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研究 Feed

2013年6月24日 (月)

切開法

なんだか最近豚ちゃん特集でお送りしておりますpig

今日もいっきま~すrocknotes

卵巣から卵子を採取する方法としては、

注射器を利用して吸引する方法が一般的かと思います。

吸引するときは注射針を直接卵胞に刺すのではなく、

下の写真の様に卵胞から少し離れた所から針を刺して吸引しますdownwardleft

Photo

上の写真は牛卵巣ですが、牛卵巣は大きく、

卵胞と卵胞の間に隙間があるので、直接針を刺さないように吸引するのは容易ですgood

しかし、豚卵巣は以前ブログでも紹介しましたが、

卵胞がびっしりで突出したようについていましたsign01

おおげさに言うとキイチゴのようですかね~cherry

注射器で吸引すると卵胞に直接針を刺さなければいけないことが多いので、

卵子のロスが多そうでしたsweat01

と、いうことで今回は別の卵子採取方法を行ってみましたscissors

卵胞切開法(こんな名前でしたっけ?)

用意する道具

・メス

・鉗子

・ビーカー     などなど

まず、卵巣を鉗子でぐいっと掴みますhairsalon

下の写真のようにビーカーの上で卵巣についている卵胞を

メスで切開していきますimpact

Photo_2

少し卵胞液が飛びますが、なるべくビーカーに採取するようにしますbeer

最後に卵巣をじゃぶじゃぶと洗って終了ですtyphoon

Photo_3

さて、注射器で吸引した方と卵子の取れ高を比較してみたところ・・・

切開法の方が卵子の収量は2倍だったそうですup

注射器での吸引も実は熟練した腕がないと意外と取りこぼしが多いものですdash

手間がかかりますが、豚卵巣は特に切開法の方が

卵子の収量はアップするかもしれませんねflair

2013年6月17日 (月)

豚受精卵

先週ブログで紹介しました体外成熟培養後の豚卵子をその後体外受精しましたpig

さてさてうまく受精したかな・・・?

Day2

おーーーーっと卵割しておりますok

ご存じかもしれませんが、卵子は受精がうまくいくと細胞分裂していきます。

2細胞期、4細胞期、8細胞期・・・

どんどん分裂してやがて桑実胚というステージに達しますrock

桑実胚とは読んで字のごとくクワの実のように粒の集合体のようになりますcherry

ぶどうの粒を小さくした感じですかね?キイチゴの方が分かりやすいかな・・・

細胞数は16-32個程度で、細胞1つ1つが確認できるような状態ですeye

その後細胞1つ1つの境目が明確ではなくなり、キュッと締まって1つの塊のようになりますfullmoon

業界用語(?)では「コンパクションが起こっている」(小型化桑実胚)と言います。

Day5

・・・ん?ちょっとちょっとーdash豚ちゃん黒すぎですcoldsweats02

コンパクションが起こった胚をピックアップする作業をさせていただいたのですが、

長年牛受精卵を見てきた私でもただの黒い塊にしか見えず、

未受精卵と少し見分けがつかなかったですねwobbly

ふぅーーーーこれは難しかったですsweat01

その後順調に発育すると胚盤胞というステージに達し、

内細胞塊(胎子になる部分)と栄養膜(胎盤になる部分)に分かれていきます。

Expbl

順調に発育しましたね~scissors

ですが、いつも言っているように黒く、大量の脂肪滴(脂肪の塊)が認められ、

どこが内細胞塊か分からないものも多かったですねsweat02

牛受精卵の評価方法では非常に低ランクな胚ですdown

いや~つくづく牛と豚の受精卵は違うということを感じましたconfident

最後に牛胚盤胞の写真をどうぞcamera

Photo

いや~~、美しいですねshine(笑)

2013年6月10日 (月)

色黒です

先週のブログで豚卵巣からの卵子吸引と検卵を行ったと書かせていただきましたが、

検卵で集めた豚の卵子がコチラです↓

Photo

写真だと少し見にくいかもしれませんが、

牛の卵子よりも卵丘細胞(卵子の周りを覆っている細胞のこと)が

少ないように見えましたsign01

そして何より最初に思ったこと、それは

「黒い・・・newmoon

豚の卵子は脂質の含有量が多いため黒いというのは有名な話でしたear

しかし今日は人生で初めて豚の卵子を見ましたeye

今まで牛(豚よりは全然黒くないです)かマウス(かなり薄いです)しか

見たことがなかったのでその黒さに驚きですcoldsweats01

決して豚卵子をバカにしている訳ではありませんよsweat01

色黒も素敵ですよnewmoonshine・・・?

