• Photo
  • Img_20240417_002617572
  • Img_20240402_212350667
  • Img_20240318_211517328
  • Img_20240221_220708341
  • Img_20240206_114426084_2
  • Img_20240206_114426084
  • Img_20240204_181933563
  • Img_20240123_132449550_hdr
  • Img_20240120_182129566

« 2015年8月 | メイン | 2015年10月 »

2015年9月

2015年9月30日 (水)

極体のゆくえ

作業中にいつもは気にならないことがふと気になることってありませんか?

染色した胚を観察中に、

P9300241


(この染色では細胞が青く染まり、死んでいる細胞は赤く染まります。)

ふと
この赤い細胞って極体なのでは!?と思いました。
(そういえば、染色をすると死んでる細胞が2個ってことが多い気がする、などの理由からです。)

卵子は成熟する際に第一極体を放出、さらに精子の進入により第二極体を放出し染色体が2nからnになる減数分裂がおこる。と教科書的には習いますよね。
でもその後の極体っていったい、どうなってんだろう?と思いました。

人に聞いてもあいまいな答えや知らないという回答しか頂けず。weep
調べても答えは見つかりませんでしたsweat02

もしかして極体のその後ってだれも気にしたことないのでしょうか!?


きっと
極体たちは壮大なミッション(減数分裂)を果たして、人知れず死んでいくのだと思われます。
そして赤く染まり、私に何か訴えていたのかなと思いました。think

何か分かれば続報として紹介したいと思います!good


2015年9月29日 (火)

佐賀からの研修生

今週の月曜から木曜まで、佐賀の畜産試験場から研修生が一名、ET研に来ております。


彼は佐賀県で、牛の受胎率向上のために、バリバリ現場で繁殖の仕事をしてます。

今回のET研への研修目的は、ET技術、採卵技術の向上のために、ET研がどういう取り組みをしているかの見学でした。

Image_3


↑ET研の若手職員と一緒に、供卵牛の選畜やったり

Image_4


↑上士幌のメガファームのパーラーを見学して、規模のでかさに驚いてました。

彼にとって、良い研修になれたのかな?
そう願います。


佐賀だけではなく、多くの都府県で、やる気のある若い技術者がどんどん育っていって欲しいです。


そうすれば、後継者不足、飼料高騰で悩まされる畜産業界も、明るい道が開けるんだろうなぁっと、思いました。

ちなみに、今日の佐賀県と上士幌町の気温差は、18度でした。


北海道は、着々と冬に向かってます。

2015年9月28日 (月)

ありがたみ

搾乳の役目を終えた乳用種は廃用牛として、年間約27万頭が処分されていますwobbly

肉用の子牛を産み終わった経産牛も約7万頭が処分されており、精肉売り場では、切り落としやひき肉となって並びますfastfood

そこで、最近廃用牛の価値が見直されているらしいのです。

ドライエイジングと言われる熟成肉の原料には経産牛や廃用牛が使われることが多いのだそうですflair

ブロックにした肉を1ヶ月ほど熟成庫で保存すると、肉の中にある酵素等の働きで肉の繊維(タンパク質)がゆっくりと壊れて、ペプチドやアミノ酸に変化し旨味が増すとともに肉が柔らかくなるそうなのですcatface

長く育てた牛ほど赤身にうまみが凝縮されているので、廃用牛のうまみを引き出すのに適した技術と言えますねgood

ところが、肉の提供者によって熟成方法がまちまちであるため、国が日本農林規格(JAS)での基準作りに向けて動き始めたようですよdash

機会があったらぜひ食べてみたいですねdelicious

生涯に10頭もの子牛を産んだ母牛がなお、人間の命の糧となる・・・

ありがたいことですねweep

2015年9月25日 (金)

職人!!

ET研究所には数多くの職人がおり,圧倒的に完成度の高い仕事により業務に不可欠な存在となっておりますsmile

本日は,胚操作用ピペットづくり職人の技を紹介したいと思いますshine

  

胚操作用ピペットは,その名の通り受精卵を扱うためのピペットで,回収した受精卵を選別したり,

ストローにつめたり,さらには研究業務においても欠かせない,最も重要なツールです。

おそらく一日のうち3分の1くらい,このピペットを口に加えているんじゃないかという日さえありますgawk

  

ET研究所ではこのピペットはとある職人の手により手作りされているわけですが,

これがかなり大変な作業なんです…

 

まず,ピペットの元となるガラス管を超音波洗浄して丁寧にすすぎ…

Img_1727
 

一晩かけて乾燥させます。Img_1730

 

その後は職人が一本ずつ火であぶりながら適度な太さになるまで伸ばし,使いやすい長さにカットするとともに,

受精卵を傷つけないよう,先を丸めます。

Img_1725
 

滅菌して完成です!

Img_1729
 

学生時代は私もこの作業を行っておりましたが,作るたびに太さがバラバラだったり,

作業中にやけどをしたりと,大変苦労していました…shock

ですのでET研究所に来て,大量のガラス管をものすごいスピードで均一な太さに伸ばす職人の技を

見たときには心から感動したものですconfident

  

私もいつか何かの職人になりたーいsign03

2015年9月24日 (木)

2015年9月19-20日開催の北海道ホルスタインナショナルショウにて豊富町佐藤さん所有の14歳のレスポアール レーガンスター ハーゲン号がグランドチャンピオンを獲得!!!

