今年の北海道牛受精卵移植研究会
は、3研究会(北海道牛受精卵研究会、東日本家畜受精卵移植技術研究会、
は、3研究会(北海道牛受精卵研究会、東日本家畜受精卵移植技術研究会、
先週長野にETしてまいりました。
今回は羽田からレンタカーで行ってまいりました。
首都高の渋滞にも少しだけつかまりました。
今回実施いたしました農場は全農長野県本部の八ヶ岳牧場です。
http://www.nn.zennoh.or.jp/milk/farm/main.html
HPをご覧いただければお分かりになるかと思いますが、
農場体験を年間10000人以上受け入れられており、
食育にも熱心に取り組まれている牧場です。
朝早くからご協力いただきまして、牧場関係者の方々
本当にありがとうございました。
これからも全農ET研よろしくお願いいたします
7月に更別で開かれるママチャリレースに参加することになったため、
5ヵ月ぶりに脚の筋トレを再開し、自転車での有酸素運動も行ったら、
すさまじい筋肉痛に襲われ、採卵場に入りたがらない牛たちを引っ張る時に
一人自分(の痛み)と戦う羽目になりました。牛達よ頼むから急に走り出すのは
やめてくれ
さて今月のデイリーマンの中の「獣医療の現場から」が大変面白かったのでちょっと
ご紹介します。GnRHは実際どのくらい効いているのか検証してくれております。
詳しいことは本文を読んでいただくとして、かなりざっくりまとめると、
GnRHを投与すると6割くらいはちゃんと効果が出ているようです。
投与してから10~22日後くらいにそこそこ発情兆候が
出ているようです。卵巣静止が疑われるときに打つ時は
「気休め」くらいの気持ちで打っておりましたが、考えを改めました。
とても勉強になりました。
先週ブログで紹介しました体外成熟培養後の豚卵子をその後体外受精しました
さてさてうまく受精したかな・・・?
おーーーーっと卵割しております
ご存じかもしれませんが、卵子は受精がうまくいくと細胞分裂していきます。
2細胞期、4細胞期、8細胞期・・・
どんどん分裂してやがて桑実胚というステージに達します
桑実胚とは読んで字のごとくクワの実のように粒の集合体のようになります
ぶどうの粒を小さくした感じですかね?キイチゴの方が分かりやすいかな・・・
細胞数は16-32個程度で、細胞1つ1つが確認できるような状態です
その後細胞1つ1つの境目が明確ではなくなり、キュッと締まって1つの塊のようになります
業界用語(?)では「コンパクションが起こっている」(小型化桑実胚)と言います。
・・・ん?ちょっとちょっとー豚ちゃん黒すぎです
コンパクションが起こった胚をピックアップする作業をさせていただいたのですが、
長年牛受精卵を見てきた私でもただの黒い塊にしか見えず、
未受精卵と少し見分けがつかなかったですね
ふぅーーーーこれは難しかったです
その後順調に発育すると胚盤胞というステージに達し、
内細胞塊(胎子になる部分)と栄養膜(胎盤になる部分)に分かれていきます。
順調に発育しましたね~
ですが、いつも言っているように黒く、大量の脂肪滴(脂肪の塊)が認められ、
どこが内細胞塊か分からないものも多かったですね
牛受精卵の評価方法では非常に低ランクな胚です
いや~つくづく牛と豚の受精卵は違うということを感じました
最後に牛胚盤胞の写真をどうぞ
いや~~、美しいですね(笑)
今日は4月に移植をした牛の妊娠鑑定に行きました
さて結果は…受胎率60%は超えていたのでまずまずといったところでしょうか
じつは最近ETの際に2卵移植を依頼されることがあります。
なぜ2卵移植か。まず2卵移植すれば基本双子が生まれます。つまり子牛の生産性は2倍です
また、胚が2つあることで、母体側の妊娠認識が強くなり受胎率の向上も期待されるとか
しかし良いことばかりではありません。
双子になればそれだけお産のリスクは高くなります。1説には単胎にくらべそのリスクは10倍とか…。
ただそのあたりも農家さんごとに向き不向き?があるようで難産ばっかりでもう嫌という方もいれば、普通に生まれるからどんどん2つ入れてくれと言われたりもします。
