「かつこ3」号,「かつゆき」号,「はつみ」号の凍結受精卵を販売します。
高育種価牛「かつこ3」号,「かつゆき」号,「はつみ」号の凍結受精卵を販売します。
いずれのウシも大変優秀な成績をおさめております。
詳細は下記のチラシをご覧ください。
高育種価牛「かつこ3」号,「かつゆき」号,「はつみ」号の凍結受精卵を販売します。
いずれのウシも大変優秀な成績をおさめております。
詳細は下記のチラシをご覧ください。
採卵の日は朝からバタバタしていますが、新鮮卵出荷がある日は特にです。
採卵のときは
牛を牛舎に入れる人、採卵器具の準備をする人、採卵する人、検卵する人などと分かれていますが
出荷前の新鮮卵納品書作成や、ストローに卵をつめる、出荷用の箱に収めるなどの作業はみんなで一緒に~
こちらがET研で使用している新鮮卵出荷用の箱です。
主に十勝管内への出荷のため、いたって普通の発泡スチロール箱を使用しています。
これが検卵室に並んでいると・・・今日は忙しいんだ!!と悟ります。
慌しく作業しながらも、繊細な受精卵扱うため慎重に作業します。
今日も無事に出荷は終わりました。
暑くなったり寒くなったり不安定な日々が続いていますが,ようやく夏の訪れを感じるようになりました
夏を感じると,同時にもうすぐやってくる冬のことを考えてしまうのは北海道あるあるだと思います
お盆が過ぎたらもう秋ですね
秋といえば…もちろん食欲の秋ですが,もう一つ大切なことが
そう,勉強の秋です
例年9-10月は学会が集中しており,日ごろの研究成果を発表するとともに
最新の知見を吸収する絶好のチャンスです
そして今時期は,秋の学会で発表するための講演要旨の提出締切が次々やってきて…
この一ヶ月で,4つの講演要旨を提出しました
どれも内容や形式,言語さえ異なるため,頭がごちゃごちゃになることもしばしば
本日ようやく最後の要旨が完成し,一安心です
普段は採卵業務やルーチンワークで体を動かすことが多いですが,
メイン業務である研究に気持ちを集中させる,よい機会でもありました
我々の研究はもちろん生産者の皆様の利益に貢献することが最大の目的ですが,
学会に参加してアカデミックな世界にどっぷりつかると,真理を突きつめる喜びを実感します。
ブログをご覧の皆様,学会でお会いすることがありましたら,
ぜひぜひ熱い議論にお付き合いください
ET研究所では月、水、金曜日の朝から採卵をしています。
採卵では様々な器具を使用します。
その中でこれはすごく大事!という個人的に感じている小道具をご紹介いたします
まず、一つ目:塩プロ(塩酸プロカイン)
現場では「塩プロ」と呼ばれています。何に使うかというと!?
尾椎硬膜外麻酔をかけるのに使います。尾椎間(尻尾の骨と骨の間)に投与します。これを使うことで怒責がなくなり、作業がスムーズに行えます。バルーンを子宮にセッティングしているときに子宮穿孔がおこる危険も減ると思います。牛の痛みも軽減されますし、尻尾の力が抜けるため作業の邪魔をされません。
尾椎間に投与するのは牛によっては難しく、、、採卵前の占いのように感じています。
上手く投与できると採卵も大丈夫だ!と自信をもって採卵できます。
塩プロが効かない牛にはパドリン(臭化プリフィニウム)を筋注します。
これは最後の必殺技!です。しかし、パドリンは平滑筋にしか効果がないため怒責は止まりますが、尻尾は振る、肛門の力は緩まらないので作業中に腕がしびれるといった難点があります。
やはり、初めの塩プロは大事なのです。
2、脚ひも
一見地味なひもですが、、、採卵者にとっては命綱!と言っては過言ではありません。
採卵中に後ろ蹴りを食らわす牛がたまにいます~。
採卵中は避けることが出来ないこともあるため、このひもでガードします。
しっかり縛ってもらいます。
今日も無事に採卵が終わりました。
先日神奈川での採卵に参加いたしました
こちらはすでに30℃を超える日が連発しているので、採卵成績が心配です~
神奈川での採卵は何度かおこなっているのですが、成績が良好なんだそうです(確か外部採卵での1頭から取れた凍結可能胚の最高記録は、神奈川だったような・・・すばらしいです
)
さて、私は検卵チームなので、検卵・凍結の準備をします
セッティング完了
がんばりますよーーー
検卵・凍結のためのお部屋をお借りしましたが(写真はお部屋の窓からの風景です↑)、天気が良ければここから富士山が見えるそうです
本日は天気は良かったのですが、ちょっとお空がもやもやしてましたので、富士山の姿は確認できませんでした・・・残念
富士山は見えませんでしたが、卵はいっぱい取れました
この日は12頭採卵して、170個以上の凍結可能胚が取れました
暑さに負けずに良い成績でしたので、ホッとしました
こんなに暑いと牛だけではなく、人間も元気がなくなってしまいますね
外で採卵するET研の獣医師や補助の方々も大変ですが、多くの関係者の方々のすばらしいご協力によりテキパキと作業を行うことが出来ました
神奈川のみなさん、本当にご協力ありがとうございました
超高育種価牛「ちょろまつ79」号および高育種価牛「ひろみ」号の凍結受精卵を販売します。
ちょろまつ79号は脂肪交雑がなんと全道2位
ひろみ号は枝重育種価が驚異の+94Kgと,安定した成績を出しています。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
月曜日は吐く息が白いくらい寒かったナイタイ高原。
たまに30度近い夏日もあったりと身体がついていきません
今週から新しい職員が加わり歓迎会と今月から始まるAI講習会へ参加する2人を激励する壮行会をかねて焼肉しました。
もちろんナイタイ和牛も登場しました
これからヒートストレスによる受胎率低下対策に向けて府県へ受精卵の供給を厚くしていく必要があり、これから頑張りどきです
牛肉パワーで、来週からも頑張ります
今週ET研究所には,とってもフレッシュなお客様がきました
帯広畜産大学の学生ご一行様です
二年生の授業の一環として毎年訪問してくれるのですが,普段ET研にこれほど大人数のお客様が来ることはないので,
椅子を並べたり,たくさんのスリッパを引っ張り出してきたりとこちらも大忙し
ET研の事業概要や研究内容についての説明の後,実験室や採卵棟を見学していきました。
私も少しだけ立ち会わせていただいたのですが,かなりレベルの高い質問が次から次へと飛び出し,
学生の皆様の優秀さや熱心さに感動しておりました
実は私も帯広畜産大学の出身ですので,かわいい後輩たちがET研の仕事に興味を持ってくれるのは大変うれしいことです
サプライズで(!?)一緒に来ていた,私の恩師の姿を見たときには心拍数が上がりましたが(笑)
この中の誰かが卒業後ET研に就職し,受精卵生産に力を注いでくれたら…なんて妄想をしつつ,
未来への可能性に満ちた背中を見送りましたとさ
日々、採卵業務と戦っているET研究所職員たち。
戦っているのは人だけではありません!牛たちも日々戦いなのです。
牛は群れて生活する動物で、その群れの中で戦い順位付けを行います。
強い牛はエさのあたりが良いのか丸々していますが、逆に弱いとやせています。
採卵のプログラムを組む供卵牛チームでは一区画70頭くらいの中でエさのあたりが悪い牛や、戦いで負傷した牛たちを見つけ牛を移動するという作業もしています。
区画の構成は牛の栄養状態やストレスにかかわり採卵成績に影響しますし、怪我して生命の危機に陥る牛を出さないためにも大事な作業なのです。
戦いで傷ついた牛たちが収容されている区画では・・・
平和に暮らしているかと思いきや!?
