和牛の祭典【速報その4】
長崎全共が閉幕しましたが、
こちらですべての審査結果をご覧いただけます
http://zenkyo-nagasaki.com/wp-content/uploads/2012/10/housho.pdf
さて、5年後はどうなるでしょうか。。。かなり気が早いですが今から楽しみです
長崎全共が閉幕しましたが、
こちらですべての審査結果をご覧いただけます
http://zenkyo-nagasaki.com/wp-content/uploads/2012/10/housho.pdf
さて、5年後はどうなるでしょうか。。。かなり気が早いですが今から楽しみです
名誉賞(内閣総理大臣賞)を、
種牛の部 第7区 宮崎県と
肉牛の部 第8区 長崎県が受賞しました
おめでとうございます
本日、最終日です
さて、
種牛の部 第7区(総合評価群)の順位が決定しました
優等賞1席 宮崎県
優等賞2席 鹿児島県
優等賞3席 長崎県
宮崎県の連覇
おめでとうございます
代表牛一覧はこちらでご覧いただけます
近頃かなり冷え込んでおります
これからの季節は早朝や夜間の作業は辛い季節ですね
農家さんによって様々だと思いますが、
牛の分娩が深夜や早朝なんてこともあると思います
(分娩介護はこの時期ではなくても大変だと思いますが・・・)
この時間帯は労力がかかるのはもちろんのこと、
分娩に立ち会えず子牛が死亡してしまうこともあると思います
これを防ぐために昼に分娩させるという方法があります
昼に分娩させる方法としては、夜間給餌や既存のホルモン剤の投与が知られています。
しかし、夜間給餌方法は分娩日まで予測ができないですし、
既存のホルモン剤投与による分娩誘起では、
胎盤停滞(分娩後12時間以上胎盤が排出されない)が
高率で発生するという問題点がありました。
胎盤停滞になると乳生産量の低下や今後の受胎成績が悪化する可能性があります
少し前になりますが、オキソアラキドン酸という物質が
牛の分娩後に胎盤が子宮から剥離排出される際に働く
シグナル物質だということが世界で初めて発表されました。
placenta 2012(Vol.33(2)106-113)
従来の分娩誘起方法にオキソアラキドン酸の注射を行うことで
胎盤停滞の発生を回避できたそうです。
分娩に30時間以上を要した12頭の牛
(無処置6頭、オキソアラキドン酸注射6頭)で試験を行ったところ、
胎盤排出率が無処置だと0%だったのに対して
オキソアラキドン酸注射は83%という結果が得られたそうです
深夜の分娩介護による農家さんの労働負担の軽減や新生子牛の生存率の向上、
さらに適切な分娩介護ができずに母牛が死亡することや、
胎盤停滞発生による能力の低下を防げるのではないかと期待されますね
今日、北海道の平野部でついに初雪を観測したそうです
10月中頃からいつ降ってもおかしくはないのが北海道らしいですね
ET研究所でも白いものがちらちらと…?と、思いましたがよくみたらオガコが舞っただけでした
急に冷えると牛の採卵性や受胎性にも影響するため、これから厳しい時期になりますね
少しでも影響を減らせるよう、牛舎もカーテンをかけて冬支度をする必要がありそうです。
第10回全国和牛能力共進会,和牛の祭典in長崎が,
今週木曜日からつくばで
全農の畜産分野(鶏・豚・肉牛・乳牛)に従事する職員により、
各部署の取り組みを紹介するシンポジウムが開催されます
ET研究所からは職員2名が新ETシステムの現状と新しい取り組みについて
紹介させていただく予定です
各分野のネットワークを強化し、よりよいものを生産者の方々に提案できるよう
これからも頑張ってまいります
ノーベル賞の影響かあまり話題になりませんでしたが、
ニュージーランドの国営研究機関「アグリサーチ」は、
2日、牛乳アレルギーの原因であるベータラクトグロブリンを
ほとんど含まない乳を出すクローン牛、「デイジー」を誕生させた
と米国科学アカデミー紀要(PNAS←すごい)で発表しました
デイジー嬢のお顔はこちらから
http://www.agresearch.co.nz/news/pages/news-item.aspx?News-id=12-10-02-01
論文を読んでみると、人為的に関連遺伝子の働きを弱く(ノックダウン)させてます