今回の農場ではあまりお産の事故はないようで、受胎率も70%弱なので概ね順調のようです。
子牛が小さいなど言われることもあり改善点はありますが、今後これらが改善されれば和牛の2卵移植を利用することで大きな利益を得ることも可能となるかもしれません
和牛というと、みなさんはいったいどんな牛を想像するでしょうか。
先々週の日経にこんなニュースがありました。
「川崎重工業は稲わらからバイオエタノールを低コストで製造する技術
を確立したと発表した」
まだ先の話でしょうが、稲わらが原油価格と連動してくる可能性も長期的には
出てきますね。FRBが緩和縮小ムードですので、足元原油価格は低めに推移する
のでしょうが、為替が円安に傾けば円ベースでは値上がりですから、これに稲わらの
調達価格が連動するとなると、畜産農家さんは今よりも為替感応度が高くなってしまいます。
安定した収益を上げるには、高付加価値の和牛!・・・と肥育農家さんが考えれば、
和牛育成牛価格は高めのまま続くのかもしれません。(←ただの想像です)
和牛の頭数を増やすときは、ぜひウチの受精卵を活用ください
ちょっと強引なまとめ方でしたね
先週のブログで豚卵巣からの卵子吸引と検卵を行ったと書かせていただきましたが、
検卵で集めた豚の卵子がコチラです↓
写真だと少し見にくいかもしれませんが、
牛の卵子よりも卵丘細胞(卵子の周りを覆っている細胞のこと)が
少ないように見えました
そして何より最初に思ったこと、それは
「黒い・・・」
豚の卵子は脂質の含有量が多いため黒いというのは有名な話でした
しかし今日は人生で初めて豚の卵子を見ました
今まで牛(豚よりは全然黒くないです)かマウス(かなり薄いです)しか
見たことがなかったのでその黒さに驚きです
決して豚卵子をバカにしている訳ではありませんよ
色黒も素敵ですよ・・・?
でも、牛で言うところの変性卵と間違えてしまいそうなほどの黒さ
そしてこの黒さ(脂質の多さ)は豚卵子の欠点でもありますね
脂質の含有量が多いと低温に対して弱いのです
そのため豚受精卵は牛受精卵と比較して凍結保存が困難とされています
さてさて、牛の体外受精では卵巣から吸引した卵子を体外で成熟させるため、
体外成熟培養というものを20時間程度行います
豚ちゃんでは体外成熟培養は40時間以上行うようです
牛と比較して成熟培養時間は約2倍なのですね・・・長いことに驚き
それでは成熟培養終了後の豚卵子です↓
相変わらず「黒い」のは置いといて・・・(笑)
卵丘細胞が膨化してパラパラになるんですね~
牛では少しモワァ~と膨化する程度なのですが。
このように同じ哺乳類でもその種によって様々な特徴があるのですね~
その種特有の物を掴んで研究に活かしていきたいですね
今朝の日本農業新聞によると、和牛の枝肉価格が昨年に比べ2割高だそうです
2010年の口蹄疫や2011年の東日本大震災の影響による素牛の減少がこの要因となっているようです。
とくに素牛の数は今後も減少予定のため価格も高値で推移していくことが期待されます
和牛の価格が高いことは国内の生産者の方々には喜ばしいことです。一方で価格の高騰は輸入牛肉への推移につながるため、楽観視はできません
それでも最近は素牛価格も上昇し、和牛繁殖農家さんからは景気の良い話もちらほら…もうしばらくこの状況が続いてほしいですね
探知できないプラスチック製の銃をも作れてしまうという
話題の3Dプリントですが、
最近医学分野での応用を報告したニュースがありました。
生体適応プラスチックを用いて気道のステントを作るというものです。
なるほど
獣医領域でも、骨折のインプラントに応用する試みなどが
検討されているようです
この3Dプリンターがあれば
新しい受精卵移植器の開発などにも応用できそうですね
危害を加えることも、命を救うこともできるとは
モノは使いようですね
先週の日経新聞にこんな記事が載っていました。
「インド、牛肉輸出世界一に」
インドってヒンディー教だから牛殺さないイメージでしたが、
神聖なのは「コブ牛」という種類で、酪農用には別に
水牛を飼っていて、その肉を輸出しているようです。
すごく意外でした。
その価格、なんとオーストラリア産牛肉の半額!
