「ひらしげみ18」号および「ふくひめ」号の凍結受精卵を販売します
超高育種価牛「ひらしげみ18」号および高育種価牛「ふくひめ」号の凍結受精卵を販売します。
脂肪交雑においてひらしげみ18号は全道175位,ふくひめ号は全道373位と,
どちらも大変優秀な成績をおさめています。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
超高育種価牛「ひらしげみ18」号および高育種価牛「ふくひめ」号の凍結受精卵を販売します。
脂肪交雑においてひらしげみ18号は全道175位,ふくひめ号は全道373位と,
どちらも大変優秀な成績をおさめています。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
受精卵は卵割という細胞分裂を経てどんどん細胞数が増えていきます。
受精6日目くらいから胚盤胞というステージに入り受精卵の見た目に大きな変化が起こります。
それまで「細胞のかたまり」だった受精卵が膨らんできます~
このステージでは細胞ごとの役割が決まっているおり、胎仔になる部分が顕微鏡下で分かるのです
写真の矢印の箇所が内部細胞塊(ICM)と呼ばれおり、ここが胎仔になります。
ここだけ黒いから良く分かりますね。
透明の部分にはぎっしり細胞が詰まっているのではなく、風船のようになっています。
実際、温度が低下するなどのショックを与えるとしぼみます。
受精卵を染色して、ひとつひとつの細胞を分かりやすくしてみると・・・・
青い丸がひとつの細胞を表しています。
満遍なく細胞が散らばっている中に、一部細胞が集中している箇所(白矢印)があります。
ここがICMで、他のところより細胞が集まっているのが良く分かりますね。
ICMが立派だと育ての親としては頼もしいかぎりです。
「がんばって牛になるんだよ!」と送り出しています。
みなさん、こんな話は聞いたことありませんか
人間や動物の出産は月の満ち欠けに影響されている・・・
でもこの話は嘘なのか本当なのか・・・いちおう人における調査では出産と月の満ち欠けには関連はないと報告されていたそうです
それが今回の東大の研究により、牛においては関連性があるということが明らかにされました
牛の出産は満月が近づくと増え、満月を過ぎると減るということが米科学誌プロスワンに発表されたのです
この研究では2011年9月から3年間、夜間の照明がない北海道の牛舎でホルスタイン牛の出産日と月の満ち欠けの関係を調べました
自然分娩で生まれたケースを対象とし、この期間428回の分娩についてのデータをまとめると下の表のような結果となりました
(PLOS ONE http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0161735)
↑縦軸が出産数、横軸が月の満ち欠けを示しています。(○は満月●は新月)
満月が近づくにつれて出産数が増え、満月前の約3日間が71回で最も多かったそうです
一方満月を過ぎると出産数は減り、新月のおよそ7日前から3日前にかけての約3日間が35回で最も少なかったそうです
この結果には、睡眠や性腺の調節などに関わるとされるメラトニンというホルモンが関連していると考えられています
メラトニンの分泌は、満月の時期に低下することや妊娠中に増加して出産後に低下することが知られています
今後はメラトニンの分泌低下と出産の関係を明らかにする予定だそうです
都市伝説のように語られていた月の満ち欠けと分娩の関連性が分かりスッキリしました
次の満月は10月16日です
牛の分娩を控えてるみなさまは満月を少し意識してもいいかもしれませんね
さて,ここで問題です
下に示した5枚の写真はそれぞれ何を表しているでしょうか
正解は…なんと全てウシの卵子です
1.卵丘細胞をはがす前の卵子(染色なし)
2.染色体を染めた卵子
3.表層顆粒という細胞内小器官を染めた卵子
4.ミトコンドリアを染めた卵子 その1
5.ミトコンドリアを染めた卵子 その2
見た目も色も全然違いますが,全て同じ発育ステージの卵子なんです
いろいろな方法で染めることで,様々な個性を見せてくれるんですね
七変化…とまではいきませんが,コロコロ姿を変えるにくいヤツですこと
シルバーウィークいかがお過ごしでしょうか?
最近は月曜日休みのことが多いですが、そんな週でもきっちり週3回採卵は行われています。
今週は月曜日と木曜日が祝日のため、採卵は火曜日、水曜日、金曜日となっています。
そんな水曜日の出来事。
採卵で回収された液の中から受精卵を捜していたとき、こんなものに出会いました。
通常は単体ですが、たまに数個が結合しているものに出会います。
今回のものは過去最大でした!
このような場合、ヒアルロニダーゼと呼ばれる酵素中で洗うまたはピペッティング(ガラス管の中から出し入れ)することで1つずつにしていきます。
まわりに少し細胞が接着しているものも同様の作業をおこないます。
バラしてみると18個もありました!!
高育種価牛「としえ1」号および「あおぞら」号の凍結受精卵を販売します。
脂肪交雑はとしえ1号が全道61位,あおぞら号が全道606位と,どちらも大変優秀な成績をおさめています。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
いよいよ学会シーズンが始まりました
第一弾の今週は,日本大学で行われた獣医学会と,全農内部での研究発表会でした
獣医学に関するあらゆる分野の発表が行われる獣医学会は,日本全国から多くの人が参加しており,
要旨集の厚さはなんと2cmを超えていました
シンポジウムも含めると,15の分科会からなんと795もの演題が
たっぷり勉強させていただきました
続いて全農内部の研究発表会は,畜産生産部に所属する3つの研究所の合同で行われました
鶏や豚のワクチン開発や感染症予防,肉牛のストレスに関する研究など,同じ全農でもET研究所とは全く異なる研究について
学ぶことができ,かなり刺激を受けました
また,都心のど真ん中のビルの32階で皇居を見下ろしながら発表するという,普段ど田舎にこもって研究をしている私には
衝撃の体験もできました
どちらもかなり緊張しながら発表をさせていただきましたが,多くの鋭い質問やありがたいアドバイスをいただき,研究のモチベーションは上がるばかり
学会の旅はもうしばらく続きますが,この経験を生かしてバリバリ研究したいと思います
以前、実験室で使用している試薬、培養液は手作りだとブログでも紹介しました。
ET研究所で作っている凍結受精卵用の凍結液ももちろん手作りです。
こちらは特にET研究所の売りである凍結受精卵の受胎率に大きく関係する大事な部分です。
慎重に手作りされています。
作製風景をぱしゃり
1リットルのメスシリンダーに量った試薬をいれていきます。
スターラーと呼ばれる試薬を混ぜる機械に乗せて、全体が均一になるように混ぜていきます。
1回の凍結で30ml~50ml使うため、これで2ヶ月分くらいでしょうか。
これを分注(小分けして)して冷凍しておきます。
たくさんできました!しばらくはこれで安心
どーもー東日本分場です
先日ふっとしたタイミングでこんなものを見つけました
おーう小ぶりですがスズメバチが巣を作っているじゃありませんか
ここは分場メンバーが車を停めているすぐそこで、毎日ここを通っておりますが今まで全く気づかなかったことに驚きました(笑)
見上げないと視界には入らないけれど、それなりの存在感がありますので・・・
ところでスズメバチの巣は何で出来ているのでしょう?
