• Img_20240426_184454149
  • Photo
  • Img_20240417_002617572
  • Img_20240402_212350667
  • Img_20240318_211517328
  • Img_20240221_220708341
  • Img_20240206_114426084_2
  • Img_20240206_114426084

研究 Feed

2020年1月 8日 (水)

間葉系幹細胞(MSC)が卵胞を多くする?

国際受精卵技術学会、

IETSネタなんですが、

今年、牛の発表がめちゃくちゃ多いんですよ

どうしたんでしょう?IETS、、

さて最近のハヤリは、

家畜の幹細胞治療みたいです

ブラジルの研究者が

MSCを牛の右卵巣に注入して卵胞発育を観察してます

(その後、OPUで卵子も吸引してます)

対照区は左卵巣に生食のような無細胞の液を入れてます

結果は、

MSC注入がgood!

らしいです

そうですね~

牛って第1胃の配置のため

左右で卵巣にかかる圧力が変わってくるんじゃないかと考えてます

したがって、卵胞発育も左右で若干差があるんじゃないかと、、、

たまに、

「また右が排卵してる!」

とかありませんか?

なので、MSCを入れる卵巣は右・左をランダムに選んだほうが

もっと正確なデータが出たんじゃないかと思いました

OPUも右はうまく吸えるけど、左はちょっと、、、

ってこともありうるし

あと、別の研究者は

MSCを静注して乳房炎などにどのような影響を及ぼすか検討してましたね

なんだか、大家畜でも間葉系幹細胞がトレンド入りしそうです

勉強になりました~

2020年1月 6日 (月)

妊娠中の気温は仔牛の繁殖能に影響を及ぼす

あけましておめでとうございます

さて2020年1月になりました

1月といえば、

国際受精卵技術学会が開催されます

学会前ですが、

RFDのwebで講演要旨が読めます

さっと読んでみると

イタリアの研究者が

妊娠初期3ヶ月が暑い時期と重なってしまうと

生まれた仔牛の繁殖能が低下するという結果を発表してます

この研究では、

「暑い」

をTHI(温湿度指数)で評価してルンですが、

それが68以上になると暑いそうです

うーん?

日本では72までが快適だったはず

(80以上が暑い?)

地中海沿岸であればカラっとした気候なんでしょうか

とりあえず、

その土地(国)の気候での考慮が必要と思いますが、

暑い時期はお母さん飼養環境をしっかりと整えてあげましょう

研究の結果ですが、

暑いと

仔牛のAMHが低くなり、

卵胞数が減るようです

2019年11月28日 (木)

ウシもVRでストレス解消?

久しぶりに本場からです。

面白い記事を見つけたので、紹介します。

ロシアでウシにVRゴーグルを装着する試験が行われているようです。

https://www.cnn.co.jp/business/35146069.html

ゴーグルを装着すると夏の太陽に照らされた広大な景色が映し出されるそうです。

狭い牛舎で飼われているウシがのびのびした気分になれるのでしょうか。

実際に牛乳生産の改善につながったかは不明で、今後さらなる研究が必要となるそうなのですが、

不安の解消や気分向上といった効果がみられるようです。

能力の向上には遺伝的改良が不可欠ですが、実際の成績には環境要因も大きく影響します。

繁殖成績は環境要因が非常に大きく影響するので、飼養管理ももちろんですが、VRゴーグルでストレスを軽減すれば、回収卵数や高品質胚率が増えたりするのでしょうか。

今後の研究の進捗に興味があります。

2019年10月11日 (金)