あと、アグリサーチお得意のドナー細胞の細胞周期をコントロールしての核移植です
10年前はこの辺の論文を読み漁ったので懐かしい感じがしました
たまーにアグリサーチの研究者と連絡を取り合いますが、このような研究を行っていることは知りませんでした
畜産学や医学を前進させるすばらしい成果だと思います
おめでとうございます
ホームページを見てみると今回の実験の一般向けQ&Aを作ったりと見習うところが多くあります
大変立派な研究機関です
食欲の秋ということで・・・
先日、池田町のワイン城祭りに行ってきました
北海道の各地からワイン城祭りに参加するバスも出ているようですし、
実は道外の方も参加していたりするので、会場前はかなりの行列です
今年は5000枚もある前売りチケットは完売だったそうです
会場ではバーベキュー用のコンロがたくさん設置してあって、
十勝産牛、ビーフハンバーグ、ビーフソーセージ、野菜が好きなだけ食べられます
目玉は池田町産の牛の丸焼きです
ものすごい行列でしたが、ゲットしました
味付けはシンプルに塩コショウで、やわらかくておいしかったです
赤すぎる部分は焼き台で少し炙ったり・・・
他にも鮭のちゃんちゃん焼き、じゃがバターが食べ放題でした
そして、ワイン城祭りの名の通りワイン(赤、白、ロゼ)も飲み放題です
ぶどうジュースも飲み放題なのですが、おいしいです
樽から好きなだけプラスチックのコップに取りマース
自前のワイングラスを持ってきている人もいました。笑
天候にも恵まれ、とてもいいお祭りになりました
こういったお祭りで農産物の宣伝になり、消費量アップや地域活性化にうまくつながると良いですね
そう思うと、色々なお祭りに率先して参加したいと感じました(
ただの食いしん坊・・・)
今週もがんばります
本日、金曜日は十勝新ETシステムの移植日です。
しかし、今回は普段の新ETとは異なり、なんと2地区同時に処置をおこないました
そのため、牛の頭数も普段の2倍労力も2倍
とハードなスケジュールで、北は士幌町や鹿追町、南は中札内村や更別村と十勝中をET研職員が走り回りました
どうしてもETが行えない週が出てしまい急遽このような2地区同時だったのですが、当初はそれほどの頭数があがらないと踏んでいました。しかし、実際は予想をはるかに上回る申し込みがあり、正直最初はどうしようと焦ったのを思い出します
なんとかET研スタッフ総出で移植を無事に終えたわけですが、生産者の方々にこの事業が支持されていることが伝わり非常にうれしく思います
毎度は厳しいですが普段よりもうひと踏ん張りできることがわかりましたので、さらなる事業拡大のため今後とも十勝新ETシステムをよろしくお願いしますね
↑今日の移動範囲です。無事に終わってほっとしました
皆様もご存知の通り
京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞をとられました。
http://www.reuters.com/article/2012/10/08/us-nobel-medicine-idUSBRE8970AB20121008
おめでとうございます
先週の金曜日のブログ記事にもあるようにiPS細胞は
体のあらゆる細胞に成長する性質を持った細胞で、今後医学分野の飛躍的な進歩が期待されています。
もう一人の英国のジョン・ガードン博士の功績についてあまり知らないので調べてみました。
カエルの研究で、大人の細胞が受精卵の状態に戻るということを1962年に核移植技術で証明されたそうです。
う~ん、50年前。。。
先人から学ぶことは多いですね
すべてのスケジュールが終了し、
ホルスタインショウの様子(ハイライト)もビデオでご覧いただけるようになりました
http://www.worlddairyexpo.com/pages/2012-Holstein-Videos.php
また、ホルスタインすべてのクラスの結果はこちらから
http://www.worlddairyexpo.com/pages/Dairy-Cattle-Show.php?year=2012&show=Holstein&class=all
ゴールドウイン、強し
ET研究所では日頃顕微鏡をのぞいていることが多いですが、
