡人にはちとハードプレイです。

ウ◯コを食べる動物は、

やはりというか比較的少ないんですが、

ヒトに近いチンパンジーは下痢になると、

他人(他チンパンジー)のウ◯コを食べることがあるらしいです。

これで腸内菌叢が健康型に傾き、

下痢が治るんですね。

ヒトはというと、

4世紀ごろ中国で、

命が危ぶまれるような重度の下痢に対して、

健康なヒトのウ◯コを溶かして、

上から飲んだのが始まりみたいです。

この技術、実は最近でもやられてたそうですが、

ミキサーでウ◯コと生理食塩水をミックスすると

当然のことながら実験室に悪臭が漂い半端ないらしい。。

しかし、このお薬を、

(近代は)下から大腸入れると、

結構な確率で下痢が治まります。

これを上品に

「糞便移植」と言います。

感染症の問題とかなければ、

子牛や子豚でも使えるらしいですね。

牛の「胃液移植」も同様に菌叢を整えて、

食欲などを改善します。

この菌叢の研究(解析すること)を

「マイクロバイオーム」

と言いますが、なかなか熱い分野です。

例えば、

無菌で飼われたマウスに、

「太ったヒト」のウ◯コを与えるとどうなるの?

って研究がヨーロッパで行われました。

みなさんの予想通り、

ウ◯コ投与区マウスは無投与区と比較すると

同じ餌を食べているにも関わらず体重が増加したわけです。

で、研究では体重増に影響を及ぼした菌は何だ!

と同定するわけですね。

じゃあ、逆(痩せたヒトのウ◯コ区)は?

って話は次の機会に。。

ウ◯コダイエットって流行るかも??

2019年1月10日 (木)

牛IVF胚の受胎率はなぜ悪いんですか?パート2

http://etken-blog.lekumo.biz/et/2019/01/ivf-4743.html

「牛IVF胚の受胎率はなぜ悪いんですか?」はココ↑

じゃあ、どうするの?

の続きです。

最近、我々の業界では「タイムラプス」というマシーンが流行ってます。

これはIVF卵の培養機内にCCDカメラが組み込まれていて、

受精卵の写真を一定の間隔で何日も撮りつづけます。

たとえば20分に1回という頻度で1週間とか。

そして、

撮影した「きれいな胚盤胞」の写真を

パラパラと卵割初期から見ていきます。

すると、

「これは1細胞から3細胞にワープしてるから移植しない!」

とか、

「これは第1回目の卵割のタイミングがおかしいから移植しない!」

とか「きれいな胚盤胞」の中でも受胎しやすいものを選抜できるように。

この「タイムラプス」、

家畜の業界だけでなく、

近年は特にヒト生殖医療領域で広く使われるようになりました。

しかし、ここでも問題が浮上してきます。

少ないラボの職員で、

膨大な量の写真を確認する時間がない!

ということです。

そのためか、

「タイムラプス導入したけど、あまり使ってないね」

なんて聞いたりします。

なんだか、もったいない。。

じゃあ、どうしたらいいんですか?

我々、

流行りの「タイムラプス」を流行りの「人工知能」に観察させて、

受胎しやすい牛IVF胚を「人工知能」に選抜してもらおうぜ!

そして、卵割初期だけじゃなく、

ほかに受胎に影響を与えるポイントを「人工知能」に探してもらおうぜ!

っていうプロジェクトを進めてます。

ということで、

詳細はまた後日に。

2019年1月 3日 (木)

牛IVF胚の受胎率はなぜ悪いんですか?

牛IVF、素晴らしい技術です。

OPUを利用した育種改良にも拍車がかかります。

しかし、開発されて数十年が経過しますが、

(体内受精卵と比較すると)低受胎率、流産・過大仔の発生が改善されてません。

受精卵の培養液の改善も進み、

「きれいな胚盤胞」
を選抜してETしますがなかなか難しいのが現状です。

なぜ?

最近の研究で、

第1回目の卵割、

すなわち、2細胞期になる時間帯であったり、

その分裂した割球の大きさの比率(1:1に近いものが良い)

などが受胎率に影響を与えているという報告があります。

さらに、よく観察すると1細胞から

3細胞期や4細胞期に分裂するものがあります。

2細胞期を飛ばして。

この場合、染色体異常が生じます。

このような初期発生がおかしい受精卵も「きれいな胚盤胞」になってしまうんです。

この「きれいな胚盤胞」をETすると、受胎率が低かったり、流産が多発する。。。

じゃあ、どうしたらいいか?

ってのは次の機会に。

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします