以前、全農の本所(東京)で勤務する同期から「牛の鼻デカどアップ写真」がほしいと依頼がありました。
ネット上では写真が散在していますが、著作権がどこにあるかよくわからないものを勝手に使用するのはまずい。
ということで牛を飼養している当研究所に依頼があったわけですね。
私個人としても、鼻デカどアップの牛はなんともかわいらしい姿をしているので、
ぜひ1枚持っておきたいと思い快く引き受けてしましました
まあ牛をの顔を接写すれば簡単にとれるだろうと思っていたのですが、
何の調教もしていない研究所の牛たちは人の言うことなど聞かず、好き勝手に生活しています。
簡単には理想の写真は撮れませんでした
鼻はアップだけどちょっと遠いな…。
お、カメラに興味?
よし、もうちょとこっちこい!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
というわけで地味に数時間の格闘の結果上の写真がとれました。
ただ食事中だったのか、サイレージが口まわりについているのが残念ですが…。
もしどなたか上手な牛の撮り方ご存知でしたら是非教えてください
感染症や震災など、ここ数年私たち畜産に携わる人たちにとって
厳しい情勢が続いております。
主要穀物飼料でもあるとうもろこしの日本の主な輸入先国は
ご存知でしょうか?
そうです
アメリカです。
しかも輸入トウモロコシの約9割がアメリカからなのです
そんな現状の中、アメリカでは半世紀で最悪の大旱魃が起こっています。
すでに穀物価格は上昇しており、
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M93ZTH6K50ZI01.html
調達先の分散化など早急な対策が望まれます。
輸出規制の事態だけは避けてほしいものです
小学生の頃、夏休みの自由研究が大好きで、
近くの(何でも売ってた)駄菓子屋でモーターや歯車を入手し、
ハンダゴテでロボットを作っていたことを思い出します
さて本日は、小2のコドモの夏休みの自由研究をご紹介
「目 的」
酢に(鶏の)卵を入れるとどうなる?
(いわゆる酢卵作りです)
実験前のコドモの予想
「卵がクサル!」
はい、それでは、実験開始
「材料および方法」
酢(食酢)に5日間卵を入れる
対照区として水に入れる区と空気中で放置する区を準備
「結 果」
酢を入れるとすぐに反応が始まります
すなわち、
CaCO3+2CH3COOH→Ca(CHCOO)2+H2O+CO2↑
で、卵殻の炭酸カルシウムと酢酸が反応し二酸化炭素が発生するわけですね
5日後には殻が完全にとけて薄皮一枚のプヨプヨ状態に
テーブルで弾ませると楽しいですよ
ボヨヨーンとバウンドします
大きさもL卵が3Lくらいに膨張(写真右が実験区)
写真じゃよくわかりませんが透けて黄身が見えます(写真は上からライトを当ててます)
しかし、まずかったのが対照区のとりかた
水区と空気区の卵の大きさがはじめから異なっていたらしく(空気区が小さかった・・・多分)、
水でも少しは膨張するのかがわかりませんでした。
指導教官が悪いとこうなるわけですね。反省してます
最後に酢卵について調べてみると、
酢の中でプヨプヨ卵を潰して飲むと滋養強壮や白髪が消える
効果があるそうで・・・。
オヤジモルモットで実験したいと声があがりましたが、
激マズらしいので遠慮させていただきました。
絶対お腹壊す
「牛受精卵にも酸性タイロード液をふきかけて透明帯を薄くして孵化しやすくすると
受胎率が向上するとの報告があります」
確かに自力で孵化することが難しい低品質胚ではよい効果をもたらしそうです
しかし今回、「対照区の重要性」を小学生の夏休みの宿題で再認識することになりました
個人的にはクマムシを研究テーマにしたかったのですが、スケジュールの都合でキャンセル・・・
クマムシについては6月12日の記事をご覧ください
みなさんオリンピックはご覧になりましたか?
