最近、日本全国で流行ってますよね、肉フェス。
十勝でも、あらゆる場所で肉フェスが行われております。
近日開催されるものに、こんなビラを発見してしまいました。
けっこう豊富なラインナップですね。
個人的に足寄の短角和牛が気になります。
国産牛をいっぱい食べて、日本畜産業をもっと活性化させていきましょー!
お盆休みも終わってしまいました~
みなさんどこかへお出かけしましたか?
最近テレビを見ていると、東京ディズニーランドの宣伝が流れていますが、もうハロウィンの宣伝をしておりました
夏はもう終わりなんですね~
東京ディズニーランドと言えば、「隠れミッキー」と言うものをみなさんご存知ですか?
ディズニーランド内にミッキーマウスを模したミッキーマークが地面や壁画などに潜んでいるのですが、これを探し当てるのがディズニーランドの楽しみ方の1つとなっております
例えばこんなものがあるみたいですよ↓
http://www.hiddenmickey.jp/image/hidden_photo/20081209_01a.jpg
こっ・・・こんなの見つけられるんですかねぇ
しかし、隠れミッキーはディズニーランドの中だけではなかったみたいですよ
こんなところにもあるみたいですよ↓
http://livedoor.blogimg.jp/yukawanet/imgs/0/7/070e5124.jpg
http://livedoor.blogimg.jp/yukawanet/imgs/1/b/1bd3d8e3.jpg
・・・・かわいいですね(笑)
先日,我が家にとっても嬉しい贈り物が届きました。それは…
じゃーん,今が旬のスイカです
驚くべきはこの大きさ!なんと特大の4Lサイズとのことでした!
このスイカを送ってくださったのは,私がかつて農協研修でお世話になった山形県のみちのく村山農協の皆様です。
スイカ自体もそうですが,いまだに気にかけてくださる皆様のやさしさに感動
みちのく村山農協のある山形県村山地域は,夏スイカの生産量がなんと日本一です!
私が研修を行った4月にはまだ苗の植え付けが始まったばかりだったのですが,いつの間にかこんなに大きくなって…本当に感慨深いです
畜産業も含めて,農業というのは常に変化し成長していく生命を守り,育てる営みなのだなぁと思います。
実はこの村山地域,和牛の肥育に関して非常に有名な地域でもあります。
特に,メスの肥育技術は全国でもトップクラスであり,枝肉市場は全国各地から集まった業者の方でにぎわっていました。
もちろん,お肉もいただきましたよ~。
「総称 山形牛」,その美味しさは一生忘れません…
もちろん山形牛だけでなく,日本が世界に誇る和牛文化,そして和牛生産にかかわる全ての人々に少しでも貢献できるよう,ET研究所での業務にまい進していきたいと思います!
今後ともよろしくお願いいたします。
本日より上記12卵、黒毛受精卵とともにリスト発信しております。
X精液を利用した受精卵ですので、90%程度の雌産子が期待できます。
リストに価格等がのっておりますので、ご興味のあるかたは
ぜひ、ご確認をお願いいたします。
暑い日が続いています
昨日は北海道でも猛暑日となり、東京では6連続で猛暑日を記録し、連続猛暑日記録を更新しているそうです(そんな記録は更新しなくてもよい)
これだけ暑いと受胎性へ少なからず悪影響があるのではないかと気にかかります
そんな夏に一服の清涼感を与えるべく、今日は沸点-196℃を誇り、精液・受精卵の保存には欠かせない「液体窒素」の取り扱いについて紹介します!!
↑軍手などの布製の手袋の場合、万が一液体窒素が手に掛かってしまった場合、布に染み込んで逆効果となってしまいます。そのためゴム手袋を履いて作業しています。
↑液体窒素のみが入ったタンクから、深めの発砲スチロールの箱に液体窒素を移しています。
↑作業しながらストローの印字が確認しやすい浅めの箱に移します。
↑凍結精液ストローが入ったケーンです。このケーンから保存用タンクのキャニスターにストローを移動します。
↑ストロー取り扱い専用のピンセットを用います。
↑ケーンからキャニスターへ、一本ずつ確実に印字を確認して移し変えます。
この際、液体窒素付近の気相より、できるだけストローが上にいかないように注意します。
↑全てのストローを移し変えました!!
液体窒素が室内に充満すると、酸素濃度が低下して窒息してしまうので、取り扱う際は喚起が必要です!!過去には「地下の実験室で、部屋を涼しくするための液体窒素を床に撒いて窒息死した」という事故も起きているようです!!
↑室内の酸素濃度が低下すると警告音が鳴る装置です。窒息の危機を未然に教えてくれます。
完全に余談ですが液体窒素をジュースと混ぜて飲むと胃が破裂するそうです(一気に気化して体積が急増する)。取り扱いには気をつけましょう
昔、「こまったさん」という本が流行りましたよね
「困った困った」といいながら、お菓子を作るスイーツ女子の話。
だけど、今回は、スイ-ツもスイーツ女子も全く関係ありません。
牛の話です
ある農家さんで、フリーストール内を歩いていると、思わず二度見してしまった牛がいました。
異常です。
どう見ても異常です。
耳が、ダックスフンドみたいに垂れ下がってるんです
なんでこんなに耳が垂れ下がってるのか、農場主さんに聞いてみると、驚く返答が。。。
「この子の母親も耳が同じくらい垂れ下がってるんだよね。
そして、この子、生れ落ちたときから、耳が垂れ下がってんだよね。つまり胎児のときから耳が垂れ下がってるんだよね」
と。。。
考えられるのは、2つ。。。
①遺伝
②マイコプラズマの垂直感染による中耳炎
以前、この農場でマイコプラズマが発生したらしく(今は完全に清浄化しています)、農場主さんはマイコプラズマを疑っていました。
ただ、マイコプラズマって胎盤感染するのか、そこに疑問です。
(経泌乳で子牛に感染することはあります)
以前、学会でマイコプラズマが子宮感染し、繁殖に影響を与えるという発表を聞いたことがあります。
ですが、胎児に感染し、さらには中耳炎を起こし耳が垂れ下がった状態で生まれてくることってあるのかな。。。
原因は結局なんなのか、分かりませんでした。
もしこのブログを読まれている方で、原因分かる方がいらっしゃったらコメントお願いいたします。
親子で、耳が垂れ下がる原因。
遺伝?
マイコプラズマ?そもそも、マイコプラズマって胎盤感染するの?