検卵の時や実験の時は大体いつも同じ顕微鏡を使うようにしています
少しだけ顕微鏡によって卵子や受精卵の見え方が変わったりするのです
ある日私がいつも実験で使っている顕微鏡の電気をつけると・・・・つきません
電球が切れてしまいました~
なので、買い換えようと注文をすることにしました
が、
意外と高級品
3つで21000円ですって
こんな小さな電球が1つ7000円もするのかと驚きました
(研究室で使っているものは意外といいお値段のするものが多いのでよく驚きますが)
しか~しケチっている場合ではないので買いました
電球が切れている間は他の顕微鏡で代用していましたが、やはりいつもの顕微鏡がいいですね
ということで、無事に顕微鏡復活~~~
今日さまざまなメディアから衝撃的なニュースが入ってきました
なんと京都大学のグループがマウスのiPS細胞から卵子を作りだしたそうです
しかもこの卵子を受精させて子供まで誕生させたそうで…。
昨年このグループではマウス精子の作成にも成功しているので、もしかすると革命的な出来事かもしれません
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2012/10/oocytes-normal-mice.html
ヒトへの応用は倫理的な面から様々問題はあると思いますが、今後どこまで技術が発展するのか楽しみですね。
さて、我々もウシや他の家畜での応用方法でも考えられたらもっと面白いんですが…
現在、ウィスコンシン州マディソン市でワールド デイリー エキスポが開催中です(6日で閉幕となりました)
約2,500頭の牛が一堂に会しています
ショウの模様も中継され、非常に盛り上がっているようです
http://www.worlddairyexpo.com/
ホルスタインのcattle logsもご覧になれます
ショウが始まる1時間前に最新のものに更新されるようです
いやー、結果が楽しみですねー
帯広農業高校をモデルにした漫画、「銀の匙」が、10月18日(木)に最新刊の5巻が発売されます。
久々の跛行と繁殖シリーズです。
今回は、HOARD'S DAIRYMAN 7月号に面白い記事が載っていたのでご紹介します。
跛行を示す場合、発情兆候が微弱になるのは想像に難くないですが、
記事によると、跛行牛では排卵のタイミングが早くなり、発情兆候を示すのが遅いそうです。
う~ん、なぜでしょう??
PGを含む炎症性物質が黄体退行を早めるのでしょうか??
下図の文献では跛行により空胎期間が延長することが分かります
P. Melendezら theriogenology(2003) より改変
最近採卵後にドナーの削蹄を自ら行うことがありますが、
跛行していなくても意外に潰瘍があったりして驚かされます
早期発見・早期治療が重要です
いわゆる「マイクロキメリズム」ですね
胎児の細胞が母親の血液循環に入り色々な臓器へ生着してしまうことは昔から言われていますが、
何と
胎児細胞は母の脳関門をも通過していることが報告されました
マウスを使った「マイクロキメリズム」で有名なネルソン博士ですが、
今回、亡くなった59名の女性の脳を検査し、その63%で「マイクロキメリズム」を確認しました
この「マイクロキメリズム」、非常に興味深い現象ですが、
母親の免疫系に影響を与えてしまうのではないでしょうか
例えばですが、二人目の子供を妊娠しにくい女性がいらっしゃいますが、
「マイクロキメリズム」による免疫系の変化が原因の一つではないかと勝手に妄想しています
また、逆に免疫寛容により妊娠しやすい体質になってもいいような・・・
その他、男児細胞のマイクロキメリズムをもつ母親は、
乳癌の発症率が低いとか、
逆に結腸癌の発症率が高いとかあるそうです
今回の発見はアルツハイマー病やパーキンソン病などの研究に応用されるとのことです
気温も下がり、秋らしくなってきました
勝手に「食欲の秋」と言う事でおいしいものをいっぱい食べたいと思ってマース
秋のおいしいものと言えばたくさんありますが、「新そば」の時期がやってきました
と、言う事で日曜日に新得のそば祭りに行ってまいりました
あいにくの雨だったので、普段よりお客さんは少なかったのではないでしょうか?
