明かりが乳量を増やす?
今回はウィリアムマイナー研究所にいる同期からくる、デイリィインフォの記事の一部を紹介させていただきます

今回はウィリアムマイナー研究所にいる同期からくる、デイリィインフォの記事の一部を紹介させていただきます
約1年前の論文ですが、教科書が覆される報告がありました
Acrosome-reacted mouse spermatozoa recovered from the perivitelline space can fertilize other eggs
大阪大学とハワイ大学の共同研究です(PNASに掲載)
一般的に、精子は先体反応を起こし、卵子の透明帯を溶かしながら内部に侵入していくと考えられていました
また、精子が卵子に侵入するのは1回のみと教わった記憶があります
研究グループは、透明帯は通過するが卵子細胞質の中に入れないよう
(すなわち、透明帯と卵子細胞質の間の囲卵腔に精子がたまるよう)
遺伝子操作した精子と卵子を実験に供試しました
そして、囲卵腔にたまった精子(すでに先体反応が起こっている)を取り出し、
新しい卵子と共培養したところ、その精子は
再度透明帯を通過し、受精卵となり子供にまで成長することが明らかとなりました
ということで、少なくとも精子は2回卵子に侵入できることが証明されたのです
そこで、、、
透明帯は通過したが卵子細胞質内への侵入を他の精子に許してしまった場合、
受精をあきらめずに、透明帯を脱出し、また新しい卵子に入っていくくらい【タフな精子】
がいれば繁殖効率がかなり改善されますね(過排卵処置時のAIに限りますが)
すいません。。。
冗談です。。。
しかもこれだと透明帯を3回通過しないといけませんね
しかし、うまく活用できれば少ない精子数でも効率よく受精させることができるかもです
特に体外受精
こちらは冗談ではありません
あっ、メリークリスマース
今日はクリスマスイブですね
みなさんどう過ごされていますか?
クリスマスイブということで(?)、
遠く離れたロシアでは先日こんなびっくりニュースがありました
対向車に接触したトラックが横転してしまったようです
幸い、運転手とウシさん達にも大きな怪我はなかったようです
ウシさんびっくりしたでしょうね、かわいそうに・・・
こちら十勝は例年に比べて雪が多いような気がしますし、
会社帰りに道路から落ちてしまっている車を見ることもしばしば・・・
みなさんくれぐれも車の運転にはお気をつけ下さい。
また、インフルエンザも流行し始めたとのニュースもありましたので、
年の瀬に体調を崩すことのないよう注意しましょう
今年も残りわずかとなりました
年越しに向けて、今週も1週間がんばっていきましょう
今日は今年最後の新ETシステムの移植にいってきました
数えてみると今年平成24年はなんと826頭の牛に新ETシステムで移植をおこないました(北海道内ET研移植のみ)
昨年の平成23年は583頭、一昨年は450頭、新ET開始の3年前は10頭(12月のみのため)と年々移植頭数が増加していることがわかります。
つまり生産者の皆さまに新ETシステムが浸透してきたこと、また支持をしていただいたためだと思いますので非常にうれしいことですね
今後もさらなる移植頭数拡大のため、努力してまいりたいと思います
本州ではまだ新ETの移植はありますが、来年も新ETシステムをよろしくおねがいします
牛の妊娠期間は、ホルスタイン種や黒毛和種で280-290日前後と知られています。
最近めっきり寒くなりました。
寒くなると家の中に閉じこもりがちになりますよね。。
しかし男性の皆様
今年こんな論文が発表されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22234399
日ごろ座りがちの生活を送っている人は、
精子の運動性、形態の正常性に加え、ホルモン濃度まで
運動する人に比べ低いそうです
ある授精場の方がよく種雄牛の引き運動をされている
というのを聞いたことがありますし、
牛でも同様のことが言えるかもしれません。
12月4日の記事に引き続き、
国際受精卵移植学会(IETS)ネタです
いまいちスッキリしない結果ですが、
「子宮に何か入れる」ネタが好きなんです。。。
これもサンパウロ大学の報告(12月4日の記事と同じグループ)
INFLUENCE OF LOW-VOLUME UTERINE FLUSHING ON UTERINE VASCULAR PERFUSION AND ENDOMETRIAL THICKNESS DURING EARLY DIOESTRUS IN BEEF CATTLE
15頭の経産牛にAIを実施
AIと同じ発情周期の6日目に少量(20mL)のPBSを非黄体側子宮角へ入れて、
マッサージ後PBSを回収
そして、子宮の血流を観察すると、
非黄体側子宮角のみならず黄体側子宮角の血流が上昇するそうです
で肝心の受胎率がどうなるかというと。。。
書かれてない。。。
15頭じゃ何とも言えないという感じでしょう
彼らの予想は、この血流の上昇が受胎率にいい影響をもたらすのではというものです
手間がかかるため、ちょっと現場では応用できそうにない技術ですが、
知見としては面白いです
免疫系も大きく動きそうかな
突然クイズです
これは何をしているところでしょうか?