日本とロンドンの時差は8時間あるので、寝不足になってしまった方も多かったのではないかと思います
日本のメダル獲得数は金●7、銀●14、銅●17の合計38個で史上最多獲得数だったみたいですね
競技別の内訳は
レスリング●4●2、柔道●1●3●3、体操●1●2、ボクシング●1●1、競泳●3●8、
サッカー●1、バレーボール●1、アーチェリー●1●1、バドミントン●1、
フェンシング●1、ウエイトリフティング●1、卓球●1、陸上●1
だったそうです
本当に日本人選手はすばらしい活躍ぶりで輝いていましたね
そして今度は8月29日~9月9日までパラリンピックが行われますので応援しましょう
お盆も終わり、今日からまた新しい週の始まりです
私もオリンピック選手を見習ってがんばりたいと思います
お盆休みも終盤にさしかかり、そろそろ現場復帰が必要になる今日この頃です。
内地(本州)以南の方々はお盆が過ぎてもまだまだ暑い日が続くのでうんざりではないでしょうか…
先日お邪魔した本州の農場で、様々な暑熱対策をしていたので少し紹介したいと思います
この写真は、ご存知の扇風機(ファン)ですね。ガンガン動いていて話声も聞こえないくらいでした
でこちらがミスト(噴霧)。農場の方曰く、水の粒が細かいため熱を効率良く奪ってくれるそうです。
あとわかりずらいですが、屋根にも水を撒くことで牛舎の温度を下げているようです
このような対策のおかげで、外は30℃を軽く超える猛暑でしたが、牛舎内は涼しく快適でした
北海道(十勝?)ではあまり馴染みのない設備ですが、近い将来ミストなども必須になっていくかもしれませんね。
と、大分前(8月4日)に十勝港の花火大会に行ってきました。
なんでいったかというと、花火の前の週、研修に来られた方が
よさこいを本気で踊るから、といっておられたので行ってきました。
もちろん花火大会にも興味がありまくりでしたが・・・
十勝の花火といったら、発射数も多い帯広の勝毎花火大会が有名なのですが、
(月曜日のブログ参照してください)
十勝で生まれ育った先輩いわく、
花火なら断然十勝港の花火のほうがいい、らしいです。
(Mさん、遅くなりました・・・Sさん、すいません、会場でみつけれませんでした
)
最初は(実はあまり)期待せずみていたのですが・・・(さらにすいません・・・)
↓
おお
おおお
じゃ~んすげーそろってるー
つかかっこえ~・・・。
当初の考えを改めさせられました。
業務も忙しいというのに、みんなとそろって演舞してる姿は、眩しかったです
北海道の夏も、そろそろ終わるかな?
最後に、北海道の花火大会には、
・イス(人が少ないとき非常に便利!)
・雨具(今回小雨だったので、助かりました)
・上着(北海道の夜は寒かった・・・)
があると、非常に有意義にすごせました。
遅い情報かもしれませんが、教えてくれた先輩に感謝します。。
本日8/13(月)は、帯広市で「第62回勝毎花火大会」が開催されまーす
十勝に住んでいる方はもちろんのこと、最近全国的に有名になったので、
全国各地から花火を見に来るお客さんでにぎわいます
開催時間・・・19:30~21:00
開催場所・・・北海道帯広市 十勝川河川敷特設会場(十勝大橋下流400m付近)
花火の打ち上げ数・・・2万発
去年の来場者数・・・20万人
帯広市の人口が16万8千人なので、帯広に住んでる人以上の人が
河川敷に押し寄せるということになりますね
当日はものすごい人だかりと渋滞に見舞われますので、
公共交通機関(シャトルバスなんかも出るようです)を利用したほうが良いみたいですよ
十勝に住んでる人にはおなじみの情報でしょうけど・・・
勝毎花火大会公式サイト→http://www.tokachi.co.jp/hanabi/
ちなみに雨天の場合翌日に順延とのことですが、
見に行く予定を立てている方もいらっしゃると思うので本日開催されるといいけどなぁ
YouTube: 第61回 勝毎花火大会2011 ダイジェスト It is a digest for three minutes.