クローン研究@JAPAN

世界初のクローン動物ドリーの誕生がNATUREで報告されたのが

1997年2月でした

当時は学生でしたが、

超ド級のインパクトを受けました

「ウィルムットがとうとうやったよ!」

と大学の恩師がNATUREをもって学生部屋に走りこんできたことを今でも覚えています

それから、

世界初のクローン「牛」が石川県で1998年7月に誕生したんですが(SCIENCE掲載)、

妊娠期間を逆算すると

すごい勢いでご研究されて成功したんだということがわかります

ここから日本ではクローンの研究が

ドーンと加速するわけですが、

当時は、石川県の他、

鹿児島県、大分県、北海道などの勢いがすごく、憧れの研究者が多く在籍していました

特に鹿児島県はNATURE BIOTECHNOLOGYなどにも論文が掲載されて、

私はそれだけで鼻血が出そうでした

その火付け役となった石川県のクローン牛「かが」が10月9日衰弱死したと各誌が報道しています

当初クローンはテロメア問題など取り上げられましたが、

「かが」は21歳まで生きました

ちょっと、しんみり

また、日本中でカーッと盛り上がる研究が見つかるといいですね

インパクト特大!

Photo

今日は農業新聞の写真で目が覚めました!

(写真はプロスワンより)

和牛をゼブラ柄にするとアブが退散する!

オリジナリティーあふれるご研究です

(愛知県と京都大学のご発表)

詳細はプロスワンに掲載されています

論文はココ

一般人はペイントに時間がかかるのでは?

と思いがちですが、

1頭5分で終了するそうです

匠の技

将来的にはAI(人工知能)を駆使して

プロジェクションマッピングで

ゼブラ柄にすると牛も完全ストレスフリーになるかもしれなせんね

スズメバチがたくさんとまってるプロジェクションマッピングだと

完全無敵になりそうです(笑)

見てる側にストレスかかりそうですが

ところで、

このペイントを施された和牛は

同居してる和牛にはどう映ってるんでしょうね?

牛は頭がいいので、

「あの娘、誰?」

的な感じなんでしょうか、、

しかし、久しぶり興奮しました

ありがとうございます!

2019年10月 8日 (火)

IVBってご存知でした?

IVG, IVM, IVF, IVCは

よく目にしますが、

IVBは「?」となりました

in vitro breeding

らしいです

Genome to Phenome: Improving Animal Health, Production, and Well-Being – A New USDA Blueprint for Animal Genome Research 2018–2027

という論文で見つけました

今後10年で家畜の研究は「こうなるんじゃないの?」って内容が示されているので

興味のある方は是非!

論文はココをポチってください

で、

IVBを図で示すと以下のようになるみたいです

Ivb

(図は上記の論文からお借りしてます)

まず、

〇ゲノミックセレクションで優秀な雄と雌を選ぶ

〇その精子と卵子で体外受精

〇受精卵からES細胞を樹立

〇ES細胞をゲノミックセレクションして超優秀な細胞を見極める

〇そのES細胞を精子と卵子に分化させる

〇体外受精する

〇ETする

〇優秀な子供をガンガン造成する

となってます

この系を3~4ヶ月で廻すぜって書いてます

血統更新が超高速になりそうです

しかし、10年後か~

真のおじさんになってるな~(笑)

2019年9月23日 (月)

レモン1個に含まれるビタミンCはレモン?個分

レモン1個に含まれるビタミンCはレモン何個分か知ってますか?

1個でしょ、と思った方、そうじゃないんです。

よく言うレモン1個分のビタミンCというのは20mg、だそうです。
で、レモンには100gあたり100mgのビタミンCが含まれるそうです。

じゃあ、レモン1個は何グラム?というと大体120g。

つまりレモン1個には120mgのビタミンCだから、レモン1個にはレモン6個分のビタミンCが含まれることになります!

何を言っているのか訳がわかりませんね。

実はレモン1個分のビタミンCという表現は、レモン1個分のレモン果汁に含まれるビタミンCの量から導き出しているようで、実際のレモンは皮とか種とか食べないところにもビタミンCが含まれることから上記のような訳の分からないことが起きるそうです。
果汁だけの人は1個分、全部食べる人は6個分のビタミンCが摂取できるわけですね。

