島根再び
明日は道外新ETの移植があります
場所は先日PRIDinした島根県です
今朝採卵した受精卵を飛行機にのせて、只今島根へ向けて移動中です
移植候補はなんと41頭
これだけ大きな仕事となると今から気合いも入ります
話は逸れますが、今日は11月29日といい肉の日らしいです。お肉を食べて明日の作業を完璧にこなしたいですね
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明日は道外新ETの移植があります
場所は先日PRIDinした島根県です
今朝採卵した受精卵を飛行機にのせて、只今島根へ向けて移動中です
移植候補はなんと41頭
これだけ大きな仕事となると今から気合いも入ります
話は逸れますが、今日は11月29日といい肉の日らしいです。お肉を食べて明日の作業を完璧にこなしたいですね
今週鵡川町に同期化処置に行って参りました。
十勝から少し距離があるのもあって、新ETは年に数度のみの実施です、、
ごめんなさい。
鵡川の牛農家さんは田んぼ、畑もされている方が多いようです。
稲の収穫が落ち着いたところで実施させていただきました。
↑海に近いこともあって魚が干されてました。
今回の処置頭数は10頭、十勝から離れた道内でも
広がりを見せております。
先週とある新聞に授精後14日目の伸長胚(長さ0.5 mm以上)の一部を直接切り取り、性判別を行うという記事が載っていました。
方法は実体顕微鏡下でメスを用いて伸長胚の一部を切り取って雌雄を判別するというもので、従来法に比べ簡便にできるというものです。
実際にETも行っており、凍結保存した伸長胚3個を3頭に移植したところ、うち2頭で受胎し、1頭はすでに出産しているとのことでした。
残念ながら実際の移植方法等の詳しい情報は記事には記載されておりませんでしたが、個人的には「牛のETに用いるのは授精後7日目周辺の胚」という思い込みのタガが外され、衝撃的でした。
現在雌雄産み分け技術といえば性選別精液の人工授精やバイオカッター等で胚の細胞を切り出し性判別を行う方法等がありますが、いずれにしろ高価な機器や一朝一夕で身につかないような技術が必要です。
誰でも、どこでも、安くできるというポイントは現場に生きる研究を行う上で欠かせないものであり、そのポイントを抑えた上で視点を変えてみることの大切さを改めて感じさせられました
少し前にこのような題の映画が公開になっておりましたね
特殊能力(スペック)を持った人間と警察の戦い??のようなお話みたいですが。
(すいません、詳しく知りませんが・・・)
特殊能力という程ではございませんが、最近意外な能力が必要に感じることがありました
芸術センスです・・・
これが意外と必要なんですね。
例えば、スライドを用いてプレゼンをする際には美しく、
分かりやすいスライドの方が聞いている方に伝わりやすいと思います
地味にセンスが問われます・・・(上手な方はいつもすばらしいスライドを作ります)
何かの手順を説明するとき、写真があるととても良いのでしょうが、
写真がないときは自分たちでパワーポイントを駆使して図で表します
例えば・・・
ちょっと写真が見えにくいですが、
これは牛の受精卵の写真で、胚盤胞という発育ステージに達したものですが、
これを図で表すと・・・こんな感じでしょうか??
下手でごめんなさい
こうして丸や三角、四角などの図形を組み合わせて試行錯誤すれば、
色々なものを図で表すことができます
この業界にいるならばこれは受精卵ですと言えばステージは一目瞭然でしょう。
(で、あって欲しいのですが・・・笑)
先ほどの図はかなり簡素に示しましたが、
もっとやる気を出せば少々リアルな受精卵も図で作れます
ですから美的センスを問われることが意外と良くあるのです。
どんなお仕事でもそうだと思いますが、一見必要がなさそうなことも
求められることがあるし、いつも視野を広く持って様々なことを
学ぶ姿勢でいないと・・・と、そんなことを考えました
今週いっぱい、宮崎県の畜産公社のかたが研修に来られていました
公社では県ないの生産者の方から牛を預かり、受精卵を移植するそうでET研究所と似たところもあり、なにかを掴んでいただけたかと思います。
さて、少し宮崎県の情報を教えていただき、地域による違いというものを強く感じました。特に、使用させることの多い受精卵の血統がかなり違うことに驚きました。様々な情報交換ができこちらとしても勉強になりました
今週は新ETの移植ということもあり早朝から採卵続き、かつ北海道の寒さもあり大変だったかと思いますが、少しでもこの研修がお役に立てば幸いです
10月末でナイタイ高原は冬季閉鎖のため見れなかったので、写真だけでも貼ってみました
是非次は暖かい時期の北海道とナイタイへ遊びにきてください