正解は木の繊維です
木を噛み砕いて唾液と混ぜてペースト状にし、大顎と前肢を使用して薄く延ばしながら表面に貼っていくそうです
まるで左官職人ですねそして芸術作品です
働きバチがあちこちで巣材を集めてくるため、材料の違いからあの特徴的な模様ができます
この模様にはハチの種類によって特徴があるので、種類を判別するのに役立ちます
模様から判別すると・・・分場に巣を作っていたのはキイロスズメバチのようです
気づいていなかったころは何ともなかったのですが、存在を知ってしまうと無駄にビクついてしまいます
と、いうことでハチさんにはかわいそうですが巣を取ってもらいました
巣が無くなっても何匹かのハチが名残惜しそうにその場を飛んでいました
ハチさんごめんね
超高育種価牛「てつせん」号および「ひらしげみ18」号と,高育種価牛「あかね」号の凍結受精卵を販売します。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
ET研究所に北中音更分室が出来ました
ここは士幌町にある北中音更小学校だったところで、今年3月廃校になった校舎を利用しています。
本日はここで開講される全農繁殖義塾の開所式でした。
ET研究所繁殖義塾研修生からのやる気あふれる挨拶がありました
さらにここでは契約採卵の採卵牛を集めて採卵を行う予定です。
受精卵の需要が高まっている今、新たな供給ルートとしてまた、生産者の新たな収入源になることが期待されています
ますます進化するET研究所!!
以前の記事で紹介したように,ET研究所には移植受胎率80%を誇る,スゴ腕移植師が存在します
(2/26ブログ記事「トリプルエイト」より)
本日は,その「トリプルエイト男」の新技を紹介したいと思います
そう,彼の新技は,柵に登って移植を行う「アクロバティックET」です
これは,連スタに入らないウシを回転柵で挟み込んだり,移植するウシが端っこにいるため窮屈な際に,十分なスペースを
確保するために編み出された技だそうです
狭い空間で動きを制限されながら移植を行うのではなく,柵の上のスペースを利用して自由に体を
使えるようにするとは…さすがですね
移植受胎率80%という素晴らしい成績は,このような努力と工夫の上で成り立っているのでしょう
皆様ぜひトライしてみてはいかがですか
18日からお盆の採卵やすみも終わり、いつも通りの採卵が始まりました。
その日の夕方・・・
2号牛舎にいた牛たちが逃げ出す事件が発生しました。
幸い残っていた職員により30分程度で捕まえることに成功~
怖がりな動物だと思うのですが、テンションMAXで外を走り回っていました
逃げ出した牛のこんなニュースを発見しました。
【海外発!Breaking News】食肉処理場から逃げ出した牛、保護され新しい人生が(米)
この牛さん、食肉処理場から逃げ出し街をさまよっていたところをSNSにアップされ
それをみた動物保護団体の方が引き取ったそうです。
ET研の牛たちも第二の人生を求めて逃げ出していたのでしょうか
ET研ブログをご愛読いただいている皆様,いつもありがとうございます
最近更新が途絶えていたのを心配してくださった方もいるかもしれませんが,
実は,毎年恒例のお盆休みに突入しておりました
お盆期間は採卵,採精ともにお休みだったため,この時期に夏季休暇を取得する職員が多く,
ずいぶんと静かな日々が続いておりました。
が,本日ついに日常業務が再開しました
夏休み明け初日の今日は27頭の採卵から始まり,休んでいた分を取り返すようにたくさんの仕事に追われておりました
たっぷり充電して,たくさんの夏の思い出を胸に,ふたたび受精卵生産業務にまい進していきます
ちなみに下の写真は昨日ナイタイ高原レストハウスでランチをした時のもの。
今年は天気に恵まれず,ナイタイに上るたびに濃霧もしくは雨でしたが,夏の終わりにようやく晴天に恵まれました
これからめっきり涼しくなりますので,皆様お体に気を付けてお過ごしください
和牛の双子生産、第3回目の今回は、双子受胎牛の妊娠末期の栄養管理の考え方・試験内容をご紹介します。
◎妊娠末期の栄養管理
・繁殖母牛は太らせないことが基本ですので、分娩予定日の約2ヶ月前までは母牛を維持させる程度のエサの給与量で十分です。
・一方、分娩予定日の約2ヶ月前である妊娠末期に差し掛かると、胎子が急激に成長にするため、胎子の成長に見合った栄養分を給与する必要があります。『増飼』とも言われます。
・双子生産においては、この増飼がポイントになります。双子受胎牛のお腹には当然、2頭の胎子がいますので、2頭の胎子に見合った『増飼』をしなければなりません。
・必要な栄養給与量は「日本飼養標準・肉用牛」を参考にし、母牛の維持栄養量に胎子2頭分の栄養量を加えました。
「日本飼養標準・肉用牛」
http://jlia.lin.gr.jp/cali/info/standart/nikuusi.html
・なお、実際の給与量は母牛の体重、給与する配合飼料や粗飼料の成分値などによって変わってきますので、今回は配合飼料給与量の他に、日本飼養標準で設定されている栄養給与量を基にし『充足率〇%』という形で表します。
◎試験区の設定
〇一定区
・日本飼養標準の充足率が100%となるように、分娩予定日の約2ヶ月前から配合飼料を3kgに増飼し、分娩まで一定量の給与としました。
〇増給区
・当研究所の一般管理の中で、分娩予定日の3週間前からタンパク充足率が130%となるように、2段階の増飼を行うことで分娩成績が安定した事例がありました。
・そのため、増給区では分娩予定日の約2ヶ月前から配合飼料を3kgに増飼(充足率100%)、3週間前から配合飼料を6kgにさらに増飼しました(充足率130%)。
〇急増区
・増給区のような2段階の増飼を行おうとすると、分娩予定日の約2ヶ月前から給与量を変更するために別飼しなければならないですが、牛舎構造を考えると2段階の増飼は難しい、という農場を想定し、それでも最後の増飼だけはやってもらおう、と考えた区です。