昨日,発表してきました
題名は,「ホルスタイン種経産牛のBUN/血糖値比と胚移植成績について」
「ホルスタイン経産牛における血中PAG値を利用した受卵牛の選抜は可能か?」
の2題でした。
(帯広畜産大学の石井先生の名前が後ろにあったので,修正させていただきました石井先生,すいません
)
今回の特別講演は,帯広畜産大学の石井三都夫準教授でした。
リッキング(親が子牛をなめること)の重要性や,分娩中の立ったり座ったりの重要性,
ときには人も,我慢が必要など,数字や写真を交えて説明しておられたので、とてもおもしろかったです
他に授精や精液,ETに関するアンケート調査の研究発表などもあり,
興味深々に聞かせてもらいました。
情報交換をかねて先日、福岡から車で鹿児島に行ってきました
九州でも高温・高湿度により夏場には牛(特に乳牛)は体温が上昇し、
ヒートストレスにより人工授精の受胎率が大きく低下します
牛は妊娠して分娩しない限り子牛生産も牛乳生産もできません
そのような中、夏場に少しでも受胎する牛を増やそうと、
受精卵を夏場に積極的に利用する技術者や農家さんも増えてきています
私たちも北部九州管内を中心に新ETシステムを行っていますが、
この夏場に何とか農家さんの生産性向上に寄与したいと考えています
そのような技術論を鹿児島で語り合った帰り道ですが、
九州自動車道から滝が見えたので高速を降りて見に行きました
「龍門滝」と看板がありました。
「龍門の滝」といえば大分や那須烏山も有名ですが、
ここはその名称から“の”が抜けた龍門滝です。
せみ時雨のなか細道を進むと…
立派な滝が見えました。落差は50mくらいで、なかなかの景観です
受精卵移植の受胎率は滝のように“落ちる”“流れる”では困るのですが・・・
ちょっといい景色なのでパチリ・・・です
本日、飼料畜産中央研究所の方々と会議を行いました
全農にはET研究所以外にも研究機関もございます。
今回は豚の研究を行っているグループ(主に育種関係)、遺伝子などを研究しているグループ
と現場のニーズに対応する新技術の開発などについて話し合いました。
研究グループ間での交流が新たな発想や商品開発を
生み出す点が全農グループの長所でもあります
私たちが行っている研究の最終目標はただ一つ、
”農家の皆様に(現場に)貢献すること”
これからもがんばってまいります
↑会議室から場所を移して熱い話をくりひろげています。
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明日8/9は帯広で道東3地区家畜人工授精技術研修大会があります。
ET研究所からも、今回2題発表させていただきます。
2題とも現場に活かされる研究内容となっておりますので
是非ご覧になってください。
いつも「全農ET研ブログ」をご覧いただき誠にありがとうございます
本ブログは、おかげさまで1万件アクセスを突破いたしました!
今後もさまざまな情報をいち早く皆様へお届けいたします
是非、ご質問やコメントなどもお寄せください
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます
本日も受精卵の配送のために空港へ行って参りました(週に数回程度行ってます)
いつものように車で走行中、ET研を出発してから5分後くらいでしょうか?
恐ろしい(?)看板を目にしました
キタ━(゚∀゚;)━!
しかも8月4日ってつい2日前ですよ
この看板の先の道はこんな感じでいかにも出そうな雰囲気が・・・
看板が立っていたのはこの道のこっち側→
ヒグマの活動時間は一定していないんだそうです(テキトーだな!)
休息場所も決めていないらしく、気に入った場所で休憩するそうです(無計画野郎だけどちょっとかわいい。笑)
なので写真を撮っている私も、襲われやしないかと少しビクビク
今時期デントコーンを狙って山から下りて来るそうな
北アメリカやヨーロッパではヒグマが農作物を利用する報告はあまり聞かれないんだそうです
なので、この行動は北海道特有みたいですよ
「クマも喜ぶ北海道の農作物のおいしさ」・・・なんちゃって
↑何かのキャッチフレーズに使いたい方はどうぞ。笑
ちなみにあの看板は私の通勤路に立っていたので、今後遭遇しないことを祈ります
昨日は新ETシステムのための発情同期化処置に熊本県菊池市に行ってきました
問題の台風は九州の南をかすめて中国東北部に向かっていきました
そのため、昨日は晴れて気温がぐんぐん上昇し
福岡や熊本は35度くらいになったと思います
この暑さにばてている牛も少なくありません
酪農家さんは大型扇風機にミスト(水の霧状散布)などの対策で、牛のヒートストレス軽減に懸命に取り組まれています
菊池市には「日本名水百選」「日本滝百選」「水源の森百選」などなど…。
数々の名称を誇る菊池渓谷という景勝地があります
その渓谷まで約30分という近いところにこの牧場はあり、周囲を森に囲まれており自然の中に溶け込んでいます。
子牛を育てるところ、分娩を待つ母牛も森の中にいます
ここの直射日光は木々にさえぎられ、見るからに涼しげで、牛たちは森林浴をしながら生活しているようです
今月21日は移植の日です。
たぶん猛暑の中で行うことになりそうですが、ここの牛たちはきっといつもと変わらない表情でいてくれそうです
これまで蹄病の症例を紹介してきました。
↓この写真の道具何か分かるでしょうか
除草剤なんかを入れて噴霧する道具です。
通称「シャコシャコ」です
これに抗生剤・リンコマイシンを水に溶かしたものを
蹄病予防のために後肢の副蹄の下に吹きかけてやるわけです
これでPDDはある程度予防できているように感じます。
この道具、ほかにも放線菌症や打撲によってできた大きい膿胞を
洗浄するのにも便利だったりします
モノは使いようですね
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跛行が繁殖に及ぼす影響をにまとめた資料がありました。、
http://www.hooftrimmers.org/pdf/hta_lame_diag_repro.pdf
Melendezさんの論文によると跛行牛は(試験牛190頭中、跛行牛は65頭)、
初回授精までにかかった日数は5日延長し、
初回授精受胎率が58.9%減少し(42.6%→17.5%)
卵胞嚢腫の発生率が2倍以上増加し(11.1%→25.0%)
分娩後480日目での妊娠率が8.2%減少したそうです
う~ん影響甚大ですね
平成19年、ET研東日本分場が茨城県笠間市に、
平成21年には、北日本分場が岩手県滝沢村に設置されました
今回は、打ち合わせのため東日本分場を訪問しました
お邪魔しまーす
朝の発情チェック後、採卵準備が始まりました
業務を分担し、手際良く作業が進みます
普段、上士幌では牛を引っ張らない私も少しだけお手伝い
すでに汗だく
これが噂の「採卵前のコーヒータイム」ですね
牛の顔を見ながら一服
最高です
さぁー、気合を入れて、採卵開始!