佐藤信夫さん、道寛さんグランドチャンピオン獲得おめでとうございます。

 

今までの乳牛共進会の歴史の中で、このような高齢牛が成牛部門(第15部)に参加することはありませんでした。道北地区予選を乗り越えて参加しただけでも脅威なことですが、15部1位と、シニアチャンピオンかつグランドチャンピオンにも輝きました。奇跡とも言えるこの快挙に、決定の瞬間、会場内に拍手が沸き起こりました。審査したカナダのカラム マッキンベン氏も人間で言えば100歳に相当するこの牛がこのようなすばらしい姿でここにいることが信じられないと述べていました。

 

本牛、レスポアール レーガンスター ハーゲン号は若かりしころから7回全道共進会に参加し、平成18年と19年には連続してグランドチャンピオンに輝いており、今回3回目の受賞となることも驚きに価します。

 

本牛は11歳時の平成24年5月に当方の十勝にある全農ET研究所に預けられ、過剰排卵による採卵を実施し、1回の採卵で29個の正常卵を回収、6個の受精卵性判別をランプ法にて実施し、3個の雌胚をETし3頭の受胎牛を得ることができました。そのうちの1頭は今回8部のジュニア2歳クラスにも出品されていました。

 

その後、ドナー本牛を当方で受胎させ平成25年7月に豊富にお返ししましたが、残念なことに妊娠中期で流産してしまいました。

 

本牛もすでに高齢なため、普通であればここで話は終わるのですが、佐藤信夫さんたちの信念と諦めない気持ちにはただただ驚かされます。平成26年5月に信夫さん本人がトラックでレーガンスター本牛を積んで全農ET研究所までこられて「この牛に日本最高得点(その時点で本牛95点)である96点を取らしてあげたい、本牛を見る限り、その可能性はあり、決して諦めたくないので、何がなんでも本牛を受胎させてほしいと」と強く要望されました。

 

本牛はその時すでに13歳でしたので、当方の不妊対策用繁殖プランを実行し、子宮洗浄から始まって、発情誘起プログラム、チルド保存精液による人工授精かつ1週間後にチルド保存精液で作出したF1体内チルド卵の追い移植を実施し、すんなりと受胎しました。その後、数回の妊娠鑑定を行い、単一の胎仔が確認でき、流産もなく妊娠を継続し、その年の10月に豊富に帰り、平成27年4月20日に正常分娩し、今回のエントリーとなりました。

 

多くの酪農家の方々はもとより、我々みたいな繁殖技術の専門家にも佐藤さんご一家から「決して夢を諦めてはいけない」ということを目の前で教えていただいた気がしております。

 

本当にありがとうございました。

Image1

2015年9月18日 (金)

学んできました!

宮崎で行われた第108回日本繁殖生物学会大会に参加してきました!

20150918_8_45_07

9月末だというのに宮崎はまだまだ暑く、日中は30度近くになりました…sweat01

至る所で南国の植物が生い茂っておりましたよ~。

20150920_9_10_30

 

この学会は私が学生のころから毎年参加しているのですが、最先端の生殖工学から臨床現場での研究まで、動物の繁殖に関する非常に幅広い知見が集まります。

大変興味深い発表が数多くあり、私も頑張らねば!と気合を入れなおしたわけですが、特にヒートストレスのシンポジウムから多くのことを学ばせていただきました。

暑熱に強い受精卵の移植は、ヒートストレス対策の救世主として活躍しているわけですが、なんと凍結融解した胚では新鮮胚と比較して暑さへの耐性が大きく低下しているとのことshock

流通している受精卵の大半は凍結胚ですので、これは大問題です。

ET研究所のチルド受精卵は夏場の受胎率が高い!と大好評をいただいているわけですが、こういう理由もあったのか…と納得ですconfident

 

また、もう一つ興味深かったのは、宮崎ではヒートストレスだけでなく、コールドストレスも問題になっているとのことsad

暑さ対策を重視した牛舎では寒さ対策が不十分な上、慣れない寒さに牛たちはストレスを受けるそうです。

確かに、夏場でも涼しい北海道においても、暑い時期には繁殖障害を始め多くの問題が生じます。

絶対的な気温だけでなく、突然の暑さや寒さなどの環境の変化こそが、牛にストレスを与えるのかもしれませんねtaurus

 

今回の学会で学んだことを生かしつつ、生産者の皆様の助けになるような技術開発を目指したいと思います!!