ここでも戦いは繰り広げられていたようです。
立派な体格の牛ですが(推定650キロ)、怪我して休んでいました。
これまでの弱い=細いという概念を覆す牛だ!と思ったのですが、弱いため個別管理されており太ったようです。
供卵牛チームでは、はやく怪我を治して採卵復帰できるように治療もしています。
供卵牛チームのみなさまお疲れ様です~
どーもー東日本分場でーす
現在、東日本のメンバーは5人なのですが、(本場からするとだいぶこじんまりとしております・・・笑)みんな外部採卵や新ETシステムやらで外に出ていることが多いんですね~
しかしそんな小さな東でも色々なお仕事をこなしていかなければなりません
たとえば・・・
彼女は牛の発情同期化処置をしたり、胚移植するためにお外に出ていることが多いのですが、滅菌作業なんかもやっておりますよ
この日も外の作業を終えて帰ってきてから、せっせと滅菌作業をしておりました~
ちなみに今日はとある牧場まで精液の配送もありまして、東の職員が行って来たのですが、おみやげを買ってきて下さいました~
ブラウンスイスの牛乳を使っているのだそうですが、うっ・・・うまい
濃厚でなめらか~~~お気遣いありがとうございます
たまにこんな息抜きもしつつ、みんなで協力して頑張っておりますー
超高育種価牛「むつき」号および高育種価牛「こまき222の2」号と「はつみ」号の凍結受精卵を販売します!
むつき号は脂肪交雑が全道111位,ロース芯面積が274位と,安定した成績を出しています。
また,こまき222の2号は枝肉育種価が驚異の+90Kgであり,質量兼備の大変優秀な供卵牛です
はつみ号にはBMS No.11の実績があり,脂肪交雑が全道731位となっております。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
先週も採卵後の黄体について書きましたが、今週も!
採卵後に採卵牛の卵巣エコーを当てていました。
触診で右卵巣は拳大の大きさで表面に突起は感じられず、つるんと丸い。
中に液体を感じたのですが、
黄体あるのか…?うーん
エコー下では腔のある黄体が確認されました。
(卵胞かとも思ったのですが、、)
採卵ではしっかり正常卵が回収されていました。
しかし、腔のある黄体は次の採卵に影響を及ぼすのでは?と思っています。
和牛の双子生産、第2回目の今回は、2卵移植の移植方法と受胎成績をご紹介します
○受精卵の準備
・1本のストローに1個の受精卵が入っているため、2本のストローを準備します。なお、2個の受精卵の血統は、全く同じものにする必要があります
○移植方法(片側子宮角vs両側子宮角)
・基本的な事ですが、受精卵は黄体が存在する側の子宮角へ移植します
・そのため、2卵移植の場合も黄体存在側の子宮角へ移植するのが良いと考えられます
・しかし、片側の子宮角へ受精卵を2個移植した場合、流産や難産の懸念がありました
・そこで本試験では、受精卵を片側の子宮角へ2個移植した場合(片側区)と、両側の子宮角へ2個移植した場合(両側区)とに分け、受胎率を比較しました
・なお、両側の子宮角へ2卵移植する場合は移植器を2本用意し、左右1回ずつ挿入する必要があります
・一方、片側の子宮角へ2卵移植する場合は(コツが必要ですが)1本の移植器に2個の受精卵をセットし、挿入を1回で済ませることができます
・供試牛は黒毛和種繁殖牛71頭(平均産次6.3)とし、延べ97回の移植を行いました
○結果
・受胎率は両区とも約60%と変わらなかったものの、双子率を比較すると、片側区の方が高くなりました(片側区42.6%vs両側区32.0%)
・この結果から、2卵移植は黄体が存在する片側の子宮角に実施した方が、双子率を高めることができます。やはり、両側区の場合、黄体が存在していない側に移植した受精卵が受胎しにくかったものと考えられます
・片側子宮角への2卵移植は双子受胎率以外にも、移植者とすれば挿入が1回で済むので作業的にも楽ですし、牛にとっても拘束時間が短くなりストレスが軽減できるといったメリットが考えられます
・なお、流産は両区ともほとんど無く、差は見られませんでした。一方で、ホルスタイン種では(自然発生した双子の例ですが)、片側子宮角に双子が発生した場合、両側子宮角の双子よりも流産率が高まるという報告もありますので、流産に関しては品種の違いがあるかもしれません
・なお、通常のエコーによる妊娠鑑定で、双子の確認も可能です。画面中央の胎子の左側に、2頭目の胎子がぼんやり見えています
次回は、双子受胎牛の妊娠末期の栄養管理に関する試験結果をご紹介します
東京大学などの研究チームが、受精に関わる精子融合因子「IZUMO1」と卵子受容体「JUNO」の認識構造を解明し、英国科学誌「Nature」に掲載されたそうです
IZUMO?いずも?なんですか?って感じですが、
精子と卵子が受精することによって新しい命が誕生しますが、そもそも精子と卵子が互いをどうやって認識するのか謎ですよね~
そこで鍵となるのが、IZUMOとJUNOです
IZUMOとJUNOはそれぞれ精子表面と卵子表面に存在するタンパク質のことで、このタンパク質がお互いに結びつくことによって精子は卵子表面に接着するのです
つまり、これがないと妊娠することはもちろんのこと精子が卵子にくっつくことさえ不可能ということですね