・分娩予定日の3週間前までは配合飼料が1kgなので維持期と同等の管理です(充足率85%)。そして、分娩予定日の3週間前から増給区と同じく、配合飼料を6kgに増飼しました(充足率130%)。
〇単子区
・2卵移植を行いましたが、残念ながら単子のみの受胎だった牛は、単子区としました。
〇各試験区の配合飼料給与量と充足率を、以下の図に示します。
次回は、各試験区の分娩成績をご紹介します。
牛の尻尾につけて出産のタイミングをモニタリングするウェアラブル端末「MooCall」というものをご存じですか
最近、ET研ブログでもスマホを使用した便利な機能やウェアラブル端末のお話をすることがたびたびありますが、本当に便利な世の中になったものだと感じます
ウェアラブル端末とは身につけて持ち歩くことが出来るコンピュータのことでスマホなどの単に持ち運べるコンピュータとは異なり、衣服状や腕時計状で身につけたまま使えるものを指すのだそうです
牛のお産は一般的には自然分娩が望ましいとされていますが、分娩のタイミングは予想しづらいものです
分娩時には事故も起こりやすく、介助を必要とする場合もあるため農家にとっては気を抜けない時期ですが、この「MooCall」を出産予定1週間前の雌牛の尾に装着し、尾の動きをセンサーで常時モニタリングすることで、分娩のタイミングを感知できるのだそうです
分娩開始の1時間前に、SNSや電子メールでその旨をユーザーに通知してくれるそう
分娩を体温か何かで感知すると思っていましたが、尾の動きなんですね
生産性の向上に一役買いそうな端末ですね
ところで「MooCall」は30ヵ国以上で販売されていて、「Moo」は牛の鳴き声から取ったのだと思われますが、日本語では牛の鳴き声は一般的に「モー」と言われます。
英語では「Moo」=「ムー」だそうです
私が衝撃的だったのは豚ですが、日本では「ブー」英語では「Oink」=「オインク」
えっ豚ってそんな風に鳴くの?(ブーでもない気もしますが・・・)
豚用の端末があるとしたら「OinkCall」と言われても豚なんて想像できませんね
きわめつけは馬!
日本語では「ヒヒーン」ですが、英語は「Neigh」=「ネイ」
「NeighCall」・・・誰用ですか?笑
「MooCall」分かりやすくて良かった笑
*************************************************************************************
曽根さま、コメントありがとうございます!
返信が遅れて申し訳ございませんでした。
Moocallは取り扱いはMPアグロのようです。
以前に問い合わせたところ、農水省の認可は下りたようなのですが、通信が日本の電波に合わずそのままでは使用できないため、一旦販売中止になっていると聞きました。
しかし、その後進展があったかどうかまでは分かりません。
申し訳ありません・・・。
いつもは上士幌にあるET研究所本場にこもりっぱなしの私ですが,
本日初めて農家採卵の準備に同行する機会をいただきました
採卵というと,子宮を還流して受精卵を回収する作業だけを思い浮かべがちですが,
実際は本当にたくさんの作業の積み重ねが必要になります。
まずは採卵できそうな個体を選び出し(選畜),発情の同期化が必要であれば行い,卵胞をたくさん発育させるための
ホルモン処置を行い(過排卵処置),その後ホルモン剤で排卵させ,人工授精をし,ようやく受精卵回収となります
場外で採卵をするときも同様の工程が必要になるため,ET研職員だけでなく農家さんをはじめとする多くの方々の協力のもと
これらの作業を行います
本日同行させていただいたのは上記のうちの「選畜」で,一頭ずつ丁寧に調べながら採卵に向けての処置を施しました。
作業風景をパシャリ
とっても毛づやのよい,きれいなウシばかりの牛群でした
また,手早く正確に作業を行うための工夫が盛りだくさんでびっくり
同じ作業でも,ET研の場内と農家さんの現場では全然違うことを知り,大変勉強になりました
どうかたくさんの受精卵がとれますように
冷蔵庫を移設することになり、専門業者の方に作業をお願いいたしました。
自分たちでは不可能そうなことでもプロにお任せすれば安心ですね。
大きな冷蔵庫でしたが、すんなり入りました。
おかげさまで、引越しは無事に終わりました。
みなさん、こんにちは
東日本分場です
こちら関東はようやく梅雨明けしました
梅雨が明けて一気に夏モードです
連日30℃超えの日々で牛も人もぐったりしてしまいますね
しかーし、そんなことは言ってられませんので、夏の暑さに負けずにお仕事を頑張るためにみんなでご飯を食べに行きました
今回は中華を食べに行きました
おいしいものを食べ、冷たい飲み物を飲んで、みんなでお仕事の話もしつつ、暑い夏を乗り切ろうと一致団結しておりました
東日本分場のメンバーは、新ETや契約採卵で分場を留守にすることが多いので、全員が集まることもなかなか貴重なのです
じゃじゃ~ん
北京ダックもいただきました
とてもおいしいお料理を堪能できて満足です
分場メンバーともゆっくり話も出来ました
これからが夏本番
暑さに負けずにみんなでがんばりましょう
たまにはこんな息抜きも!?
7月24日に更別町で開催された全日本ママチャリ耐久レースにET研究所チームが参加しました。
全日本ママチャリ耐久レースとは・・・
更別町で毎年開催されており、全国各地から200チーム以上が参加するママチャリ自転車レースです。
今年は7時間耐久レースでした!
更別町にある十勝スピードウェイというで行われ、普段は自転車が走れないサーキットを、この日だけは特別にママチャリで走れます一周3キロほどのコースを全力で走り、仲間につないでいきます。
会場の様子はというと
仮装しているチームもあり、大変盛り上がっています!
ET研究所チームはというと
おそろいのつなぎで出場しました。
キマッテル!
