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生産 Feed

2014年7月25日 (金)

短角飼いはじめました

和牛といえば黒毛和種のことをいうことが多いと思います。
ですが和牛と呼ばれるものには他に日本短角種、褐毛和種そして無角和種があります。
これらは和牛と称されていますが、黒毛和種とは見たやも肉質など様々な面で異なっています。

最近ET研究所では試験的に日本短角種を飼いはじめましたflair
日本短角は現在の岩手県の辺りで飼養されていた南部牛にショートホーン種が交配されて改良の後にできた種らしいです。毛色が赤褐色であり、夏は放牧で、冬は牛舎で飼養される(夏山冬里)点が特徴的です。
東北地方の厳しい環境に適応するよう改良された品種のため、きっと北海道でもその能力を発揮してくれると見込んでやってきましたship
繁殖に関しても特徴的であり今では珍しく雄牛も放牧することで自然交配するそうです。そのため受胎性、そのほか連産性などの繁殖性も良く、さらに配合飼料がなくとも増体が良いなど経済的な種でもありますmoneybag

また日本短角はいわゆるサシの少ない赤身の肉ながら旨みがあるのが特徴であり、短角の故郷、岩手の人も絶賛していましたhappy01

こんな可能性に満ち溢れた日本短角種、今後の進展に期待ですshine

2014年7月17日 (木)

ホルスタイン優良受精卵のご紹介

本日、ホルスタイン優良受精卵のリストを更新いたしましたので、

ぜひご一読を!

ET研ホームページは → こちら より

本日ご紹介させていただく受精卵は、

エリザベスファミリーで数々のショウ歴をもつ

”ハイロード ダンデイー エピソード”に、”アトウッド”をかけた受精卵と、

母牛は2011年北海道ウィンターフェアでリザーブチャンピオンの娘、

”ハイロード チャーリー アリエナ ET”に、”シド”をかけた受精卵(バージンフラッシュ)

の、2種類となっております。

ハイロード ダンデイー エピソードの受精卵は残り1卵となっております。

受精卵の詳細などのリーフレットは、下記をご参照ください。

h260717.pdfをダウンロード 

2014年6月12日 (木)

もっと使おう!膣鏡!

 近年フリーストールの牛舎が増えてきたと言われておりますが、昔ながらのタイストール方式の繋ぎ外牛舎も多く見受けられます。人工授精にしろETにしろ、事前の発情観察はかなり重要であり、最も鋭敏な発情の指標は乗駕許容行動(ステンディング)の観察であるわけですが、繋ぎ飼いでは観察ができないため、その他の発情兆候からAI適期を見極める必要があります。

 繋ぎ飼いでもステンディング見たくバシっと分かる発情兆候の指標が知りたい!!そんなアナタのニーズにピシャリと答えるような論文が先日出されました!!

原題:Relationships Between the Appearances and Changes of Estrous Signs and the Estradiol-17β Peak, Luteinizing Hormone Surge and Ovulation During the Periovulatory Period in Lactating Dairy Cows Kept in Tie-stall

和訳:排卵前期におけるタイストール飼養乳用種経産牛の発情兆候の発現と変化およびE2ピークとLHサージおよび排卵の関連性

著者:Sumiyoshiら(東京農工大)

出典:Journal of Reproduction and Development Vol. 60 (2014) No. 2 April p. 106-114

材料および方法

供試動物:ホルスタイン種経産牛 10頭(平均3.8歳、2.3産、乳量約9.000 kg)

実験手順

・排卵から黄体退行開始まで2日置きに以下の項目を調査

・子宮卵巣の直腸検査および超音波検査

・血中E2濃度

黄体退行開始から次回排卵まで6時間おきに以下の項目などを調査

・子宮卵巣の直腸検査および超音波検査

・外陰部と膣の発情兆候(膣鏡)

・血中E2、LH、FSH濃度

外部兆候の強度について以下のようにスコア化した。

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主な結果

・ほとんどの発情兆候が血中E2濃度増加に伴い強まり、低下するにつれて減弱したが、外陰部の充血、粘液漏出については有用な観察結果は見られなかった。

・目視、直検査で分かる発情兆候(外陰部の腫脹、子宮の状態)と膣鏡で分かる発情兆候(頚管外口の状態、粘液粘度)に分けて解析したところ、どちらもE2濃度と相関があった。