ちなみに、この写真の牛は、農場の方たちに、こんなあだ名をつけられてます。
「こまったちゃん」と。
北海道も夏らしくなってきまして、連日最高気温30℃くらいが続いております
夏と言えばお祭りの季節ですね~
突然ですが・・・宮崎県には「牛越祭」と言うお祭りがあるのだそうですよー
牛越祭りとは、牛の健康と五穀豊穣を願い、牛に丸太を飛び越えさせる伝統行事なんだそうです
400年以上の歴史があり、県無形民俗文化財に指定されていて毎年開催されているようですね
今年の祭りには、生後2週間から3歳までの和牛やホルスタイン22頭が参加し、飼い主の「そらいけ!」の掛け声に従い、助走をつけて高さ55センチ、長さ約4メートルの丸太を勢い良く飛び越えていったそうです
丸太を飛び越える牛の様子↓
http://www.yomiuri.co.jp/photograph/news/article.html?id=20150730-OYT1I50039
まだまだ高いのを飛び越えられそうですね
中には丸太の前で立ち止まる臆病な牛もいて、会場は励ましや笑い声に包まれていたそうです
このお祭りのために丸太を飛び越える練習をするのですかね~
牛と人の深いつながりを感じるお祭りですね
こんなお祭りがあるなんて知らなかったでーす
上士幌にあるET研究所本場の業務は基本的に、受精卵を生産・販売するとともに、受胎性を向上させるための研究に取り組むことです。
そのために、日本全国を飛び回っている職員の方も多くいらっしゃいます。
私はというと基本的にラボにこもりっぱなしなので、いつかそんな日が来るのだろうかとワクワクしていました。
そしてついに!初めて訪れた出張のチャンス!!
行先は…
じゃーん、博多でーす
初めて食べた本場の博多ラーメンに感動
北海道も暑い日が続きますが、福岡の暑さはその比ではありません。
ヒートストレスによる不受胎が問題となっていますが、これだけ暑ければ当然だ…と妙に納得してしまいました。
一体何のための出張かって?それは秘密です
ただ、今回の仕事は近い将来、生産者の皆様の大きな助けになると信じています!乞うご期待!!
昨日採卵していたところ、チューブ内の液に何やら汚いものが。
そのまま暫く洗っていると、フィルターが詰まってしまいました。
フィルター内には膿瘍物が浮遊しており、子宮内膜炎であると考えられます。
このような牛が今回2頭もでてしましました。
しかも2頭とも過剰排卵に対する反応は抜群。
結局一個も移植可能胚は取れておらず、痛恨の極みでした
調べたところ2頭とも前回・前々回の採卵の際も移植可能胚は回収されておりませんでした。
その時から子宮内膜に潜在的な問題があったのかもしれません。
採卵するということは、子宮を洗浄するということでもあり、当研究所では採卵後イソジン等の薬注も実施しているのですが、それでも直らないとは・・・。厄介です。
ET研にはいま10名の獣医師がおりますが、臨床のプロはおらず・・・
困ったときには町内の獣医さんにお願いしています。
(簡単な症例なら自分たちで見ていますよ。)
今回も先生を呼んでみてもらうことになりました。
場内で重機を使ってウシの脚を吊り、腹部の開腹を行いました。
写真は切開したところから手を入れ臓器がどんな状態になっているか探っています。
今回の診断では
創傷性第二胃炎からの第四胃食滞でした。
(釘などの異物が胃壁に刺さり第二胃に炎症が起き、胃が食べ物を後ろに送らなくなり、第四胃に食べ物が溜まった状態。)
小さな切開部から手をいれここまで診断できるのはすごいと改めて臨床医のすごさを感じたのでした。
昨今のニュースでiPS細胞の様々な医療分野への応用について報道されていますが、とうとう、iPS細胞もここまできたかというニュースが先週発表されました。
なんと、iPS細胞からヒトの卵子や精子のもととなる「始原生殖細胞」を誘導する方法論の開発に成功したのです!!
これを開発した京都大学の斉藤教授研究グループは、これまでマウスを用いて生殖細胞の発生機構を解明してきました。
それらの知見に基づき、マウスES細胞やマウスiPS細胞から始原生殖細胞をサイトカインにより誘導し、さらに精子、卵子を作製することに成功してきました。
今回の研究では、ヒトiPS細胞からヒト始原生殖細胞を効率よく誘導する方法の開発に成功しました。
ヒトのiPS細胞は生殖細胞への誘導は難しいと考えられてきました。
しかし、研究グループは、ヒトiPS細胞を特定のサイトカイン等で処理することにより、さらにそれらをマウス始原生殖細胞の誘導と同様の方法で誘導することで、ヒトの始原生殖細胞とよく似た遺伝子発現を示すヒト始原生殖細胞様細胞が、効率よく誘導されることを証明しました。
また、研究グループは、この方法を用いて、ヒト始原生殖細胞の形成にBLIMP1 が重要な役割を果たすこと、ヒトとマウスの生殖細胞形成機構に様々な違いが存在することを証明しました。
この研究により、ヒト生殖細胞発生メカニズム解明の基盤が形成され、これまで非常に困難であったヒト生殖細胞の発生機構の解明が大きく前進すると期待されます。
ヒト始原生殖細胞からヒト精子やヒト卵子の誘導が可能となれば、ヒトの遺伝情報継承機構の解明が進むのみならず、不妊症や遺伝病の発症機序解明に役立つと期待されますね。
ヒトのiPS細胞から精子や卵子の元となる「始原生殖細胞」を、従来の手法より数十倍も効率良く作製する方法を開発したと、京都大学の研究チームが発表しました
この論文は、米科学誌Cell Stem Cell 電子版に掲載されております
この研究チームは、ヒトのiPS細胞に2種類の試薬を加えて2日間培養し、血液や筋肉の元になる細胞を作製しました
その後、この細胞に別の4種類の試薬をかけ、8日間培養した結果、最大で約60%が始原生殖細胞に変化したのだそうです
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/photonews/article.html?id=20150717-OYO1I50001
なんだか料理のレシピみたいですね
たまに自分も研究を行っていてお料理に通ずるものがあるな・・・なんて思っていましたが
ヒトのiPS細胞から始原生殖細胞を作製した報告例は国内外でありますが、多くの場合、作製効率は1%未満と低かったのです
このチームでは、これまでにマウスのiPS細胞から始原生殖細胞を作製し、マウスに移植し、精子や卵子に変化させ、子マウスを誕生させる実験に成功しています
今後は、ヒトの精子や卵子が作製できるかどうかが研究の焦点になります
国の指針では、ヒトのiPS細胞から始原生殖細胞や精子、卵子を作るのは生命倫理に触れるため規制されていますが、研究機関の倫理委員会の承認などを条件に認められているそうです
ただ、作製された精子や卵子を受精させることは禁止されています
ヒトの生殖細胞が出来る仕組みの解明や、不妊症の原因解明などの研究に活かされそうです
ヒトの研究はなかなか研究材料を手に入れることが難しいでしょうから、今後の研究に大いに役立ちそうな成果ですね~
先週の記事で、ET研究所に千葉県の全農家畜衛生研究所の若手の方々が研修に来るというお話を紹介させていただきました。
そして今週は、第二弾!ということで二人目の研修生を迎えました。
今週いらっしゃったのは、私の大好きな同期であるCさん!