もし日本に輸出されれば、日本の畜産は大打撃・・・
かと思いきや、肉が硬いのだそうです。
ただし、需給が緩和されてアメリカ産牛肉の価格が
下がる可能性もあるようです。
こういった動きから、肉牛の生産は日本では高付加価値な
和牛にどんどんシフトしていくのでしょうか?
となると、和牛育成牛価格の上昇傾向は続いていくのだろうか・・・
と勝手に想像しています。和牛の頭数を増やしたい時は、是非
ウチの受精卵を活用してください
ちなみに硬いとはいえ、水牛の肉って食べたことないから気になります。
沖縄とか行けば食べられるのでしょうか・・・?
先日ET研の実験室で豚の実験を行うために
上士幌種豚育種研究室から研究員の方が来られました~
上士幌種豚育種研究所とは↓
(手術の映像などが出てくるので閲覧注意です)
普段牛ばかりなので、研究開発室メンバーは豚に興味深々です
屠殺場から豚の卵巣をもらって来て、卵子を吸引して体外受精をするそうです
私としては豚の卵巣や卵子・精子を見たことがなかったので、
是非これを機会に目に焼き付けたいと思います
・・・決して変態ではありません
こういう仕事に携わる者としての純粋な興味からですよ、勘違いなさらぬよう・・・
さて、豚ちゃんの卵巣です↓
ちっ・・小さいかわいい~~~~
そして卵胞が非常にたくさんついております
さすが多胎動物です
ちなみに牛卵巣はこんな感じです↓
卵巣を入れているザルの様な物は同じ物を使用していますので、
これで大きさの違いがお分かりかと思います
豚卵巣はこんなに小さいのに数十個の卵胞がついているので、
卵巣から卵胞がむき出しな感じでついていました。
今回は牛卵巣と同じ方法で卵子の吸引採取を行ったのですが、
もしかしたら卵胞を切開して卵子を採取する方が収量が多いかもしれませんね
吸引採取した卵子の検卵にはこのようなシャーレを使用していました
・・・高級そうですねぇ
今回は豚卵巣から卵子を初めて吸引採取させていただきましたが、
もちろん検卵にも参加させていただきました
このような作業はいつもの実験で行っているのですが、
相手が変わるとこうも新鮮に感じるものなのか・・・
なんだかとても楽しかったです
これからも色々とお勉強させていただきますっ
新ETシステムをはじめ、牛の発情同期化に腟内留置型のプロジェステロン製剤はなくてはならないものになっている今日この頃です。
ET研究所では主にPRIDというプロジェステロン製剤を主に使用しています。
さて、ふと海外の文献をみるとPRID-Deltaなるホルモン剤があるようで、その効果をCIDRと比較していました。
結果はホルモン製剤挿入後4日までの血中P4濃度はPRID-Deltaのほうが高く、その後の授精での受胎率もPRID-DeltaのほうがCIDRより高い傾向のようです
1つ注意点ですが、PRID-Deltaは通常のPRIDと異なりE2のカプセルは付いていません
ということはこの効果の差はホルモン剤の形状によるところが大きいのかもしれません。ちなみにP4の含有量はPRID-Deltaが1.55gでCIDRが1.38gであるためこれらの違いがもちろん影響していると考えられます。
しかし、筆者らの考察ではPRID-Deltaの表面積が155cm2でCIDRの表面積は120cm2であり、腟内でホルモン剤が接する面積はそ30%以上PRID-Deltaが大きいことを指摘しています
様々なプロジェステロン製剤が世の中にありますが、その形も様々です。今回はホルスタイン経産種牛ですが、それぞれの牛について、いったいどの形状がベストか獣医師が考える必要も出てくるかもしれません。
↑ 今回の文献で登場したPRID-Delta(左)とCIDR(右)。
↑ ET研でも使用しているPRID(左)とオバプロンV(右)。
↑ その他海外ではcue-mate(左)やCronipres(右)のようなものもあります。
どちらも先端の部分が取り外し可能で、先端部のみ交換して再利用するそうです。
国内では見かけませんが調べてみると色々なタイプが製造されていることに驚きますね
暑いですね
昨日から急に夏です。
今朝はあたりまえのように続いていた冷え込みが消えました。
朝くらいの温度でとどまってくれれば、春らしいすごしやすい
陽気なんですが、そこでとどまらず、今日も日中は汗ばむ陽気
になるのでしょう。春はいつ来て、いつ去っていったの?
