うど
この時期、ET研究所周辺では山菜がとれます。
今日は敷地内にてうどを収穫しました。
牛たちの糞から出た養分で大きく育っているようです。
調理方法、レシピを調べたところ、きんぴら、うどと牛肉のしぐれ煮などごはんの進むおかずになってくれそうです。
漢方では根茎を解熱・駆風・鎮痛などに用いるそうです。
ちなみに漢字では「独活」と書くそう。
独り身な自分にはなんだか似合う山菜だなと感じたのでした。
この時期、ET研究所周辺では山菜がとれます。
今日は敷地内にてうどを収穫しました。
牛たちの糞から出た養分で大きく育っているようです。
調理方法、レシピを調べたところ、きんぴら、うどと牛肉のしぐれ煮などごはんの進むおかずになってくれそうです。
漢方では根茎を解熱・駆風・鎮痛などに用いるそうです。
ちなみに漢字では「独活」と書くそう。
独り身な自分にはなんだか似合う山菜だなと感じたのでした。
先日、爆発的噴火をした口永良部島。
「年単位」との専門家の見方も出る中、ふと、あることに疑問を抱きました。
「はて、この島には牛がいるのか?」
一時、島の外へ避難を余儀無くされた住民達ですが、飼育していた牛や豚達はどうなるのだろうか?
調べたら、やはりこの島にも牛が飼育されていました。
島内には四件の生産農家があり計60頭の牛が放牧されています。
放牧で自由に草を食べてしのげれるけど、長期避難で世話ができなければ親牛は痩せる。子牛も出荷の適齢期を過ぎてしまう。
牛が大きな資産となるこのご時世、県として、国として、島にいる牛への対策も講じるべきですね。
http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20150601k0000m040119000c&fm=rnk06
英国のレディング市では主に牛の排泄物から生成される
バイオメタンガスを燃料にして走っている運行バスがあります
バイオメタンガスとは・・・家畜の糞尿などを密閉した容器に入れ、
空気に触れさせないで嫌気発酵をさせることにより、
メタン菌の働きでバイオガスと消化液になります
バイオガスはメタンとCO2の混合ガスなので、燃料として使え、
消化液は即効性の液体肥料として化成肥料の変わりに使えるのです
なんとエコなんでしょう
話は戻りますが、そのバイオガスを燃料にしているバスが
走行試験で最高速度、時速129.9kmを記録したそうです
一周のラップタイムで時速123.6kmだったそうですよ~
ものすごいパワーですね
通常の定期運行バスの記録としては最高速なんだそうです
この結果によって、輸送用の持続可能燃料として、
バイオメタンガスや自然ガスが大きな価値を持つことが示されました
ちなみにこのバスホルスタイン柄をしていて結構おしゃれな感じです↓
ナイタイ高原牧場レストハウスにて、女子会ランチをしました!
ご存じの方も多いと思いますが、ET研究所はナイタイ高原牧場のふもとにあるため、
たまに頂上のレストハウスでランチをします。
(…といっても私は今回初参加でした)
私は焼きチーズカレー、先輩方はナイタイ和牛カルビバーガーと豚丼を食べました。
トロトロの牛すじ入りカレーがおいしかった~
その他にも上士幌名物のナイタイ和牛を使ったハンバーグや牛丼などのメニューが盛りだくさん!!これは全制覇せねば…。
おだやかな青空の下、育成牛たちが草をはむ姿を眺めながらドライブした後のランチは格別です!
牛たちも幸せそうですね~
たくさん食べて、丈夫な体をつくるんだ!!
緑が美しいこの季節、皆さまも美味しい食事と牛たちに癒されてみませんか??
「昼間分娩誘起ってなんで起こるんですか?」と後輩に尋ねられ、返答に窮してしまったので、少し勉強してみました。
昼間分娩誘起術とは、文字通り、分娩管理・新生子管理をラクにするために分娩を昼に引き起こす技術であり、方法は「分娩の2週間前から夜間のみ給餌し、翌朝全て残餌を除く」というものです。
思わず「ホントかよ」といってしまいそうですが、実際に80%以上の昼間分娩率を達成している報告がいくつもありました
一体、どんなメカニズムで起こるのか気になるところですが、過去に検討した報告が一報見つかりました。
(日畜会報, 69(2):133-139, 1998 田中義信ら 酪農学園大学獣医学部)
この報告においては、夜間給餌群の昼間分娩達成率は64.3%であったのに対し、通常給餌群では51.9%であり、有意差は見られなかったそうです。一方で、妊娠後期に胎児の体重と共に増加し、分娩発来機構の起点である胎子副腎からのコルチゾールの分泌を促進しるPGE2の血漿濃度は、夜間給餌群においてのみ、夕方のPGE2濃度は増加しなかったそうです。
つまり、
朝の節食制限→夕方のPGE2濃度増加抑制→朝のPGE2濃度上昇→朝のコルチゾール分泌増加→昼間分娩
という流れで誘起されているのではないかと考察されておりました。
この他、節食の分娩前の体温変化や性ステロイドホルモンの合成への影響も気になるところです
ET研に勤めていると牛の分娩に立ち会うことはあまりないのですが、久々に学生時代に分娩前の朝夕、直腸温を計って、分娩間近になるとモニターで監視し、いざとなったら介助に農場に向かっていた思い出がフラッシュバックしました
北海道もめっきり暑くなってきました!