さて、前置きが長くなりましたがビタミンCが繁殖に大事、という論文が今月のnature誌に掲載されました。
どう言った内容かというと、ビタミンC合成能を欠損したマウスを妊娠させて、その妊娠中の期間にビタミンCを給与した場合としなかった場合で、胎子の繁殖性を調べたそうです。
その結果、ビタミンCを与えなかったマウスの胎子は将来卵子や精子の素になる始原生殖細胞が少なくなり、繁殖性も低下したそうです。
つまり母親のビタミンCの摂取量(循環量?)がその子どもに影響したことになります。

ヒトは体内でビタミンCの合成ができなので、この結果は大きなインパクトを与えたように思います。

ちなみに、ウシは体内でビタミンCを合成できるので、そこまで大きな影響はないと思われますが、夏場などは暑熱により多くのビタミンを消費していると言われます。
親の繁殖は良かったのに、子どもがさっぱり受胎しない、というケースはもしかすると胎子期の栄養状態などに影響されている可能性も否定できませんね。

ウシ にレモンの皮を食べさせてる農家さんとかいたら、調査してみたいですね。

2019年9月16日 (月)

ぽん

面白い研究があったのでご紹介します。

黄色ブドウ球菌(SA)による潜在性乳房炎のマーカーとしての乳中&血中のPraoxonase1(PON1)が使用できる
原題:Paraoxonase 1 in bovine milk and blood as marker of subclinical mastitis caused by Staphylococcus aureus
(Research in Veterinary Science Volume 125, August 2019, Pages 323-332)

血中や乳中にPON1という抗酸化酵素があるのですが、その活性を調べると潜在性乳房炎の罹患の有無がわかるそうです。
潜在性の乳房炎ってみなさんどうしてるかわかりませんが、正直見過ごしてしまっているものの1つかと思います。
きっと知らず知らずのうちに生産性と繁殖性を落としていると思いますので、それが血液でもわかることはメリットかもしれません。

ただそれ以上に、今回出てきたPON1ですが、繁殖性との関与も知られているそうで卵胞内の濃度と血中PON1の相関もあるそうです。
そのほかにも脂肪肝、ケトーシス、卵胞発育、難産(分娩の前も後も!)でも影響するとか。

現場で色々使えそうですね。
PON1。名前も覚えやすですし。ぽん1。


2019年9月 9日 (月)

触り過ぎると?

新しい論文を眺めてましたら、ドキッとする内容を見つけました。
タイトルが”乳牛において学生の直腸検査が早期の妊娠喪失に与える影響”!?
(Journal of dairy science 2019)

いまだにこのような内容が議論されていることに驚くと共に、普段そう簡単に触診で流産なんてしないぞ!と聞いたり言いふらしていましたので恐る恐る読んでみました。

試験方法は、エコーで妊娠鑑定後、学生の触診群(羊膜嚢触診と胎膜スリップ)と無処置群で妊娠喪失率を比較!
その結果は…!?


有意差なし!

今後の仕事に影響しかねない。
と思いビビりましたが、とりあえず先輩方や自分の経験が勝利しました。

経験で物事を語ることも多いですが、意外としっかりデータを取っていないことも多いのかもしれませんね。今回は大丈夫でしたが。

学生(経験の浅い人)にも経験を積ませるために、どんどん触診してもらいましょう。

2019年8月28日 (水)

すんげ~のができました

癌のウイルス療法!

東大医科研のご発表

詳細はココ↓

href="http://http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/files/190827T-hIL12.pdf">

繁殖性を低下させる嫌われ者のヘルペスウイルスの悪いところ?を活用したすばらしい成果です

ヘルペスウイルスの特徴として

○あらゆる細胞に感染できる

○細胞殺傷能力が高い

○抗体がなかなか効かない

があります。

うん、いやらしい。。

遺伝子改変によって

癌細胞に感染するとウイルスを撒き散らして癌をやっつける、

(正常細胞ではウイルスをまかない)

さらに免疫細胞を誘導するよう設計されてます

嫌われ者のヘルペスが強い見方になるわけです

こんな研究にあこがれますね~

この原理で

牛白血病など厄介な病気の治療もできればいいんですがね