先週、福岡の某団体の方々が上士幌の本場に研修に来られました。
福岡との温度差に驚いておられましたが、今週、研修に来ていたら、
そこまでショックを受けなくて済んだだろうに、と思います。
桜が今時期咲いていたり、山にけっこう雪が残っていたりといった風景
が珍しかったのか、沢山写真を撮影されていました。
来月は違う方々が研修に来られるということですが、その中に自分の
大学時代の同期が含まれているそうです
久しぶりに会えるのを、今から楽しみにしています。
昨日はET研メンバーで新人歓迎お花見&バーベキューをin上士幌にて行いました
天気も良く、絶好のお花見日和です
桜もきれいじゃないですか
う~~サイコーです
14名もの腹ペコさんが集合しましたよ
焼肉、焼き鳥、焼き野菜、海鮮焼き、焼きそば、おにぎり、フルーツ、デザート・・・
食べすぎでしょ(笑)
最近ご結婚された男性陣の奥様方もお誘いしましたら来ていただけました
本州から北海道へ引っ越ししてきた方もいたので、
北海道のあれこれをレクチャーしつつ(笑)、
ご近所さんになる方々もいらっしゃいましたので、仲良くしていただけたらな~と
交流の目的も含めてワイワイガヤガヤと楽しい会が開けました
ちなみにこの焼き台やみんなが座っているベンチは貸していただけて、
食材も注文すればここまで運んで来てくれますし、
炭の片づけもやっていただけるのですよ~しかも焼く場所は屋根付きですよ
上士幌にこんな場所があったなんて知らなかった~~~
今後も機会があればまたみんなでBBQしたいですね
例えば酪農で歴史年表を作ってみると、
「1年1産させるためには!」幕府時代
は終わりを告げ、
現在は、
「何とか、もう1産させましょう!」幕府時代
へと「あっ!」という間に移り変わってしまったような気がします。
これも近年の人工授精(AI)による受胎率低下がその要因となっているのではないでしょうか?
ニュースでは、夏季のフロリダのAI後の受胎率が5~10%と大きく落ち込んでいるようです。
また、九州や本州の酷暑期は、それに近い状況であるなどの話もお聞きします。
このようなAI後の極端な低受胎率を改善するために、
発情期のAIに続き、その7~8日後に受精卵移植(ET)を行う
「追い移植」が有効であると我々は考えています。
(注:「追い移植」は双子分娩の可能性があるため、細やかな分娩管理が必要となります)
ところで、この「追い移植」、英語ではどのような表現をするのでしょう?
「ET after AI」でググってもそれほどヒットしません。
ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
さてさて、
今日は「追い移植」が有効である理由を考えてみたいと思います。
まず単純に
①AI由来胚とET由来胚の2胚が子宮内に存在するので、どちらかが受胎すればよい
ですね。
しかしながら、「追い移植」は2胚ETより受胎性が高いとの報告もあるようなので、
胚数だけの単純な理由ではないかもしれません。
そこで、
②発情期のAI行為が子宮内環境に影響を与え、その後のETの成功率を改善する
などは考えられないでしょうか?
例えば、
AI時の直腸検査(子宮や卵巣の触診)が刺激になったり、
AIガンを子宮内に挿入することが刺激になったり、
子宮内に精子が存在することが刺激になったり、
凍結精液中に少しだけ含まれる精漿成分が刺激になったり、
精子の凍結保護物質の成分が刺激になったり、
さらには、受精卵が発情後1~2日目と早い段階で子宮に存在することが刺激になったり、、、
などなど考え始めるとキリがありません。
と言うのも、以前の我々の研究において、
AI行為が、
子宮内免疫細胞の分布を変化させ「良い影響」を及ぼしている可能性を示しました。
しかしながら、この「追い移植」、ET由来産子ではなく、
発情期のAI由来産子が生まれてくるケースも多々あるため、
一概に②が正しいとも言えません。。。
「追い移植」は奥が深い?