屋外での作業には熱中症対策、日焼け対策のために帽子が必要ですね。
じつは精子くんも帽子をかぶっているんです。
先体と呼ばれています。
蛍光顕微鏡で分かりやすく帽子を染めてみました~
その写真がこちら。
赤色の精子頭部の上に緑のぼうしをかぶっているのが分かります。
この先体はヒアルロニダーゼとアクロシンと呼ばれる酵素が含まれている袋のようなものです。卵子の透明帯に結合すると先体反応が誘起され、先体からこれらの酵素を放出して透明帯を溶かし、卵子の中に進入、受精します。
受精にはこの帽子必要なんですね。
英語ではアクロソームキャップと呼ばれているんですよ。やっぱり帽子なんだ。
今日は、農家さんの工夫シリーズです。
農家さんを回っていると、たまに「ほおおおお」と感心してしまう工作を見つけてしまうことがあります
今回紹介させて頂く工夫は、鹿追の農家さんの牛舎で見つけた手作りの傑作です。
まずは下の写真をご覧ください。
①のフックをはずすと、自動的に紐が引っ張られ、フックは壁の端に収まります。
なぜフックが自動的に動くのかというと、④の鉄の柱の中に重しがあり、
①のフックを外すと、④の重しが重力で紐を引っ張ることで、②、③の滑車を伝ってフックは定位置に落ち着きます。
ので、紐は一度も弛むことなく、収納されるわけです。
牛が遊んでフックを外したとしても、②~④の滑車・重しが働くことで、紐やフックは床に散らばらずに、糞で汚れることなくちゃんと収納されるわけです。
この仕組みを見つけたときの感動といったら。。。
ほんと、あっぱれです。ピタゴラスイッチです。
しかも、牛舎のあちこちにこの仕組みが見受けられ、搾乳で牛を移動させる際に、この道具が大活躍しているみたいです。
まだまだ農家さんの工夫シリーズは今後も続きます。
結婚や出産で職を離れた女性獣医師が、再び現場に戻りやすいように、
農水省は今年度、女性獣医師の職場復帰を支援する取り組みを始めるそうです
同省によると、獣医学部の学生の約半数は女性で、
働いている獣医師の中でも20代で45%、30代で47%を女性が占めているそうです
その一方、結婚や出産、子育てのために離職する女性獣医師も多く、
技術面への不安などから復職に難しさを感じている人もいるみたいです
特に、畜産業を支える産業動物獣医師は、地域によっては慢性的に不足しており、
女性獣医師が仕事を続けられる環境の整備が急務だと農水省はみているようです
支援策の柱の一つは、再就職や職場復帰へのハードルを下げるため、
腕を鍛える仕組みの整備だそうです
インターネットを利用して自宅で勉強出来るようにし、
家畜伝染病や飼養管理基準の教材も用意し、都道府県の家畜保健衛生所で、
検査や診療の技術研修も出来るようにする考えみたいですね
他にも獣医師を目指す学生に向けては、生産現場で活躍を続ける
女性獣医師の体験を紹介するセミナーや職場体験を開き、不安を除くことで
産業動物獣医師を目指してもらう狙いだそうです
ET研でも女性獣医師活躍しておりますよ~
今日もお仕事頑張っておりました~
現場に研究に大活躍です
頑張れ女性獣医師
これは何の写真でしょう?
いくら?ゼリー??いやいや,ちがいます。
これはなんと!牛の卵胞です!!
卵巣の中に埋もれている卵胞を切り出し,丁寧にトリミングして余分な組織をはがしたところ,
こんなに美しい卵胞を取り出すことができました
右の卵胞は表面に血管が多く,さかんに性ホルモン産生を行っている元気な卵胞です。
左は…残念ながら死にゆく卵胞だと思われます。
これらの卵胞を破ってみたところ,卵胞液とともに卵子が出てきました。
こんなに美しい球の中に生命の源が眠っていると思うと,なんだか不思議な気分になりました。
日々研究を行っていても,生命現象は分からないことや理解できないことだらけです。
とてつもなく複雑な体の仕組みについて考えていると,もしかしたら神様は本当にいるんじゃないかなぁ,なんて思ってしまいます。
少しでも牛の繁殖能力を上げられるよう,神頼み…ではなく頑張ります!!
産業技術総合研究所は、牛の霜降り具合が生きたままでも分かる技術を開発したそうです
プロトン核磁気共鳴スキャナという、MRIのような技術を用いて、脂肪組織中の脂肪分子と筋肉組織中の水分子を識別することで、水分量から筋肉量を推定、肉用牛の定量的な脂肪交雑の計測を可能としたそうです。
ただ、現在は、ロース芯は深すぎて判定ができず、それよりも浅い僧坊筋による判定が可能なようです。
牛以外の動物や、筋炎などの臨床応用も視野に入れているそうです。
肉質の生体評価が主流となる時代が来るかもしれません
○の中には何が入るでしょうか?
今日はETではありません。EX牛の話ですよ〜
EX牛とは体型得点90点以上(エクセレント)の牛のことです。
乳牛の審査は、体の各部位の機能性を評価することにより、その牛が生涯にわたって高い泌乳能力を発揮できるか否かを判定する唯一の手法です。
外貌と骨格、肢蹄、乳用強健性、乳器の4項目を評価し、審査標準を具体的に示した標準体型と実際の牛と比較、計算により決定得点をだします。
乳牛を飼う人にとってEX牛を出すことは大きな夢なんだそう!
昭和11年に日本ではじめてのEX牛が出てから平成10年までの間に2700頭がEX牛になったそうです。
すごく少なくてびっくり
写真を見てみると本当に美しい牛たちです。
脚はすらっとしてるのに、おっぱいは大きく美しいのでした。
いつか間近でお目にかかりたいです
平成29年に宮城県で行われる和牛のオリンピック、宮城全共の情報です!!
【イベントテーマ】
感謝と美味しさ牛(ぎゅー)ッと込めて 和牛の祭典 2017 in みやぎ
イメージキャラクターのデザインが決まったみたいです!
さらには、なんと!!
名前を募集中!!
↑伊達政宗感、ハンパないっす。
正宗ぎゅぅ~、牛もおだて(伊達)りゃ、サシ入る、とな。
orz、すみません。
ぜひぜひ、みなさん、応募しましょう!
といいたいとこですが、応募できる人は、宮城県在住の人限定みたいです。
最優秀の人には、賞金2万円と、仙台牛1kgらしいですよ。
そういや、鹿児島でも、昔、経済連から黒毛のキャラクターの名前を募集してましたよね。↓
今や、ギュージンガーブラックという、イケてる名前をつけられてる彼です。
が、彼が無名だった頃、名前募集中だった彼の名付け親にならんがごとく、迷わず応募した学生時代の私。
その名も
「セクシーブル」
理由は、体つきもセクシーなオス牛だから。
見事に落選したセクシーブルという名は、参加賞のクリアファイルと共に、闇に葬られていきました。
卵子のもとになる細胞を卵巣から取り出し、その一部を本人に移植して質を改善した結果、
不妊に悩むカナダ在住の女性が男児を出産したと、
米国を拠点に不妊治療クリニックに技術提供しているオバ・サイエンス社が発表しました
卵子の質に問題があり、不妊治療を続けてきた女性の卵巣から
卵子の元になる細胞を採取し、細胞の中でエネルギーを作り出す
ミトコンドリアを取り出しました
ミトコンドリアをその女性の発育不良の卵子に移植したところ、
女性は妊娠し、男児1人を出産したそうです
でも、若い健康な女性などに移植をするなら分かるのですが、
どうして不妊に悩む女性が、自分自身へ移植を行うことで
このような結果がでたのでしょう???