・子宮膣部の弛緩の最大値は全ての牛で排卵前6-18時間であり、他の指標よりも明瞭に観察することができた

考察より

 過去の報告では牛の授精適期は排卵前6-24時間であり、子宮膣部の弛緩は授精適期を見極める最も適切な発情兆候であると考えられる。

 子宮膣部の弛緩と聞くと「?」となる気もしますが、膣鏡を入れた際に見える外子宮口周辺を囲む層状のしわの緩みを指しており、論文中には分かりやすい写真が添付されています(フリーでPDF落とせるので見てみてください!!)。

 「直検なんて当てにならん!俺は発情は膣鏡で見るんだ!」とおっしゃっている先生もいらっしゃるのですが、改めて膣鏡の有用性を感じましたconfident

2014年5月22日 (木)

7日にする?5日にする?

先日読んだ論文を掻い摘んで紹介いたします。

原題:Comparison of follicular dynamics and hormone concentrations between the 7-day and 5-day CO-Synch + CIDR program in primiparous beef cows

(和訳:初産肉用種牛におけるCO-SynchとCIDRを組み合わせた排卵同期化プログラムのCIDR留置機関7日間と5日間での卵巣動態とホルモン濃度比較)

著者:Bridges et al.

出典:Theriogenology 81 (2014) 632-638

緒言:分娩後および未経産の肉用種牛において既存の7日間CIDRを留置するCO-Synch+CIDRプログラムよりも、5日間に期間を短縮したほうが良好な受胎率が得られると報告されており、この2つの方法がそれぞれ卵巣動態およびホルモン濃度に与える影響について調査した。

方法:下図参照。定期的に卵巣動態を超音波で観察すると共に採血し、ホルモン(E2・P4)を測定。

Photo結果

Photo_2・7COでGnRH①で排卵しなかった群のみがPG投与後60時間までのE2濃度および12日間までのP4濃度が低くなった。

コメント

5CO処置による受胎性向上の根拠としてE2ピークへの影響およびPG投与後のE2濃度P4濃度へのGnRH反応性との交互作用を示しております。

7CO法は1週間間隔で行え実用的である上に、卵胞ウェーブや黄体のPGに対する反応性を考慮すると理にかなっているように見えますが、汎用性は5COの方が高い可能性があります。

2014年5月 1日 (木)

キスペプチンってどうなんよ?

 動物の繁殖に関わっている方ならGnRHを投与したことはおありかと思います。

 GnRHは排卵促進剤として主に用いられ、LHの一過性の過剰分泌を起こしたり、またFSH・LH双方の拍動性の分泌を引き起こす非常に大事なホルモンですが、このGnRHの分泌をさらに上位で支配しているのがキスペプチン(メタスチン)です。

 このキスペプチンが実際牛の繁殖で使えたりしないのかなぁと常々思っていたのですが、最近牛と同じ反芻動物で、一年を通して繁殖が可能であるシバヤギに、キスペプチンの治験薬を投与し、卵胞発育、黄体機能、生殖ホルモンの分泌に与える影響について検証した論文が出ました。

題:Ovarian and Hormonal Responses to Follicular Phase Administration
of Investigational Metastin/Kisspeptin Analog, TAK-683, in Goats

(和訳:メタスチン/キスペプチン作動性治験薬の卵胞期投与のヤギにおける卵巣と内分泌反応)

ジャーナル:Reprod Dom Anim 49, 338–342 (2014); doi: 10.1111/rda.12283

著者:Y.Goto et al.(東京農工大)

材料および方法:下図参照

Photo_2

結果:

・投与6h後のLH・FSH濃度が試験区で増加した一方、E2濃度は投与12時間後以降対照区が高くなった。

・排卵時期は対照区平均に対し試験区2頭で遅延し、1頭で早まった(もう一頭はデータなし)。

・排卵数に差は見られなかったが(対照区:4.7個、試験区:3.3個)、試験区の方が対照区より排卵した卵胞の最大直径が小さくなった(対照区:5.4mm、試験区:3.8mm)