今日は月に1度の十勝新ETシステムの移植日でした
今年度から月1度の集中移植へ移行しましたが、先月を大きく上回る移植の依頼がありました。
ちなみに今日1日で61頭に移植をおこない(ET研移植のみ)、明日は47頭に移植予定ですので見事100頭越えを達成しました
先月が70頭でしたので大幅な記録更新です
これからは春産みの需要もあるため、もっともっと頑張らないといけませんね
さあ明日もがんばるぞ
最近、どんより曇った日が多かったですが、今日は
気持ちよく晴れています
春らしくぽかぽか、朝から暖かいです。
ET研究所の玄関から、ナイタイ高原牧場の放牧場が
チラリと見えるのですが、牛たちものんびりと反芻しています。
いきなり青草に変わると受胎率に悪影響が出るとか、そういうのは
さておき、リラックスしてる牛たちを見ると癒されますね。
でも、もう5月も後半。6月は雨の多い「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」の時期です。
(北海道は梅雨がないですが、やっぱり6月は雨が多いのです。)
先週は曇りや雨が多く、結局、春らしい日は今日を含め、ほんのわずか、
となるような気が・・・
牛たちのように、今日一日を大事に噛みしめて過ごします。
今年の北海道はとにかく寒いです
そんな北海道もとうとう桜が開花いたしました
待ちに待った春です
と、いうことでわくわく気分で桜が7kmの1本道に咲き誇る
「二十間道路」へお花見に出かけました
きれいですね~
「日本の道百選」や「桜の名所百選」にも選ばれている有名なお花見スポットです
北海道各地で桜の開花と満開は平年より1週間から10日遅いところが多いみたいですね
しかし季節は着実に進んでいますね~
桜前線終着は根室で、予想では5月23日らしいですよ
おっそ~~~~~~~い
ET研のある上士幌町ももうすぐ満開になるでしょうか?
今週末はET研職員でお花見&バーベキューをしようと考えています
こうご期待
最近、ET研は若い衆が増えてきたため、
ブログを更新する回数がめっきり少なくなった私ですが、
休日を利用して更新するとなぜかカエルネタばかり。。。
(4月13日更新もカエルネタ。。。)
さてさて、
近畿を境に東日本にはアズマヒキガエル、西日本にはニホンヒキガエル
という2つの系統のヒキガエルが生息しています。
最近、東京大学などの研究チームが東京都内のヒキガエル集団は
在来のアズマヒキガエルと西日本のニホンヒキガエルの
「交雑種集団」へと変化しており、
遺伝的な多様性や適応度が高く維持されていることを発表しました。
また、研究チームはオタマジャクシが孵化してからの日数と生存率との関係を
東京以外の関東エリアに生息するアズマヒキガエルと比較したところ、
都内の「交雑種集団」は明らかに高い生存率を示したそうです。
なるほど!
雑種強勢は、F1雑種個体が両親の特性よりも優れた形質を示す現象のことで、
動植物の育種改良法として広く利用されていますが、その機構は明らかになっていません。
今回の報告はその分子機構などを明らかにした論文ではありませんが、
「F1交雑種、やはり強し!」と納得させられる報告でした。
話は変わりますが、
全農ET研では(上記報告を引用すると「強くて!」)低価格な「F1交雑種胚(体内由来胚)」も取り揃えております。
「何とか、もう1産させて搾りたい」牛群などに是非ご検討ください。
また、夏場のヒートストレスによる人工授精(AI)の低受胎率を少しでも改善するために、
この「F1交雑種胚」あるいは「黒毛和種胚」の受精卵移植(ET)を強くお勧めいたします。
右上ボタン「全農ET研究所TOP」などからお気軽にお問い合わせください!