でも、牛で言うところの変性卵と間違えてしまいそうなほどの黒さsweat02

そしてこの黒さ(脂質の多さ)は豚卵子の欠点でもありますねweep

脂質の含有量が多いと低温に対して弱いのですsnow

そのため豚受精卵は牛受精卵と比較して凍結保存が困難とされていますshock

さてさて、牛の体外受精では卵巣から吸引した卵子を体外で成熟させるため、

体外成熟培養というものを20時間程度行いますnight

豚ちゃんでは体外成熟培養は40時間以上行うようですsign03

牛と比較して成熟培養時間は約2倍なのですね・・・長いことに驚きcoldsweats02

それでは成熟培養終了後の豚卵子です↓

Photo_2

相変わらず「黒い」のは置いといて・・・(笑)

卵丘細胞が膨化してパラパラになるんですね~flair

牛では少しモワァ~と膨化する程度なのですが。

このように同じ哺乳類でもその種によって様々な特徴があるのですね~wink

その種特有の物を掴んで研究に活かしていきたいですねgood

2013年6月 3日 (月)

豚ちゃん参上

先日ET研の実験室で豚の実験を行うために

上士幌種豚育種研究室から研究員の方が来られました~rvcar

上士幌種豚育種研究所とは↓

(手術の映像などが出てくるので閲覧注意です)


YouTube: 上士幌種豚育種研究所

普段牛ばかりなので、研究開発室メンバーは豚に興味深々ですeye

屠殺場から豚の卵巣をもらって来て、卵子を吸引して体外受精をするそうですflair

私としては豚の卵巣や卵子・精子を見たことがなかったので、

是非これを機会に目に焼き付けたいと思いますsun

・・・決して変態ではありませんsweat01

こういう仕事に携わる者としての純粋な興味からですよ、勘違いなさらぬよう・・・

さて、豚ちゃんの卵巣です↓

Photo

ちっ・・小さいsign03かわいい~~~~catface

そして卵胞が非常にたくさんついておりますcoldsweats02

さすが多胎動物ですpig

ちなみに牛卵巣はこんな感じです↓

Photo_2

卵巣を入れているザルの様な物は同じ物を使用していますので、

これで大きさの違いがお分かりかと思いますsign01

豚卵巣はこんなに小さいのに数十個の卵胞がついているので、

卵巣から卵胞がむき出しな感じでついていました。

今回は牛卵巣と同じ方法で卵子の吸引採取を行ったのですが、

もしかしたら卵胞を切開して卵子を採取する方が収量が多いかもしれませんねgood

吸引採取した卵子の検卵にはこのようなシャーレを使用していましたdownwardleft

Photo_3

・・・高級そうですねぇdollar

今回は豚卵巣から卵子を初めて吸引採取させていただきましたが、

もちろん検卵にも参加させていただきましたup

このような作業はいつもの実験で行っているのですが、

相手が変わるとこうも新鮮に感じるものなのか・・・shine

なんだかとても楽しかったですhappy01

これからも色々とお勉強させていただきますっrockdash

2013年5月31日 (金)

プロジェステロン製剤色々

新ETシステムをはじめ、牛の発情同期化に腟内留置型のプロジェステロン製剤はなくてはならないものになっている今日この頃です。

ET研究所では主にPRIDというプロジェステロン製剤を主に使用しています。

さて、ふと海外の文献をみるとPRID-Deltaなるホルモン剤があるようで、その効果をCIDRと比較していました。

結果はホルモン製剤挿入後4日までの血中P4濃度はPRID-Deltaのほうが高く、その後の授精での受胎率もPRID-DeltaのほうがCIDRより高い傾向のようですshine