受精にかなり重要な役割を果たしているIZUMOとJUNOですが、IZUMOの名前は縁結び神様を祭る出雲大社にちなんで付けられており、JUNOはローマ神話に出てくる、結婚を守護する女神から付けられたそうですよ~
そして今回解明されたIZUMOとJUNOのお姿がこちらです↓
http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/06/16/102/images/001l.jpg
結合したのがこちらだそうです↓
http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/06/16/102/images/002l.jpg
う、う~ん・・・???タンパク質の構造は難しいですね(笑)
とりあえずIZUMOは細長い形をしており、JUNOは球状の構造をしているそうで、IZUMOの中央部分が、JUNOにある袋状の部分とそれぞれの凸凹がかみ合い、パズルのピースがはまるようにしてくっつくのだそうです
IZUMOとJUNOが結びつく前に、これらのタンパク質に結合する物質を開発することが出来れば、新しい避妊薬が開発されるかもしれません
ついにこの日がやってきました
内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会は16日,牛海綿状脳症 (BSE) 対策に関して,国産牛のBSE検査を廃止しても
人への健康影響は無視できるとの評価結果をまとめました。
今後,同委員会が厚生労働省に答申すれば,2001年から続いたBSE検査が廃止される予定だそうです
日本では2002年1月以降に生まれた牛からBSEは発生しておらず,2013年5月に国際獣疫事務局から清浄国
(BSE発生のリスクを無視できる国) と認定されています
これまでBSE検査の対象月齢は20→30→48ヶ月齢以上と段階的に引き上げられてきましたが,ついに廃止になりました。
BSE検査には多くの人手とコストがかかってきたことから,「ようやく廃止!」というポジティブなニュースとしてとらえられていますが…
実際のところはどうなのでしょう
安全性への不安や,「BSE検査済み」という付加価値を失うことを危惧する声も多く,そう簡単に検査廃止が浸透するとは思えません
実際に北海道では,国の検査対象月齢が48ヶ月以上に引き上げれた後も,自主的に検査を行っています
BSEのような健康被害に直結する問題においては,正しく恐れ,過度の反応をしないということが重要だと思います
そしてそのために必要なのが,科学的根拠に基づく客観的かつ正確な情報です
獣医師として研究者として,さらには食肉処理場において卵巣を採取している身として,自分にできることは何なのだろうと
考えさせられたニュースでした
採卵ではどれだけの回収卵が見込めるかは黄体数を基準としています。
採卵のときに触診にて黄体数を数え、採卵記録用紙に記入します。
この後、検卵により受精卵を探し出し、何卵回収されたかが分かります。
黄体数と見比べるときちんと採卵できているのかが分かります。
(実際には子宮まで降りてきていない受精卵もあると思いますし、触診では数えられていない黄体もあると思います。)
自分の採卵した牛の回収卵数をみるのは毎回ヒヤヒヤしますが、回収卵数と黄体数がピッタリだとうれしい
ものです。
普段は触診のみですが、採卵牛にエコーをあて黄体を数えてみました。
さてさてこれは?
のう腫様黄体は受胎障害の原因になると聞いたことがあるのですが、採卵にも影響するのでしょうか・・・?
青森県の産業技術センター畜産研究所では、体外受精で「割球分離法」を用いることにより、一卵性双子の雄牛を誕生させることに成功したそうです
http://news.goo.ne.jp/article/dtohoku/region/dtohoku-35673425.html
同研究所では、県基幹種雄牛作りのために優れた雄の精子と雌の卵子を体外受精することにより種雄牛候補を生産しておりましたが、今までは候補牛の子供を成長させて肉質を調べて候補牛の素質を判定していました
現在、県基幹種雄牛の認定には種雄牛候補の子15頭以上の肉質を調べるそうで、約6年もの期間が必要でした・・・
しかしながら、この技術により誕生した一卵性双子のうち1頭を種雄牛候補にして、同じ遺伝子を持つ別の1頭で肉質を調べることができるため、判定までの期間が約3年半に短縮可能になったそうです
さてさて、ここで使用された「割球分離法」とはどんな技術かと言いますと・・・
受精した卵子は発育を開始しますが、最初は1つの丸い細胞だったのが2つに割れていきます
上の写真をご覧いただけばなんとなくイメージがつくと思います
2つに割れているものもありますね
そう、このお尻のよう・・・桃のように割れ目が入っている卵を1つずつに分離して、それぞれを培養することにより2個の受精卵に成長させる技術です
1つずつに分離する際に慎重に行わないと、卵子が死んでしまいますので、上手に細胞を分離する技術が必要です
この技術を利用して優れた種雄牛がぞくぞくと登場するといいですね
超高育種価牛「ななみ」号および高育種価牛「かつこ3」号の凍結受精卵を販売します。
ななみ号は脂肪交雑において全道75位,かつこ3号は枝重育種価が+96kgと,
どちらも大変優秀な成績をおさめています!