本日の研修は採卵の見学から始まり、受精卵移植に妊娠鑑定、卵胞嚢腫治療など盛りだくさんだったようです。
普段直検をする機会は全くないとのことでしたが、今回の研修でET研の業務をたっぷり体験していただけたことと思います
ランチは恒例の(!?)ナイタイ高原牧場レストハウスで♪
あいにくどんよりと曇り空でしたが、牛を眺めながらおしゃべりに花を咲かせました。
テレビの取材も来てましたよ~
いったい何の番組なのかは不明です…。
普段はET研究所にこもりっぱなしの私ですが、こうして他の組織の方々と交流することで様々な刺激を受け、もっと頑張らなきゃ!と思いました。
またいつでも来てくださいね~
昨年度の北海道全体の受精卵移植の受胎率は、体内生産胚で50.8%、体内生産胚で42.3%だったそうです(平成26年度 北海道 乳・肉用牛人工授精、受精卵移植実施成績:一般社団法人 北海道家畜人工授精師協会)。昭和62年から平成24年までの間、全国の受精卵移植の受胎率はおおよそ体内胚で50%、体外胚で40%程度で推移しており、ほとんど変化しておりません(牛受精卵移植実施状況(平成24年度):農林水産省)。
一方受精卵移植による産子数は、昭和62年は2291頭でしたが、平成20年に約10倍の23917頭となった以降減少し、平成24年には17520頭となりました。平成22年の口蹄疫や、飼料価格の高騰などによる農家戸数の減少等が原因であると推察されます。
全国的な受胎率こそ横ばいですが、チルド受精卵の開発・普及やYTガンの取扱など、ここ数年を取ってみても、全農の受精卵移植技術は変化してきました。むしろこの横ばいの受胎率こそが、全国の受精卵移植に関わる人間の汗と知恵の成果なのかもしれません。
日本の畜産・酪農の現状は、手をこまねいていられるほど安穏としたものではなく、牛が日本からいなくなる日が来ないとは言い切れません。牛と共に生きる生産者の方々の日常を維持、発展させることができるよう、日進月歩で頑張ります
青い牧草の中にいる牛。
なにも陸にだけいるとはかぎりません!
海の中にも「うし」はいますよ。
ご存知でしょうか?
そうそう、ウミウシです。
顔もうしにそっくりなウミウシが紹介されていました。
それがこちら↓
http://www.gizmodo.jp/2015/07/post_17738.html
目がかわいい~
このテングモウミウシは光合成できるそう。
しかも、ウミウシって雌雄同体で別の個体とならこどもが作れるんです。
海で生きていくうしには不思議がいっぱい。
隣町の鹿追町では、生産者の方々が受精卵に関する勉強会グループ、鹿追町エンブリオリサーチアソシエーションなるものが運営されております。
おもに、若い方々を中心に活動をされています
その活動の中の一つ、毎年恒例のエンブリオBBQに、先週ですがET研究所の職員数名、参加させていただきました
しかも、今年のBBQは、さらにもう一つの大イベント、全農敬道のF1牛の試食会が行われました!
全農敬道は、全農ET研究所から不受胎対策で出しているチルド精液で、鹿追町では頻繁に使用していただいております
最近、やっとF1の肥育牛の肉が出始めたということで、今回のエンブリオ会で振舞っていただきました!
敬道のF1牛、写真でもお分かりになられると思うのですが、かなりきめ細かいサシが入ってます。
脂っこいのかなぁ、、、と思い、いざ焼いて食べてみると、なんとまぁ、口の中で脂は溶けていくんです。
全然しつこくない!
うん、うまい。
いや、うますぎる!
全然しつこくないから、何枚でもいけました!
敬道のF1試食会ももちろんですが、普段新ETでは行かない農家さんとも交流ができ、いろいろお話しが聞け勉強になり、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。
鹿追町の生産者の皆さま、いつもお世話になっております。
そして、今後ともET研究所の受精卵、チルド精液をよろしくお願いいたします。
本日のタイトル、「黄門様~」に見えて今日は水戸黄門の話かと思った方いるんじゃないですかぁ
・・・そんな人はいませんかね!笑
ET研では食肉処理場から卵巣をいただいてきて、卵子を吸引し、試験に利用したりしておりますが、卵巣に存在する主席卵胞や黄体、牛の発情周期等々で採取された卵子の品質や発育能に影響はないのかずーーーーっと気になっておりました
そこで、臨床獣医2014年11月号に
「Infuluence of corpus luteum and ovarian volume on the number and quality of bovine oocytes.」という論文の日本語訳が掲載されていたので紹介いたします
この論文では、卵巣の大きさや黄体の存在と大きさが回収される卵子数と品質にどのように影響するかを調べています
交雑種(ホルスタイン×コブウシ)の110個の卵巣を食肉センターから回収し、卵胞から卵子を吸引採取しました
卵子の品質は次のように分類しました↓
グレード1:3層以上の凝集した卵丘細胞で卵子が囲まれ、卵細胞質が均質で、透明帯の内側が満たされており、茶色を呈している。
グレード2:3層未満の凝集した卵丘細胞で卵子が囲まれ、卵細胞質は顆粒が凝集し、その周囲は明るい、ただし細胞質は透明帯内に満たされている。
グレード3:卵子に卵丘細胞が付着するも膨化しており、卵細胞質は凝集し、透明帯と細胞質の間に隙間がある。
グレード4:卵子に卵丘細胞は付着しておらず、卵細胞質は凝集し、異常な色を呈している。
975個の卵子を回収することができ、黄体があった卵巣は黄体がなかった卵巣に比べ、卵巣1個当たりの回収した卵子数、グレード1および2の卵子数が有意に多かったそうです。
しかし、本研究で回収した全ての卵子でみた時に、卵子の品質別の割合は、黄体の有無で有意な違いはみられなかったそうです。
黄体がなかった卵巣に比べて黄体があった卵巣では、グレード1の卵子を1つ回収できる機会が2.5倍、グレード1と2の卵子を4つ回収できる機会が2.8倍だったそうです。
黄体の直径は、良質な卵子を得る可能性に影響しており、黄体が大きいほど、1つのグレード1の卵子および少なくとも2つのグレード1および2の卵子を得る可能性が高かったそうです。
今回の試験ではP4のレベルは調査しておりませんが、黄体の存在はP4の影響により卵子の品質を改善するかもしれないことが示唆されました。
他の研究において、黄体の存在下では卵巣から回収される卵子数が多いことや体外での胚生産の成績を改善するのに黄体が不可欠であることなどが報告されています。
黄体のある卵巣から回収した卵子は、卵割率が高く、移植可能胚が多く生産できたとの報告もありますが、黄体の有無で回収した卵子の数と品質に影響はなかったとの報告もあります。
この研究では、外因性のP4を用いたり、機能的な黄体を維持することは、胚生産の効率を向上させるかもしれないと考察されておりました
今週から4週連続で、千葉県にある全農家畜衛生研究所の若手職員の方々が研修にいらっしゃいます。
滅多に会うことのない同期がET研究所に来るということで、ワクワクしながら待っておりました。
第一弾の今週は、笑顔がステキな1年目のIさん!