たまには職場の仲間でこんな息抜きもいいものですね
森下仁丹は薬を包んでカプセルにする技術を産業分野に応用しようとしているそうです
みなさまは「仁丹」という商品をご存知でしょうか?
若い方に知名度は低いのかもしれません
私の仁丹イメージは、お年寄りが好んで服用する独特な香りのするお薬??という感じですが・・・
実は仁丹は1905年に懐中薬として発売され、2年目に国内家庭薬の売り上げ第1位になり1921年には日本からの売薬輸出の60%を占めるほどの人気になったそうな・・・
さらに驚くことに販売のピークは1982年で実に77年間もかけて伸び続けてきた怪物商品なんだそうです
ほぇ~知らなかったです~
そんな仁丹が腸溶性シームレスカプセル技術を応用し、牛の反芻胃での分解を避け腸まで有効成分を届けることのできるカプセル(ルーメンバイパス製剤)の開発に成功し、畜産分野で活用しようと取り組んでいるそうです
そのままでは吸収されにくい必須脂肪酸であるα-リノレン酸をカプセルに内包し、α-リノレン酸に富む高付加価値牛乳の生産を目指しているそうです
この技術が確立されれば、ビタミンやプロバイオティクス由来の様々な有効成分を含む高付加価値牛乳生産に繋がり、酪農分野の市場拡大と健康増進に寄与するものと考えられます
すでに実証試験が行われているそうですが、直径6ミリの球状のカプセルに有効成分が入っているそうで、味やにおいを閉じ込めることが出来るので好き嫌いのある牛の食いつきも良いそうですよ
牛さん、好き嫌いはダメですよー
この技術、効率よく牛に栄養を吸収させることができるし、もっと色々なことに応用できそうですね
仁丹から畜産に繋がってくるとは・・・すごいです
高育種価牛「かつこ3」号,「かつゆき」号,「はつみ」号の凍結受精卵を販売します。
いずれのウシも大変優秀な成績をおさめております。
詳細は下記のチラシをご覧ください。
採卵の日は朝からバタバタしていますが、新鮮卵出荷がある日は特にです。
採卵のときは
牛を牛舎に入れる人、採卵器具の準備をする人、採卵する人、検卵する人などと分かれていますが
出荷前の新鮮卵納品書作成や、ストローに卵をつめる、出荷用の箱に収めるなどの作業はみんなで一緒に~
こちらがET研で使用している新鮮卵出荷用の箱です。
主に十勝管内への出荷のため、いたって普通の発泡スチロール箱を使用しています。
これが検卵室に並んでいると・・・今日は忙しいんだ!!と悟ります。
慌しく作業しながらも、繊細な受精卵扱うため慎重に作業します。
今日も無事に出荷は終わりました。
暑くなったり寒くなったり不安定な日々が続いていますが,ようやく夏の訪れを感じるようになりました
夏を感じると,同時にもうすぐやってくる冬のことを考えてしまうのは北海道あるあるだと思います
お盆が過ぎたらもう秋ですね
秋といえば…もちろん食欲の秋ですが,もう一つ大切なことが
そう,勉強の秋です
例年9-10月は学会が集中しており,日ごろの研究成果を発表するとともに
最新の知見を吸収する絶好のチャンスです
そして今時期は,秋の学会で発表するための講演要旨の提出締切が次々やってきて…
この一ヶ月で,4つの講演要旨を提出しました
どれも内容や形式,言語さえ異なるため,頭がごちゃごちゃになることもしばしば
本日ようやく最後の要旨が完成し,一安心です
普段は採卵業務やルーチンワークで体を動かすことが多いですが,
メイン業務である研究に気持ちを集中させる,よい機会でもありました
我々の研究はもちろん生産者の皆様の利益に貢献することが最大の目的ですが,
学会に参加してアカデミックな世界にどっぷりつかると,真理を突きつめる喜びを実感します。
ブログをご覧の皆様,学会でお会いすることがありましたら,
ぜひぜひ熱い議論にお付き合いください
ET研究所では月、水、金曜日の朝から採卵をしています。
採卵では様々な器具を使用します。
その中でこれはすごく大事!という個人的に感じている小道具をご紹介いたします
まず、一つ目:塩プロ(塩酸プロカイン)
現場では「塩プロ」と呼ばれています。何に使うかというと!?
尾椎硬膜外麻酔をかけるのに使います。尾椎間(尻尾の骨と骨の間)に投与します。これを使うことで怒責がなくなり、作業がスムーズに行えます。バルーンを子宮にセッティングしているときに子宮穿孔がおこる危険も減ると思います。牛の痛みも軽減されますし、尻尾の力が抜けるため作業の邪魔をされません。
尾椎間に投与するのは牛によっては難しく、、、採卵前の占いのように感じています。
上手く投与できると採卵も大丈夫だ!と自信をもって採卵できます。
塩プロが効かない牛にはパドリン(臭化プリフィニウム)を筋注します。
これは最後の必殺技!です。しかし、パドリンは平滑筋にしか効果がないため怒責は止まりますが、尻尾は振る、肛門の力は緩まらないので作業中に腕がしびれるといった難点があります。
やはり、初めの塩プロは大事なのです。
2、脚ひも
一見地味なひもですが、、、採卵者にとっては命綱!と言っては過言ではありません。
採卵中に後ろ蹴りを食らわす牛がたまにいます~。
採卵中は避けることが出来ないこともあるため、このひもでガードします。
しっかり縛ってもらいます。
今日も無事に採卵が終わりました。
先日神奈川での採卵に参加いたしました
こちらはすでに30℃を超える日が連発しているので、採卵成績が心配です~