見たままシャーレにカッターで傷をつけている(線を引いている)で・す・が、
この線、採卵した受精卵を探すのに重要です
採卵後、受精卵が浮遊している子宮還流液をこのシャーレへ入れます
その中から受精卵のみをピックアップしているわけなのですが、
受精卵の大きさから考えたら、このシャーレいっぱいの還流液は大海原のようですね
(ちょっとおおげさですが・・・)
ですので、シャーレの裏側についている傷を目印に大捜索するのです
ちょっと写真が見づらくなってしまいましたが、
うっすらと見えている白い横線がカッターでつけた傷です
私は赤い線で示したように横に見るタイプですね
こうしてみんなスナイパーさながらの鋭い目つきで
「狙った獲物は1つたりとも逃しません」という感じで検卵しております
検卵の際にはシャーレ内を2回チェックして、
さらにもう1度取りこぼしがないかしっかりとチェックしていまーす
ET研究所で採卵した受精卵は定期的にリストを作成していますが、最近非常に人気の高い血統が目立ちます
それは、安福久という種雄牛の血統の人気が異常に高くなっています
安福久は鹿児島県の採精場で飼養されている種雄牛ですが、その子牛は肉質が非常に優れていることから高い人気があります。
とくに安福久を親にもつ雌子牛は肉質の良さ、繁殖への利用から非常に高値で取引されています
ただこの安福久、体が小さいことが最大の欠点でしょうか、そのため繁殖として残しても増体を期待した血統の種は難産のリスクから付けにくいという話を聞いたことがあります
そのため、分娩のリスクがない受精卵で安福久の人気が最近では異常に高くなっています
ただET研では安福久の供卵牛がまだまだ足りていないので、希望通りに販売できずご迷惑をおかけしております
今後牛が増えれば安定的に販売できると思いますので、もうしばらくお待ちください(人気ももうしばらく続いて欲しいですね)
安福久以外にも人気の血統をご用意していますので是非全農の受精卵をご利用ください
また和牛以外にも最近では受胎目的にF1(黒毛和種×ホルスタイン種)の受精卵をリーズナブルな価格で提供させていただいてます。なんとかもう1産させたいという方やETは試したいけど和牛はちょっと…というかたも気軽にご利用できると思います
受精卵の購入やリスト、値段についてはET友の会に入会が必要(無料)になりますが、是非お問い合わせください
全農ET友の会: http://www.zennoh.or.jp/bu/chikusan/et/05shinki.htm
http://kintaror.blog28.fc2.com/blog-entry-5035.html#comment2079
先週末に広島でETを実施させていただきました。
北海道から飛行機で向かい、あちらは少し暖かいことを期待していたのですが、
広島でも大粒の雪に見舞われ、ホテルに着いたのは
日付も替わりかかった深夜
次の日の早朝からETを実施させていただき、
今回は14頭同期化処置して13頭ETを実施いたしました。
(残念ながら1頭は排卵していませんでした。)
好結果を期待しております
帰る日はなんと大雪で、北海道行きの飛行機が欠航となってしまい
東京で一泊しすることに
↑空港に着いてから自分の車の雪をどかすのが大変でした
今回お世話になりました西日本くみあい飼料の職員の方々、農場の方々
ありがとうございました。
男子中学生が「やる気スイッチ」を押して「ウォーー!」と走り出すCM、
結構好きでした
しかし、ホントにあるそうです「やる気スイッチ」
サルを用いた実験ですが、
大脳基底核の一部である腹側淡蒼球と呼ばれる部位がそれにあたるそうです