長旅の疲れも感じさせず、積極的に学んでいらっしゃいました。
最終日の今日は、お昼休みにナイタイ高原牧場レストハウスにGo!!
蒸し暑い日が続きますが、ナイタイ高原の頂上付近は晴天で、風がとてもさわやかで気持ち良かったです。
青空の下、女子4人で仲良くソフトクリームをほおばりました
夜は焼き肉とともにお疲れ会をし、無事に研修終了!
またいつでも来てくださいね~
今日は、牛群管理には欠かせない削蹄について・・・ではなく、牛に触れる技術者の爪のケアについて書かせていただきます
ET研究所の現場の技術者の主たる業務は、人工授精にしろ、妊娠鑑定にしろ、直腸に手を入れるところから始まります。
直腸の粘膜はデリケートなので、粗雑に扱うと血が出てしまうこともあります
そのため日に数十頭単位で直腸に手を入れるET研の技術者は爪のケアは欠かせません
斯く言う私も家と職場に爪切りを置いており、気になればいつでも手入れできるようにしております。
ただ短めに切るだけでなく、切断面が滑らかになるようしっかりヤスリがけもしております。爪へのこだわりはそこいらのネイルにハマる有閑マダムにも勝とも劣りません
↑今日もバッチリ手入れしました。
ヒトの卵子の染色体数は23本ですが、加齢に伴って染色体の異常が増え、
40歳を超える妊婦では30%以上との推計もあるそうです
このように、加齢で卵子が「老化」すると遺伝情報を持つ染色体が以上に増えやすくなります
その仕組みを理化学研究所多細胞システム形成研究センターなどのグループが
マウスとヒトの細胞実験で解明しました
成果は英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載されました
グループは、出産できる上限とされる生後12ヶ月を超えた生後16ヶ月のマウスを使い、
卵子の元になる卵母細胞が分裂して卵子に染色体を分配する様子を
世界で始めて生きたまま顕微鏡で観察しました
染色体分配の際は、動原体というくびれの部分を微小管が引っ張って分離させるが、
卵母細胞が老化していると通常よりも早く引っ張られ、異常な分配が増えたのだそうです
図↓
https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201507/p1_0008170909.shtml
不妊治療を受けていた患者の不要な卵母細胞も観察し、
ヒトでも同様の染色体数の異常を確認したそうです
加齢に伴い染色体を接着させているコヒーシンというタンパク質が減り、
分裂が早まることが一因と推測されるそうです
染色体数の異常は、流産やダウン症の原因とされています
染色体の早期分離を抑える方法や、コヒーシンの量で流産などのリスクが診断できるか
今後の研究に期待ですねっ
PR会社のサニーサイドアップが,将来の妊娠に備えて卵子の凍結保存を希望する
女性社員への費用補助を始めると発表しました
これまで海外では,米アップル社やフェイスブックでの導入が話題となりましたが,
国内の民間企業では初めてだそうです。
凍結保存にかかる費用は卵子の採取なども含めて70万~100万円程度ですが,
補助制度により総額の30%を負担する予定。
また,希望する女性社員には会社が契約している医師も紹介するとのことです。
さらになんと!年齢制限はないそうです
働く女性にとって,子供を産むタイミングというのは非常に重要な問題です。
女性が子供を産みたい時期と,仕事上の地位を確立する時期は近いため,
「産みたい」と「働きたい」が拮抗し,悩んでしまう女性が多いとのこと
かくいう私もそんな悩みを抱えた一人ですので,サニーサイドアップ社の取り組みには
非常に勇気づけられました。
もちろん,卵子の凍結保存によりすべての問題が解決するわけではありません。
若いうちに卵子を凍結保存することで,卵子の老化による不妊は回避される可能性が
高いですが,その分高齢出産のリスクは高まります。
卵子の凍結保存という選択肢が増えることで,出産を先延ばしにしてしまう女性が
増えるかもしれません。
また,卵子だけでなく精子も老化により授精能力が低下することが明らかになっています
ので,男性側の問題を支える制度も必要です。
しかしながら,サニーサイドアップ社の取り組みは,日本の社会が少しずつ変わり始めて
いる証なのだと思います。大いなる一歩です。
私たちは日々,ウシの受胎性を上げることばかり考えていますが,
たまにはヒトのことも考えないといけませんね
平成26年度の北海道における経産乳用牛の初回人工授精受胎率は、37.2%であり、過去8年間で最低である平成24年と同値であったようです(人工授精通信第369号 北海道家畜人工授精師協会)。
平成22年以降40%を超える年は一度もなく、35%まで低下してしまうのも現実味を帯びてきたように思われます。
後継牛の確保が難しくなってきている状況と相まって、飼料価格が高騰していることを考慮すると、生産者の方々が厳しい実状の中、日々汗を流されていることは想像に難くはありません。
乳量偏向の育種改良、暑熱ストレスの影響など、原因は様々だと思われるのですが、暑熱ストレスに最も影響を受けやすい初期胚発生期をバイパスできる受精卵移植は重要なツールであることは間違いありません。
受精卵の供給が追いつかず、ご迷惑をお掛けしている中ではありますが、体と頭をフルに働かせ、1頭でも多くの産子確保につなげることができるよう頑張ります!