神奈川での採卵は何度かおこなっているのですが、成績が良好なんだそうです(確か外部採卵での1頭から取れた凍結可能胚の最高記録は、神奈川だったような・・・すばらしいです)
さて、私は検卵チームなので、検卵・凍結の準備をします
セッティング完了
がんばりますよーーー
検卵・凍結のためのお部屋をお借りしましたが(写真はお部屋の窓からの風景です↑)、天気が良ければここから富士山が見えるそうです
本日は天気は良かったのですが、ちょっとお空がもやもやしてましたので、富士山の姿は確認できませんでした・・・残念
富士山は見えませんでしたが、卵はいっぱい取れました
この日は12頭採卵して、170個以上の凍結可能胚が取れました
暑さに負けずに良い成績でしたので、ホッとしました
こんなに暑いと牛だけではなく、人間も元気がなくなってしまいますね
外で採卵するET研の獣医師や補助の方々も大変ですが、多くの関係者の方々のすばらしいご協力によりテキパキと作業を行うことが出来ました
神奈川のみなさん、本当にご協力ありがとうございました
超高育種価牛「ちょろまつ79」号および高育種価牛「ひろみ」号の凍結受精卵を販売します。
ちょろまつ79号は脂肪交雑がなんと全道2位
ひろみ号は枝重育種価が驚異の+94Kgと,安定した成績を出しています。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
月曜日は吐く息が白いくらい寒かったナイタイ高原。
たまに30度近い夏日もあったりと身体がついていきません
今週から新しい職員が加わり歓迎会と今月から始まるAI講習会へ参加する2人を激励する壮行会をかねて焼肉しました。
もちろんナイタイ和牛も登場しました
これからヒートストレスによる受胎率低下対策に向けて府県へ受精卵の供給を厚くしていく必要があり、これから頑張りどきです
牛肉パワーで、来週からも頑張ります
今週ET研究所には,とってもフレッシュなお客様がきました
帯広畜産大学の学生ご一行様です
二年生の授業の一環として毎年訪問してくれるのですが,普段ET研にこれほど大人数のお客様が来ることはないので,
椅子を並べたり,たくさんのスリッパを引っ張り出してきたりとこちらも大忙し
ET研の事業概要や研究内容についての説明の後,実験室や採卵棟を見学していきました。
私も少しだけ立ち会わせていただいたのですが,かなりレベルの高い質問が次から次へと飛び出し,
学生の皆様の優秀さや熱心さに感動しておりました
実は私も帯広畜産大学の出身ですので,かわいい後輩たちがET研の仕事に興味を持ってくれるのは大変うれしいことです
サプライズで(!?)一緒に来ていた,私の恩師の姿を見たときには心拍数が上がりましたが(笑)
この中の誰かが卒業後ET研に就職し,受精卵生産に力を注いでくれたら…なんて妄想をしつつ,
未来への可能性に満ちた背中を見送りましたとさ
日々、採卵業務と戦っているET研究所職員たち。
戦っているのは人だけではありません!牛たちも日々戦いなのです。
牛は群れて生活する動物で、その群れの中で戦い順位付けを行います。
強い牛はエさのあたりが良いのか丸々していますが、逆に弱いとやせています。
採卵のプログラムを組む供卵牛チームでは一区画70頭くらいの中でエさのあたりが悪い牛や、戦いで負傷した牛たちを見つけ牛を移動するという作業もしています。
区画の構成は牛の栄養状態やストレスにかかわり採卵成績に影響しますし、怪我して生命の危機に陥る牛を出さないためにも大事な作業なのです。
戦いで傷ついた牛たちが収容されている区画では・・・
平和に暮らしているかと思いきや!?
ここでも戦いは繰り広げられていたようです。
立派な体格の牛ですが(推定650キロ)、怪我して休んでいました。
これまでの弱い=細いという概念を覆す牛だ!と思ったのですが、弱いため個別管理されており太ったようです。
供卵牛チームでは、はやく怪我を治して採卵復帰できるように治療もしています。
供卵牛チームのみなさまお疲れ様です~
どーもー東日本分場でーす
現在、東日本のメンバーは5人なのですが、(本場からするとだいぶこじんまりとしております・・・笑)みんな外部採卵や新ETシステムやらで外に出ていることが多いんですね~
しかしそんな小さな東でも色々なお仕事をこなしていかなければなりません
たとえば・・・
彼女は牛の発情同期化処置をしたり、胚移植するためにお外に出ていることが多いのですが、滅菌作業なんかもやっておりますよ
この日も外の作業を終えて帰ってきてから、せっせと滅菌作業をしておりました~
ちなみに今日はとある牧場まで精液の配送もありまして、東の職員が行って来たのですが、おみやげを買ってきて下さいました~
ブラウンスイスの牛乳を使っているのだそうですが、うっ・・・うまい
濃厚でなめらか~~~お気遣いありがとうございます
たまにこんな息抜きもしつつ、みんなで協力して頑張っておりますー
超高育種価牛「むつき」号および高育種価牛「こまき222の2」号と「はつみ」号の凍結受精卵を販売します!
むつき号は脂肪交雑が全道111位,ロース芯面積が274位と,安定した成績を出しています。
また,こまき222の2号は枝肉育種価が驚異の+90Kgであり,質量兼備の大変優秀な供卵牛です
はつみ号にはBMS No.11の実績があり,脂肪交雑が全道731位となっております。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
先週も採卵後の黄体について書きましたが、今週も!