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
今はET研究所に所属している私ですが、今年の3月までは同じ全農内のエサの研究所に所属しており、牛の飼養管理や飼料の開発に関する研究をしていました。
その中でも、双子生産の研究を継続して行っておりました。
双子は難産や流死産の発生が問題になるだけでなく、場合によっては親牛への影響も出ることがあり、簡単な技術ではありません。
そこで、今回から(長くなりそうなので…)数回に分けて、試験の内容を紹介させていただこうと思います。
実際にやっているけどなかなかうまくいかない、または、興味はあるけど手が出せない、といった方々にとっての解決策が、記事の中に含まれていれば幸いです。
※なお、この双子生産の内容は『2014年全農畜産シンポジウム』で発表、『ちくさんクラブ90号』で掲載しております。
まず、和牛の双子生産を取り組んだきっかけですが、和牛素牛の頭数が減少し、価格が高騰の一途をたどる中で、繁殖農家で双子生産が可能になれば和牛素牛の頭数が増え、価格も安定させられないだろうか、と考えたのが始まりでした。
※素牛取引価格は農畜産業振興機構・肉用子牛取引情報を、和牛繁殖農家戸数は農林水産省・畜産統計を、それぞれ抜粋
通常のAIでも双子発生率が高いホルスタイン(ホルスタイン5~10%、和牛1%未満)では双子分娩の際、
・妊娠期間の短縮により妊娠末期の栄養管理が適切に行なわれない
・周産期疾病増加
・乳量低下
・子牛の生時体重の低下
・難産
などの問題が発生することが多いです。
和牛においては例数も少なく不明確な点が多いですが、ホルスタインのように乳腺の発達や泌乳にエネルギー使われることもないので、成績が安定するのではないかと予想しました。
そこで私が行った研究では、和牛を供試し、ET時に受精卵を2卵移植して人為的に双子受胎牛を作り出し、分娩前の栄養給与水準が分娩成績に及ぼす影響を中心に調査し、双子生産技術の確立を目指しました。
次回から、試験の結果を紹介させていただきます。
なお、次回は2つの受精卵を移植する際の移植方法と受胎成績の結果をご紹介します。
先日、本州での外部採卵に初めて助っ人として参加させていただきました
その日は岩手~秋田で4日間の採卵の旅でした
岩手での採卵はET研北日本分場で行いましたが、実は私は初めての訪問だったのです
とても景色が良いところにあるんですね
この日は天気が良くて岩手山もバッチリでした
初めて見ましたが、ものすごくキレイな山なんですね~
この日は天気も良く、採卵成績もかなり良かったので(4日間ずっと良かったのです)ホッと一安心でした
1頭から凍結可能胚が10~20個なんてバンバン出ておりました
ちなみに最高は凍結可能胚が40個以上取れた牛もいましたよビックリですね
帰りは秋田の大曲駅から新幹線で帰りました
ずっと北海道に住んでいた私にとって新幹線なんて何回かしか乗ったことないですよ~
大曲は日本三大花火大会の1つが開催されているようで、駅前に花火玉のオブジェが置かれていました
新幹線「こまち」に乗りましたが、やっぱりこの独特な流線型なのですね
秋田こまちの「こまち」ってことですよね
確かにボディーがピンク色でかわいかったです~
また外部採卵に参加する機会があれば、頑張りたいと思います
皆様ご存知のことと思いますが,ET研究所の使命は「受精卵を生産・供給すること」です
そのために,過剰排卵処置をしたウシから受精卵を回収する採卵作業は,まさにET研にとって花形の仕事です
10頭だての枠場にウシを並べ,獣医師全員で一斉に子宮還流をする様子を初めて見たときの興奮と感動は,
自分で採卵をするようになった今でもはっきりと覚えています
が,しかしこの採卵作業はもちろん獣医師だけの仕事ではありません
人工授精師,移植師,検卵技術者,事務作業者など,本当に多くの人々が採卵作業を支えるために日々働いております。
その中でも特に私が感謝したいのは,採卵に必要な道具や試薬を用意してくれている職員の方々です。
この写真は過排卵処置のためのFSHを用意している様子です
供卵牛には朝夕2回x3日間のFSH投与をするため,年間2万本近くのFSH注射をすることに…。
そしてその薬液はすべて,2,3人の職員の方が1本ずつ注射器に吸ってくださっています
さらに尾椎麻酔やPGなど様々な薬を合わせたら,一体どれだけの本数を吸うことになるのやら…
続いてこちらは受精卵を凍結するためのケーンを用意しているところです。
これまた一本ずつ手作業で組み立て作業を行います
その他にも,還流液を用意したり,器具を洗浄・滅菌したりと,本当に大変な作業が多いと思います。
このような職員の方々に支えられ,ET研究所は受精卵を作り続けることができるのですね
いつも本当にありがとうございます
業界には独特な決まりが存在しますよね!?
受精卵業界では・・・・
卵子・受精卵の洗いは3回!というルールのようなものがあります。
体外受精を行う場合、卵子を体外受精前に育てる培地から体外受精を行う培地に移動させなど
”違う培地に移動させる”という手順があります。
その際には新しく移動させる先の培地で3回洗います。
この洗う作業は手早く終わらせて、培養皿はすばやくインキュベーターに戻します
ET研究所では洗い用のdishはこんな感じです。大量の培養液できれいに洗っています。
iPhoneで自分の精子の濃度と運動率が測れるサービス「Seem」をリクルートライフスタイルが開発したそうです
http://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/pressrelease/others/nw17238_20160412
えぇーこのご時勢、スマホさえあればなんでも出来ちゃうんですね~という気にさせられるニュースですね
Seemを使うためのツール「Seemキット」というのがあるらしく、スマホ用顕微鏡レンズと精液採取カップ、採取棒が入っているそうです
①射精1回分の精液を全て採取用カップに入れ、液化するまで15分待つ
②採取棒を使って顕微鏡レンズの上に精子を1滴乗せる
③レンズをiPhoneにセットし、専用アプリ「Seem」で動画を撮影する
④動画が自動解析され、精子の濃度と運動率が表示される
という手順で使用するそうです
すでに4月末から東京都内・近郊の医院・薬局で500セット限定でテスト販売されているようです
スマホくんにはどんどん頑張ってもらって、そのうち採卵で取れた受精卵を撮影して(しかも1個ずつじゃなく)、ランク分けとか出来るようになって欲しいですね~
超高育種価牛「てつせん」号および高育種価牛「あおぞら」号の凍結受精卵を販売します。
北海道育種価が判明している全45000頭のうち,脂肪交雑においててつせん号は8位,あおぞら号は408位と,
どちらも大変優秀な成績をおさめています。
さらに,てつせん号のもつ総合指数88.95点は,本会供卵牛の最高得点です。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
ET研究所では帯広のと畜場にウシ卵巣採取に毎週通っています。
帯広と畜場はおおよそ一年前から新しい工場を立てはじめ、本日ついに新しい工場の中に入る機会がありました。
新しい工場はHACCAP(ハサップ)承認工場のようです。
HACCAPとは Hazard Analysis and Critical Control Point のこと。
食品をつくる工程それぞれで発生する危害(微生物汚染など)をあらかじめ分析し、どの製造工程でどのような対策が必要かという重要管理点を定め、これを守ることで製品の安全を確保する衛生管理の手法です。
消費者の皆様はより安全な食肉がいただけるということです。
新しい工場を見学しての感想としては、
すべてがハイテク!