・排卵②以降のP4濃度が試験区で低下した。

 個人的にはGnRHより上位の中枢を叩くことにより、より鋭敏に排卵性の刺激が誘引できるのかなぁと考えていたのですが、そういった結果は得られていないようで、むしろ投与後のE2濃度低下、排卵以後のP4濃度低下といったネガティブエフェクトが目立つという印象を受けました。投与量等まだ検討課題はあるかもしれませんが、生殖内分泌は一筋縄ではいかないということを改めて痛感した論文でしたthink

2014年4月17日 (木)

ホルスタイン優良受精卵のご紹介 ~フレデイX精液!!~

本日、ホルスタイン優良受精卵のリストを更新いたしましたので、

ぜひご一読をsign01

全農ET研究所のホームページは→こちらより。

本日ご紹介させていただく受精卵は、タイトルにありますように、

フレデイ”のX精液を使用して作成した受精卵です。

本牛”RCP フリシキール J シドニー” × フレデイーX精液

が血統となります。

また、母方の血統も、

祖母は2011年北海道総合共進会グランドチャンピオン

RCP チャンピオン J シドニー ET

曾祖母は2003年のローヤル・ウィンター・フェア グランドチャンピオン

デスポインテス ジエイムス シドニー

と、グランドチャンピオンの家系です。

もうちょっと写真とかも・・・というかたは、

09223.pdfをダウンロード

個数に限りがございますので、早いもの順ではございませんが、

一定の期間が過ぎたら下げさせていただきます。

ご了承くださいconfident

また、先々週販売しておりました

プラムオーチヤード スーパー レー ET × ゴールドチップ X精液

は、完売いたしました。注文をいただいた皆様、このリーフレットを見ていただいた皆様、

どうもありがとうございましたshine

08384.pdfをダウンロード

2014年4月 3日 (木)

ホルスタイン優良受精卵のご紹介~X精液使用!~

本日、ホルスタイン優良受精卵のリストを更新いたしましので、ぜひご一読をsign01

全農ET研究所のホームページは コチラ より。

本日ご紹介させていただく受精卵は、

2005年ワールド・デーリィ・エキスポでリザーブグランドチャンピオンを獲得した祖母、

8代連続でEXとなった母牛をもつ、ロキシーファミリーの

“プラムオーチヤード スーパー レー ET”に、

ゴールドチップのX精液を掛け合わせた受精卵です。

et.pdfをダウンロード

優良ホルスタイン受精卵は、期間限定の提示となっております。

早いもの順ではございませんが、一定の期間が過ぎましたらリストから下げさせていただきます。

ご容赦くださいconfident

2014年3月27日 (木)

嚢腫の牛のオブシンク

 最近場内で移植前の牛の黄体確認をする際に、卵胞嚢腫で移植を中止するケースがよくありますgawk

 GnRH等の排卵促進剤の注射一本で直ればいいのですが、それだけでは直らないケースも度々あるわけで、プロジェステロン除法剤を入れてみたり、様々な方法を試されている方も多いかと思います。

 文献をあさってみたところ、比較的簡単な方法で成果が認められた報告がありましたので、一部をご紹介いたします。

タイトル:Comparison of Two Different Programmes of Ovulation Synchronization in the Treatment of Ovarian Cysts in Dairy Cows(和訳:乳牛の卵胞嚢腫の処置における2つの排卵同期化法の比較、要約を一部省略し参照)

ジャーナル:Reprod Domest Anim. [Epub ahead of print]

著者:N Gundling ら

目的:異なる二つの排卵同期化法の卵胞嚢腫の治癒および繁殖機能に対する効果の検証

材料および方法

実験群:下図参照

Photo

*処置後20-24時間後に授精

供試動物:ホルスタイン種経産牛(群1、群2ともに65頭)

結果:下表参照

表1.初回処置による嚢腫治癒率(%)
群1 66.2%
群2 23.1

表2. 授精回数累積受胎率(%)
  1回目 2回目 3回目
群1 66.2 76.9 83.1
群2 40 50.7 60.6

*群2と対照区では差はなし。群1と群2で有意差(P<0.05)

妊娠牛1頭におけるコスト(ユーロ)
群1 352.44
群2 484.59
対照区 333.77

 以上の通り、嚢腫の治癒、それ以降の繁殖効率、さらにはコスト面においても良好な成績が得られています。試してみる価値はありそうですeye

2014年3月20日 (木)

第1ウェーブ>第2ウェーブ?