先日、ヨーロッパへ視察にいった他部署の方々による報告会がありました
ヨーロッパの酪農をみることで国内の酪農に応用できるものを見つけるのが視察の目的だったようです。
他の国の酪農事情を聴く機会もなかったのでとても興味深い話が多かったです。
まず、ヨーロッパはアメリカとは異なり、乳量を求めるのではなく程々の量を程々の作業量で得る傾向が強いようです
そのため配合飼料をあたえることはほとんどなく、省力化の技術(ロボット搾乳や自動哺乳器)も広く普及しているそうで、驚くことに生産コストは日本の1/3程度らしいです
飼料コストについては国土の問題もあるので真似をするのは中々難しいですが乳量を求めない代わりに、牛の生産寿命を長くすることに意識が強いため牛の更新コストが低いことは参考になるかもしれません
また感染症への意識が高いことも参考にすべき点のようです。まず外部からの牛の導入は一切せず、すべて自分の農場で牛群更新をおこなう。外部からの訪問者(獣医師も)は場内専用の作業着に着替える。といったことが徹底されているようです。この点は日本とは大きく異なるところのように感じました
最近国内ではBVDや牛白血病が問題となっており、感染による直接の被害や感染の防除にかかる経費も無視はできません。一方のヨーロッパでは国によってそれぞれの感染症の清浄化に成功しており、衛生面でのコスト削減にもつながっているようです
この視察から今後どのような取り組みが提案できるか、ET研究所も含めグループ全体で考えていかなくてはなりませんね
昨日採卵していると、四六時中鳴いている牛がいました。
すごく耳慣れた鳴き声で、モ~モ~鳴いてるんですね。
すぐに、東日本分場から来た○番の牛だと気付きました。
そいつは東日本分場でも、採卵中ずーーーーっと鳴いてたんですね。
北海道に来てもそれは変わらないんですね
でも、なぜそんなに鳴くのでしょうね。
普段、餌を食べるためにスタンチョンにつかまっている間も
ずーーーーーっと鳴いてます。拘束されているのがすごく嫌なんでしょうか。
鳴き声でもあの牛とわかりますが、採卵後、牛が帰る時にちらっと牛の顔を見てやりました。
やっぱりあいつだ
採卵成績の悪い牛でしたが、北海道に来たらどうなるんだろう?採卵成績を夕方
確認してみました。
やっぱり悪かった
何度かブログにも書いておりますが、
今年は気温がなかなか上がらず、寒い日が続いております
オホーツク海側ではまだ雪が降っているそうですよ
毎年ナイタイ高原レストハウスがオープンする時期には
女性陣でランチを食べに行くのが恒例です
ナイタイ高原の展望台&レストハウスがある場所は
意外と標高800mもあったりします
ですので、ET研付近より気温が低くてヒンヤリしており、
例年雪が少し残っているのを見て「雪見るの久しぶりだね~」
なんて言っているのですが・・・
なんですかこの雪の壁は・・・
両サイド2m越えしてるであろう雪の壁で包囲されており
思わず車を止めてもらって撮影してしまいました
今年は気温が低い&雪が多かったせいでしょう
天気もあまり良くなく(いつも行くたび天気が悪い気が・・・)
レストハウスも寒そうにたたずんでおりました
そして今回は女性陣全員で豚丼を食べてきました
寒かったので暖かい味噌汁が体にしみました
予想では帯広の桜は今週見ごろになるそうですが、
月曜日からどんよりした天気なので不安ですね
早く春が来て暖かくなって欲しいです
本日、ホルスタイン優良受精卵のリストを更新いたしましたので、ぜひご一読ください
今日は、朝こそ寒かったですが、日中は日差しがとても暖かく、
新ETの現場作業をする者としてはとてもやりやすかったです
でも風が強くて、体感温度はけっこう寒かったのですが・・・
昨日も新ETに出ましたが、昨日は5月とは思えないくらいの
量の雪が降っておりまして、全く新ET日和ではなかったです
清水方面に行くと、2月の景色かと間違うような雪景色。
十勝、恐るべし。
そして土曜日にエイヤアと自分の車は夏タイヤに変えてしまったので
通勤が、ハラハラドキドキ、刺激的な一日でした。
今日も雪だったらどうしようかと心配していましたが、晴れてくれて、
ほっと胸をなでおろしています。
GW最終日となりましたが、充実したGWだったでしょうか?