ここから採取された卵巣なら衛生的で発生率も良いのでは!?と期待しております。
おまけ
★ET研最新情報★
ついに・・・・ついに・・・
疲れきったET研職員の心と体、主にのどを潤してくれる新兵器が導入されました!
自動販売機!
え!?と思われるかもしませんが、ET研から最寄コンビにまでは約10キロ
昼休みにジュースが飲みたくてもちょっと遠いのです。
これからは採卵後の炭酸飲料がおいしくなる季節。
頼もしい相棒を手に入れてほくほくしております。
4月末に雪が降った北海道ですが、一転して先週末からは連日真夏日を記録しました
ん~、昼間は車に乗るのもツラいです
ここまで暑くなると、人はもちろんですが、牛にも影響は出てきますね
特に暑かった昨日は、供卵牛たちの発情徴候が鈍く、いつもよりエサを食べるスピードもゆっくりです。
少し前までは、直検しながら手を温めていましたが、それも今では暑くてしんどい作業
みなさんご存知の通り、暑熱によるストレスは牛に様々な影響を与えます
本州ではすでに取り組んでいる方もいらっしゃると思いますが、暑熱対策は本格的に暑くなる前から、早め早めに実施していきましょう。
ET研牛舎の扇風機もフル稼働ですが、扇風機が回るだけでも少し涼しくなった感じがしてホッとします
きっと牛たちも同じ思いのハズ・・・
少し気が早いですが、年々暑さが増しているような日本の夏です。無理をせず、牛はもちろん、人間自身の体も気遣いながら夏を乗り越えていきましょう
こんにちはーET研究所ですー
・・・・・・
ET研究所に来たことがある方は、「あれ?入り口こんな感じだったっけ??」と思ったんじゃないでしょうか
ET研究所でもこちらは東日本分場なんですー
北海道上士幌町のET研究所から、茨城県笠間市にあるET研究所東日本分場に異動してきましたぁー
東日本分場からも色々な情報をお伝えできたらと思っております
本日は、「東日本分場のある茨城県笠間市ってどんなところ?」をテーマにしたいと思います。笑
笠間市には、日本三大稲荷の1つと言われている笠間稲荷神社があります(日本三大稲荷には諸説ありまして、日本三大稲荷の候補は9ヶ所もあるそうですが・・・)
規模が大きく、毎年全国各地から多くの参拝があるのだそうですよ
また、鎌倉時代に笠間時朝が佐白山に築城した笠間城があります
現在は堀の跡や石垣が残されており、山頂には神社があるそうです
あと、笠間焼の生産地としても有名みたいですね
笠間焼で使用する土は粘りが強く粒子が細かいため、焼き上がりが丈夫なので日常雑器としては理想的な仕上がりなんだそうです
毎年春には陶炎祭というお祭りも開かれており、約50万人もの観光客が来場しているそうです
こんなところにET研究所東日本分場はあるのです
それでは、今後もよろしくお願いいたします~
ヒトの受精卵を,受精後12~13日間にわたりシャーレ内で培養することに成功したと,
米英などの2研究グループがNature誌およびその姉妹紙にそれぞれ発表しました
従来の培養法では,受精卵は体外では10日間も生きられないと考えられていたため,この研究成果は世界中で波紋を呼んでします
ヒトの受精卵は受精した後分割を繰り返し,5日前後に胚盤胞(着床可能な胚)になって,胎児や胎盤などになる部分ができます。
不妊治療では,この段階までに子宮に戻します
実験では,子宮に着床する7日目前後から胚を観察。
胎児を包む膜(胎膜)および血液を供給する部分になる組織のもとができる過程や,遺伝子の働きを調べました。
その結果,母体からの信号がなくても,独自に成長する現象を確かめました
この技術により,着床障害の原因解明や不妊治療の改善,さらには再生医療の発展にも寄与することが期待されています
下の写真は受精後12日目の胚を染色した様子です。うっとりするほど美しいですね
異なる色は,それぞれ異なる機能を持った部分で,体外でも機能の分化が進んでいることを意味しています。
この研究成果は称賛される一方で,科学技術と倫理指針とを衝突させるという警告の声も上がっています
ヒト胚を2週間を超えて培養することを禁止する,「14日ルール」というものが存在しているからです。
今回の研究でも,この制限を超えないよう受精卵は意図的に破壊されました
ヒト受精卵の研究をめぐっては,技術と倫理が衝突することが多いですが,
もっと長期の培養が可能になった場合,一体どんなことがわかるんだろうとワクワクしてしまう私は,
やはり研究寄りの人間なのだと思います
先週、十勝獣医師会の定期総会に参加してきました。
十勝獣医師会は十勝管内の獣医師の集まりで、研修会や学術発表会、市民が参加できるセミナーなどの開催も行っています。
最近では小学校に出向き獣医師の仕事について出張授業もしているそうです。
今回は総会ということで、今年度の事業計画についてと奥田潔先生の特別講演がありました。
演題『卵巣と子宮の機能調節機構にかかわる最近の知見と臨床』を拝聴いたしました。
子宮内膜から分泌されるPGF2αの調節も含め黄体機能の調節機構について最近の知見と共に臨床的観点も含め卵巣機能の制御について概説してくださりました。
話の中で様々な現象になぜ?と疑問をもち調節機構について解明しようとする先生の姿勢に感銘をうけました。
5/21(土)、音更町の家畜共進会場にて、十勝ブラックアンドホワイトショウが開催されました
私はこういった共進会を見たことが無かったですが、近所で開催されることを知ったので見学してきました(完全にプライベートです)
審査員の方が『この牛は~~~が優れていて…』『この牛は~~~の張りが良く…』とコメントするのを、ふむふむと聞いて過ごしましたが、あまり分からなかったですね、勉強不足です
それにしても参加していた牛さんたち、みんな大人しいですね
最後まで見学できませんでしたが、どうやらグランドチャンピオンに選ばれた牛は、私が帰った後に登場したようです。ん~残念
最近ですが、ET研究所では不足する受精卵の供給強化のために、契約農場での採卵もおこなっています。
今回は東日本分場や北海道本場より神奈川の契約農場で採卵を行いました。
神奈川での採卵は今回が3度目、過去2回とも好成績をおさめています。
さて今回の結果やいかに!