先週に引き続き帯広畜産大学から学生20名ほどが見学に来てくださいました。
前回、写真を撮り逃したので今日こそは!と意気込み、見学中にお邪魔して写真を取らせてもらいました。
ET研の事業について説明をしているところです。
採卵室も見学してもらいました。
事業内容について分かってもらえたでしょうか!?
見学ありがとうございました。
この扉からニュッと出ている黒い物体
一体なんなんでしょうか?!
よく見たら、浮き輪ですね(*^^*)
農家さんの手作りワクワクさん作品です。
扉に浮き輪をつけることで、牛が扉にぶつかって怪我するのを防いだり、転倒するのを防ぐために、取り付けてるみたいです
机等の角で、足の小指、ぶつけたら痛いですよね
牛も牛舎内の交通渋滞で、後ろから押されて扉の角に体をぶつけたら、痛いんです。
この浮き輪は、農家さんの愛情の表れ、なんですね
感心です
世界中のくだらない記録まで登録されているギネス・ワールドレコード
みなさんご存知ですか?
たびたび話のネタなんかに「こんなんだったらギネスブック載っちゃうぞ~」なんて
言ったりすることあったりしますよね
テレビで話題になったりすることも多いですが・・・
そのギネスに世界最大の牛が登録されて大きな話題となっているようですよ
YouTube: Meet Blosom the tallest cow ever - Guinness World Records
デ、デ、デカイッ笑
ホルスタインなんですが、背の高さが約190センチで全長約400センチなんだそうです
目の前に現れたらコワイですねーーーー
最近,顕微授精(ICSI)を始めました。
一般に広く行われている体外受精では,卵子の入った培地に精子を入れることにより,体の中で起こる現象と同様に,精子が泳いで卵子にたどり着き,自力で侵入することで受精が起こります。
一方顕微授精では,マイクロピペットという細い針のような管の中に1個の精子を吸い取り,これを顕微鏡下で卵子に直接注入することで受精を引き起こします。
顕微授精の技術は現在,精子無力症(精子が泳げない)や精子減少症(精子が極端に少ない)など,男性不妊症治療の救世主としてヒトの不妊治療において広く行われております。
この顕微授精ですが,かなり高度に熟練した技術が必要であるため,現在練習中です。
まずはマイクロピペットに精子を吸い取って(かなり見づらいですが,管の先から逃げようとしているのが精子です)
卵子に注入します
熟練したプロの技はこんな感じです
YouTube: piezoの顕微授精(ICSI)~札幌市不妊治療セントベビークリニック~
生命誕生の一番最初のステップである受精を,こんな風に顕微鏡下で行ってしまえるなんてすごいですね。
この技術が,生産現場の受胎率向上につながることを目指し,練習に励んでいきたいと思います
(H27/07/02 16:00 一部訂正しました)
(総合指数ランクGNTP 訂正し、+1738)
(受精卵の母 ソフフイア を ソフイア に訂正)
(牛郡を牛群に訂正)
本日より上記11卵、他の受精卵とともにリスト発信いたします。
現時点でNTP No.1のスーパーサイアーのX精液を使用して作成した受精卵です。
X精液を利用しているので、90%程度の雌産子が期待できます。
リスト注文の締め切りは翌週水曜日となっておりますので、お早めにご確認を
この日は帯広畜産大学(通称ちくだい)から20名ほど見学に来られました。
そんなわたしも学生のときにET研に見学にきたことがあったのでした。
ちなみに・・・
なんと、ET研職員の出身大学としてはちくだいは堂々の1位!
続いては鹿児島大学、酪農学園大学でしょうか?
普段は分からないETについて知り興味をもっていただけたらうれしいな~
見学ありがとうございました。
熊本県は、消費者のヘルシー志向で需要が高まっている県産ブランド牛「くまもとあか牛」の増産に向けて、あか牛の受精卵をホルスタイン(乳牛)に移植し、代理出産させる新事業に乗り出します
県によると、品種改良以外の目的で、乳牛にあか牛を産ませる取り組みは全国初らしいです。
そのホルスタインに代理出産させたあか牛の子牛11頭が6月24日、初めて酪農家から出荷され、1頭約50万~37万円(平均約44万円)で畜産団体に売却されました。
今年度内に約150頭が出荷される見込みです。
黒毛和牛の受精卵をホルスタインに移植し、代理出産された子牛が市場に出回るのが当たり前に感じている今日この頃ですが、今回、このような赤牛の代理出産が初というニュースに、逆に驚きました
さらに、別の記事なのですが、日本農業新聞より
「酪農家が肉用となる交雑種(F1)を産ませるため、乳用牛に黒毛和種を種付けした割合(2014年)が3割を超え、過去3番目に高かったことが日本家畜人工授精師協会のまとめで分かった。
酪農主産地の北海道は2割超で過去最高だった。
コスト上昇に苦しむ酪農家が相場の高い肉用子牛の出荷を増やそうとしたのが原因。」
以上の記事から代理出産、F1増産が行われている半面、乳用子牛、つまりは後継牛の出生数は減るため、牛乳の生産量も減少しているのも、また事実です
酪農家は、自分のホルスタインに何を産ませると一番儲かるか、今まさに苦渋の選択を強いられている時期なのかもですね。
米科学雑誌サイエンスにメダカの生殖幹細胞が卵になるか、
精子になるかを決定している遺伝子を発見したと発表されました
生殖幹細胞とは卵または精子になる細胞で、
2010年に脊椎動物で初めてメダカの卵巣内で発見されました
従来の考え方では、体の性に従って生殖幹細胞が卵巣内に存在すれば卵に、
精巣内に存在すれば精子になると考えられていました
しかし、メダカのメスが卵を作る時に生殖幹細胞で活発に働く一方、
オスが精子を作る時にはほぼ働かない遺伝子「fox13」に注目したところ、
どうやらこの遺伝子が鍵だったようですね
この遺伝子を人工的に失わせたメダカを作ったところ、