それでも人気店ではけっこうな行列ができておりました
テント内でそばを打っている姿も見ることができました
お祭りは14:30までだったのですが、13:00くらいには売り切れてしまうお店もありました
そばは普段より小さめサイズで1個250~350円程度で売られており、
暖かいのか冷たいのか、トッピングも色々選べて
(かしわ、月見、とろろ、山菜、海老天などなどお店によって様々)
気軽に食べ比べが出来てとても良かったです
そばの香りがとても良く非常においしかったです
興味のある方は是非来年行ってみて下さい。
よーし、そばパワー(?)で今週もがんばるゾォーーー
最新の論文を読んでいると様々な試みがされていて驚くことがあります。
最近読んだ論文では妊娠している牛から効率の良い受精卵の作出を試みていました
どうやって妊娠牛から受精卵を?
と思ったら、卵巣に針を刺して卵子を吸引して体外受精で受精卵を作るそうです
しかし、妊娠牛の卵巣に針を刺すなんて…私にはやる勇気がありません
この論文によると、妊娠45、59、73、87、101日目と5回もの採卵をおこなっても妊娠に影響しなかったそうです
また、eCGを投与しても影響しなかったと論文では結果が出ていました。
このような考えてもなかなか実行しようとは思わないような方法がもしかすると新たな技術の発展につながるのかもしれませんね
ただよくよく調べるとこの手法、かなり前からおこなわれているみたいで…私の勉強不足ですね
今日は精子に関するお話です
精子は分化と分裂により、精祖細胞から精母細胞、精子細胞を経て形成されます。
精巣内に精子の元になる精祖細胞はあるのですが、
セルトリ細胞(精子形成を促すための栄養や成長因子を分泌する)が
働かない精子形成不全により不妊であるマウスの精巣組織を体外培養し、
精子生産に成功したことが先日発表されました
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22984182
この精子を顕微授精によってマウス卵子に注入したところ、
発育や繁殖能力に全く問題のない、正常な子供が生まれたそうです
このような研究は昔から行われてきましたが、
いつか精子形成も卵子形成も受精も全て体外で行われ、
効率の良い生産システムが開発されるかもしれませんね
今回は輝かしいショウ歴を持つバドジョン JK スカイック エリザベス ET号(92点)
のファミリーであるハイロード ダーハム エクリプス ET号(91点)
から採卵した受精卵を紹介させていただきます。
エリザベス号の娘牛達は現在までに8姉妹がEXを達成しています。
そのうちの1頭であるJA上士幌管内の小椋茂敏氏所有のエクリプス号(7代連続 EX)に
さらなる体型改良の期待できるクラツクホーム フィーバー ETを交配した受精卵5個です。
供卵牛 ハイロード ダーハム エクリプス ET(91点:7代連続:上写真)
5.07 305 12,331 472 3.8 3.3 8.8(父:ダーハム)
受精卵の交配精液:クラツクホーム フィーバー ET
供卵牛の母:バドジョン スカイック エリザベス ET(92点:6代連続 EX:上写真)
供卵牛の祖母:クルル ブローカー エレガンス(96点:5代連続 EX)
お気軽にお問い合わせください。
9月22日(土)~23日(日)2日間にかけて、安平町早来にある北海道ホルスタイン共進会場にて、
ホルスタインナショナルショウが行われました。
7月の3頭の上場に引き続き,9月のホクレン十勝家畜市場では1頭,
これまで人用の痛くない注射針があるのは知っていましたが、
なんと、今回、
”薬の微細な粒子をレーザーの力で皮下に送り込むシステム”
が開発されたとのことです。
http://techcrunch.com/2012/09/13/no-more-needles-painless-laser-injects-drugs/
もし牛でも応用可能となれば、
頸部に注射する際に涎をかけられたり、
臀部に注射する際に蹴られたり、
なんてことが将来なくなるかもしれません。
医療分野の進歩もここまできたのかと思いました
今年は道内でもまだ暑い日が続いていますね。
新ETで訪れた農家さんの犬も涼しいところを狙ってか、
屋根の上で休んでいました(笑)↑
少々時間がたってしまいましたが、
TEDxTokyo 2011から、
森有一博士の「土を使わない農業」のご紹介
YouTube: TEDxTokyo - 森有一博士- Soil-free Agriculture [日本語]
震災後の東北地方の野菜や果物作りに大きく貢献しそうな技術ですね
また、日本だけでなく世界の農業にも影響を与えそうな・・・
胚性幹(ES)細胞も培養できる技術もお持ちのようです
一時期、生殖細胞保存に森博士らがもつ技術を応用できないかと考えたことが。。。
みなさん、これは一体何の写真か分かりますか?