生理学研究所と米国NIHの共同研究です(米国雑誌NEURONに掲載)
実験ですが、サルにある運動を覚えさせ、うまくできたらジュースをもらえるという
いわゆる報酬に基づく学習プロセスの理解に貢献するというものです
私の腹側淡蒼球にも電気をビビッと流して活性化させますか
たまには。。。
日本では牛海綿状脳症(BSE)の対策開始から10年以上が経過しました。
特定危険部位の除去と肉骨粉飼料を使用禁止にしたことで、
世界中でBSEの発生は激減しましたね
日本国内では2001年9月に千葉で確認されてから
現在までに36頭が感染牛として明らかになりましたが、
2009年以降、感染牛は確認されていません
日本では年明けより国内のBSE検査対象牛が20か月齢超から30か月齢超に、
米国産牛肉の輸入制限も生後30か月以下に規制緩和されることになりました。
そんな中、ブラジルでは初のBSE感染牛が確認されてしまいました
BSEが確認されたのは13歳前後の雌牛で、市場に流通はしていないそうです
近隣国では口蹄疫も発生していますし、日本でも発生したことはまだ記憶に新しいですね
常日頃から防疫対策に気をつけなければいけないと改めて感じました
ちなみに卵巣採取のため食肉処理場で使用した道具も
全部消毒して持って帰ってきておりまする
ET研究所ニュース12月号アップしました
http://www.zennoh.or.jp/bu/chikusan/et/news_pdf/201212.pdf
今回は分娩後の卵巣機能の回復を促進する方法について文献を探しました。
新ETシステムでは、特に和牛繁殖農家さんからは、
分娩後50日前後の牛が受卵牛候補に挙がってきます。
私はよく
「子っこついてますか?」
と農家さんに確認しております。
北海道の和牛繁殖農家さんでは早期離乳をしている地域が少ないようで、
ほとんどの農家さんでは分娩後100日前後まで子牛がついてます。
このような牛の中にはまだ卵巣に黄体も無く、卵巣サイズも非常に小さい牛がおり、
たとえ膣内にプロジェステロン製剤を入れても黄体が形成されないことが多いです
上記のようなケースでは分娩後早期の排卵促進剤の投与をご検討ください
よくある話ですが、読んでみるとなかなか面白かったので・・・(実験計画がしっかりしてる)
今度ドイツで行われる国際受精卵移植学会(IETS)ネタです
しかし最近のIETSは、学会前に講演要旨が読めるので非常に助かります
ある程度予習をしておけば現場で無駄な動きをせずにすみます
さて、
THE LIPID COMPOSITION OF THE FOLLICULAR FLUID ON DAY 6 POST-AI MAY BE ASSOCIATED WITH THE GESTATIONAL SUCCESS IN NELORE COWS
サンパウロ大学のScolariさんの報告です
82頭の経産牛にAIを実施
41頭はAIした発情周期の6日目でもっとも大きな卵胞から液を吸引します(グループA)
残り41頭は無処置(卵胞吸引なし、グループB)
30日目で受胎状況を調べると、
グループAは53%、グループBは56%
ということで、6日目の卵胞吸引が妊娠に悪影響でないことがわかります
そして、グループA内で妊娠した牛、してない牛で卵胞液を分類し、
タンパク質解析を行いました
結果、妊娠した牛の卵胞液では脂肪酸が(非妊娠牛と比較して)130%UPしているようです
すばらしい研究ですね
例えば、体外成熟培地の組成を今回の試験結果に近づけることができれば、
受胎しやすい受精卵が大量に生産できるかもしれません
しかし、彼らはなぜ発情周期の6日目で卵胞液を吸引したのでしょうか??