先日、大学生さんがET研究所へ見学に来ました
昼前に帯広に到着したので、一緒にランチを食べてからET研へ案内することにしました
何を食べようか迷ったのですが・・・
田舎にあるカフェレストラン?のようなところでランチを食べることにしました
ど~~~~~~~~ん
どうですか
ナイスチョイスじゃないですか
雰囲気も良く、何よりボリューム満点(若いですからね)で
喜んでもらえたのではないでしょうか
ちなみに若くない私も同じメニューをぺろりと平らげました(笑)うふふ
と、まぁ遊びに来た訳ではありませんので、その後ET研へご案内し、
ET研究所の概要と研究開発室の研究内容についてプレゼンさせていただきました
その後ET研内の施設案内をして、終了です
お勉強になりましたかね
大学で研究がんばって下さいね~
先日、宮崎県の畜産試験場で発表された試験報告によると、笹を使用した発酵飼料を肥育牛に食べさせたところ、肉のオレイン酸含量が増えたそうです
オレイン酸は肉のうま味と関連があるため、和牛肥育においては注目させるかもしれません
しかも、原料の笹、一般的には厄介者として扱われることが多いと思います。
北海道でもクマ笹が雑草として扱われ、農家さんを悩ませる要因の一つとなっていますので、今後の研究次第でサササイレージが普及していくかもしれませんね。
もしかしたらそのうちサササーレージで肥育したパンダ和牛なるものも登場するかも
熊谷肇牧場所有
ハツピーグローリー ダンデイー エターナル ET に アトウッド
今日は、春なのに結構な勢いで雪が降っております。
十勝は大体GWくらいに夏タイヤに交換するのがいいと
言われておりますが、これでは怖くて交換できませんね。
と言いつつ、エイヤアと今週中に交換しようか思案中です。
話は変わりますが、今日の日経に、大阪大学の岡部名誉教授の研究に関する
記事が載っていました。血圧を調整するACEが受精に関わっているという研究成果が、
米科学アカデミー紀要に掲載されるそうです。おめでとうございます。
こういった研究は、どのようなきっかけで始まるのでしょう。
ACEが血圧調整に関わるのは自分も大学で学びましたが、これが受精に
関わるというのは、すぐに発想できるものではないと思います。
だからこそ、この研究がすごいと思うのですが、研究のきっかけについて、
岡部名誉教授に是非聞いてみたいものです。
(誰かご存知でしたら教えてください)
またまたこの時期がやってまいりました
平成25年度 全農ET研究所 研究開発会議です
4/27(土)に開催でしたが、本所、全農飼料畜産中央研究所、
全農家畜衛生研究所、福岡畜産生産事業所から
会場であるET研究所までわざわざ足をお運びいただきました
また、新兵器「テレビ電話」により北日本、東日本分場の方々にも
テレビ会議でご参加いただきました
ET研のメンバーも合わせると、総勢21名の会議となりました
テレビ会議は便利ですね~
しかし、相手方が声を発さず話を聞いてる状態だと、
きちんと聞こえているか、突然不安になりますね(笑)
「ん?ちゃんといる?聞いてる?」みたいな感じになります
しか~し、当然ちゃんと聞いてますのでご安心を(笑)
↑この写真はお昼を食べた後の会議前だったので、みなさん少しほっこり気味ですかね
研究開発会議は8:30~12:00まででしたが、
昼食を食べた後にもう1つ会議を行っておりました
さらに実験や現場作業がある方も会議後にもう一仕事行っておりました
みなさん働き者です
チーム一丸となって今年度もがんばります
新ETシステムもだいぶ普及が進み、最近では様々な牛に対してETをおこなう機会が増えてきました。
さて、今日は3月にETをおこなった牛の妊娠鑑定にいってきました
結果はすべて受胎
となればいいのですが、そううまくはいきません
現在は生殖器他に異常がないことを確認してETをおこなっていますが、見えないところで飼料の影響、乳房炎、蹄病によるストレスなど牛選びの際に見分けきれない要因があるのかもしれません。
今後受胎率を向上させるためにも乳成分の分析や蹄、肢の観察もおこなっていく必要を感じています。
乳成分でいえばMUNが高すぎるもしくは低すぎる牛の繁殖性は低いことがよくいわれますし(8~16mg/dlが適正)、体細胞数が高い牛でも繁殖性は低下します(ET研ニュース平成23年12月号参照:https://www.zennoh.or.jp/et/news_pdf/201112_2.pdf)。
蹄、肢の観察も肉眼のみではなくサーモグラフィの活用など客観的な指標が出来ないものかと考えている今日この頃です。
↑ 跛行はないけど左後の蹄が赤い(赤が高温で青が低温)ため炎症を起こしている?
連日ニュースにもなっておりますが、
中国で鳥インフルエンザが問題となっております。
まだパンデミックとはなっておりませんが、注視する必要がありそうです
皆様ご存知でしょうか?