 牛の繁殖に携わっている方であれば、牛には1つの発情周期中に2-3回程度の卵胞発育の波(卵胞ウェーブ)があり、実際に排卵に至るのは後者だということは周知のことかと思いますが、最近この卵胞ウェーブについて、帯広畜産大学の研究グループより興味深い論文が出ましたので簡潔にご紹介いたします。

Evidence that the dominant follicle of the first wave is moreactive than that of the second wave in terms of its growthrate, blood flow supply and steroidogenic capacity in cows

(和訳:発育率、血流、ステロイド合成能の点において第1波主席卵胞の方が第2波主席卵胞より証明)

著者:三浦 亮太朗ら

ジャーナル:Animal Reproduction Science 2014 Mar;145(3-4):114-22

緒言

 第1ウェーブの卵胞は黄体が未形成の時期に発育を開始するが、第2ウェーブの卵胞は黄体形成後の高プロジェステロン(P4)環境下で発育し、ステロイド合成能、血卵胞への血流は第1卵胞ウェーブが高いという報告がある。しかしどの報告も第2ウェーブの開始時点が不明瞭であり、第1ウェーブと第2ウェーブの発育に与える相違点がはっきりと評価されているわけではない。本研究では第1卵胞ウェーブが発育し、黄体がしっかりと形成された後、排卵促進剤により第1ウェーブの卵胞を排卵させることで、その後の卵胞発育を高P4環境下で発育する第2卵胞ウェーブのモデルとし、卵胞の直径、卵胞への血流、ステロイドホルモン合成、卵胞発育に関わる遺伝子発現について評価した。

 

結果

 卵胞の直径は第1波が大きく、卵胞への血流は、第1ウェーブの方が血流量が多く、発育に伴って増加したものの、第2ウェーブでは大きな増加はなかった。卵胞液中のエストロジェンおよびその元となるアンドロジェンは第1ウェーブの方が多く、LHレセプターの発現量は第1波卵胞が多かった。

まとめ

これらの結果は第1卵胞ウェーブの方が第2ウェーブより活性が高いことを示している。

  この結果を見て最初に感じたのは、「だったら第1ウェーブ発育中に黄体退行薬を投与して排卵させればいいんじゃないか」ということでしたが、論文中の考察によると、卵胞発育中のP4濃度が低い場合、続く発情期間中の子宮内のPGF2αが増加してしまうなどして、第1卵胞ウェーブの受胎率は第2ウェーブに劣るそうです。一筋縄ではいかないものですねthink

 個人的には卵胞中の卵子そのものの活性にはウェーブによる違いはないのかなぁと気になりましたeye

2014年2月 6日 (木)

寒さと栄養状態

 最近の寒さ関係の話題が多いですが、昨日に引き続き寒さ関係の話題です(キリッ)!

 我々全農ET研究所の事業は「受精卵」で成り立っており、受精卵が採れなければ何も始まりません。

 我々に受精卵を提供してくれる黒毛和種の雌牛たち。彼女らの生産限界温度は-10~30℃らしいのですが、にも関わらず今日の上士幌の気温は何と-8~13℃!!このような極寒状態の中で彼女たちの栄養状態はどのような状況なのかを把握するために血液検査を行ったところ、以下のような結果が得られました。

Table1
 タンパク質の代謝を表すBUNが低く、血糖値(Glu)が高くなっています。

 恐らく餌にタンパク質が十分含まれておらず、かつこの寒さによって、ストレスを受けると分泌されるホルモン(コルチゾール)の働きにより血糖値が上昇したものと推察しています。

 検査する前は、体温を増加させるために血糖を消費しまくってるだろうから血糖値が下がって、かつタンパク質もエネルギー源として使われているだろうからBUNは高くなっているんじゃないかと想像していたのですが、真逆の結果となりましたcoldsweats02

 摂取した栄養分と生産のために消費した栄養分のバランスを診断する方法として代謝プロファイルテストと呼ばれる方法があります。今回はかなり簡易的なものですが、その奥深さを感じるいい機会となりましたconfident