2015年9月17日 (木)

自分との戦い

 定期的に採卵を実施している当研究所では、採卵のスケジュールに合わせてあらゆるルーチンワークが発生します。

 担当者ごとに課される業務が決まっており、私の場合は日々ひたすら超音波診断器で和牛の生殖器を観察しつづけておりますeye

 中々スキルアップが実感しにくい仕事ではあるのですが、単位時間内にどれだけ多く牛を見ることができるか、そこが技術・診断力の見せ所となりますgood

 今日改めて一頭あたりの移動・牛の探索を含めた所要時間を計算してみると、去年この仕事を始めた時よりも1分半ほどタイムが縮まっておりました。

「感謝の超音波診断一万頭、一時間を切る!」

 そんな日は来ないと思いますが、自己の成長が受精卵の増産に繋がると信じて精進いたします。

 

2015年9月16日 (水)

性判別2

みなさん胚の性判別をご存知でしょうか?
ブログの記事で過去にも紹介したことがあります。confident

だいたいの研究所ではLAMPやPCRを用いて胚の性判別をしていると思います。
簡単に内容を説明すると、
胚の一部を切り取ってきて(バイオプシー)、そこからDNAを抽出します。
Y染色体(雄が持っている染色体)の特異的領域を検出することで雄と判定します。
LAMPとPCRともにDNAの抽出は必要不可欠なのですsign03

しかし~
今回はDNAを抽出しない方法で性判別をしてみました!
すでにキット化されて販売されているものを使用しております。clip
さてさて、どんな方法か簡単に説明します。

バイオプシーをするところまでは同じですが、DNAの抽出はおこなわず
バイオプシーした細胞片をスライドにのせ、それにY染色体に特異的に結合するもの(プローブ)をのせ、Y染色体をもつ細胞の一部を赤く光らせて蛍光顕微鏡で観察するというものです。
ようはオスだと赤い点が見えますflair

実際に画像をみてみましょう。book

Sexy_marge


青い部分が細胞の核です。ここにDNAがあります。
その上に赤い小さな点が見えます。これがY染色体がある部分です。

5検体ほど実施しましたがオスなのはこれだけでした。crying
性判別をやるときにはうまく判定がでるかはもちろん心配ですが、望んだ性別の胚が含まれているかが一番の心配ごとです。coldsweats01

2015年9月15日 (火)

ミラノ万博にナイタイ和牛

なんと!なんとなんと!
現在、ミラノで開催されているミラノ万博に、上士幌のナイタイ和牛が出品されることが決定いたしましたtaurus

以下、勝毎新聞より。↓

イタリア・ミラノで開催中の「2015年ミラノ国際博覧会」(ミラノ万博)の「北海道の日」(10月6~8日)に合わせ、ミラノ市内で開かれる関連イベントに、JA上士幌町のブランド牛「十勝ナイタイ和牛」がイタリアの政府関係者や現地の市民らに振る舞われる。

道内の牛肉で唯一、海外進出した実績から同和牛が選ばれた。
十勝が誇る高品質の牛肉を世界に売り込むチャンスとしても期待が高まる。


ナイタイ和牛はその前夜祭に当たる「北海道魅力発信セミナー&レセプション」(10月5日・在ミラノ日本国総領事公邸)で、現地の政府関係者や食産業関係者など出席者約50人にステーキとして提供される。

また、「北海道の日」と同期間中に他会場で開かれる「北海道フェア」にもPRブースが設けられ、現地の市民らに試食してもらう
 

私もよく実家にナイタイ和牛を送りますが、本当に美味しいと家族は喜んでくれます。
送った甲斐がありまさよね!

上士幌のふるさと納税の見返り品がナイタイ和牛になってます。


ぜひぜ、みなさん、上士幌にふるさと納税をよろしくお願いしますm(_ _)m

2015年9月14日 (月)

グラブ

日本人には馴染み深いスポーツの1つだと思いますが、みなさん野球はお好きですか~sign02

個人的にはプロ野球はそんなに見ないのですが、高校野球は意外と気になっちゃったりしますeye

プロの選手ももちろん頑張っているのですが、高校生が必死に戦っている姿を見ていると応援したくなりますhappy02

今、秋季高校野球大会が行われているらしいのですが、倶知安町の道立倶知安農業高校野球部の選手が自身で育てた牛の皮革から作った特製グラブで出場したとの記事が毎日新聞に載っておりました~coldsweats02

同校は黒毛和種13頭を飼育しており、世話はこの野球部の生徒を含む「畜産班」の生徒が行っているようですtaurus

野球部の監督が畜産の授業を担当しているので、「命の大切さと道具を大切にする気持ちを学んで欲しい」と考え、特製グラブの製作を始めたそうですconfident

1頭からグラブ6個が出来るそうで、この3年間で計16個を外部に発注して作製したそうですrock

価格は1個約5万円だそうdollar

この野球部の生徒は冬休みにアルバイトをして購入し、今夏から使用しているみたいですhappy01

な・・・なんだかとてもいいお話ですねweep

残念ながら試合には負けてしまったようですが、この生徒は「命の重みを感じながらプレーした。グラブの出来に負けないよう冬の間も練習したい。」と話してましたshine

農業高校の取り組みはすごいですよね~sign03

普通科高校では味わえないような貴重な体験をしてるなーと感じますし、レベルの高いことも行ってますよねhappy01

ここで将来の畜産の担い手が育成されるんだgood

がんばれsign03農業高校happy01