花火のような・・・?私としては縁日のヨーヨーの柄にも見えます(笑)
これは2種類の染色液を使って胚盤胞というステージの胚を染色した写真です
↓こんなステージです。(大体受精後7~8日目です)
青く染まっている部分が将来胎子になる部分で、ピンク色に染まってるところが胎盤になる部分です
この写真は私が始めてこの染色方法を教わって、染色を行ったときの写真です
この染色法では、2種類(青とピンク)に染め分けをしたいのに失敗すると青一色になってしまったりします
キレイに染めるためには胚を染色液につけておく時間が重要だったりします
しかし、初めてにしてはとてもキレイに染色できました
きっと私の腕が良かった指導して下さった方の教え方が上手だったのでしょう
今でも見ると思わずうっとりしてしまう思い出の写真でした
現在、北米で流行ってる定時人工授精(TAI)用の発情同期化法ですね
今年の米国受精卵移植学会では、この発情同期化法でセッションが設けられています
以下に方法を示します
5日間という短い処置期間がポイントで、
CIDR抜去により卵胞が発育し、
エストロジェン濃度がタイミング良く上昇するため卵子の質を高めるよう
最近では7-day CO-Synch + CIDRより受胎性が高いと評判です
CIDRを抜去して72時間目のAIが適期(受胎率65~80%で、60時間目のAIでは57%に低下)
難点はPGの12時間間隔2回投与
しかし、本当によいものであれば、がんばりますね(合成PG製剤も2回投与が必要???)
私が知っている限り、「1 Shot PG法」に次ぐ簡単処置法です
シンプルでGood!
9月に入ったというのになかなか涼しくなりませんね
夏の暑さが厳しいことで有名な埼玉県の熊谷市では、
9/9で統計開始以来最長となる、48日連続の真夏日を記録したそうです。
道民からすると驚きの暑さです
しかし、こちら北海道も意外と暑さが続いています。
まだ昼間は30℃近くまで上がることもあります
話は変わりますが、ET研では食肉処理場に卵巣採取に行っておりますが、
・・・・・施設内とても暑いんです。
なぜなら
なぜなら
なぜなら
こんな格好してるから(血液が飛んできたりして汚れてしまうので)
さらにはズボンの裾を長靴に入れて、手首の裾はゴム手袋の中に入れて、頭はヘルメットで覆い、
完全防備です
施設内の窓は閉め切っており、クーラーもなく、熱湯を使うのでサウナ状態なのです
外の気温が高ければ高いほど、施設内の温度も上がっていきます
ちなみに施設内で働いている方達は半袖を着ております・・・
真夏は1人だけ地獄にいる気分でございます
明日は卵巣採取日ですが、涼しい1日になるよう祈っております
妊娠鑑定で少し不思議な例があったので紹介したいと思います。
本牛は発情から6日目の7月13日に胚移植をおこないました。
その後の8月15日(胎齢40日)に妊娠鑑定をおこなったところ下のような画像でした。
一見すると腔もばっちりで胎子も確認できますが、少し小さいような…。念のため翌週再鑑定をおこなうことにしました。
その1週間後の8月22日のエコー画像が下です
腔がさらに大きくなりました。胎齢47日。しかし胎子の形がはっきりしません
もし胎子が死んでいたのなら腔は大きくならないように思えますが…。
念のためさらに翌週
胎齢54日目。一週間前とほぼ変わらず…。胎子は死んでしまったのでしょうか?