不思議です
埼玉医科大教授によれば、科学的に検証できる材料が乏しく、
評価は時期尚早だと指摘しているそうです
普段私たちがウシに与えている飼料がどのようにして作られるのか、
知っていますか?
先日、本所の研修に参加して、飼料原料の購入から製品化までの過程について学んできました。
まず、飼料の主な原料であるトウモロコシは、ほとんどがアメリカから
輸入されています。
北海道にいると、自家製デントコーンの使用が当たり前のように感じますが、
実は日本はトウモロコシの輸入量が世界一なんですね。
アメリカ中西部のコーンベルトと呼ばれる地域で作られたトウモロコシは、
巨大ないかだに乗せられてミシシッピ川を下り、河口のニューオリンズで
輸送船に積み込まれた後、パナマ運河を通って日本へとやってきます。
日本に到着したトウモロコシは病原害虫などの検疫を受けた後、
港に建設されたサイロに貯蔵され、さらに併設の飼料工場で配合飼料へと
加工されます。
私は今回茨城県の鹿島港を見学してきたのですが、
海沿いに巨大なサイロと輸送船が並ぶ姿に圧倒されました。
乗せていただいた船には、なんと1万トンものトウモロコシが積まれて
いるとのこと!
一体ウシにとって何十年分の食料になるのでしょうか…
ウシたちには、長い長い旅をして作られた飼料をたくさん食べて、
元気に過ごしてもらいたいものですね
最近読んだ論文を簡単に紹介します。
題:排卵後12日目における副黄体誘起は高泌乳牛において黄体退行を遅延させうる
原題: The Induction of a Secondary Corpus Luteum on Day 12 Post-Ovulation can Delay the Time of Luteolysis in High-Producing Holstein Cows
ジャーナル:Reproduction in Domestic Animals 49, 920–925 (2014)
著者:Dizier ら (フランス)
緒言:
・高泌乳牛では黄体が早期に退行することが多い
・その対処法として、AI後12日目にプロジェステロン(P4)徐放剤を挿入することで、早期胚死滅が防げたという報告もある一方、同様の手法で上手くいかなかったという報告もある。
・発情後Day5-7 日でhCGやGnRH投与で副黄体を誘起する方法もあるが、その場合形成された黄体は、元々あった黄体の退行に伴い退行することが見られる。
・より遅い時期に副黄体を誘起するために、排卵後12日目にhCGを投与し、副黄体の形成とP4産生について調査を行った。
結果
・hCGを投与した27頭のうち、20頭がhCGに反応、排卵し、副黄体が形成された。
・副黄体が形成された群は、形成されなかった群に対し、胚の着床期にあたる排卵後Day14-16における血中P4濃度が高くなった。
コメント
本報においては、受胎率についての検証はなされていませんが、過去には受精後11-14日でGnRH類縁体を投与することにより受胎率の向上が見られた報告もあるようです
先週あたりからナイタイ高原でも放牧はじまりました!
牧草のなかでのんびりしている牛たちを見ると気持ちがいいもんです。
が!放牧には危険もあります
ピロプラズマ病というダニが媒介する病気や、有毒な植物、落ちている金属など。
意外にもわたしたちの大好きな山菜のわらびは牛には有毒なんです。
牛が食べると急性ワラビ中毒症として白血球や血小板の減少や出血などの骨髄障害、あるいは慢性血尿症が発生し、膀胱に腫瘍ができる場合があります。
今時期、北海道ではわらびがシーズン。牛たち食べてないかな・・・と心配しております。
あく抜きしないと美味しくないよ!
ちなみに、放牧期間が長い牛は食べなくなるそうです。
様々な細胞や組織に変化する能力を持つヒトの胚性幹細胞(ES細胞)や
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使用して、
傷ついた体の組織を修復する治療法の研究が行われておりますが、
やはりヒトの臓器を体外で作るのは難しいとされています
しかし、英科学雑誌nature電子版にヒトのES細胞やiPS細胞に、
マウス受精卵と混じり合って変化、増殖する能力を持たせることに
近畿大農学部の研究チームが成功したと発表されました
これまでヒトのES細胞やiPS細胞は、マウス受精卵に移植しても
増殖や分化はしないとされていましたが、
「Wnt抑制剤」という化合物を加えるなどの新たな方法でヒトのES細胞を培養し、
着床後のマウス受精卵に注入すると下半身に成長する部位に定着し、
神経や筋肉などの元となる細胞に分化したそうです
iPS細胞も同様に増殖がみられたそうです
この研究は将来、ブタなどの動物の体内で人間の臓器を作り、
臓器移植に使う研究に応用できる可能性がありますね
国内では現在、倫理上の問題からヒトの細胞を導入して
動物の子を作ることは禁じられています
すぐに実用化に結びつくものではないですが、
ヒトの発生の仕組み解明にも期待がされる研究です
今日の作業でみた双子の子牛です
さてその血統は何でしょう?
