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現在、北米で流行ってる定時人工授精(TAI)用の発情同期化法ですね
今年の米国受精卵移植学会では、この発情同期化法でセッションが設けられています
以下に方法を示します
5日間という短い処置期間がポイントで、
CIDR抜去により卵胞が発育し、
エストロジェン濃度がタイミング良く上昇するため卵子の質を高めるよう
最近では7-day CO-Synch + CIDRより受胎性が高いと評判です
CIDRを抜去して72時間目のAIが適期(受胎率65~80%で、60時間目のAIでは57%に低下)
難点はPGの12時間間隔2回投与
しかし、本当によいものであれば、がんばりますね(合成PG製剤も2回投与が必要???)
私が知っている限り、「1 Shot PG法」に次ぐ簡単処置法です
シンプルでGood!
9月に入ったというのになかなか涼しくなりませんね
夏の暑さが厳しいことで有名な埼玉県の熊谷市では、
9/9で統計開始以来最長となる、48日連続の真夏日を記録したそうです。
道民からすると驚きの暑さです
しかし、こちら北海道も意外と暑さが続いています。
まだ昼間は30℃近くまで上がることもあります
話は変わりますが、ET研では食肉処理場に卵巣採取に行っておりますが、
・・・・・施設内とても暑いんです。
なぜなら
なぜなら
なぜなら
こんな格好してるから(血液が飛んできたりして汚れてしまうので)
さらにはズボンの裾を長靴に入れて、手首の裾はゴム手袋の中に入れて、頭はヘルメットで覆い、
完全防備です
施設内の窓は閉め切っており、クーラーもなく、熱湯を使うのでサウナ状態なのです
外の気温が高ければ高いほど、施設内の温度も上がっていきます
ちなみに施設内で働いている方達は半袖を着ております・・・
真夏は1人だけ地獄にいる気分でございます
明日は卵巣採取日ですが、涼しい1日になるよう祈っております
妊娠鑑定で少し不思議な例があったので紹介したいと思います。
本牛は発情から6日目の7月13日に胚移植をおこないました。
その後の8月15日(胎齢40日)に妊娠鑑定をおこなったところ下のような画像でした。
一見すると腔もばっちりで胎子も確認できますが、少し小さいような…。念のため翌週再鑑定をおこなうことにしました。
その1週間後の8月22日のエコー画像が下です
腔がさらに大きくなりました。胎齢47日。しかし胎子の形がはっきりしません
もし胎子が死んでいたのなら腔は大きくならないように思えますが…。
念のためさらに翌週
胎齢54日目。一週間前とほぼ変わらず…。胎子は死んでしまったのでしょうか?
またさらに翌週
これが今日のエコー画像です。腔が小さくなり、ようやく確信をもって胎子が死亡したと判断できました
この例のように胎子が死んでしまっていても(死ぬ直前?)、腔が日齢に応じて大きくなったり、その腔が60日過ぎまで確認
できることもあるようです。
いったいどの時点で胎子が死んだのかは不明ですが、40日目の時点で違和感を感じたことから胎子は既に死んでいたように思います
となると胎子は死んでも腔は大きくなる…。小さな命をどうにか繋ぎとめたい母牛の頑張りがこのような事象を引き起こしたのでしょうか?
そう考えるとちょっと切なくなる症例でした
昨日くらいからニュースになっているアメリカ産の輸入牛肉。 20 ヶ月齢以下から30ヶ月齢以下に緩和されると米国産牛肉全体の 9割をカバーするという。 今年度中には緩和がされるのではないかとか、 某牛丼有名チェーン店の株価が上昇など、様々なニュースが流れています。 アメリカでの月齢の管理方法、日本のBSE 検査体制、 OIEと日本とでの特定危険部位の違いなど、変わることはないと思うけど、 せめて議論にはならないのでしょうか。。 10桁耳標で管理されてる国産牛肉、もっと注目されればいいのに!!
先週、口蹄疫終息宣言から2年が経過したことに続き、
9月3日には宮崎産牛肉の対米輸出が再開したそうです。
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20120904ddlk45020604000c.html
口蹄疫のあと、原発事故などもあって海外への牛肉輸出は困難な状況でしたが、
国内消費が厳しい中、輸出再開のニュースはとても喜ばしいことだと思います。
ちなみに2年前の2009年、牛肉輸出先1番の国はご存知でしょうか?
私も知りませんでしたが、
ベトナムでした。
(2番が香港で、米国は3番目です。)
新興国への牛肉輸出もこれから拡大していくかもしれませんね。
↑上士幌は2番草の刈入れがほぼ終わったようです。
天候が良好だったのもあり、今年の牧草の出来は比較的良さそうです。
「Low numbers of ovarian follicles ≥3 mm in diameter are associated with low fertility in dairy cows」
Mossa et al., J Dairy Sci (2012)
Evans博士に論文をいただきました
いつもお世話になってます
たまには真面目な本業ネタをご紹介
【方 法】
306頭のホルスタイン種経産牛を供試して、
3mm以上の卵胞数が15個以下(少)、16~24個(中)および25個以上(多)で3グループに分類
卵胞数は発情日から平均して4.6日目(第1卵胞波)でカウント
次の発情周期でAIして受胎率を調査
【結 果】
分娩後最初のAIにおける受胎率は31%(少)、45%(中)および38%(多)(少と中の間に有意差あり)
繁殖シーズン全体で受胎率をみると84%(少)、88%(中)および94%(多)(少と多の間に有意差あり)
【感 想】
卵胞数が少ない牛の受胎率が低くなるとの報告です
AI前の発情同期化と併せて卵巣を確認することでその後の受胎性をおおまかに予想できそうですね
特に貴重な精子を使う場合の判断材料になりそうな。。。
また、高価な超音波装置(3mm以上の卵胞を調べているので結構小さいものまで見えてますね)がなくても
(ある程度、)卵胞数は卵巣の大きさに比例するので、
卵巣の触診のみでも同じような傾向がでるかも?
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卵巣の大きさで卵胞の多い少ないが判断できそうですよね(写真は屠場由来卵巣)
なんだか今日は夏らしく、怪談話のようなタイトルですが
先日仕事を終えて、会社を出ようとすると玄関の前で何かモソモソ・・・
暗闇の中でうごめく影、その正体は
ちょっと写真が暗いですが、わかりますか?
・・・・・・・・タヌキです
北海道にもいるんですね
人間がガラス戸を隔てたすぐそこにいるのに意外に逃げません
玄関を開けると、「おじゃましまーす」と言わんばかりに頭と前足を前に出して、
中の様子をうかがっていましたが、目の前に人間いますからっ
この日は3匹のタヌキがET研の玄関前に来ていました。
中に入ろうとしたのは顔を見るところ子ダヌキのようでした
あとの2匹は親ダヌキだと思いますが、タヌキ一家でこの日ET研を訪問したようです。
そして会社の明かりに寄ってくる大量の虫をむしゃむしゃと夢中になって食べておりました
↑虫をおいかけている様子
その後も何度か目撃情報もあり、どうやらET研周辺に住み着いているようです
仕事終わりの疲れを吹き飛ばしてくれたかわいい夜の訪問者でした