(恐らく第一卵胞波のドミナントを吸引したかった??)
などなど、質問したいことが山ほどあります
私はドイツは行きませんが、行く人はしっかりと調査してきてください
以上、業務連絡でした
今年の夏に生食用での提供が禁止された牛レバーですが、
厚生労働省は研究班を設置して、放射線照射による
殺菌効果を確認する研究に乗り出すことを決定したそうです
日本では、食品への放射線の照射はじゃがいもの発芽防止用としてのみ用いられています
レバーの提供には中心部まで十分に火を通すことが義務づけられていましたが、
この研究がうまくいけば生食提供禁止の解除を検討するようです
生レバー復活のためにこのような研究までされているなんて、
意外と(?)生レバーファンが多いのですね
またいつか生レバーさんにお目にかかれる日が来るのでしょうか?
レバー好きさんには朗報でした
ちなみにET研ではこのような殺菌灯(紫外線)が
実験室や検卵室、クリーンベンチ内に備え付けてあります
これで実験にお邪魔な細菌はイチコロです
研究所の周りも雪で覆われるような季節になってきました
気温も徐々に下がり、野外へ出て作業をするのも億劫になってきます
そんななか元気なのが、牛たちです
牛といってもホルスタイン種ですが、さすが寒冷地原産、元気に走り回っています
さらに牛舎内に入ると、この気持ちの昂りが抑えきれないのか、うっとうしいくらい人に絡んできて作業の邪魔をしてきます
一方、それだけ元気なせいか最近すごく発情が強く出るように思います。
ただ発情兆候が強いうえに元気なため、どの牛が本当に発情なのかわからなくなってくることも…
夏場のストレスもなくなったわけですし、これからどんどん受胎して受胎率アップに貢献してほしいですね
https://www.id.nlbc.go.jp/top.html
来年の1月に第39回国際胚移植学会(IETS)が開催されます。
http://www.iets.org/index.asp?autotry=true&ULnotkn=true
場所はドイツのハノーファーというところです。
ET研究所では毎年、日々の研究の成果を国際学会で発表しており、
今年も一題発表予定です。
インターネットで研究発表の内容を知ることが出来ます
http://www.publish.csiro.au/nid/44/issue/6507.htm
今年のシンポジウムのテーマは”Advances in transgenic animal production”です。
”transgenic animal”=”遺伝子改変動物”のことですが、
医薬品の開発などに重要な役割を果たしています。
他に、ポスター発表は全部で337題、口頭発表では今年ノーベル賞で話題となったiPS細胞に関する報告もありそうです。
全農ET研究所がさらにパワーアップできるような情報を集め、
生産現場にも還元してまいります
すなわち、
心肺停止後に何らかの処置を施して心拍が再開しても、
脳や心臓(活性酸素による組織障害)への重篤な後遺症が残ってしまうことが多いのですが、
2%水素ガスを吸入することで状態悪化が緩和されるらしいです
また水素ガスは、全身性炎症物質の増加も抑制することが明らかとなりました
慶応大学と日本医科大学の共同研究です
非常に簡単にまとめると、水素ガスは、
「活性酸素を除去する」
「抗炎症作用をもつ」
ことが明らかとなりました
水素ガス・・・、簡単に入手できていいですね
細胞保存技術の改善に使えそうな予感が・・・
むふふ
11月23日は静岡県御殿場市で
「第8回全日本ブラックアンドホワイトショウ」が開催されました
この大会では東日本大震災で被災した宮城県農業高等学校で飼育されている
奇跡の牛「サニー」が出品されました
???奇跡の牛とはどういう意味なんでしょうか???