さて、今回はまだまだ採卵が続きます、明日以降も順調に回収できるようがんばります
超高育種価牛「むつき」号および高育種価牛「ひろみ」号の凍結受精卵を販売します。
北海道育種価が判明している全45000頭のうち,脂肪交雑においてむつき号は111位,ひろみ号は881位と,
どちらも大変優秀な成績をおさめています。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
今年も待ちに待ったナイタイ高原展望台OPENしました。
昨年秋の強風でレストハウスが壊れたため、今年はプレハブでアイスなどがいただけるようです。
公共牧場としては最大規模のナイタイ高原牧場!
北海道の広大さと酪農の素晴らしさを感じて頂くいい機会になると思います。
ぜひお立ち寄りください~
GWも終わり、徐々に日常生活を取り戻しつつある頃でしょうか。
今年のGWは暑くなったとニュースなどで聞くこともありましたが、ET研究所のある十勝地方はGW初日の4/29朝、家の外がこんな状態で驚きました
雪が積もってるではありませんか?!!
近くの峠を通る予定だったので車を走らせてみましたが、吹雪で後悔することに
(峠の中腹は穏やかでしたが、このあと山頂に近づくにつれて雪が強くなり…。展望台で写真を撮ってる場合ではありません(笑))
GW序盤に北海道に旅行に来られた方は、さぞ驚いたことでしょう
そんなこんなありまして、GW終盤にようやくタイヤ交換を実施
北海道に来てまだ2年目の私ですが、皆さんが口を揃えて言う『GW明けまでタイヤ交換しないほうがいい』を、身にしみて実感した今年のGWでした
JA全農(ET研究所、飼料畜産中央研究所、家畜衛生研究所の研究グループ)は、黒毛和牛の卵巣内に異品種であるホルスタインの卵子をつくらせることに成功しました。この技術は将来、高付加価値家畜の大量生産、さらに絶滅の危機に瀕している動物の精子や卵子を効率よく別の動物に作らせる技術に応用が期待されます。この研究成果は平成28年4月27日(日本時間)に英国のオンライン科学雑誌「SCIENTIFIC REPORTS」に掲載されました。
http://www.nature.com/articles/srep24983
近年、胚盤胞補完技術(注1)を利用してマウス体内にラットのすい臓が形成されることが報告されました。また、マウスではNANOS3遺伝子を欠損(ノックアウト、以下KO)させる(注2)と精巣や卵巣内に精子と卵子がつくられないことも報告されています。
NANOS3遺伝子をKOした動物の受精卵に、別の個体の受精卵やiPS細胞などを注入し、キメラ(注3)受精卵を作った場合、生まれた個体の精子や卵子はすべて注入された受精卵やiPS細胞の遺伝情報を受け継ぎます。このようにして作出された動物の雌と雄を交配させることで、増殖させたい動物を効率よく生産できる可能性があります。そこで本研究の基礎となる技術を構築するため、胚盤胞補完技術を用いて、黒毛和牛の卵巣内に異品種であるホルスタインの卵子形成が可能かどうかを試みました。
注1)遺伝子KOにより特定の細胞(臓器)を欠損させた受精卵に、別の受精卵細胞や多能性細胞を入れると欠損した細胞(臓器)が後から入れた細胞由来に完全に置換されること
注2)特定の遺伝子を欠損させること。遺伝子機能の解析や疾患モデル動物の作出に有効な技術
注3)同じ動物個体に別の遺伝情報をもつ2種類以上の細胞が混在している状態
(1)雌黒毛和牛の体細胞のNANOS3遺伝子をKOした体細胞クローン(SCNT;注4)の黒毛和牛受精卵を作り、それを仮腹牛に移植し胎仔の卵巣を観察した結果、黒毛和牛の卵子を完全に欠損させることが明らかとなりました(図1)。
注4)体細胞から未受精卵への核移植でコピー個体(クローン)を作製する方法
図1.(a)NANOS3遺伝子をKOしていない牛の卵巣には卵子がみられます(矢印)。 (b)NANOS3遺伝子KO牛の卵巣では卵子が消失しています。
スケールバーは500μm。
(2)黒毛和牛のNANOS3遺伝子をKOしたSCNT受精卵にホルスタインの受精卵割球(7~10個)を注入してキメラ受精卵をつくりました。その胎仔の卵巣を観察すると、卵子形成が確認できたことから、黒毛和牛の卵巣内にホルスタイン種の卵子をつくり出すことに成功しました(図2)。
図2. 胚盤胞補完法によってNANOS3遺伝子KO牛の卵巣内に補完された卵子(矢印)。
スケールバーは50μm。
(1)本技術で遺伝能力の高い和牛精子や卵子およびその受精卵の量産が比較的容易にできる可能性があります。
(2)繁殖能力が低く量産できないため割高な医療研究用ミニブタも、本技術の応用で量産の可能性が高まり、創薬や再生医療などの分野でも貢献が期待されます。
(3)希少野生動物や絶滅の危機に瀕している動物の増殖が比較的容易にできる可能性があります。
昨日,ET研究所において研究開発キックオフ会議が開催されました
我々は受精卵を生産するだけでなく,ウシ繁殖技術を向上させるためのあらゆる研究に日々取り組んでおります
昨日の会議はそんな我々の血と汗と涙の結晶である,この半年間の研究成果を報告するという,とーっても重要なイベントでした。
他研究所の所長や全農本所の職員の方にも参加していただき,さらに岩手・茨城のET研分場とWEBで中継するという徹底っぷり
報告された研究内容は生産現場で活用するための実用的なものから,遺伝子や分子メカニズムに関するものまで盛りだくさんです
私もドキドキしながら自分の研究について報告させていただき,多くのアドバイスやご提案をいただきました。
日々自分の研究に向き合っていると,ついのめりこみすぎたり,果たして自分は正しい方向に向かっているのかと悩むことがしばしばあります。
そんなとき,他者にわかりやすく伝えるために結果を整理し,議論を行うことで,新たな研究への意欲とアイデアが湧き上がってきます
とりあえずGWはゆっくり休んで(笑),また研究と採卵に全力で取り組んでいきます
これからもET研究所の研究成果にご期待ください
今週末からゴールデンウィークですね。
お休みまであと少し・・・
わくわく浮かれている場合ではありません!!!!