答えはコメントを参照してみてください
ゴールデンウィークを利用して、住まいのある北十勝から南十勝の広尾町を抜け、海岸沿いを通って襟裳岬に立ち寄った後、そのまま日高地方までドライブしてきました
草地に牛が放されている光景は十勝でもよく見受けられるのですが、日高地方はサラブレットの産地であり、だだっ広い草地に馬が贅沢に放されておりました。
一方で、時折牛、特に肉用牛の姿を見かけることもありました。
日高地方におけるサラブレットの飼養頭数は全道の実に80%を占めるそうですが、近年では軽種馬経営からの複合・転換により、肉用牛の使用等数も増加しているそうです(ひだかの農業2013:北海道日高振興局産業振興部農務課)
↑牛のバックにサラブレットが見えます。
先日のブログの記事にてホルスタインとブラウンスイスの交雑種(ホルブラ)についての紹介がありましたが、亜熱帯気候のエジプトにおける報告で、ホルブラの暑熱期における家畜としてのポテンシャルの高さを垣間見ることができるものがありましたのでご紹介いたします。
原題:Reproductive performance of Brown Swiss, Holstein and their crosses under subtropical environmental conditions(和訳:ブラウンスイス、ホルスタインおよびそれらの交雑種の亜熱帯環境下における繁殖能力)
出典:Theriogenology (article in press)
著者:Mahmoud S ら (ザガジグ大学、エジプト)
要約:
ブラウンスイス種(BS)、ホルスタイン種(HO)、ホルブラ(F1)、ホルブラにホルスタイン種を戻し交配した種(BC)の受胎性、産乳性などについて比較しております。
受胎率は下の表の通り、BSとF1がHOとBCより有意に高く、F1は比較的不快指数が高い時期でも受胎率が低下しないことが分かります。また、F1の乳量はHOおよびBCと変わりません。
文献中では、F1はHOやBCと比べて早期胚死滅や子宮炎の発生頻度も低いことも示されておりました。
a,b: 同行数値と有意差あり
x、y:同列数値と有意差あり
暑熱期でも高い受胎性が期待でき、乳量もホルスタイン種と遜色ないホルブラは、かなり利用価値が高いと感じました一方戻し交配した品種の受胎成績は今ひとつだったので、もし導入を検討されるのなら、空いた腹に全農を受精卵を植えて頂ければ・・・と思います(笑)
そんな4月25日、待ちに待ったナイタイ高原牧場レストハウスOPENしました~
冬季閉鎖中だったゲートが開き、展望台まで行けるようになりました。
まだ放牧は始まっていません。(まだ牧草がね、生えてないです。)
27日の帯広は4月なのに夏日!30度近くもあったようで、これから牧草も伸びてくるでしょう
中国の研究チームは、ヒトの受精卵を使って、
遺伝性の病気に関係する遺伝子を改変したとする論文を
オンラインの学術誌「protein and cell」に発表しました
ヒト受精卵を使った遺伝子改変の報告例は世界で始めてとみられております
研究チームは不妊治療クリニックから得たヒトの受精卵を使用して
近年急速に普及している「ゲノム編集技術」を使い、
遺伝性血液疾患であるベータサラセミア(地中海性貧血症)の原因となる
遺伝子の操作を試みたそうです。
実験では86個の受精卵を使用したところ、48時間後に生存したのは71個、
このうちの28個で狙った遺伝子の改変を確認出来た一方、
目的外の遺伝子を改変してしまったケースもあり、
臨床応用にはさらなる検証が必要と結論付けました。
この研究によって懸念されることは、
デザイナーベビー(親の望む外見や知力などを持たせるよう設計された赤ん坊)誕生の
時代の到来につながりかねないことです
この結果はnatureやscience誌にも投稿したのですが、
いずれも倫理的な反対で却下されたそうです
こんな問題の多い論文が掲載されたことに驚きですね
重複外子宮口とは、外子宮口が2つあるものを言います。中腎傍管の融合不全が原因と考えられており、牛では0.2~2%程度みられる珍しい症例です。
実は今日伺った農家さんでこの症例に当たりました。
そろそろゴールデンウィークですね
ET研は基本的に月、水、金曜日に採卵を行っており、採卵予定のドナーの人工授精はその一週間前に行っているのですが、来週の水曜日は「昭和の日」でお休み、ということで、採卵日が30日木曜日にずれこんだため、不定期ながら午前午後と人工授精業務が入りました。
それに加え和牛の移動や発情同期化処置など、木曜日に普段行っている業務もあるため朝からかなり逼迫したスケジュールとなりました
牛相手に休み無く働いていらっしゃる酪農・畜産農家の方々を相手に仕事をしておりますと、連休をいただくのも恐縮ではあるのですが、牛も人も一休みして受精卵をたくさん生産できるよう頑張ります
本日、移植で伺った農家さんで飼われている牛で、一頭、ん?ホルなの?F1なの?黒毛なの?と首を傾げる牛がいました
黒毛×F1にしては、体毛がコーヒー色っぽい。
足や頭部が白い模様は、F1ぽい。
尻尾の毛並みが直毛のようで、ホルの尻尾みたいに巻いている。
答えは、ホルスタイン×ブラウンスイスのF1、通称「ホルブラ」です。
私はホルブラを見るのが初めてで、思わず写真を撮ってしまいました
だけど、ホルブラって実はすごいんです。調べてみると、色々と良いことが判明しました。
・暑熱に強い
・産乳量が多い
・平均授精回数が少ない
・粗飼料高肥育が望める
などなど。。。さすが交雑種。
ブラウンスイスについても、蹄病に強い、乳脂肪分が高い、など、様々な利点があります。
ということは、ホルブラの交雑種を作ることで、二つの種の利点を合わせ持つ牛である上に、
日本酪農の二大疾病である、蹄病と乳房炎はホルブラで解決できるのでは!?とちょっと疑問に思いました。
このブログを読まれている方、分かる方がいらっしゃったら初心者である私に、教えてください
ホルブラは、果たして蹄病と乳房炎に強いのでしょうか?
だとしたら、ホルブラって、まじですげぇやつなんじゃ!?