採卵が終わった牛から順番にフィルターを洗って受精卵を探します
みんなで検卵中
そして奥では新ETの準備です
私も検卵しましたが、ホームグラウンドではないので少々緊張しましたね
なので、いつもより受精卵のランクを厳しめに分類したつもりでしたが・・・・・
東日本分場の受精卵のプロの方から「これ、上士幌では凍結してるんですか?」とのご指摘に、
「ううっ・・・。申し訳ございません・・・。」
また、最近検卵をはじめた方からも「これ、変性卵に入ってますけど、新鮮ランクでは?」と注意を受け、
「ううっ・・・。おっしゃる通りでございます・・・。」
2枚のイエローカードで退場しました
まだまだ修行が足りませぬ
少ない頭数でしたが採卵成績が良好で凍結胚も製造
非常に和やかなムードで且つ迅速に仕事が行われている印象を受けました
チームワーク抜群ですね
また次回の打ち合わせの時はよろしくお願いします
忘年会シーズンを狙って行きますので
あっ、ご期待に添えるよう検卵も練習しておきます。はい。
26日(木)は佐賀県唐津市で4戸の酪農家さんを回って新ETを行いました
最高気温はなんと35℃
人間の体温とほぼ一緒です
体温が高めになっているウシもいました
まず超音波診断器を使って、6月移植分の8頭を妊娠鑑定しましたところ、
6頭受胎、1頭再検査(胎子の心拍が確認できなかったので)、1頭不受胎でした。
全頭受胎してもらいたかったですが、まずまずの結果でした
その後、暑さに負けずに22頭に移植を行いました
来月の妊娠鑑定が楽しみです~
ちなみにここの牧場には「唐津のお父さん犬」がいます
お邪魔した時は最初にお父さん犬に欠かさずご挨拶しています。
今日もご挨拶に行ったところ・・・
と言われたので、若干プレッシャーを感じました
お父さん犬の期待に答えられるよう、これらもがんばります
本日、7月27日(金)は土用の丑の日です。
そう、一年でウナギがもっとも売れる日です。しかし、今年はうなぎが高い
ニュースで何度も取り上げられていますがウナギの稚魚であるシラスウナギが激減したため、ウナギが手に入りにくいそうですね。
でもなんでウナギなんでしょうか?
ちょっと調べてみると、夏は売り上げが落ちるウナギ屋さん(実はウナギの旬は秋)が、学のある平賀源内さんにどうしたら売り上げが良くなるか相談したところ、土用の丑の日にウナギを食べると夏バテにいいよって言えばウナギ売れるよ、と言ったのが始まりとか…。(wikiを参考に簡単にまとめると)
源内さんは丑の日に「う」のつくものを食べると夏バテしないという民間伝承を参考にしたそうですね。
ウナギ以外に「う」のつくものってなんでしょうか?梅干し、瓜、うどん、ごぼう…なんでもありみたいです
ということは「うし」でもいいわけですね丑の日に牛肉を食べよう、とPRしたら牛肉消費もアップして然るべきでしょう
牛肉はタンパク質が豊富ですし、鉄分の摂取にも有効です。また、ウナギほどではありませんが炭水化物をエネルギーに変換するのを補助するビタミンB群も豊富なので夏バテには有効ですね。
みなさんも牛肉でスタミナをつけて夏を乗り切りましょう!