研究グループでは長期休みがある場合、インキュベーター(培養器)のそうじを行います。
インキュベーターは体外受精卵を育てるいわば「お母さんのおなか」。
とーっても綺麗に保つ必要があります。
頻繁にそうじを行いたいのですが、体外受精卵の培養期間は8日間くらいと長いため、インキュベーターが空いている長期休み前がそうじのねらい目です!
そして、このそうじなかなか大変なため気が重たいのです。
大型インキュベーター(150センチくらいの人なら入れるサイズです。)が3台あるため培養のスケジュールと被らないように順番に掃除していきます。
部品の取り外し、洗浄、組み立てを行い作業は終了です。
ふたりで作業して1時間くらいでしょうか。
採卵後の疲れた体には堪えます。
綺麗になったので大満足残り2台も近日中にそうじします。
超高育種価牛「ひらしげみ18号」と高育種価牛「みやざわ7860号」の凍結受精卵を販売します。
平成27年12月公表の育種価によると,脂肪交雑においてひらしげみ18号が全道25位,みやざわ7860号が全道280位と,大変優秀な成績をおさめています。
血統および交配精液等の詳細は,下記のチラシをご覧ください。
タイトルの漢字読めるでしょうか!?
「しょくひょう」と読みます。
採卵、検卵、品質チェックが終わった受精卵たち
ここから凍結の工程に入ります。
受精卵は凍結液とともにストロー入れられ、封入されます。
このストローを凍結機にいれ、植氷します。
植氷とは受精卵がゆっくり凍るのをアシストする作業です。
植氷により受精卵の入っている凍結液の水分が凍り、だんだん凍結液の浸透圧は上がります。
そうすると凍結液に水分を奪われるため、受精卵の水分が抜け・・・
凍結液の水分が凍る→凍結液の浸透圧が上がる→受精卵の水分が抜ける
さらにさらに
凍結液の水分が凍る→凍結液の浸透圧が上がる→受精卵の水分が抜ける
最後には凍る!
こうやって受精卵細胞から水分を抜いて凍結することで、水が凍って細胞を傷害する(水は凍るとトゲトゲしているのです。)ことが低減されるのです。
この説明を聞くとゆっくり凍らせることがとても重要ということが分かると思います!
実際の作業は
液体窒素につけたピンセットで植氷箇所をつまみます。
やさしく触れるようにつまむことでゆっくり凍っていきます。
植氷した箇所から少しずつ白く凍っていきます。(黄色矢印)
今朝、事務所近くの牛舎をのぞいてみると牛が全く見えません
あれ?と思って近づいていくとみんな奥のほうにギッシリ集まっておりました。
何かあるのかな?と思いましたが、原因はすぐにわかりました。
ヒト受精卵の遺伝子を「ゲノム編集」という技術で改変したとする論文を,中国の広州医科大学のチームが
米国生殖医学会誌に発表したそうです
中国のチームによるヒト受精卵ゲノム編集の実施は,昨年4月に続きこれで2例目です。
ゲノム編集とは,遺伝情報の中から特定の遺伝子を指定して,その遺伝子の持つ情報を操作することで,畜産分野においては
すでに増体や疾病予防への応用が実用化の段階に入っています
少し前に話題になった遺伝子組み換えも遺伝情報を編集する技術なのですが,遺伝子組み換えは狙った遺伝子をピンポイントで
編集できないため,ゲノム編集は従来の遺伝子組み換え法よりも,はるかに効率よく遺伝子を変えることができます。
今回の中国のチームは,エイズウイルスが感染するときに利用する細胞表面のたんぱく質を作る遺伝子を,ウイルスに感染しにくくなる
遺伝子と置き換えようとしたとのこと
ヒト受精卵のゲノム編集に関しては,技術的には可能であっても倫理的な問題が多く,意見が分かれるところです
受精卵にゲノム編集を行った場合,改変した遺伝子が次世代に受け継がれる可能性があるからです
(ちなみに中国のチームは子宮に戻しても育たない異常な受精卵を使用し,培養した受精卵は全て破棄したそうです)
いつかこの技術が承認され,ヒトでも自由にゲノム編集が行われる日が来るのでしょうか…
私自身,研究にたずさわる身として,技術の進歩を詰めていきたい気持ちが理解できないわけではありません。
また畜産分野では,ゲノム編集は育種改良や生産性の向上において大きな期待がかかっている技術でもあります。
いずれにせよ,どんどん進歩していく技術に倫理の議論が置いて行かれぬよう,しっかりとアンテナを張り,自分の頭で考える
必要がありそうですね
電力自由化や再生可能エネルギー流行の影響でしょうか、
十勝では太陽光発電装置をよく見かけるようになりました。
晴れの日が多く、広大な土地がある十勝にはきっと太陽光発電は適しているのでしょう。
そんなある日のこと、太陽光発電設備の囲いの中にひつじが数頭いるのを目撃しました。
なんと子ひつじもいるではありませんか
確かに、ひつじならソーラーパネルの下でも生活できる大きさ
地面に生えた草も食べてくれる
きっとジンギスカンになるひつじ…?