4/15に国際宇宙ステーションに向けて、民間宇宙企業スペースX社の
「ドラゴン補給船」を搭載したロケット「ファルコン9」が打ち上げられました
補給船には、宇宙での長期滞在が動物に与える発ガン性リスクなどを調べるため、
マウスの凍結受精卵が載せられています
遺伝的に放射線感受性の高いマウス、ガンになりやすいマウスの他、
遺伝子突然変異解析用マウスなど様々なタイプの受精卵を載せています
この受精卵を日本の実験棟「きぼう」で約6ヶ月間冷凍保存し、
その後地上に戻して受精卵を発生させ、宇宙放射線被ばくによる個体発生、
発生後の寿命や発ガンおよび遺伝子変異への影響を調査するそうです
この試験は、将来の月面や小惑星などでの滞在を見据えて宇宙環境における
放射線防護のための基礎データを提供し、
リスク評価や防護基準の対策に貢献するのだそうです
このような分野にマウスの受精卵が活用されているのですねぇ~
これはマウス凍結受精卵を用いた世界初の宇宙実験なんだそうですよ
初の試みで貴重なデータが取れそうですね
「ミオスタチン欠損変異」を持つ血統を知らないか?と尋ねられました。
聞き覚えのない単語ですが、巷では「ダブルマッスル」と呼ばれているそうです。
ダブルマッスルは、筋肉の成長を妨げる「ミオスタチン」と呼ばれるタンパク質が突然変異により生成されなくなることにより起こり、ヒトでは5歳でダンベル3kgを軽々と持ち上げたり、幼児なのに腹筋が6つに割れていたりする・・・。なんてこともあるようです。
和牛では日本短角種において報告されているそうですが、黒毛和種でも見つかれば、「究極の増体系」の血統がつくれるかもしれません
ET研究所には月に数回見学者が訪れます。
見学の内容はさまざまですが、だいたいは採卵・検卵見学と研究室見学です。
今回の見学者は外国からのお客様でした。
遠路はるばる上士幌へようこそ!
もちろん英語で説明させて頂きました・・・
うまく伝わったでしょうか!?
英語の勉強しなきゃって思えるいい機会となりました。
本州のほうでは、満開の桜も散り始めてる頃ではないでしょうか?
緑が萌え、夏に向けて、植物たちは光合成を行い、季節はどんどん、すすんでいっていることでしょう。
しかし、北海道では、つい最近まで雪が降ってて、春はまだまだ先だなぁって思ってたら、、、
な、な、な、なーんと、今日、道を走ってたら、ふきのとうと、福寿草が雪の隙間から顔を覗かせていました。
春一番に咲くおめでたい花ということから、福寿草と名づけられたそうですが、
ほんと、春が来たんだなぁって気持ちが明るくなった、そんな日常です。
中国の上海交通大学医学院の研究グループがタンパク質の専門誌である、
Journal of Proteome Researchで
体外受精後の着床の成功率につながる可能性のあるタンパク質が
このたび300種類特定されたと発表をしました
「Understanding proteins involved in fertility could help boost IVF success.」
受精卵が育った後に子宮壁に着床しないのが原因で妊娠に至らないことがありますが、
なぜ着床しないのかということは謎でした
この謎を解くために、研究グループはこのプロセスに関与するタンパク質に着目しました
そして12人の女性から子宮内膜のサンプルを用いて試験を行いました
2000以上のタンパク質を特定し、そのうちの300以上のタンパク質の濃度が、
子宮内膜が着床の準備が出来ているかどうかで大きく異なると突き止めました
今後、特定したタンパク質のうちの一部の濃度の引き上げまたは引き下げによって
胚の着床の可能性、IVFの成功率を引き上げられるかの検証を進めていくそうです
この研究は妊娠だけでなく、
子宮内膜関連の病気の治療改善にも役立つ可能性があるそうです
着床の成功率が高まる薬なんてのも作ることが出来るかもしれませんね
ヒトだけではなく、ウシもそういう薬欲しいです
こんにちは、茨城県の東日本分場です!
こちらは現在桜が咲き乱れ、春の陽気が気持ち良いです
こんな環境でETをしたらバンバン受胎しそうな雰囲気ですね
と数日前は思っていました。
ニュースでみなさんご存じかと思いますが、先日の8日、なんと関東地方ユキガフリマシタ
急に牛のコンディションが悪くならないか心配です
エコーによる生殖器検査、同期化のためのプロジェステロン製剤の挿入、過剰排卵をかけるためFSHの漸減投与・・・。我々が造る受精卵は日々に単調にも見える作業の積み重ねの賜物なのです
多頭数の管理に不可欠なのは、卵巣所見の診断などの重要なポイントに手を抜かず、一頭あたりの処置にかかる時間をいかに減らすか、ということです
というわけで最近、ホー〇ックなどのホームセンターやプ〇ノなどの作業用品店をハシゴして装備を整えることがマイブームとなりつつあります
直検手袋のベルトに腰袋を2つ装着、中には薬と注射針とペーパータオル、アルコール綿花を入れたタッパー、肩からさげたボックスにプロジェステロン製剤をいれ、ついでにエコーもぶら下げたら、一度も室内に戻らずに生殖器チェックと同期化作業ができるぞ!!よーし出発!!
・・・柵にハラがつかえました。
以上より、さらなる作業の効率化にはウエストのシェイプアップが有効であることが示唆されました。
ET研究所内で飼養する供卵牛を取り扱っていると、性格が良く人懐こい牛ほど採卵成績が良い印象があります。
過去に実際に牛の性格で繁殖成績を比較した文献があったので紹介します。
題:「温厚な肉用経産牛は繁殖成績が良い」
緒言:牛の気質は人が動物を扱う際の反応性として定義される。
神経質な牛は人が扱う際に興奮し、温厚な牛は人が扱う際に従順である。
温厚な牛は神経質な牛に比べストレスが少なく、血中コルチゾール濃度が低い。
本研究では、通路での退去時の歩様をもとに気質を評価し、肉用経産牛の繁殖性を調べた。
方法:全ての牛においてボディコンディションスコア(BCS)を9段階で評価。
気質について通路の出口で歩様から、1:ゆっくり歩いて退出(温厚)、2:跳び跳ねたり走って退出(神経質)で評価した。
牛の取り扱い設備の影響を評価するため、半円形の通路、直線の長い通路、広い通路か急な曲がり角を伴った通路の3つに分類した。
結果:気質について、神経質な牛は全体の58.3%、温厚な牛は41.7%だった。BCSは両気質の間で有意差は無かった。
牛の取り扱い設備によって、半円形の通路で飼養されている牛は、直線の長い通路あるいは広い通路か急な曲がり角を伴った通路で飼養されている牛より、神経質な牛の割合が減少した。
温厚な牛は牛は神経質な牛に比べ、繁殖期における妊娠率が有意に高かった(94.1% vs 88.6%)。