↑写真は研究所のある上士幌町のブランド牛、ナイタイ和牛です
ちょっと更新が遅くなりましたが,先週土曜日,島根県にETに行ってきました
“あらえっさっさ”の安来節と,出雲大社の島根県。
残念ながら今回は安来節も出雲大社も見れませんでしたが,
その代わりにカブトムシの形をした公衆便所を発見しました
ぶなの木が有名だそうです。。。
山間の田んぼが非常にきれいでした
出雲市内ホテルから走ること1時間・・・無事に到着後,作業を開始。
今回は約30頭の受卵牛に移植をおこないました。
同期化処置頭数の9割とまでは行きませんでしたが,9割近くのウシに移植することができました。
西日本くみあい飼料の先生,鳥取新ET同様,ありがとうございました
移植現場に居られた方々です。
(右上の丸印の方々は,写真撮影と撮影中の荷物の片付けをしていただきました。
ありがとうございました)
生産者・飼料会社・県本部・・・多くの方が関わっているおかげで新ETシステムは成り立っていることを実感しました。
少しでも生産者の方に役に立つよう,毎日をがんばろうと思う今日この頃です。
「○○をさがせ!」というと、イギリス人のイラストレーターが出版した絵本を思い出します
赤と白のしましまの服を着て、眼鏡をかけた細身の男性を絵の中から探す、ゲーム感覚の絵本です
小学生の頃、学校の図書館にその絵本があって、友人と一緒に目を凝らして彼を探したのを覚えています
彼、人ごみに紛れるのがうますぎます。。。
今日はその絵本のようにみなさまに卵子を探していただこうと思います
食肉処理場で採取した卵巣から卵子を注射器で吸引すると、卵胞液とともに卵子が回収されます。
それをシャーレにあけて、卵子を探す作業を体験してみて下さい。
探してもらう卵子はこんな感じ↓
卵巣から吸引した卵子はこのように顆粒層細胞(卵丘細胞)で覆われた状態です。
シャーレの中にも顆粒層細胞が浮遊しています。
さぁ、いくつ見つけることができるでしょうか
画像はクリックすると大きくできます
卵子は全て1枚目の写真と同じ形というわけではないです
まわりを覆う細胞が少し剥がれているものもありますし、完全に剥がれてしまっているものもあります。
卵子の細胞質(1枚目の写真の真ん中の黒い部分)の色もそれぞれ違ったりします
なんだか卵子に見えるけど違う!ってのもよくあること
そんなときは卵子を転がして見る角度を変えてみたり、顕微鏡の倍率を上げてみたり・・・
顕微鏡下で見るのと写真で見るのはちょっと違うので難しいかもしれませんが・・・
そろそろ答え合わせをしましょう
正解は↓
6つでした
全部見つけることができたでしょうか?
先日、牛のヒーローの名前を募集しているとブログに書いたのを覚えていますか?
↑このむちゃくちゃ強そうなキャラクターです。
なんとこのたびこのキャラクターの名前が決定したそうです
その名は以下のだいぶ気合いの入った動画で確認できるそうで。
なんと1万2千通もの応募があったそうですね黒牛のPRとしては大成功ではないでしょうか?
ET研もキャラクターをつくって名前を募集したら受精卵のPRになりますかね
命名者への景品は受精卵1年分とかで
新ETシステムで農家さんを回ったときなど大体どこの農家さんにも
かわいいネコから不細工なネコまでたくさんいます
人なつっこいネコ,人を見ると逃げ出すネコ
,無視するネコ
そんなネコたちを見て,癒される毎日です
先週,興味深い記事を見ました。
阪大,トキソプラズマを破壊する宿主防御因子GBPを発見
http://news.mynavi.jp/news/2012/07/13/116/
この研究により,トキソプラズマ症に対する新たな治療戦略を提供できることが期待される,
と,研究グループはコメントしています(記事より引用)。
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トキソプラズマとは,人とネコに深い関わりのある寄生虫のことです。
ネコ,特に屋外で飼育されているネコの糞や,感染した動物の肉で,十分に加熱されていない肉
(生肉,レアステーキ等)を摂取したりすると感染します。
ネコの糞といっても,
①初めてトキソプラズマに感染したネコの糞
②感染後1-3週間程度までの間の糞,
③(お腹の)外にでて2-3日以上たった糞や,その乾燥飛沫
以上3つの条件をみたした糞が,感染源となります。
トキソプラズマは特定の時期に感染しなければたいした症状もなく問題にならないのですが,
人間が①妊娠初期に,②人生で初めて感染すると,胎児に影響が出てきてしまいます
(確率は低いようですが)。
また,ウシが妊娠初期に感染したらどうなるか?ちょっと調べてみたところ・・・
ウシでも頻度は少ないですが,流産が起こるようです
ネコの糞が間違ってもウシ(人も含む)の口に入らないよう,