すごい画期的!新しい発明だ!と感動しました。
ソーラーパネルとひつじのセットが当たり前になる日も近いかも!?
超高育種価牛「てつせん号」の凍結受精卵を販売します。
てつせん号は安福久号を父に持ち,本会供卵牛の最高得点である総合指数88.95点という素晴らしい成績を出しています。
なお,凍結受精卵の交配精液は百合茂です。
受精卵の詳細については以下のチラシをご覧ください。
毎週水曜日は帯広屠場へホルスタイン卵巣の採取に行っています。
食肉処理のラインに入れてもらい、生殖器(子宮、卵巣、卵管)から卵巣を切り取り持ち帰ります。
ある日のこと・・・
不思議な子宮が流れてきました!
よく確認してみると、
片方の子宮がない
卵巣は2つある
という特徴から
「ホワイトヘイファー病」だと判断しました。
これはミューラー管の部分的形成不全により、卵管から膣に部分的形成不全が起こる生殖器の先天性異常です。ちなみに卵巣は正常(2つある)とされています。
学生時代勉強したことはあったのですが、実物を見たのははじめて!
本当に卵巣は2つある!!と大興奮でした。
今回の牛は経産として出荷されていました。
片側の子宮で妊娠、出産したということ。
存在している方の子宮は機能的に正常だということもよく分かりました。
本日4月1日より,平成28年度が始まりました
新年度初日の今日は採卵から始まり,93個のAランク胚を得ることができました
凍結卵にはすべて通し番号がつけられるのですが,記念すべき「0001-0001」番の凍結卵ストローをシールした際には,
これから始まる新たな一年間への希望と決意に熱いものがこみ上げてきました
来週火曜日に行われる本年度第一弾の採精も順調な滑り出しとなればいいのですが
また,ET研究所では今日から新たに3名のメンバーが加わりました
3人の平均年齢はなんと20歳若いパワーに期待です。
再来週には全農内部の異動等でさらに3名のベテラン職員が加わる予定です。
生産者の皆様の利益向上ならびに酪農・畜産生産基盤の発展のため,本年度も職員一同精進してまいります。
日々変化し,パワーアップしていくET研究所をどうぞ見守っていてください
本日、3月30日をもって平成27年度の採卵は終了いたしました!
平成27年度に
ET研究所の牛から生産されたAランク胚の総数は20129個でした。
職員のみなさまお疲れさまでした。
一年間働いた牛たちもお疲れ様でした。
金曜日からは、平成28年度が始まります。
新しい職員も入るので心機一転!
職員一同がんばっていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
昨日、テレビ北海道の「和風総本家」という番組の中で、帯広畜産大学の分娩シミュレーターが紹介されていました
この分娩シュミレーターは、牛と馬の模型を使って分娩時の動きや難産への適切な対処法を学ぶために導入されたもので、
このような産業動物の模型を用いた授業は国内の大学で初めてだそうです
少し前に北海道新聞にも載ってましたー
私が学生の頃は、難産の対処法は教科書の図を見ながらイメージするくらいで、実際の難産症例に遭遇してもどうしたらよいのか
わからない、といった感じでした。
このシミュレーターは、中にいる胎子の模型を動かして難産の状態を模擬的に作り出し、胎子の状態を探りながら整復する
練習ができるとのこと
ちなみに番組によると、お値段約360万円だそうです
そんなに遠くない昔に卒業した私でさえ、産業動物教育のレベルはここまで上がったのか、と驚きを隠せません。
もう一度大学で実習を受けなおしたーい
ちなみに私は、この分娩シミュレーターをドイツでも見たことがあるのですが、ドイツでは胎子の模型ではなく、本物のウシ胎子を
使用していました
さらに難産整復だけでなく、切胎(どうしても生きた状態で娩出困難な場合に母体を助けるために胎子を切ること)も行うという
徹底っぷり…
もちろん生きた胎子ではなく、事故死したものを冷凍保存して使用していましたよ!
こんなに充実した教育を受けた学生たちがやがて獣医師となり、畜産業界に新しい風を吹かせる日をお待ちください
先日ついに親知らずを抜きました。
親知らずとは20歳ごろに生えてくる第三臼歯のことです。
いわゆる親知らずは他の動物にはないそうですよー!
なんとも羨ましい。
草だけ食べてる牛には虫歯もないと思いがちですが、
虫歯になる牛もいます。
見た時は衝撃的でした
歯は大切に!
今月いっぱいで退職される職員の送別会として、女子会を行いました
ET研究所はかつて男性だらけの職場だったそうですが、近年急激に女性が増え始め、現在は職員の半数近くが女性になりました
女子みんなでかんぱーい
ひたすら飲んで食べてバカ話で盛り上がり、二次会のカラオケが終わるころには日付が変わっておりました
年齢や立場など様々な私たちですが、やはり女子会は盛り上がりが違いますね
お世話になった方を見送るのはさみしいですが、おかげでとても楽しい時間を過ごすことができました
第二弾も乞うご期待
ウシ受精卵の大きさは約100マイクロメートル(0.1mm)
肉眼では光の加減があえばちいさな点としてみることが出来ます。
dish上の培養液に受精卵がいるのですが、見えているでしょうか?
ほんと小さい。
デジカメを買い換えたため、
顕微鏡モードという機能の能力が知りたくて、ためしに受精卵を撮影してみました。
すごい!受精卵がうつりました。
この写真では10個の胚盤胞が見えています。おおよその発育段階も分かります。
カメラの機能がここまですごいとは知りませんでした。
現場での頼もしいツールとして使える日が来るかも!?