考察:神経質なうしにおいて、繁殖成績が低下する理由はいくつかある。
この理由には、遺伝的要因や不適切な取り扱い設備が含まれる。神経質な牛では、コルチゾール濃度の上昇が見られ、このことが性腺刺激ホルモン放出ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌抑制などの繁殖機能への有害な影響を及ぼす。さらに卵巣動態にも影響を及ぼし、発情発現が抑制される。
牛の取り扱い設備によっても、神経質な牛の割合は異なり、さらに人工授精の受胎率にも影響する。
しかし、ヒトが牛の取り扱いを改善することで神経質な牛の割合に変化は見られなかったが、繁殖成績は改善したと報告はある。
繁殖獣医 2015.Mar. Vol.33, No3
こちら十勝では昨日雪が降っていた地域もあったようですが、
日中は春の訪れを感じるようなポカポカ陽気の日も多くなってきました
今年は何だか暖かくなるのが早い&暖かい日が多いような気がします
桜はいつ咲くのでしょうかねー
今年はちょっと早かったりしそうですね~
そして夏は暑いのでしょうか・・・
本日はこんなものを見つけましたので紹介させていただきます。
暑い夏対策に良さそうです
パナソニックグループで空調システムや大気浄化、農畜産関連などの
設計・施行・メンテナンスを手がけるパナソニック環境エンジニアリングは、
農畜産用換気扇の新製品「DC(直流)スマートファン」を4月1日に発売したそうです
独自開発のs字型の羽根形状とDCモーターを組み合わせて効率を高め、
消費電力を低減し、さらに業界トップの風量を実現しているのだそうです
農畜産用換気扇は、夏の気温上昇や施設の大型化などで取り付ける台数が増え、
連続運転時間も増加傾向にあります
それに伴って動力の光熱費が増え、換気扇の消費電力低減が
大きな課題になっていることから、DCスマートファンを開発したそうです
DCモーターを使って効率を改善し、自社の従来製品と比較して
消費電力を約15%低減しました
1分750㎥の風量で従来製品は消費電力が420Wだったのに対し、
DCスマートファンは350Wに抑えられ、
約85%の消費電力で同等の風量が供給できるんですよ~
夏以外にインバータ制御で運転速度を下げて使う場合は、
さらに消費電力の低減とCO2排出量の削減が出来るみたいです
また、羽根を改良し、DCモーターと組み合わせることで最大風量を従来製品の
1分750㎥から840㎥に増やしたそうです
と、いうことで詳しく知りたい方はどうぞ~
http://news.panasonic.com/press/news/data/2015/03/jn150330-1/jn150330-1.html
先日もご紹介しましたが、ET研究所に新しい仲間が加わりました
二人とも成人式を終えて間もない20歳。非常にフレッシュです
先日は若手職員で食事会を企画し、歓迎しました
二人ともそれぞれ熱い夢を語ってくれました!
一日でも早く一人前の技術者になれるよう、切磋琢磨してまいります!
今日から新年度が始まりました。
ET研究所には新人2名が新しく仲間入りしました~!
新年度一回目の採卵も行いました。
今年度も受精卵増産のため職員一同がんばっていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
リピートブリーダー牛への不受胎対策の一つに、追い移植(人工授精を実施し、さらに人工受精後7~8日目に移植する方法)があります。
この追い移植、人工授精3回以上実施しても受胎しなかった乳牛が受胎した!!という農家さんの喜びの声を聞くことができ、大変有効な方法だと思っております。
しかし、なんで追い移植がこんなにとまり易いのか?
授精でとまっているの?
ETでとまっているの?
子宮内に胚が複数個あることが子宮および黄体に何らかの影響を与えているの?
この「複数個の胚の影響」に着目して、過去にこんな報告があったのでちょっと紹介。
題:「牛胚の両側子宮角移植および人工授精後の追い移植による子牛生産」
目的:経産牛49頭に複数個の胚を両側子宮角移植、および人工受精後に追い移植し、妊娠率と胚生存率の推移および子牛生産について検討を行った。
方法:29頭には発情後7日目に黄体側子宮角に2胚、非黄体側子宮角に1胚、合計3胚の胚を移植。20頭には発情時に人工授精を行い、7日目に非黄体側子宮角に2胚を追い移植した。妊娠および生存胚数は移植後、20、40、60、80日目にエコーにて調べた。
結果:3胚の両側子宮角移植では高い多胎妊娠率および多子分娩率が得られたが、移植後早い時期での胚死滅率と妊娠中期以降の流産発生率がやや高く、結果として移植頭数に対する子牛生産率は低かった。
これに対して追い移植は多胎妊娠率はやや低下するものの、妊娠率が安定して推移し妊娠中期以降の流産発生も少なかった。
日畜会報, 67(8):732-739, 1996より引用
以上の報告から、複数個の胚が受胎に及ぼしている可能性は低いと考えられます。
また、産子が授精由来か、もしくは胚由来か調査した報告もあり、その結果は一定しないという結果でした。
追い移植の謎。。。。
こんな賞、あるんです
賞というか大会?審査会?と言うんですかね??
一般社団法人日本有機資源協会が主催する第2回食品産業もったいない大賞では、
「農林水産大臣賞」を株式会社メニコンとスターバックスコーヒージャパン株式会社が
連名で受賞したそうです
内容は、国内初の試みとなるコーヒーの豆かすを牛の飼料として再利用する取り組みです
メニコンといえば、コンタクトレンズのケア用品が頭に浮かんだりしますが、
このような取り組みも行っているのですね~
スターバックスの店舗から衛生的に回収したコーヒー豆かすを乳酸発酵させることで
長期保存と飼料としての利用を可能にする技術を確立、実用化しました
また、麻布大学と共同で効能についての研究を行い、
有用な抗酸化作用が見出され、乳牛に給餌された際、
乳品質向上(乳体細胞数減少)につながることが判明しました
さらに乳出荷量も増えたことが酪農家さんに高く評価されて
積極的な利用につながったそうですね
これまでリサイクルが難しかったコーヒー豆かすを牛の飼料として利用する技術を確立し、
この飼料を食べた牛のミルクを店舗でドリンク類に利用するという
循環型社会形成に貢献する取り組みです
すばらしいですね
ちなみにコーヒー豆かすを飼料とした場合の効能に関する研究については、
第155回日本獣医学会学術集会で発表も行われており、特許も出願されているようです
こんにちは
たまの登場、東日本分場です!