またさらに翌週
これが今日のエコー画像です。腔が小さくなり、ようやく確信をもって胎子が死亡したと判断できました
この例のように胎子が死んでしまっていても(死ぬ直前?)、腔が日齢に応じて大きくなったり、その腔が60日過ぎまで確認
できることもあるようです。
いったいどの時点で胎子が死んだのかは不明ですが、40日目の時点で違和感を感じたことから胎子は既に死んでいたように思います
となると胎子は死んでも腔は大きくなる…。小さな命をどうにか繋ぎとめたい母牛の頑張りがこのような事象を引き起こしたのでしょうか?
そう考えるとちょっと切なくなる症例でした
昨日くらいからニュースになっているアメリカ産の輸入牛肉。 20 ヶ月齢以下から30ヶ月齢以下に緩和されると米国産牛肉全体の 9割をカバーするという。 今年度中には緩和がされるのではないかとか、 某牛丼有名チェーン店の株価が上昇など、様々なニュースが流れています。 アメリカでの月齢の管理方法、日本のBSE 検査体制、 OIEと日本とでの特定危険部位の違いなど、変わることはないと思うけど、 せめて議論にはならないのでしょうか。。 10桁耳標で管理されてる国産牛肉、もっと注目されればいいのに!!
先週、口蹄疫終息宣言から2年が経過したことに続き、
9月3日には宮崎産牛肉の対米輸出が再開したそうです。
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20120904ddlk45020604000c.html
口蹄疫のあと、原発事故などもあって海外への牛肉輸出は困難な状況でしたが、
国内消費が厳しい中、輸出再開のニュースはとても喜ばしいことだと思います。
ちなみに2年前の2009年、牛肉輸出先1番の国はご存知でしょうか?
私も知りませんでしたが、
ベトナムでした。
(2番が香港で、米国は3番目です。)
新興国への牛肉輸出もこれから拡大していくかもしれませんね。
↑上士幌は2番草の刈入れがほぼ終わったようです。
天候が良好だったのもあり、今年の牧草の出来は比較的良さそうです。
「Low numbers of ovarian follicles ≥3 mm in diameter are associated with low fertility in dairy cows」
Mossa et al., J Dairy Sci (2012)
Evans博士に論文をいただきました
いつもお世話になってます
たまには真面目な本業ネタをご紹介
【方 法】
306頭のホルスタイン種経産牛を供試して、
3mm以上の卵胞数が15個以下(少)、16~24個(中)および25個以上(多)で3グループに分類
卵胞数は発情日から平均して4.6日目(第1卵胞波)でカウント
次の発情周期でAIして受胎率を調査
【結 果】
分娩後最初のAIにおける受胎率は31%(少)、45%(中)および38%(多)(少と中の間に有意差あり)
繁殖シーズン全体で受胎率をみると84%(少)、88%(中)および94%(多)(少と多の間に有意差あり)
【感 想】
卵胞数が少ない牛の受胎率が低くなるとの報告です
AI前の発情同期化と併せて卵巣を確認することでその後の受胎性をおおまかに予想できそうですね
特に貴重な精子を使う場合の判断材料になりそうな。。。
また、高価な超音波装置(3mm以上の卵胞を調べているので結構小さいものまで見えてますね)がなくても
(ある程度、)卵胞数は卵巣の大きさに比例するので、
卵巣の触診のみでも同じような傾向がでるかも?
-------------------------------------------------------------------------
卵巣の大きさで卵胞の多い少ないが判断できそうですよね(写真は屠場由来卵巣)
なんだか今日は夏らしく、怪談話のようなタイトルですが
先日仕事を終えて、会社を出ようとすると玄関の前で何かモソモソ・・・
暗闇の中でうごめく影、その正体は
ちょっと写真が暗いですが、わかりますか?