メスの卵巣内で大量の精子が作られたそうなのです
さらに半年後・・・
精子を作りながら卵も作れるようになったそうですよ
ど、ど、どういうことなんでしょう
精子を作るようになったメダカの卵巣の写真だそうです↓
http://mainichi.jp/graph/2015/06/12/20150612k0000m040158000c/001.html
遺伝子を人工的に失わせた個体から作られた精子も卵も
他の個体の卵や精子と受精して子孫を残すことができたそうです
動物のオスの多くは生殖幹細胞があり、生涯にわたって精子を作るのですが、
ヒトなどの哺乳類のメスは胎児の段階で生殖幹細胞は失われていると考えられています
この鍵となる遺伝子「fox13」は哺乳類では見つかってませんが、
鳥類や爬虫類には存在しているのだそうです
生き物の性の決定に関わっているものがまた1つ解明されましたね
夏になると出てくる赤いものといえば・・・
「スイカ!」ではなく、牛の目の病気、ピンクアイです
ハエなどの昆虫を媒介して夏場流行する目の病気で、名前の通り白目が赤っぽくなるのが特徴です。
涙が出てきて目がかゆくなったり痛くなったりしてしまいます。
↑今年度一頭目を本日発見いたしました。
↑まずは生理食塩水で洗ってやります。
↑乳房炎軟膏にステロイド系消炎剤を混ぜたお手製の点眼薬。
↑点眼後のウシ。ビジュアル系バンドを彷彿とさせます。
預託牧場と併設していることもあり、研究所内でもどうしても見られてしまう病気なのですが、早期発見と迅速な治療でできるだけ流行を防いでまいります
ちなみに写真はホルスタインです。
凍結精液は1952年にイギリスのポルジという研究者により開発されたそうです。このときはまだドライアイスでの保存でした。
ここから研究が進み、日本では昭和35年ごろから普及したようです。
凍結精液が開発された当時から精子の希釈液には卵黄が添加されていたようです。
この卵黄なんと
いま流通している凍結精液にも添加されています。(一部の精液には添加されていません)
様々な報告があり卵黄にとって代わるものを見つけようと研究者たちは奮闘しているようですが、なかなか卵黄は優秀なようです。
卵黄を添加するという発想はいったいどこから出てきたんでしょう。
研究にはアイデアが必要なんだなと思うのでした。
人工授精前に精液ストローをよくみてみてください。
黄色かったら卵黄入っていますよ。
最近、ブームになってる「熟成肉」。
しかしブームになりすぎるあまり、熟成肉が間違った方向に進みつつあるみたいです
そもそも、熟成肉ってなんなのか?
熟成の仕方にも二種類あって、ドライエイジングとウェットエイジングに分類されます。
ドライエイジングは、温度1℃~3℃、湿度60%~80%で常に肉の廻りの空気が動く状態を作り、そのまま20日~時には2ヶ月。
骨からの旨みなどもいっしょになり肉質はやわらかく、芳醇な香りになります。
ウェットエイジングは、肉の乾きをおさえた状態でのエイジング方法です。布で巻いたり、真空パックなどの状態のまま、0℃~2℃の低温で15日~25日程度ねかせます。
熟成肉を作ろうとしたそもそもの目的が、なかなか高価で手に入りにくい和牛に対抗して、肉質の硬い経産牛をいかに美味しい精肉として販売できないかと試行錯誤した結果だといいます。
しかし、いまブームになっている熟成肉は、本来ならドライエージングであるはずなのだが、ここ最近のメディアが発信する情報を見ると、なんでもかんでも熟成肉として捉えられています。
つまり、数日間冷蔵庫に入れた牛肉も、「熟成肉」と呼ぶ人も少なくないみたいです。
熟成肉!
一度は食べてみたいですが、目の前の熟成肉を見るだけではなく、背景を確認してから買った方がいいのかもしれませんね
体外受精により世界で始めて子供が誕生したのは、1978年だそうです
それ以降、生殖補助医療業界は急速に成長してきました
現在では、世界に約4000の不妊治療クリニックがあり、
年間約150万件の治療が行われているそうで、体外受精により
毎年35万人の赤ちゃんが誕生していると推計されるといいます
また、世界のカップルのうち6組に1組が何らかの不妊の問題に悩んでいると推測され、
1回の不妊治療サイクルの費用が1万ドルを超えることも多く、
通常5件の治療のうち、4件は出産までに至らないという状況だそうです
これらのことから生殖医療業界が医薬品、技術、臨床サービスで上げる収入は
今後急激に増えると予想されています
そこで、シドニーに本拠を置くジェネアという会社では受精卵の発育を監視するための
スマートフォン向けのアプリを開発中なんだそうです
ジェネアは「Geri」という受精卵を培養するための装置(インキュベータ)を販売していますが、
経時的に受精卵の画像を撮ることが出来るものです
このインキュベータめっちゃかっこいいです↓
http://jp.wsj.com/articles/SB11729237550577364065404581014854187481080
欲しいです(笑)
中の様子を観察できるので、観察のため受精卵を取り出すことによって
インキュベータ内の環境が変わる(受精卵の発育には良くないです)ことや、
人為的なミスを防ぐことが出来ます
そしてこのGeriからスマートフォンに画像をライブ配信することで、
医師や患者が受精卵を24時間監視出来る様にするシステムを開発しているのだそうです
ヒトの体外受精は、卵子と精子を受精させた後5日間インキュベータの中で培養するので、
今日、体外受精しました。から5日待つ・・・ということを考えると患者さんにとっては
すごく不安でながーい5日間なんだろうと思いました
受精卵の発育を離れている所からスマホで観察できる・・・
文明の利器ってすばらしい
昨日、我が家に大変うれしい贈り物が届きました
その贈り物とは…
じゃーん、山形名物のサクランボです!!