そして少しでも受胎率UPするように,牛舎
はきれいにしましょう
(あと,妊娠中の奥様がいるお宅で,ネコちゃんトイレがあるお宅は,
だんな様がネコちゃんトイレを毎日掃除
してあげると,ネコちゃんにとっても奥さんにとっても良いらしいです・・・。)
昨日パドックで歩行がおかしな供卵牛がいました
四肢のどこも腫れてはいないし、、
足を上げてみても趾間腐爛でもイボでもないし、、
でも触ると痛がるので、とりあえず削ってみました
すると小さな穴から膿がでてきました
↓
(驚かれないように出血箇所を修正してます)
外傷性の潰瘍だと思われます
見ただけでは分からないものです
今回は患部が広範囲で痛そうなので鎮静剤と局所麻酔剤を投与してから
がっつり削って、患部の洗浄、包帯して最後に抗生剤投与で終了です
以前ちらっと紹介いたしましたが、蹄病が牛の繁殖に及ぼす
負の影響は結構大きいです
乳牛では特に3大疾病の一つといわれるぐらいですから、新ETシステムで
農家さんから候補に挙げていただいた中にも跛行牛さんがちょくちょくおります
そのような場合、大変申し訳ないですが治していただいてから再度
候補に挙げていただくようにお願いしております
どうしてかと申しますと。。。
例えば跛行を示す牛の場合、
初回授精受胎率が最大10%低下するとの報告もありますし、
卵胞嚢腫の発生が増大するとの報告もあります。
ある文献では跛行を示す牛に発情同期化処置を行っても
全くホルモン剤に反応しなかったと報告されています
これまでの経験とこれらの報告から、まず跛行牛には治療をお願しております。
今回は漠然とした内容ですが、後日もう少し跛行が繁殖に及ぼす影響について
の報告を詳しく御紹介出来ればと思います
「老化抑制-アンチエイジング」
みなさまも興味があるのではないでしょうか?
7月4日、熊本大学大学院 赤池教授らは
硫化水素に「老化抑制作用」があることをネイチャー・ケミカルバイオロジー電子版で発表しました。
http://www.nature.com/nchembio/journal/vaop/ncurrent/full/nchembio.1018.html
硫化水素が温泉に含まれていることはよく知られていますが、
ニンニクやネギを摂取することで体内でも生成されるようです。
以前、硫化水素が、げっ歯類などの哺乳類を仮死状態へ誘導するという論文を読んだことがありました。
そこで細胞保存に、この猛毒の「硫化水素」が利用できないが考えたことがありますが、
万が一のことを考えると恐ろしくて手を出せずにいました。
よいチャンスなので、赤池教授とコンタクトをとってみようと思います。
今日は3連休の最終日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
お休みではない方もいらっしゃると思いますが・・・
スペインでは7/6から7/14までの間、あの有名な「牛追い祭り」が行われる
サン・フェルミン祭が開催されていたそうです
牛追いは7日から14日まで毎朝行われるんですね
参加したつもりでポチッと
迫力満点です
最後のウシが檻に入るまでの平均タイムは3分58秒、平均速度は24km/hだそうです
速いウシは2分強で走り抜けるそうです
今年はお祭りに参加した日本人男性が怪我をしてしまったそうですね
日本ではこれから夏本番に突入です
暑さで体力と集中力が奪われてしまいますよね
外での作業が過酷な季節になりますので、熱射病や怪我には十分ご注意下さい
この写真の機械、なんだかわかりますか?
時計?温度計?
いいえ、ヒートストレスメーターです!
さてこのヒートストレスメーター、何かといいますとTHIという指数を測定するのに使います。
THIとはTemperature-Humidity Indexの略称で、簡単に言うとは気温と湿度から導き出される不快指数のことです。
夏場の暑熱ストレスは牛の生産性や繁殖性を著しく低下させ、畜産現場において大きな問題となっています
暑さに対するストレスを評価するには気温だけでは不十分で、湿度も絡めたこのTHIを測定することでストレス状態を判定することができます。
そこでこのTHIメーターを使用すれば、牛舎内の暑熱ストレス度合いが一目瞭然で、暑熱対策をいつ講じるべきかがすぐわかります
ちなみに最近の報告ではTHIが68を上回ると牛が暑さのストレスを感じるらしいのですが、研究所の事務所内は既にその値を超えているような…。
まだまだ夏はこれからですが牛も人間も暑さに負けないよう頑張りたいですね
世間は上野動物園のパンダで大騒ぎですね
あの大きなパンダに対して新生子の小ささにびっくりです
クマ科動物の繁殖生理として、昨日紹介いたしました着床遅延という現象が有名です
今回の子パンダも生まれたのは7月ですが、
交尾(受精)があったのはいつだったのでしょうか