実は宮城県農業高等学校で飼育されていた乳牛は、
震災のため34頭中20頭が死んでしまったそうなのですが、
津波で流されながらも奇跡的に生還した牛もいたそうです
その生き残った牛のおなかの中にいたのが「サニー」なのです
まさに奇跡の牛ですね
なんだかこの記事を読んで涙が出そうになりました
6月に宮城で行われた品評会では1位に輝いたそうです
その時のサニーの凛々しい姿と記事はコチラ
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20120618dde041040080000c.html
生徒に体を洗ってもらっているサニーの写真↓
体を洗っている女の子達もかわゆいですね(笑)↓↓
http://mainichi.jp/graph/2012/11/16/20121116k0000m040071000c/001.html
ちなみに全日本ブラックアンドホワイトショウでは最下位だったそうです
でもがんばったね、サニー
本日11月23日は勤労感謝の日のため研究所はお休みをいただいています。
しかし採卵や移植といった業務はないのですが、牛の都合がありますので誰かは当番として様々な作業に当たっています
具体的には発情の発見や授精、ホルモン剤の投与がメインで、その他牛の治療などを基本1人でおこなうためなかなかハードだったりもします
話は変わりますが勤労感謝の日とは「勤労 をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としているそうで、農業国の日本では古来は五穀の収穫を祝う日だったようですね(参考wikipedia)。
日ごろは仕事に追われて忙しいことが多いですが、働くことができることに感謝してこれからもがんばりたいですね
ただ今年は天候が不順のため、未だ大豆が収穫できていない地域もあるそうで…まだ収穫は祝えないかもしれません
北海道各地で例年よりかなり遅れましたが初雪が観測されました
今日も空港まで受精卵の配送に行ったのですが、
とうとうET研の周りもこんなんなってしまいました~
季節ごとに美しく風景が変わるところが十勝の良いところだと思います
雪が降るとET研付近の道はこんな風になります~
雪のトンネルみたい~
とても幻想的な風景に様変わりです
今日の雪は湿っぽかったですが、パウダースノーのときはもっと美しいです
ところで雪が降ると心配なのが車の運転です・・・orz
ET研は山の方にあるので、行きは登り、帰りは下りになっています
難所が何箇所もありますが・・・
私的には冬になるとここのカーブが非常に恐怖でございます
北海道にお住まいのみなさまはこれから車の運転に十分ご注意下さい
以前もありましたが、本日の新ETシステムでもJA大樹より2名の移植師の方が研究所および新ETシステムの見学にいらっしゃいました
昨日は現場のほうに随行していただき、超音波を用いた黄体確認、研究所に戻ってからETに関する座学、そして本日は採卵から移植までの流れをみていただきました
現場ではなかなか機会のない超音波をもちいての黄体確認や新たな繁殖技術について、興味をもっていただけたように思います
実はこれでJA大樹の移植師、合計8名の方々に新ETシステムの作業をみていただきました。
今回の見学ほかが少しでも現場の役にたっていただけたら嬉しいです
皆さん2日間も、朝早くからお疲れさまでした
何か技術的なことでご質問ありましたらいつでも気軽に聞いてくださいね。
2012フードバレーとかちマラソンが秋晴れの中、帯広市内で開催されました。
ハーフマラソン(21km)の大会です
約3,000人のランナーが帯広市内をかけぬけました。
「ET研マラソン同好会」からは3人のランナーが参加
強風に悩まされましたが、3人とも無事に完走することができました。
タイムは・・・、
A:1時間57分、B:2時間8分、C:2時間10分
この中で最高齢のA、トレーニングの成果を発揮できようです。
しかし、Aは翌日から出張で日本各地を革靴で転々としたのですが、実は足裏に激痛が。。。。
何とか足を引きずらずに仕事を終えました。
いや、客観的には引きずっていたかもです・・・。
Bも翌日は採卵作業がキツそうでしたね。
さすが20代のCは、翌日も元気
あーっ・・・、20代って、すばらしい・・・。
また機会があったら走しましょう
ET研でお揃いTシャツ作りたいですな。
ゴール直後
お疲れさまでした
最近はXY分離精子が発売され、現場でも頻繁に使用されています。
そこでふと思ったのですが、XYを分離する前はどの程度の割合でXY精子が含まれているのでしょうか?