1つ注意点ですが、PRID-Deltaは通常のPRIDと異なりE2のカプセルは付いていませんdanger

ということはこの効果の差はホルモン剤の形状によるところが大きいのかもしれません。ちなみにP4の含有量はPRID-Deltaが1.55gでCIDRが1.38gであるためこれらの違いがもちろん影響していると考えられます。

しかし、筆者らの考察ではPRID-Deltaの表面積が155cm2でCIDRの表面積は120cm2であり、腟内でホルモン剤が接する面積はそ30%以上PRID-Deltaが大きいことを指摘していますsign01

様々なプロジェステロン製剤が世の中にありますが、その形も様々です。今回はホルスタイン経産種牛ですが、それぞれの牛について、いったいどの形状がベストか獣医師が考える必要も出てくるかもしれません。

Priddelta            1           

 ↑  今回の文献で登場したPRID-Delta(左)とCIDR(右)。

 2_2            3

 ↑ ET研でも使用しているPRID(左)とオバプロンV(右)。

    210000005_cuemate_1            Cronipres2_2  

 ↑ その他海外ではcue-mate(左)やCronipres(右)のようなものもあります。

どちらも先端の部分が取り外し可能で、先端部のみ交換して再利用するそうです。

国内では見かけませんが調べてみると色々なタイプが製造されていることに驚きますねcoldsweats01

2013年5月18日 (土)

F1交雑種、やはり強し!

最近、ET研は若い衆が増えてきたため、

ブログを更新する回数がめっきり少なくなった私ですが、

休日を利用して更新するとなぜかカエルネタばかり。。。

413日更新もカエルネタ。。。)

さてさて、

近畿を境に東日本にはアズマヒキガエル、西日本にはニホンヒキガエル

という2つの系統のヒキガエルが生息しています。

最近、東京大学などの研究チームが東京都内のヒキガエル集団は

在来のアズマヒキガエルと西日本のニホンヒキガエルの

「交雑種集団」へと変化しており、

遺伝的な多様性や適応度が高く維持されていることを発表しました。

また、研究チームはオタマジャクシが孵化してからの日数と生存率との関係を

東京以外の関東エリアに生息するアズマヒキガエルと比較したところ、

都内の「交雑種集団」は明らかに高い生存率を示したそうです。

なるほど!

雑種強勢は、F1雑種個体が両親の特性よりも優れた形質を示す現象のことで、

動植物の育種改良法として広く利用されていますが、その機構は明らかになっていません。

今回の報告はその分子機構などを明らかにした論文ではありませんが、

F1交雑種、やはり強し!」と納得させられる報告でした。

話は変わりますが、

全農ET研では(上記報告を引用すると「強くて!」低価格な「F1交雑種胚(体内由来胚)」も取り揃えております。

「何とか、もう1産させて搾りたい」牛群などに是非ご検討ください。

また、夏場のヒートストレスによる人工授精(AI)の低受胎率を少しでも改善するために、

この「F1交雑種胚」あるいは「黒毛和種胚」の受精卵移植(ETを強くお勧めいたします。

右上ボタン「全農ET研究所TOPなどからお気軽にお問い合わせください!

2013年4月30日 (火)

ACEが受精に関係

今日は、春なのに結構な勢いで雪が降っておりますweep

十勝は大体GWくらいに夏タイヤに交換するのがいいと

言われておりますが、これでは怖くて交換できませんね。

と言いつつ、エイヤアと今週中に交換しようか思案中です。

話は変わりますが、今日の日経に、大阪大学の岡部名誉教授の研究に関する

記事が載っていました。血圧を調整するACEが受精に関わっているという研究成果が、

米科学アカデミー紀要に掲載されるそうです。おめでとうございますhappy01

こういった研究は、どのようなきっかけで始まるのでしょう。

ACEが血圧調整に関わるのは自分も大学で学びましたが、これが受精に

関わるというのは、すぐに発想できるものではないと思います。

だからこそ、この研究がすごいと思うのですが、研究のきっかけについて、

岡部名誉教授に是非聞いてみたいものです。

(誰かご存知でしたら教えてくださいcoldsweats01

2013年4月29日 (月)