採卵後に採卵牛の卵巣エコーを当てていました。
触診で右卵巣は拳大の大きさで表面に突起は感じられず、つるんと丸い。
中に液体を感じたのですが、
黄体あるのか…?うーん
エコー下では腔のある黄体が確認されました。
(卵胞かとも思ったのですが、、)
採卵ではしっかり正常卵が回収されていました。
しかし、腔のある黄体は次の採卵に影響を及ぼすのでは?と思っています。
和牛の双子生産、第2回目の今回は、2卵移植の移植方法と受胎成績をご紹介します
○受精卵の準備
・1本のストローに1個の受精卵が入っているため、2本のストローを準備します。なお、2個の受精卵の血統は、全く同じものにする必要があります
○移植方法(片側子宮角vs両側子宮角)
・基本的な事ですが、受精卵は黄体が存在する側の子宮角へ移植します
・そのため、2卵移植の場合も黄体存在側の子宮角へ移植するのが良いと考えられます
・しかし、片側の子宮角へ受精卵を2個移植した場合、流産や難産の懸念がありました
・そこで本試験では、受精卵を片側の子宮角へ2個移植した場合(片側区)と、両側の子宮角へ2個移植した場合(両側区)とに分け、受胎率を比較しました
・なお、両側の子宮角へ2卵移植する場合は移植器を2本用意し、左右1回ずつ挿入する必要があります
・一方、片側の子宮角へ2卵移植する場合は(コツが必要ですが)1本の移植器に2個の受精卵をセットし、挿入を1回で済ませることができます
・供試牛は黒毛和種繁殖牛71頭(平均産次6.3)とし、延べ97回の移植を行いました
○結果
・受胎率は両区とも約60%と変わらなかったものの、双子率を比較すると、片側区の方が高くなりました(片側区42.6%vs両側区32.0%)
・この結果から、2卵移植は黄体が存在する片側の子宮角に実施した方が、双子率を高めることができます。やはり、両側区の場合、黄体が存在していない側に移植した受精卵が受胎しにくかったものと考えられます
・片側子宮角への2卵移植は双子受胎率以外にも、移植者とすれば挿入が1回で済むので作業的にも楽ですし、牛にとっても拘束時間が短くなりストレスが軽減できるといったメリットが考えられます
・なお、流産は両区ともほとんど無く、差は見られませんでした。一方で、ホルスタイン種では(自然発生した双子の例ですが)、片側子宮角に双子が発生した場合、両側子宮角の双子よりも流産率が高まるという報告もありますので、流産に関しては品種の違いがあるかもしれません
・なお、通常のエコーによる妊娠鑑定で、双子の確認も可能です。画面中央の胎子の左側に、2頭目の胎子がぼんやり見えています
次回は、双子受胎牛の妊娠末期の栄養管理に関する試験結果をご紹介します
東京大学などの研究チームが、受精に関わる精子融合因子「IZUMO1」と卵子受容体「JUNO」の認識構造を解明し、英国科学誌「Nature」に掲載されたそうです
IZUMO?いずも?なんですか?って感じですが、
精子と卵子が受精することによって新しい命が誕生しますが、そもそも精子と卵子が互いをどうやって認識するのか謎ですよね~
そこで鍵となるのが、IZUMOとJUNOです
IZUMOとJUNOはそれぞれ精子表面と卵子表面に存在するタンパク質のことで、このタンパク質がお互いに結びつくことによって精子は卵子表面に接着するのです
つまり、これがないと妊娠することはもちろんのこと精子が卵子にくっつくことさえ不可能ということですね
受精にかなり重要な役割を果たしているIZUMOとJUNOですが、IZUMOの名前は縁結び神様を祭る出雲大社にちなんで付けられており、JUNOはローマ神話に出てくる、結婚を守護する女神から付けられたそうですよ~
そして今回解明されたIZUMOとJUNOのお姿がこちらです↓
http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/06/16/102/images/001l.jpg
結合したのがこちらだそうです↓
http://news.mynavi.jp/photo/news/2016/06/16/102/images/002l.jpg
う、う~ん・・・???タンパク質の構造は難しいですね(笑)
とりあえずIZUMOは細長い形をしており、JUNOは球状の構造をしているそうで、IZUMOの中央部分が、JUNOにある袋状の部分とそれぞれの凸凹がかみ合い、パズルのピースがはまるようにしてくっつくのだそうです
IZUMOとJUNOが結びつく前に、これらのタンパク質に結合する物質を開発することが出来れば、新しい避妊薬が開発されるかもしれません
ついにこの日がやってきました
内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会は16日,牛海綿状脳症 (BSE) 対策に関して,国産牛のBSE検査を廃止しても
人への健康影響は無視できるとの評価結果をまとめました。
今後,同委員会が厚生労働省に答申すれば,2001年から続いたBSE検査が廃止される予定だそうです
日本では2002年1月以降に生まれた牛からBSEは発生しておらず,2013年5月に国際獣疫事務局から清浄国
(BSE発生のリスクを無視できる国) と認定されています
これまでBSE検査の対象月齢は20→30→48ヶ月齢以上と段階的に引き上げられてきましたが,ついに廃止になりました。
BSE検査には多くの人手とコストがかかってきたことから,「ようやく廃止!」というポジティブなニュースとしてとらえられていますが…
実際のところはどうなのでしょう
安全性への不安や,「BSE検査済み」という付加価値を失うことを危惧する声も多く,そう簡単に検査廃止が浸透するとは思えません
実際に北海道では,国の検査対象月齢が48ヶ月以上に引き上げれた後も,自主的に検査を行っています
BSEのような健康被害に直結する問題においては,正しく恐れ,過度の反応をしないということが重要だと思います
そしてそのために必要なのが,科学的根拠に基づく客観的かつ正確な情報です
獣医師として研究者として,さらには食肉処理場において卵巣を採取している身として,自分にできることは何なのだろうと
考えさせられたニュースでした
採卵ではどれだけの回収卵が見込めるかは黄体数を基準としています。
採卵のときに触診にて黄体数を数え、採卵記録用紙に記入します。
この後、検卵により受精卵を探し出し、何卵回収されたかが分かります。
黄体数と見比べるときちんと採卵できているのかが分かります。
(実際には子宮まで降りてきていない受精卵もあると思いますし、触診では数えられていない黄体もあると思います。)
自分の採卵した牛の回収卵数をみるのは毎回ヒヤヒヤしますが、回収卵数と黄体数がピッタリだとうれしいものです。
普段は触診のみですが、採卵牛にエコーをあて黄体を数えてみました。
さてさてこれは?
のう腫様黄体は受胎障害の原因になると聞いたことがあるのですが、採卵にも影響するのでしょうか・・・?
青森県の産業技術センター畜産研究所では、体外受精で「割球分離法」を用いることにより、一卵性双子の雄牛を誕生させることに成功したそうです
http://news.goo.ne.jp/article/dtohoku/region/dtohoku-35673425.html
同研究所では、県基幹種雄牛作りのために優れた雄の精子と雌の卵子を体外受精することにより種雄牛候補を生産しておりましたが、今までは候補牛の子供を成長させて肉質を調べて候補牛の素質を判定していました
現在、県基幹種雄牛の認定には種雄牛候補の子15頭以上の肉質を調べるそうで、約6年もの期間が必要でした・・・
しかしながら、この技術により誕生した一卵性双子のうち1頭を種雄牛候補にして、同じ遺伝子を持つ別の1頭で肉質を調べることができるため、判定までの期間が約3年半に短縮可能になったそうです
さてさて、ここで使用された「割球分離法」とはどんな技術かと言いますと・・・
受精した卵子は発育を開始しますが、最初は1つの丸い細胞だったのが2つに割れていきます
上の写真をご覧いただけばなんとなくイメージがつくと思います
2つに割れているものもありますね
そう、このお尻のよう・・・桃のように割れ目が入っている卵を1つずつに分離して、それぞれを培養することにより2個の受精卵に成長させる技術です
1つずつに分離する際に慎重に行わないと、卵子が死んでしまいますので、上手に細胞を分離する技術が必要です
この技術を利用して優れた種雄牛がぞくぞくと登場するといいですね
超高育種価牛「ななみ」号および高育種価牛「かつこ3」号の凍結受精卵を販売します。
ななみ号は脂肪交雑において全道75位,かつこ3号は枝重育種価が+96kgと,
どちらも大変優秀な成績をおさめています!