鳥インフルエンザにも”弱毒タイプ”と”強毒タイプ”があるのを。
今回、弱毒タイプとされてきた”H7N9型”が変異し、
実際に人が死亡するケースが出ている点は非常に恐く感じます
動物を扱う仕事をしている以上、なにかしらの感染症に接する可能性はあるわけですから、
自分を守るため、動物間で広めないため、
普段から、予防・防疫には十分注意を払っていきましょう
ここ最近、金、原油など商品相場が軟調です。
アベノミクスにとっては、副作用(スタグフレーション)が起こりにくい地合いといえます。
原因はFRBの出口観測や中国経済の成長鈍化といった外的要因であり、
世界的なリスクオン気運とともにアベノミクス成功には追い風です。
運も味方するアベノミクス。
対して私は、土曜日に実験を失敗してしまいました
数えるべき未受精卵を、数える前に誤って捨ててしまいました。
準備も含めると5日間費やした実験が台無しです。
先輩にも手伝ってもらったのに・・・落ち込みますね。
アベノミクスに比べると何て自分は不運なんでしょう。
いや、おっちょこちょいなだけですね
あまりに落ち込んだので、短歌を一首詠みます。
「何個なの? バケツに問うも 返事来ず
わが心こそ 軟調にけれ」
意味:数えるのを忘れてバケツに捨ててしまった未受精卵に
思わず問いかけるも、当然返事は帰ってこない。
アベノミクスは好調だが、私の方は極めて不調であることよ
・・・次の実験、頑張ります。
北アメリカの北部に生息するアメリカアカガエルというカエルは、
動物界の「ゾンビ」の異名を持つそうです
どのようなカエルかというと↓(画像あり。カエル嫌いはご遠慮下さい)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009102901
今日はこのアメリカアカガエルの驚きの能力をご紹介します。
冬眠するカエル達にとって冬の寒さは厳しく、気温が下がってくると
落ち葉の中や土の中などで冬眠に入ります
アメリカアカガエルは生息地が北アメリカの北部ですから
寒さが厳しいため獲得した能力なのか、
なんと自身の体を高血糖状態にし、凍りつきながら冬眠をするそうです
寒さで皮下が凍結し始めると数分以内に血糖値を上昇させます
その値、なんと通常時の45倍だそうです
あま~~~~~~い・・・なんちゃって・・・すいません
アメリカの大学の研究室が行なった実験では、
体内の70%の水分が凝固した状態でも
森の巣穴で4週間程生き続けられることが判明しました。
血液の凍結を防ぐ機能に加え、重要な組織から水分を追い出して
凍結のダメージを受けにくい部位に集中させることができるのだそうです。
そして解凍の過程で心臓は鼓動を再開し、24時間以内に正常な状態に戻ります
通常の生物なら死に至る凍結状態からの蘇生で「ゾンビ」と言う訳ですね
ところで先週紹介しました卵子の凍結乾燥ですが、
開発者はこのアメリカアカガエルから氷結晶化回避のヒントを得たそうです
この技術ではトレハロースを含む溶液に卵子を浸漬すると紹介しましたが、
トレハロースはアメリカアカガエルを保護する物質の1つなんだそうです。
世の中に難題を解決するヒントは転がっているわけですね
視野を広く持たないとダメですね
先日,農林水産省より,新しい遺伝性疾患(IARS異常症)の公表がありました。
十勝の生産者の方々には連絡済みですが、実は今年度から新ETシステムが少し変わりました。
PRIDinから移植までの基本的なスケジュールは今までと一緒です。
では、何が変わったか
今までは十勝地方を4つの地区に分けて、それぞれを週替わりで回っていました。
それを、なんと月に1回で全地区まわるようになりました
つまり、PRIDinはいつもの4倍移植頭数もいつもの4倍です
今日はNEW新ETの移植日でした。なので朝からフル稼働です
生産、研究、課長、所長関係なしで動けるものは皆移植に走り、今日一日で53頭の牛に移植をしてきました
なかなかハードですが、1回に集約することで以前にくらべてかなり効率的な作業ができ、時間の節約が期待されます
来月はさらに頭数が増えることが予想されますが、全職員の力を合わせて頑張りたいですね
ちなみに、今日1日では移植が全頭終わらなかったので明日も移植がんばってきます