真っ赤にきらめく輝きと、口いっぱいに広がる上品な甘さ…ああ、
日本の果物って本当に素晴らしい…
この宝石のようなサクランボを送ってくださったのは、山形県のとある農家さん(Sさん)です。
私たち全農職員は、初年度に全国のJAで3週間におよぶ研修を行います。
その中で、私はこのサクランボを送ってくださった農家さん(Sさん)のお宅で2日間お世話になりました。
それまで農業に関わったことがなかった私ですが、Sさん一家が本当に温かく受け入れてくださったおかげで多くのことを学ぶことができ、一生忘れることのできない貴重な経験となりました。
Sさんはこうおっしゃっていました。
「自分の仕事に誇りを持っていれば文句も言わないし、やり方は変わってくるはずだ。農業で生活していけるかどうかは、努力とアイデア次第だ。」
私は、この言葉に感銘を受けました。
近年、日本の農業にはなにかと暗い話題ばかりが目立ちますが、Sさん一家は非常に前向きに、高いモチベーションをもって農業というものに向き合っていらっしゃいました。
もちろん、TPPや担い手不足、それから畜産分野においては下降し続ける受胎率などの問題が山積みなのは事実です。
しかしそんな中でも私は、Sさん一家のように地道に前向きに、一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。
Sさん一家の皆様、それから山形県のJAの皆様、本当にありがとうございました。
いつの日にか皆様に恩返しができるよう、成長していきたいと思います!!
導入して間もないホルスタイン種未経産牛のエコーによる生殖器チェックをしていたら、次のような所見と遭遇いたしました
子宮に液体が貯留していると思われる腔が見られます。画像が悪くモヤモヤ白く見える部分がありますが、実際に見た際は特にエコジェニックな浮遊物は見られませんでした。
一見妊娠かと思ってしまいますが、胎子はもちろん胎膜のような影もなく、胎膜スリップも触知できませんでした。また導入して間もないことから、誤って授精したという可能性も低いと考えられます。
卵巣上には、右側に黄体が見られました。
子宮内に薬注を試みましたが、子宮頚管が細く、歪曲しており、頚管拡張棒を挿入することもできませんでした。
以上より、本牛の病態は、子宮頚管閉塞あるいは重度の子宮頚管狭窄に続発する子宮水症あるいは子宮粘液症であると考えられました。
黄体遺残を併発していると考えられたため、PGF2αを投与して、経過を観察しています。
頚管が閉塞していたら手の打ち様がないですが・・・。
無事発情が来て貯留物が排出されることを願います
(参考:獣医繁殖学 第4版 文永堂出版)
精子はよく「おたまじゃくし」と表現されますよね?
実際に顕微鏡でみた写真がこちら
頭にしっぽが生えてて、確かにおたまじゃくしに似ています。
でも実は、うしの精子は平たいのです!しゃもじの形なんです!
立体的な楕円形の頭ではなく平たい楕円形の頭をしています。
ちなみに、精子頭部の大きさや形は動物によって異なっています。
マウスの精子頭部は尖って湾曲していたり、人はラフランス形だったり様々です。
ウシの精子はこのしゃもじ形のおかげで、現在では普及の進んできた精選別精液の
精選別精度(ちゃんと精液が分けられているか)が高いといった特徴もあります!
しゃもじ形に感謝。
みなさんのご意見をお聞かせください。
症例の概要:症例は未経産ホルスタイン種。プロジェステロン製剤とPGにて発情誘起後、6月10日に人工授精を実施。その際、直腸検査にて、左卵巣にゴルフボール大の腫瘤を触診。
6月16日、同牛への追い移殖のために直腸検査にて黄体確認をしようとすると、左卵巣に1週間前に触診したのと同様の腫瘤を触診。エコーで観察すると、下の写真のようなエコー像を得ました。
卵巣内に卵胞らしき無数の濾胞状のものと、20mmの主席卵胞らしきものが1個、その他10mmの卵胞が数個。中には卵巣実質が充実している部分もあります。
黄体は存在しません。
中に液体が入っているような、卵胞嚢腫のような触診です。
多胞性卵胞嚢腫か?顆粒膜細胞種か?・・・・
顆粒膜細胞種であれば、一般的な超音波検査の所見で、断層像が境界明瞭で充実感を示し、触診ももっと硬いはずなのですが、今回の症例では、大きい主席卵胞があり、さらには触診がやわらかい卵巣なのです。
我々は卵胞嚢腫を疑っていますが、過去にもこの牛は幾度のCIDR留置とPG投与を試みていますが、この変な卵巣所見は変わらずなのです。
相変わらずの頑固者なのです。
はて、この卵巣所見、皆様はどのような診断を下し、さらにはどのような治療法を試みますか?
ご意見をお聞かせください。
ET研では歓迎会を開きました~
ちょっと遅い歓迎会となりましたが・・・
5名の新人さんと、新所長、
ブログでも紹介されておりましたがつい先日、岩手県から研修に1名来られまして
年齢層がグッと若くなり、なんとなくフレッシュな会となりました。笑
そうそう、女性も増えましたよ~
ふっふっふ
ET研究所は上士幌町という所にありますが、
みんな住んでいるところがバラバラなのもありますし、(上士幌、士幌、音更、帯広)
なかなか大人数で頻繁には集まれないので良い機会となりました
実はここ近年、ET研の中で士幌町民の勢力が増しております。笑
昔はほぼいなかったのですが、ここ数年の新人さんは士幌に住むことが多かったので
若い方が多いですね~
でも今年は私の住む音更町民も入ってこられましたので音更も少し増えました
地域の話題も意外とネタになりますしね~笑
新人さんはET研に入ってしばらく経ちましたが、
まだまだ分からないことがいっぱいあると思います
こうしてみんなと交流を深めて少しずつ仲良くなって、一緒にお仕事がんばりましょう
研修に来られた方も短い間ではありますが、一緒にがんばっていきましょうっ
さてさて、本日のお料理です↓笑
これに天ぷら、お寿司がついておりました~
お腹もいっぱいで大満足な会となりました
楽しかったでーす
最近、マイクロマニピュレーターを用いた胚操作の練習をしています。
上の写真は受精卵の除核(核を取り除くこと)をしている様子です。
左のピペットで受精卵が動かないようにおさえながら、
右の針で透明帯に切れ目を入れ、そこから核を押し出して取り除きます。
少し前に一世を風靡したクローン動物は、こうやって核を取り除いた後に別の細胞を入れることで作ることができます。
私はかつて、除核ってすごく複雑な装置や方法が必要な特別な技術なんだろうなぁと想像していたのですが、意外と単純な方法でできてしまうことに驚きました
ウシがウシであるための遺伝情報をすべて含んだ、いわば生命のプログラムである
「核」という重要な存在をこんなにも単純かつ物理的な方法で取り除くことができるなんて、なんだか不思議です。
それと同時に、生命を自在に操ることができてしまう生殖工学技術の進歩に恐怖と敬意を抱きました
…ちなみに「単純な方法」と書きましたが、実は結構コツがいるため、私にはまだまだ修行が必要です
一日でも早く胚操作をマスターし、家畜生産の発展に貢献するために練習するぞー!!