このパンダも現在の生息数は2000頭弱、、絶滅危惧種に指定されています
死んでしまったのが非常に残念です
和牛受精卵をホルスタインに移植するように、
身近な(?)ヒグマを仮腹にしてパンダの受精卵移植できないものか、、、
(妄想です)
昨日、新ETシステムで昼食のため立ち寄った食堂にあった雑誌に
岡野雅行さんという方のいい言葉が載っていました
「不可能を可能にするのは経験。失敗を重ねないと常識外の仕事はできない」
失敗して、乗り越えて、を繰り返して自分も成長していきたいと思います
↑十勝では見ることの出来ない水田がきれいでした@穂別
我々の研究の柱として受精卵の新規保存方法の確立があります。
これまでは「凍結」や「チルド」に注目してきました。
また、ずっと頭の中では描いていましたが「室温保存」や「体温保存」にはなかなか手が出ませんでした。
室温や体温近くでの受精卵保存を考えた場合、思い浮かぶのが熊、カンガルー、コウモリなどの「遅延着床」を起こす動物です。
例えば、熊は6月頃に交尾をしますがその受精卵はすぐに着床(妊娠)しません。
受精卵はある程度のところまで発育するとそのままの状態で子宮内を浮遊します。
(実際は浮遊しているか不明です。子宮内に定住地があるかもしれません。)
そして熊の場合、着床するのは12月頃。
すなわち、約半年は子宮の中で発育を停止させているのです。
この細胞周期停止機構が解明されれば受精卵の室温や体温環境下での長期保存が可能になる訳です。
(細胞周期も実際にはピタッと停止していないかもです。すごーくゆっくり時間が流れているかもしれませんし、、、)
熊、カンガルー、コウモリに共通するあるポイントに着目し、牛受精卵の体温(38.5℃)保存にチャレンジしましたが、、、
3日が限界、、、ううっ、、、半年には程遠いです、、、
1990年、大学の恩師が論文を発表しました。
液体窒素で凍結融解を数回繰り返した牛精子を1匹ガラス管に吸引し卵子に注入する。
いわゆる「顕微授精技術」を用いて、死んだ(動かなくなった)精子からも正常な産子が誕生することを証明したわけです。
世界中がビックリ仰天
恩師がアメリカで学会発表後、新聞記者から「永久凍土に眠るマンモスの精子も利用できるのでは?」と質問を受けたことが、
現在も続いている「マンモス復活プロジェクト」発足のキッカケ。
最近では顕微授精のみならずクローン技術も応用されているようですね。
私も大学では、あこがれの恩師と顕微授精に関する研究に従事することができました。
1990年当時のご苦労話を聞くと、
成功までの道のりはかなり険しく、失敗の連続だったそうです。
精子を注入した卵子の数、1万個以上・・・
しかーし、ある日の真夜中、実験を担当する学生さんから電話で、
「先生・・・、発生してます・・・。」と
急いで大学に向かったそうです
ブレイクスルーはいきなりやってくるらしいです・・・
ブレイクスルー様、心よりお待ち申し上げております!
ちなみに上の写真は、ET研で行われた顕微授精の様子。
「黒い脂質」を遠心操作で一か所に集め、卵子内を可視化し、精子が確実に注入されたことを確認します。
精子を注入する先端径7μmのガラス管や卵子を保定するガラス管は自作品です。
恩師の匠の技を継承しています
今日は、卵子や受精卵等を培養する機械(インキュベータ)をお掃除しました
これがインキュベータでーす↓
気をつけているとは言え、ドアの開け閉めで空気中の塵やほこりが少しは入ってしまうし、
中は湿気っぽく、風通しの良くない環境になっているので、しばらく使っているとやはり汚れてきます
実験で使う大事な卵ちゃんを培養するため汚れは厳禁です
なので、毎日・・・とはいきませんが、清潔さを保つために定期的にお掃除しています
シャーレをのせるための棚も全部取り外して、隅々まで拭き取りました
アルコールをシュシュッとかけて拭こうとするとその匂いで酔っ払いそうになります(笑)
負けじと磨き続け・・・お掃除終了
どうですかピカピカになったでしょう
鏡のように実験室が映っていますね~すばらしい
すごく基礎的なことになりますが、研究を行う上でこういった部分も忘れず気をつけていきたいものです
不受胎の要因は様々ありますが、泌乳牛におけるエネルギーバランスの崩れもその1つです。
近年、血液成分と受胎の関係を評価する試みをET研究所でもおこなってきました。
そのうち、BUN(血中尿素窒素)と血糖値のバランスが崩れた牛の受胎率が低いという報告があり、ET研究所でも調査した
ところ、ホルスタイン種でBUN(mg/dl) / 血糖値(mg/dl)の値が0.3以上である牛の受胎率が0.3未満の牛よりも受胎率が
低い結果になりました。
つまりBUNが高く、血糖値が低い牛の受胎率が低かったのです
では、なぜBUNが高く、血糖値が低いと受胎性が悪くなるのでしょうか?