普通に考えれば1:1の割合になると思いますが、もしかすると違うのかも…と思ったので調べてみました
するとウシ(Bos Taurus)では若干ですが、1~4%くらいY精子のほうが多いみたいですね (Hassanane M et al., 1999, Nicodemo D et al., 2009)
一般に乳牛では雌のほうが喜ばれますが、若干の違いとはいえ期待するものの逆をいく結果になっています
ちなみにウシの種によっても差があるようでイタリア原産のModicana種はほぼ1:1であるのに対して、Agerolese種は4%ほどY精子が多いようです(Paucillo et al., 2012)。
実際は受精までの過程で選抜があるので、この通りの比率に産子がなるとは限りませんが、いったい何の差がこの結果に表れているのか、不思議ですね。
ちなみにヒトではX精子のほうがほんの~1%多い(Han TL et al., 1993, Martin RH et al., 1996)という結果のようです。
ヒトの世界では生まれるずっと前から女性のほうが強いのかもしれませんね
本日は,今度ET研究所にやってくる供卵牛の,導入前の衛生検査のため,
タイヤをスタッドレスに替えないといけない時期がやってきました。
研究所の牛舎に入ると、牛の咳が聞こえてきます。
さてDairyman11月号で寒冷ストレスと子牛の健康・発育の関係を紹介した記事がありました。
以前ヒートストレスの指標にTHIが有用だと紹介いたしましたが、
(THI=0.8×気温+(湿度/100)×(気温-14.4)+46.4)
この記事によると、
出生後3ヶ月間の平均THIが60以下だとDG(日増体重)が不良で
日平均THIが45を下回ると疾病発生件数が増大するそうです。
THI計を利用して、牛群の肺炎予防重点時期を設けるのもいいかもしれませんね。
ちなみに研究所では冬季、牛の導入時にOTCのLA製剤を注射しています。
同じ品質の受精卵を移植(ET)しても妊娠する牛としない牛がいます。
その差は何でしょう?
いろいろな要因があると思いますが、
この2群で子宮内環境(遺伝子発現)が異なっていることが報告されました。
*******************************************************************
Gene expression and DNA-methylation of bovine pretransfer endometrium
depending on its receptivity after in vitro-produced embryo transfer.
Ponsuksili et al., PLOS ONE, 2012
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著者らは発情周期3日目(発情日=0日目)で子宮内環境が大きく異なっていることを示しました(594遺伝子に差あり)。
また、この子宮内環境の差は発情周期14日目では小さくなるようです。
一般的にETは発情周期の7日目ごろ行われます。
すなわち、ET前の子宮内環境を整えてあげることが、
受胎率UPにつながるのではないでしょうか。
まだ遺伝子発現を調べているだけなので具体的にどうすれば受胎率が改善するかわかりませんが、
本当に必要な遺伝子を絞り込めれば、
牛だけでなくいろいろな動物の繁殖効率が大きく変わるかもしれません。
以前、我々はET前に自己免疫細胞を子宮内に注入すると、
その後の受胎率が改善されることを報告しました。
この時もいろいろな遺伝子が動いていました。
今回紹介した研究と我々の研究の間で
同じような遺伝子がないか調べてみたいです。
さてさて、子宮に受精卵が成長しやすいフカフカ布団をしいてあげるにはどうすればよいでしょうか?
今後の進捗が非常に楽しみです。
今日も九州から15個受精卵の注文があったので、配送のため空港へ行ってきました
最近風がビュービュー強い日が多かったのですが、
今日は天気も良く、ポカポカ陽気でした
と言っても、晴れてはいましたが・・・
ET研究所のある上士幌町では最高が9℃、最低が0℃だったそうです
外に出るととてもヒンヤリしました
今日は空港へ行く途中の道で、私のお気に入りポイントの写真を撮ってみました
どうですか
とてもいい風景です
向こうの山々の頭は白く雪が積もっていますね
紅葉はだいぶ進んでしまっていますが、まだ色づいてる葉っぱもありキレイでした
そこに緑の草とのんびり過ごすウシ達・・・う~ん、すばらしいコラボレーション
日によってやたらウシがこちらに近づいてることがありますが・・・残念
今日はみなさん遠くに行ってしまっていました(テレ屋さんなんでしょうかね)
この写真を撮りながら冬が近づいていることを感じました
実はこの写真、ウシの中に混じって1頭だけウマがいました。笑
みなさんはお分かりでしょうか?