さて、先日3月22日ですが移植作業が終わった後に第32回の茨城県ブラックアンドホワイトショウを見に行きました
話は逸れますが、共進会のときはバーベキューもあるそうです。
お肉を楽しみにしていたのですが、我々が行ったときには綺麗に片付いてました
育種価が高い牛の後継牛はぜひともを確保したいものです
しかし一方で、育種価が判明しているということは、ある程度その子牛が肥育されて肉になっているということであり、高育種価であることが分かり、その子を何としても残したい!となった頃には、既にお婆ちゃん牛になってしまい、受精卵がほとんど取れない・・・というケースもあります
また、全農ET研には現在550頭程度の和牛ドナーがおりますが、それだけの頭数の中には、過剰排卵処理に対する反応は爆発的であるにも関わらず、いざ受精卵を回収しようと試みると、全く回収できない牛もおります。
そういった牛の卵子を使って何とか受精卵が作れないものか?というわけで、最近OPU-IVF(経膣採卵-体外受精)に取り組んでおります。
↑筆者も未熟ながら技術を習得すべくチャレンジさせていただいております。
先週は3頭実施し、どの牛から回収した卵子からも受精卵を作ることができました
通常の受精卵回収よりも短いスパンで卵子を回収できるOPUは、今後育種改良を進めていく上で、間違いなく重要なツールとなってくると思われます
今日回収した卵子は、もしかしたら将来日本一の牛になるかもしれない・・・!という期待を胸に、一生懸命取り組んで参ります
ほっかいどうといえばじゃがいも!
士幌町はじゃがいも有名です。カントリーサインにもなっています。
肉じゃが。
フライドポテト。
ポテトサラダ。
などたくさん料理法はありますが、やっぱり
じゃがバター。最高です!
北海道では塩辛のせて食べるのです。
地域によって他に食べ方あるのでしょうか?
個人的にはマヨネーズとケチャップが好きです。
ET研究所は北海道の上士幌町と言う場所にありますが、
お隣に鹿追町という町があります
鹿追町の大平畜産工業は交雑種と黒毛和種を計4550頭肥育しており、
鹿追町と札幌市で直営レストラン2店を経営しているそうです
そこで今回はタイのバンコク中心部のスクンビット地区に
鹿追町で肥育した道産牛の味を味わえるレストランをオープンするんだそうです
交雑種を輸出した上で、ステーキやハンバーグなどで提供するほか、
同国内の他の飲食店にも道産牛肉を卸す予定だそうです
タイは経済成長で牛肉消費量が増えており、販路拡大が見込めるのだそうです
ところで、黒毛和種は英語で「Japanese black cow」となりますが、
「Wagyu」で通じるということを知ったとき、驚きました
それでいけちゃうんだ~と思いました
なんだかこのスペルを見てるとかわいいですよね
「わ・ぎゅー」って感じですね
日本の「Wagyu」は世界に羽ばたいてるようですね
ET研では過剰排卵処理を行った牛に対し授精を行う前に、エコーで描出した卵巣上の卵胞を確認し、授精する精液を決めております。
精液の価格は1本あたり千円から数万円までバラつくため、高額な精液をできるだけ無駄にしないようにするためです。
しかし、反応を確認してもいざ採卵してみると、卵巣上に黄体があまりなく、受精卵が取れないケースも侭あります。。。、
これも一筋縄でいかない動物繁殖の面白さですね
今朝、白鳥が飛んでいるのをみました!
北海道と本州(新潟とか)でみられるようです。
北海道に住んで7年ほどたちましたが、連なって飛んでいるところをみたのは3回ほどです。
なかなか貴重なのではないでしょうか
越冬のために冬に飛来し、春にまたシベリアに戻るようです。
北海道にも春がきているようです
文献紹介
卵巣嚢腫の治療法で、排卵同期化を利用した有効的な治療法を紹介します。
題:乳牛の卵巣嚢腫の治療における異なる2つの排卵同期化プログラムの比較
緒言:
卵巣嚢腫の治療には性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)やヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、P4製剤が用いられる。これらの治療では治療後に発情発見の必要性があるが、最近の排卵同期化および定時人工授精(TAI)が卵巣嚢腫の治療として用いられている。
本研究では、卵巣嚢腫と診断された牛に、治療として2つの異なる排卵同期化プログラムを用い、その効果を比較した。
材料及び方法:
卵巣嚢腫の牛を無作為にA群とB群に分け、下図に示す処置を行った。
非妊娠牛は、3回まで処置を行った。初回AI日数、空胎日数、初回AI受胎率、2回目のAI受胎率、受胎率(受胎したAI/全てのAI)、累積妊娠率(1~3回目までの治療で妊娠した牛の割合)、妊娠率(妊娠した牛の数/AIした牛の数)を算出。
結果:
1回目の治療による治癒率は、A群(66.2%)がB群(23.1%)に比べ、有意に高かった。
累積妊娠率は、A群(治療後の順に66.2%、76.9%、83.1%)がB群(40.0%、50.7%、60.0%)より有意に高かった。
初回AI日数はB群がA群よりも有意に4日早かったが、空胎日数は有意な違いは見られなかった。1回目のAI受胎率は有意な違いが見られなかったが、2回目のAI受胎率はB群よりもA群が有意に高かった。
考察:
排卵同期化において、改変されたプログラムの方が従来のプログラムよりも治癒率が高かった。A群はB群に比べ、最初のGnRHからPGF2αの投与に反応しうる黄体の形成が十分だったからだと考えられる。
経済的な面を見ても、自然に嚢腫卵胞の退行を待つよりも、排卵同期化やP4製剤を用いた処置が経済的だと報告されている。本研究では、A群はB群よりも薬剤が多く、投与間隔も長いが、妊娠に至る経費を抑えられた。これは、不妊症により淘汰される牛の割合がA群ではB群に比べ、減少し、更新費用が減少したためと考えられる。
参考:臨床獣医 2014. Oct. Vol.32, No.10
精密計測機器メーカーの山形東亜DKKは、乳牛の胃液の水素イオン指数(pH)を
連続的に計測し、健康状態を把握するシステムを岩手大農学部と共同開発しました
既に全国の研究機関などで実証試験を行っており、
早ければ来年春にも市販する計画だそうです
近年、乳量増や発育促進のため大量の穀物飼料が与えられていますが、
過剰になると第1胃(ルーメン)内で急激に発酵し、pHが著しく低下してしまいます
この状態が続くと、ひづめや乳房の炎症などを引き起こす可能性が高まるとされていますが、
これまでは第1胃内のpHを連続的に測定する方法は確立されていませんでした
今回開発されたのは、pH計と温度計をステンレスのケースに収め、
データを無線で外部に送信する装置と、専用の受信機などからなる
「ルーメンpH監視システム」です
経口投与・回収が可能で、回収後は電池などを交換して再利用できます
データは受信機からパソコンに送られ、3ヶ月は安定的にモニタリングできるそうです
岩手大は既に、国内はもちろん、欧米やオセアニアなどで特許を出願しており、
将来的には各国の法規制をクリアした上で、
酪農が盛んな海外への展開も視野に入れているそうです
山形東亜DKKは、乳牛だけでなく、肉牛の肥育管理にも使えるし、
基本的な仕組みは牛以外の動物への応用も可能だと話しているそうです
この機器がいくらくらいで販売されるのか気になりますが、
数値化されると飼料管理がしやすいでしょうね
便利な時代になりましたぁ~
こんにちは。久しぶりの東日本分場です
実はET研究所は3月より一部の人員配置が変更されています。
東日本分場も配置替えがあり、現在新体制で業務に当たっています
という私も3月より上士幌本場よりこちらの東日本分場(茨城県笠間市)へ異動になりました
さて、こちらへ赴任して2週間、様々な点で本場とは異なり驚きます。
一番の大きな違いは
採卵がない!