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
今はET研究所に所属している私ですが、今年の3月までは同じ全農内のエサの研究所に所属しており、牛の飼養管理や飼料の開発に関する研究をしていました。
その中でも、双子生産の研究を継続して行っておりました。
双子は難産や流死産の発生が問題になるだけでなく、場合によっては親牛への影響も出ることがあり、簡単な技術ではありません。
そこで、今回から(長くなりそうなので…)数回に分けて、試験の内容を紹介させていただこうと思います。
実際にやっているけどなかなかうまくいかない、または、興味はあるけど手が出せない、といった方々にとっての解決策が、記事の中に含まれていれば幸いです。
※なお、この双子生産の内容は『2014年全農畜産シンポジウム』で発表、『ちくさんクラブ90号』で掲載しております。
まず、和牛の双子生産を取り組んだきっかけですが、和牛素牛の頭数が減少し、価格が高騰の一途をたどる中で、繁殖農家で双子生産が可能になれば和牛素牛の頭数が増え、価格も安定させられないだろうか、と考えたのが始まりでした。
※素牛取引価格は農畜産業振興機構・肉用子牛取引情報を、和牛繁殖農家戸数は農林水産省・畜産統計を、それぞれ抜粋
通常のAIでも双子発生率が高いホルスタイン(ホルスタイン5~10%、和牛1%未満)では双子分娩の際、
・妊娠期間の短縮により妊娠末期の栄養管理が適切に行なわれない
・周産期疾病増加
・乳量低下
・子牛の生時体重の低下
・難産
などの問題が発生することが多いです。
和牛においては例数も少なく不明確な点が多いですが、ホルスタインのように乳腺の発達や泌乳にエネルギー使われることもないので、成績が安定するのではないかと予想しました。
そこで私が行った研究では、和牛を供試し、ET時に受精卵を2卵移植して人為的に双子受胎牛を作り出し、分娩前の栄養給与水準が分娩成績に及ぼす影響を中心に調査し、双子生産技術の確立を目指しました。
次回から、試験の結果を紹介させていただきます。
なお、次回は2つの受精卵を移植する際の移植方法と受胎成績の結果をご紹介します。
先日、本州での外部採卵に初めて助っ人として参加させていただきました
その日は岩手~秋田で4日間の採卵の旅でした
岩手での採卵はET研北日本分場で行いましたが、実は私は初めての訪問だったのです
とても景色が良いところにあるんですね
この日は天気が良くて岩手山もバッチリでした
初めて見ましたが、ものすごくキレイな山なんですね~
この日は天気も良く、採卵成績もかなり良かったので(4日間ずっと良かったのです)ホッと一安心でした
1頭から凍結可能胚が10~20個なんてバンバン出ておりました
ちなみに最高は凍結可能胚が40個以上取れた牛もいましたよビックリですね
帰りは秋田の大曲駅から新幹線で帰りました
ずっと北海道に住んでいた私にとって新幹線なんて何回かしか乗ったことないですよ~
大曲は日本三大花火大会の1つが開催されているようで、駅前に花火玉のオブジェが置かれていました
新幹線「こまち」に乗りましたが、やっぱりこの独特な流線型なのですね
秋田こまちの「こまち」ってことですよね
確かにボディーがピンク色でかわいかったです~
また外部採卵に参加する機会があれば、頑張りたいと思います
皆様ご存知のことと思いますが,ET研究所の使命は「受精卵を生産・供給すること」です
そのために,過剰排卵処置をしたウシから受精卵を回収する採卵作業は,まさにET研にとって花形の仕事です
10頭だての枠場にウシを並べ,獣医師全員で一斉に子宮還流をする様子を初めて見たときの興奮と感動は,
自分で採卵をするようになった今でもはっきりと覚えています
が,しかしこの採卵作業はもちろん獣医師だけの仕事ではありません
人工授精師,移植師,検卵技術者,事務作業者など,本当に多くの人々が採卵作業を支えるために日々働いております。
その中でも特に私が感謝したいのは,採卵に必要な道具や試薬を用意してくれている職員の方々です。
この写真は過排卵処置のためのFSHを用意している様子です
供卵牛には朝夕2回x3日間のFSH投与をするため,年間2万本近くのFSH注射をすることに…。
そしてその薬液はすべて,2,3人の職員の方が1本ずつ注射器に吸ってくださっています
さらに尾椎麻酔やPGなど様々な薬を合わせたら,一体どれだけの本数を吸うことになるのやら…
続いてこちらは受精卵を凍結するためのケーンを用意しているところです。
これまた一本ずつ手作業で組み立て作業を行います
その他にも,還流液を用意したり,器具を洗浄・滅菌したりと,本当に大変な作業が多いと思います。
このような職員の方々に支えられ,ET研究所は受精卵を作り続けることができるのですね
いつも本当にありがとうございます
業界には独特な決まりが存在しますよね!?