BUNはタンパク質が過剰に給与されると上昇します。タンパク質は牛のルーメン内で分解され、アンモニアへと変換される
のですが、その量が過剰になると肝臓でのアンモニアの代謝が間に合わず、全身に悪影響を及ぼします。
子宮内のアンモニアが増加すれば、受精卵にダメージを与えることになり、受胎率は低下すると考えられます
また血糖値が低いというのはエネルギーの不足が考えられ、このエネルギー不足もアンモニアの代謝を鈍らせます。
では、このようなエネルギーバランスが崩れた牛を受胎させるにはどうしたらいいでしょうか?
当研究所では科学飼料研究所と共同で開発した添加剤を使って、受胎率の向上を図っています
その添加剤がこの
とまるちゃんです。そのまんまですね
ですがこのとまるちゃん、中々の好成績をあげてまして
当研究所の試験結果では1日100gを15日間給与するとだいたいの牛は給与後にBUN/血糖値の値が0.3を下回り、
当初BUN/血糖値が0.3を超えた牛でも受胎率の改善がみられました
とまるちゃんに含まれるアミノ酸がアンモニアの生成を減らし、糖蜜がエネルギーを補足し血糖値を上昇させるようです。
とまるちゃんについて興味がありましたら是非ET研究所までお問い合わせください
今回は、ウィリアムマイナー研究所にいる僕の同期から来る、デイリーインフォ、という記事の一部を
紹介させていただきます
今回のデイリーインフォは、“Washington State University Extension”より、
暑熱対策の特集を教えてもらいました。
その中で、新しい暑熱対策として、“伝導冷却”というものを紹介しておりました。
どのような冷却方法かというと、牛床の下に水冷式の放熱気を設置する、
というものだそうです。
稼働費用は安いとのことだそうですが、どのように使用していくか
(他の冷却システムとどのように組み合わせるのが効果的かなど)
は、研究段階のようです。
ペット用の冷却シートを想像してしまいましたが、
安価で効果のある暑熱対策用品ができることを期待してしまいます。
本日、新ETシステムの黄体チェックの帰りに寄った道の駅(温泉)には
全国からキャンピングカーがひしめきあっておりました
(山口、福井、三重、etc...)。
いくら暑くても、人は暑ーい温泉が大好きのようです。
「TED」にはいつもお世話になってます。
みなさん、プレゼンうますぎ
今日は、分野はまったく異なりますが熱き研究開発者のスピーチです。
YouTube: Myshkin Ingawale: A blood test without bleeding
血液検査を非侵襲的行えるツールを開発したそうです。
心打たれたのは、プレゼンの最後
カッコいいですね
ミシュキンさんを真似て、
「2020年には、世界の受胎率は大きく改善されています!」
と言えるような革新的な技術を開発できる日は来るのか・・・・な。
いやいや、がんばりますよ
卵子や受精卵を扱う上での必需品!
培養液中に入っている小さな卵子や受精卵を拾い集めたり、
違う培養液に移動させたりする際にはこのマウスピースが欠かせません
この水色の方を口にくわえて、反対側にはガラスのピペット(パスツールピペット)をつけます。
息を吸ったり吐いたりすることで、ピペット内に卵子を入れたり出したりすることができます
チュルッと口まで卵子を吸ってしまわないんですか?と聞かれることがよくあります。
私も最初は思いましたが、ご安心を
かなりの吸引力がないとそこまでは吸えません
マウスピースは手作りしているのですが、myマウスピース
を持ったときはうれしかったです
ちなみに今のマウスピースは口から手元までくらいの長さしかありませんが、
大学時代は首の後ろを通して手元までもっていっていたのでかなり長いタイプでした。
自分の使いやすいように変えられるのが手作りのいいところですね
ちょっと見づらいですが、こんな感じで使ってます↓
(マウスピースがちょっとしか写ってませんね。笑)
先日、鳥取にてチルド受精卵を持って移植に行ってきました
↑ 飛行機から見えた富士山。上空から初めて見ました。
今回、移植候補のうち、9割以上の牛が、黄体のしっかりついた牛でした
(移植中止した2頭のうち1頭は、黄体がついていたのですが
体調不良で移植を中止しました)。
飼養管理がしっかりしていた、というのも要因の一つなのですが、
同期化の前に、40頭以上もの牛を選畜していただいた先生のおかげです。
ありがとうございました。
西日本くみあいのお二人も、移植の記録、補助、非常に助かりました。
午前中に終わったのもお二人のおかげです。ありがとうございました。
飛行機まで時間ができたので・・・
きちんと妊娠維持しますよーに
またよろしくお願いします