・・・・・・・・タヌキです
北海道にもいるんですね
人間がガラス戸を隔てたすぐそこにいるのに意外に逃げません
玄関を開けると、「おじゃましまーす」と言わんばかりに頭と前足を前に出して、
中の様子をうかがっていましたが、目の前に人間いますからっ
この日は3匹のタヌキがET研の玄関前に来ていました。
中に入ろうとしたのは顔を見るところ子ダヌキのようでした
あとの2匹は親ダヌキだと思いますが、タヌキ一家でこの日ET研を訪問したようです。
そして会社の明かりに寄ってくる大量の虫をむしゃむしゃと夢中になって食べておりました
↑虫をおいかけている様子
その後も何度か目撃情報もあり、どうやらET研周辺に住み着いているようです
仕事終わりの疲れを吹き飛ばしてくれたかわいい夜の訪問者でした
ET研究所の職員が移植に出向く新ETシステムですが、研究所のある北海道だけでなく
全国の各分場および事業所からも移植作業に出ています。
先週の話になってしまいますが九州地区を担当する事業所の担当者が急用で移植に出れず
急遽北海道の本場から職員を派遣することになりました
北海道の気候に慣れた体では九州の暑さに耐えれるわけもなく非常に過酷な移植になりました
佐賀県の唐津市での移植でしたが、人だけでなく牛もだいぶ暑さにやられていたようで、黄体の形成が不十分で移植予定の半数ほどしか移植ができませんでした
なんとか移植に至ったものは、暑さに負けず受胎してほしいものです
うわさの唐津のお父さん犬にも会えました
最近一輪車がお気に入りらしく、作業中ずっとそばを離れませんでした。
今回の代打は2日連続で、次の日はなんと山口県
ふぐで有名な下関です。
九州だけでなく中国地方まで…福岡事業所職員の頑張りには頭が上がりません
下関もかなりの暑さでしたが(北海道にくらべて)幸い移植予定牛すべてに移植できました。
帰りにご当地丼ぶりを食べて満足です。
今回は2日間の出張でしたが、北海道とは気候、地形、飼養形態、生産者、牛…すべてと言っていいほどの環境の違いに気づくことになりました。
たまには他地区の移植をみておくと色々な発見がありそうです
先日、
8月17日米科学誌CELLで発表されました
癌抑制化合物「JQ1」に精子数減少と運動能を低下させる効果があることをダナ・ファーバー癌研究所が発見
この「JQ1」が精巣内に入ると精子形成に重要なタンパク質「BRDT」に結合し、
精子形成を邪魔するようです
また、この「JQ1」、
(雄マウスの)腹腔内に毎日投与しても性腺刺激ホルモンや男性ホルモンバランスに影響を及ぼさないのが特徴
従って、投与中でも雄の性行動は正常に行われるそうで、
さらに投与を中止すると精子形成が再開され子供も生まれます
さすが、CELLの論文!
社会貢献度がハンパない!(うまくいけばですが)
あと、個人的には「BRDT」にビビッときました
精子の品質の良し悪しに、この「BRDT」遺伝子の一塩基多型(SNP)が影響してないですかね?
調べてみたい。。。(牛にBRDTがあるかわかりませんが、、、ヒトにはあるらしいです)
話は変わりますが、普通の(女性用)ピルはプロジェステノーゲンとエストロジェンからできているので
飲むと排卵を抑制して避妊できるわけです
我々が牛の発情同期化に使う黄体ホルモン製剤PRIDと似てますな
ヒトの不妊治療を行っているクリニックが、
閉経前後の女性の卵巣に自身の皮下脂肪から抽出した間葉系幹細胞を注射し、
卵巣機能の改善を図る臨床研究を厚生労働省に申請をしたというニュースがありました
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2004A_R20C12A8CR0000/
間葉系幹細胞は、間葉系に属する細胞(骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞)へ
分化能を持つとされる細胞のことで、骨や血管、心筋の再構築などの再生医療への応用が期待されています。
この研究では、機能の低下した卵巣に間葉系幹細胞を移植し、
卵巣の血流を増やすことで衰えた卵巣機能の改善を目指しており、
今後60歳未満の女性5人を対象に研究を進めていくそうです。
すでにラットを用いた研究では、移植後に血管が新生し、卵巣機能の改善が確認できたそうです
ウシでも応用できるようになると・・・機能低下により「し~ん」とした卵巣が・・・
↓
↓
↓
こんなふうになるかも
※注.画像はイメージです
全ての生物において老化は避けられないことですが、いつか全ての女性&雌に
「あきらめないで」(某CMの名ゼリフ)
と言える日が来るのでしょうか?