今年度新人3名が加わったET研に、さらに新しいメンバーが加入しました
↑お決まりの表札前ショット
岩手県本部からの研修生で、半年間ET研にて修行してもらうことになります
以前ブログの記事にもありましたが、最近大動物分野に進む女性が多くなってきていることを肌身に感じます
我々メンズも尻に敷かれぬよう頑張らねば・・・
無性に肉が食べたくなる時ってありませんか?
豚肉に含まれるビタミンB1は疲労回復によいってよく聞きます。
調べてみると、豚肉は身近にある食材の中では抜群にビタミンB1を含んでいるようです。
その含量は牛肉のおおよそ10倍
なんて優秀なんだ。
ビタミンB1は、酵素の働きを助ける補酵素として働いて、お米などの糖質からエネルギーを生み出すのをサポートしています。
不足するとイライラしたり集中力が低下するそうです。
お疲れの時にはおすすめの食品なのでした
熊本大学の生命資源研究・支援センターの教授らが、
実験用のマウスで1匹のメスから100個以上の卵子を得ることに成功したそうです
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020150608eaab.html
通常は下垂体から卵巣を刺激するホルモンが出て、多くの卵子が成育しますが、
卵子が過剰にならないように調節するインヒビンというホルモンも出ているため、
自然ではマウスは1度に5-10匹の子供を生みます
実験動物のマウスでは効率的に子供を得るために、
メスに妊馬血清性腺刺激ホルモン(PMSG)を投与し、過剰排卵させます
この方法では20-30個の卵子が得られます
ところが今回はインヒビンを捕らえる抗体が入った「抗インヒビン血清」を使用し、
メスの体内のインヒビンを中和することで、
通常の過剰排卵処置で卵子を100個以上得ることに成功したのだそうです
この得られた卵子を体外受精し、
仮親の卵管に移植して正常に子供が生まれることも確認できたみたいです
マウスは卵子採取の際に殺してしまうので、
実験動物愛護の点でとても意味のある技術です
牛でも現在の過剰排卵技術がもっと進化すると良いと思いますが・・・
マウスは多産で牛は1頭しか子供を生まないので比較すると
割合的には過剰排卵処置によって非常に大量の卵子が取れているのかな・・・?
芝浦工業大学の山西陽子准教授が、針のない注射器を開発したそうです
注射器の先端から高速で発射される気泡がはじける力で皮膚に小さなな穴を開け、その穴から薬をまとった微細な気泡(なんと大きさ1000分の1mm)が細胞内に注入されるとのこと。
気泡のガスは細胞内で収縮して消えるため、薬だけが患部にとどくうえ、細胞へのダメージも極めて少ないそうです。
つまり痛くない!!子供にやさしい!!!
痛みを伴わずに薬を高い精度で目的の場所に届けることができるということで、様々な分野から注目されているというこの素晴らしい技術、当然私も卵子の研究に応用したい!!と考えたわけですが…
すでにウシ卵子の除核操作(卵子から核を取り除くこと)において実用化されつつあるそうです。一歩、いや、だいぶ遅かった…
さらに山西准教授は細胞への遺伝子導入やがん治療、再生医療などへの応用を目指しているとのことでした。
泡の力が現代科学の常識をくつがえす日は近いのかもしれませんね
ナイタイ高原牧場での放牧が始まったことは数日前の記事でお伝えしましたが、今後日本のあらゆるところで和牛の放牧が始まるかもしれないようです(荒廃地放牧 後押し 牛導入、技術習得に助成 農水省 日本農業新聞 2015.6.4)。
農水省は荒廃した農地に和牛を放牧し、農地を復旧させようと、JAなどを対象に、繁殖牛の購入費と牧柵、簡易牛舎などの資材費を最大2分の1、牛舎から放牧地までの牛の運搬費や放牧の訓練、専門家による技術指導などの経費を、原則として全額助成するそうです。
飼料コストの低減や飼料自給率の向上にも繋がると考えられています。
日本の里山・田園風景が大きく変わるかもしれません
この時期、ET研究所周辺では山菜がとれます。
今日は敷地内にてうどを収穫しました。
牛たちの糞から出た養分で大きく育っているようです。
調理方法、レシピを調べたところ、きんぴら、うどと牛肉のしぐれ煮などごはんの進むおかずになってくれそうです。
漢方では根茎を解熱・駆風・鎮痛などに用いるそうです。
ちなみに漢字では「独活」と書くそう。
独り身な自分にはなんだか似合う山菜だなと感じたのでした。
先日、爆発的噴火をした口永良部島。
「年単位」との専門家の見方も出る中、ふと、あることに疑問を抱きました。
「はて、この島には牛がいるのか?」
一時、島の外へ避難を余儀無くされた住民達ですが、飼育していた牛や豚達はどうなるのだろうか?
調べたら、やはりこの島にも牛が飼育されていました。
島内には四件の生産農家があり計60頭の牛が放牧されています。
放牧で自由に草を食べてしのげれるけど、長期避難で世話ができなければ親牛は痩せる。子牛も出荷の適齢期を過ぎてしまう。
牛が大きな資産となるこのご時世、県として、国として、島にいる牛への対策も講じるべきですね。
http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20150601k0000m040119000c&fm=rnk06
英国のレディング市では主に牛の排泄物から生成される
バイオメタンガスを燃料にして走っている運行バスがあります
バイオメタンガスとは・・・家畜の糞尿などを密閉した容器に入れ、
空気に触れさせないで嫌気発酵をさせることにより、
メタン菌の働きでバイオガスと消化液になります
バイオガスはメタンとCO2の混合ガスなので、燃料として使え、
消化液は即効性の液体肥料として化成肥料の変わりに使えるのです
なんとエコなんでしょう
話は戻りますが、そのバイオガスを燃料にしているバスが
走行試験で最高速度、時速129.9kmを記録したそうです
一周のラップタイムで時速123.6kmだったそうですよ~
ものすごいパワーですね
通常の定期運行バスの記録としては最高速なんだそうです
この結果によって、輸送用の持続可能燃料として、
バイオメタンガスや自然ガスが大きな価値を持つことが示されました
ちなみにこのバスホルスタイン柄をしていて結構おしゃれな感じです↓