研究開発会議

またまたこの時期がやってまいりましたcherryblossom

平成25年度 全農ET研究所 研究開発会議ですmemo

4/27(土)に開催でしたが、本所、全農飼料畜産中央研究所、

全農家畜衛生研究所、福岡畜産生産事業所から

会場であるET研究所までわざわざ足をお運びいただきましたairplane

また、新兵器「テレビ電話」により北日本、東日本分場の方々にも

テレビ会議でご参加いただきましたtv

ET研のメンバーも合わせると、総勢21名の会議となりましたsign03

テレビ会議は便利ですね~shine

しかし、相手方が声を発さず話を聞いてる状態だと、

きちんと聞こえているか、突然不安になりますね(笑)

「ん?ちゃんといる?聞いてる?」みたいな感じになりますcoldsweats01

しか~し、当然ちゃんと聞いてますのでご安心を(笑)

Photo

↑この写真はお昼を食べた後の会議前だったので、みなさん少しほっこり気味ですかねspa

研究開発会議は8:30~12:00まででしたが、

昼食を食べた後にもう1つ会議を行っておりましたcoldsweats02

さらに実験や現場作業がある方も会議後にもう一仕事行っておりましたsweat01

みなさん働き者ですrun

チーム一丸となって今年度もがんばりますpunch

2013年4月15日 (月)

キタ━━━━(゚∀゚;)━━━━!!

New Scientist(イギリスの週刊の科学雑誌)にこんな記事が載ったようですbook

「イスラエルのバイオテクノロジー企業が、哺乳類の卵子を凍結乾燥し、

室温保存を可能にする方法を開発した。」

なぬぬぬぬ∑( ̄Д ̄;)

この技術ではまず卵子をガラス化(高濃度の凍結保護剤を含む液で

急速凍結する方法。氷晶を形成せずガラス状の固体となるので、

細胞障害を防ぐことができる。)しますsnow

糖の一種であるトレハロースを含む溶液に浸漬し、

摂氏-55℃の低圧下で1日保存することにより、

卵子に残った水分が気化し、一種の粉末状になるそうですsign03

光や空気を遮断した環境であれば、無期限に保存が可能となりますrecycle

元に戻して受精・移植させたい場合は、水を加えるだけだそうですsweat02sweat02

すでにウシ卵子で成功を収めており、水を加えて戻した卵子の

30個中23個が受精可能であったことが確認されたと報じられていますcoldsweats02

さらにこの技術は白血球と幹細胞を用いた試験でも成功していますflair

PLoS One, doi.org/d4326g

卵子や受精卵の凍結乾燥ができれば液体窒素や

特別な保存設備が必要なくなり、保管や輸送が簡易化できますねhappy02

水をかけて3~5分待つ、インスタント受精卵の移植も

夢ではないかもしれませんnoodle

しかし、現在のところ戻した卵子が受精可能であることを

確認しておりますが、実際に受精はさせていないようなので、

きちんと受精し、発育していくかどうかが気になりますねthink

今後の動向に注目ですeyethunder

Photo

↑写真はウシの卵子です

2013年4月13日 (土)

口から子供が。。。

みなさんは「カモノハシガエル」をご存知でしょうか?

1980年代に絶滅したと考えられているオーストラリア固有種のカエルです

このカモノハシガエルの子育て方法、

かなりユニークなんです↓(閲覧注意!)

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2013031904

ちょっとしたショッキング映像ですね

まず、お母さんが産んだ卵を飲み込みます

その時点でお母さんの胃袋はその本来の働きを休止し、子宮のかわりに?

数週間後、おたまじゃくしを経てカエルに変態した子供が口から「ゲコッ」飛び出してくるそうです

お母さんの強い愛情を感じますね

現在、このカモノハシガエルをクローン技術で蘇えらせようというプロジェクトがオーストラリアで立ち上がっているそうですが、

なかなかうまくいかない様子。。。

口から子供が飛び出るところを見たいですね

こんな風に↓

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2013031907

プロジェクトチーム!がんばれー!