今日は興味深い文献を見つけましたので、紹介したいと思います。
「Prostaglandin F2α promotes ovulation in prepubertal heifers.」
C.E.P. Leonardi et al., Theriogenology 78 (2012)
【方法】
11日間隔で卵巣を超音波で観察し、黄体のないことを確認した春機発動前の未経産牛30頭を試験に供した。
これらを以下の試験区ごとに3群に分けた。
(1) PG群(N=14);自然に発生した卵胞ウェーブの5日後にPGF類似体(500μlのcloprostenol)を投与
(2) PPG群(N=12);腟内留置プロジェステロン除放剤(CIDR)の挿入、50mgのプロジェステロンおよび2mgの安息香酸エストラジオールを投与し、卵胞ウェーブの5日目(CIDR挿入から8.6±0.5日後)にCIDRの除去とPGFの投与
(3) 対照群(N=14);とくに処置なし
【結果】
卵胞ウェーブ発生から10日以内に排卵した割合はPPG群(10/12 ; 83.3%)およびPG群(11/14 ; 78.5%)で対照群(1/14 ; 7.1%; P<0.0001)より高くなりました。
【感想】
一般に繁殖の分野ではPGF2αを発情の誘起に用いており、その効果は黄体の退行を目的にしています。
しかし、この文献では、PGFが黄体退行だけではなく、実は排卵も誘起していることを証明しました
この実験のように発情を見せていない未経産牛に対して、PGFが新たな治療法として期待されますね。また、排卵を誘起するにはGnRH製剤を用いますが、一般にPGFはそれよりも安価なため経済性の面ではより優れています
今後この研究が進めば新たな治療法や発情の同期化方法が考案されるかもしれませんね
今回の文献はET研究所HPでも紹介していますので、興味がありましたらこちらもご覧になってみてください。
昨日の記事にも書いておりますが、
5年に1度の全国和牛能力共進会が長崎県で開催されていましたが・・・
茨城県水戸市では10月24日(水)に全国牛削蹄競技大会が開かれていたそうです
こんな大会があるなんて・・・知らなかった
毎年10月に予選を勝ち抜いた牛削蹄師が日頃磨いた腕を競い合う大会です
牛は年間約8センチ蹄が伸びます。
これを放置しておくと歩行困難になったり、ストレスで乳量や肉質が低下したり、
病気になったりするので、年1~2回程度蹄のケアをしてもらいます(爪切りですね)
その蹄をケアする仕事を行っているのが、牛削蹄師さんです
さてさて、全国牛削蹄競技大会では牛の歩き方や姿勢、
蹄の形などを見て削蹄方針を決める「牛削蹄判断競技」(筆記)と
実技の「牛削蹄競技」があります。
「牛削蹄競技」では、1肢を100点、前後2肢の4蹄を合わせて200点を満点として、
2名の審査員が審査するそうです
規定時間を超過した場合は1分ごとに5点、
5分以上超過すると1分ごとに10点の減点だそうです
スピードと技術の両方がやはり必要になってきますね
審査規定に興味がある方はどうぞ
http://www.farriers.or.jp/information/images/110803_06.pdf
今年は北海道地区代表の方が優勝したそうです
同じ北海道に住む者としてなんだかうれしくなりました
すばらしいまさに巧みの技ですね
長崎全共が閉幕しましたが、
こちらですべての審査結果をご覧いただけます
http://zenkyo-nagasaki.com/wp-content/uploads/2012/10/housho.pdf
さて、5年後はどうなるでしょうか。。。かなり気が早いですが今から楽しみです
名誉賞(内閣総理大臣賞)を、
種牛の部 第7区 宮崎県と
肉牛の部 第8区 長崎県が受賞しました
おめでとうございます
本日、最終日です
さて、
種牛の部 第7区(総合評価群)の順位が決定しました
優等賞1席 宮崎県
優等賞2席 鹿児島県
優等賞3席 長崎県
宮崎県の連覇
おめでとうございます
代表牛一覧はこちらでご覧いただけます