先日14日、日本農業新聞に和牛受精卵2卵移植の記事が載っていました。
日本農業新聞11月14日の記事(クリックすると記事に飛びます)
これは黒毛和種経産牛の試験ですが、
双子を妊娠したのち、分娩2か月前までは母牛1頭分、
その後3週間前までは母牛と子牛の分、
それ以降は養分が3割増加するように給与をすると、安定的に
双子が生産できます、という記事です。
ただ双子を妊娠すると、単子に比べて1週間程度妊娠期間が短くなる傾向が
あるそうです(記事より)
先週この記事が出てきたころ、
栃木県にある、全農南那須牧場に来ておりました
ETのための選畜です。
この牧場では積極的に2卵移植を行っており、以前このブログでも紹介しました
(双子と単子)。
処置をしていた牛房のすぐ隣には、先日生まれたという双子とお母さん
お母さん牛が怖くて近寄れませんでした・・・お昼寝中の百合茂産子たち。
先日生まれたばかりであまり走り回ったりはしていませんでしたが、
非常にかわいかったので写真をとっていました。
・・・すると別分房が何やら騒がしい。
見渡してみると、なんと別の牛が双子を分娩しているところでした
無事に百合茂の双子がするっと生まれました
やはりこの牛も新聞記事同様、予定日より1週間ほど前に分娩したとのことです。
去年牧場の後輩から話を聞いたとき、まだ牛も若くて大変だったようですが、
最近は牛も経験をつみ調子が良くなってきたとのこと。
和牛生産基地として、これからもがんばれよ~
世間をにぎわすご当地キャラクター隆盛の流れにもれず、
畜産物を中心とする国産農畜産物の消費拡大を目的に、
JA全農の公式キャラクターが誕生しました。
その名も・・・
「おにくだいすき!ゼウシくん」です!
右は”友達”の「みの太」。
ちなみにゼウシくんは、「にくにくランド」という雲の上に浮かぶ王国の王子さま
という設定だそうです。
これからよろしくお願いいたします。
コンテンツサイトはこちら↓
10月に釧路で行われた人工授精師大会で、大変、気持ちが引き締められる内容の発表がありましたので、ここで簡単に紹介させて頂きます
人工授精受胎率に影響を及ぼす要因の一つとして、授精技術に関する要因が挙げられます。
全ての方は、授精を行う際に、授精器の先端がちゃんと子宮体部に入ったことを確認してから精液を注入されていると思います。しかし、精液注入直後、その授精器の先端がどの位置に来ているかを確認される方は少ないと思います
そこで、授精器の先端の位置がどのくらいずれるのかを、精液注入直前と直後にレントゲン撮影で確認を行った報告がありました。
以下にその結果を示します。
授精器の
先端の位置 注入直前 注入直後
授精師 自家授精 授精師 自家授精
子宮体 41% 37% 39% 29%
頸管 21% 29% 33% 40%
左子宮角 14% 12% 10% 11%
右子宮角 24% 22% 18% 20%
(Peters et al., J Anim Sci 1984, 59; 1671-1683)
授精師、自家授精ともに、精液注入直前と直後で授精器先端の位置がずれていることが分かります。さらに衝撃的だったのが、頸管にずれている割合が直前と比べて直後の方が約10% 前後増加しています。
このことから、体部へ注入しているつもりが、頸管内へ注入している可能性があることが伺えます。
この調査結果を見て、改めて授精時の授精器の先端位置確認をしっかりと行おうと気持を引き締められました。
オープンアクセス科学誌である「Scientific Reports」にこんな論文が投稿されました
性転換しないはずの魚である成熟したティラピアとメダカのメスに
女性ホルモンの生成を抑制するアロマターゼ阻害剤を長期にわたり投与したところ、
卵巣中に精子を作る精巣が現れ、精巣に置き換わることを確認したそうです。
これは雌雄異体の脊椎動物の成熟個体を
性転換させることに成功した初の例だそうです
このことから硬骨魚類の卵巣の中には卵巣にも精巣にもなれる幹細胞が
一生存在するものと考えられます。
また、女性ホルモンが低下すると生殖幹細胞が精子形成へと進行するものと考えられます。
さらに、メスからオスへと転換した精巣は正常に機能しており、
運動性のある精子を作り、卵と受精し、子供も作ることに成功しているそうです
さて、魚類以上の高等な生物でこのようなことは可能なのかという疑問を持ちますね。
しかしながら可能性は示唆される発表ですね
老化した卵巣・精巣も新品の(?)ものに変えることも可能かもしれませんね。。。
女性としては、「女性ホルモンが低下すると生殖幹細胞が精子形成へと進行する」
ここの1文を読むと少し恐怖を感じます・・・(笑)
まぁ今のところ魚での話ですよ