受精卵業界では・・・・
卵子・受精卵の洗いは3回!というルールのようなものがあります。
体外受精を行う場合、卵子を体外受精前に育てる培地から体外受精を行う培地に移動させなど
”違う培地に移動させる”という手順があります。
その際には新しく移動させる先の培地で3回洗います。
この洗う作業は手早く終わらせて、培養皿はすばやくインキュベーターに戻します
ET研究所では洗い用のdishはこんな感じです。大量の培養液できれいに洗っています。
iPhoneで自分の精子の濃度と運動率が測れるサービス「Seem」をリクルートライフスタイルが開発したそうです
http://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/pressrelease/others/nw17238_20160412
えぇーこのご時勢、スマホさえあればなんでも出来ちゃうんですね~という気にさせられるニュースですね
Seemを使うためのツール「Seemキット」というのがあるらしく、スマホ用顕微鏡レンズと精液採取カップ、採取棒が入っているそうです
①射精1回分の精液を全て採取用カップに入れ、液化するまで15分待つ
②採取棒を使って顕微鏡レンズの上に精子を1滴乗せる
③レンズをiPhoneにセットし、専用アプリ「Seem」で動画を撮影する
④動画が自動解析され、精子の濃度と運動率が表示される
という手順で使用するそうです
すでに4月末から東京都内・近郊の医院・薬局で500セット限定でテスト販売されているようです
スマホくんにはどんどん頑張ってもらって、そのうち採卵で取れた受精卵を撮影して(しかも1個ずつじゃなく)、ランク分けとか出来るようになって欲しいですね~
超高育種価牛「てつせん」号および高育種価牛「あおぞら」号の凍結受精卵を販売します。
北海道育種価が判明している全45000頭のうち,脂肪交雑においててつせん号は8位,あおぞら号は408位と,
どちらも大変優秀な成績をおさめています。
さらに,てつせん号のもつ総合指数88.95点は,本会供卵牛の最高得点です。
交配精液等の詳細は下記のチラシをご覧ください。
ET研究所では帯広のと畜場にウシ卵巣採取に毎週通っています。
帯広と畜場はおおよそ一年前から新しい工場を立てはじめ、本日ついに新しい工場の中に入る機会がありました。
新しい工場はHACCAP(ハサップ)承認工場のようです。
HACCAPとは Hazard Analysis and Critical Control Point のこと。
食品をつくる工程それぞれで発生する危害(微生物汚染など)をあらかじめ分析し、どの製造工程でどのような対策が必要かという重要管理点を定め、これを守ることで製品の安全を確保する衛生管理の手法です。
消費者の皆様はより安全な食肉がいただけるということです。
新しい工場を見学しての感想としては、
すべてがハイテク!
ここから採取された卵巣なら衛生的で発生率も良いのでは!?と期待しております。
おまけ
★ET研最新情報★
ついに・・・・ついに・・・
疲れきったET研職員の心と体、主にのどを潤してくれる新兵器が導入されました!
自動販売機!
え!?と思われるかもしませんが、ET研から最寄コンビにまでは約10キロ
昼休みにジュースが飲みたくてもちょっと遠いのです。
これからは採卵後の炭酸飲料がおいしくなる季節。
頼もしい相棒を手に入れてほくほくしております。
4月末に雪が降った北海道ですが、一転して先週末からは連日真夏日を記録しました
ん~、昼間は車に乗るのもツラいです
ここまで暑くなると、人はもちろんですが、牛にも影響は出てきますね
特に暑かった昨日は、供卵牛たちの発情徴候が鈍く、いつもよりエサを食べるスピードもゆっくりです。
少し前までは、直検しながら手を温めていましたが、それも今では暑くてしんどい作業
みなさんご存知の通り、暑熱によるストレスは牛に様々な影響を与えます
本州ではすでに取り組んでいる方もいらっしゃると思いますが、暑熱対策は本格的に暑くなる前から、早め早めに実施していきましょう。
ET研牛舎の扇風機もフル稼働ですが、扇風機が回るだけでも少し涼しくなった感じがしてホッとします
きっと牛たちも同じ思いのハズ・・・
少し気が早いですが、年々暑さが増しているような日本の夏です。無理をせず、牛はもちろん、人間自身の体も気遣いながら夏を乗り越えていきましょう
こんにちはーET研究所ですー
・・・・・・
ET研究所に来たことがある方は、「あれ?入り口こんな感じだったっけ??」と思ったんじゃないでしょうか
ET研究所でもこちらは東日本分場なんですー
北海道上士幌町のET研究所から、茨城県笠間市にあるET研究所東日本分場に異動してきましたぁー
東日本分場からも色々な情報をお伝えできたらと思っております
本日は、「東日本分場のある茨城県笠間市ってどんなところ?」をテーマにしたいと思います。笑
笠間市には、日本三大稲荷の1つと言われている笠間稲荷神社があります(日本三大稲荷には諸説ありまして、日本三大稲荷の候補は9ヶ所もあるそうですが・・・)
規模が大きく、毎年全国各地から多くの参拝があるのだそうですよ
また、鎌倉時代に笠間時朝が佐白山に築城した笠間城があります
現在は堀の跡や石垣が残されており、山頂には神社があるそうです
あと、笠間焼の生産地としても有名みたいですね
笠間焼で使用する土は粘りが強く粒子が細かいため、焼き上がりが丈夫なので日常雑器としては理想的な仕上がりなんだそうです
毎年春には陶炎祭というお祭りも開かれており、約50万人もの観光客が来場しているそうです
こんなところにET研究所東日本分場はあるのです
それでは、今後もよろしくお願いいたします~
ヒトの受精卵を,受精後12~13日間にわたりシャーレ内で培養することに成功したと,
米英などの2研究グループがNature誌およびその姉妹紙にそれぞれ発表しました
従来の培養法では,受精卵は体外では10日間も生きられないと考えられていたため,この研究成果は世界中で波紋を呼んでします
ヒトの受精卵は受精した後分割を繰り返し,5日前後に胚盤胞(着床可能な胚)になって,胎児や胎盤などになる部分ができます。
不妊治療では,この段階までに子宮に戻します
実験では,子宮に着床する7日目前後から胚を観察。
胎児を包む膜(胎膜)および血液を供給する部分になる組織のもとができる過程や,遺伝子の働きを調べました。
その結果,母体からの信号がなくても,独自に成長する現象を確かめました
この技術により,着床障害の原因解明や不妊治療の改善,さらには再生医療の発展にも寄与することが期待されています
下の写真は受精後12日目の胚を染色した様子です。うっとりするほど美しいですね
異なる色は,それぞれ異なる機能を持った部分で,体外でも機能の分化が進んでいることを意味しています。
この研究成果は称賛される一方で,科学技術と倫理指針とを衝突させるという警告の声も上がっています
ヒト胚を2週間を超えて培養することを禁止する,「14日ルール」というものが存在しているからです。
今回の研究でも,この制限を超えないよう受精卵は意図的に破壊されました
ヒト受精卵の研究をめぐっては,技術と倫理が衝突することが多いですが,
もっと長期の培養が可能になった場合,一体どんなことがわかるんだろうとワクワクしてしまう私は,
やはり研究寄りの人間なのだと思います