これに尽きます。
以前はこちらでも採卵をしていたのですが現在はおこなっておらず、本場から供給される受精卵を使用しています。
その分、新ETシステムがこちらではメインであり、あちらこちらへ移植へ行く日々のようです。
まだまだ慣れぬ日々ですが、フレッシュな気持ちで頑張りたいですね。
関東地方近辺の皆様、新たなET研究所もよろしくお願いいたします
昨日は日本人にとって忘れることができない日付、3月11日でした。
震災からの復興も進みつつある昨今ですが、福島県には東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で、今も避難生活を余儀なくされているの畜産農家の方々が数多くいらっしゃいます。
そんな中、福島から離れた地に移り住み、見事経営を軌道に乗せることができた生産者の方の記事がありましたのでご紹介いたします。
(「飯舘牛の血 残せた」 山武に避難 小林さん「古里にいつかは」 東京新聞 3月11日)
小林将男さん(58)は、福島第一原発事故の影響で全村避難となった福島県飯舘村から「飯舘牛」と一緒に、千葉県の山武市に移住し、2011年6月に牧場経営を再開させました。それから独自ブランドの立ち上げや飼料開発などに成功し、みごと経営を軌道に乗せたそうです。
一方、「古里に、いつかは戻れると信じて牛を育てていきたい」という気持ちも強くなってきているそうです。
復興の遅れが叫ばれる中ではありますが、新天地で成功を収めた明るいニュースでした。
我々も普段被災地を意識する機会は減ってしまいましたが、日本の農業を支え抜く矜持を忘れず、受精卵を通して被災地の皆様を支えれるよう尽力して参ります。
人の体外受精は、日本で年30万回以上実施されており、成功するのは2割程度だそうです。
牛だと精液や卵子の品質にもよりますが、移植できるものは3割程度つくれるくらいでしょうか。
そこから妊娠!となるとさらに確率が下がってしまいます・・・
妊娠率をあげる注目すべき研究を紹介します。
山形大大学院理工学研究科、阿部宏之教授(生殖生物学)の研究が、独立行政法人科学技術振興機構の支援プログラムに採択されました。
「受精卵品質診断装置の開発」で、妊娠する可能性の高い受精卵を選ぶことにより、不妊治療の成功率を向上させることが期待されているそうです。
阿部教授は、細胞内のミトコンドリアの呼吸(酸素消費量)で細胞の活性度が判定できることに注目。電気化学計測技術を応用した測定装置を開発した。山形牛の受精卵診断で使ってみたところ、妊娠率が2倍近くに伸びたという。ヒトの受精卵に応用すると、目視で形態評価した場合と比べて妊娠率は2倍、流産率は4分の1に下がった、としている。
採択されたプログラムでは、超高感度マイクロ電極と医療対応の測定液を開発する。受精卵品質評価の精度を高めるだけでなく、再生医療での細胞診断にも応用できることを目指している。
阿部教授によると、日本では夫婦7組に1組が不妊で、年間3万人が不妊治療を受けて出産している。人工授精や体外受精、顕微授精の成功率は18%以下で、医療費負担の大きさ、母体への影響も無視できないという。
阿部教授は「晩婚化で不妊治療が増えている。新しい診断装置が出来れば体外受精の成功率を高めることができるようになる」と話しています。
(朝日新聞 2015年2月27日引用)
移植前に受精卵の見極めを良くすることで移植により母体にかかる負担が減るのではないでしょうか。今後の研究に期待です!
最近、色んな名前の牛肉、通称「ブランド牛」を目にしますよね
北海道の十勝内だけでも、数種類のブランド牛がいます。
だけど、そもそもブランド牛って、何を基準に決めてるんでしょう?
血統?肉質?飼料?風土?
そこで、ちょっとGo○gl○さんに聞いてみました。
説明は以下の通りです。
「牛肉の銘柄(ブランド)は、産地(地理的表示)、血統(品種)、枝肉の格付け、飼育法などにより、ある一定の基準を満たしたものに付けられているのが一般的です。
牛に限らず、銘柄家畜の命名や基準については、(社)中央畜産会が定めた「産地等表示食肉の生産、出荷等の適正化に関する指針」に従うことが望ましいとされています。
各基準には明確な法律などがあるわけではなく、最終的には、各推進団体の任意にて適用範囲などが決められます。各銘柄は、商標登録などされている場合がほとんどなので、実質的に、適用範囲外のものはその銘柄を名乗れません。
各推進団体とは、いくつかの団体や組合などが集まった、半ば公的なところとなりますが、各推進団体の信頼度やブランド≒牛のブランド、といったところでしょうか。」
けっこう、ゆるいですね。
極端な話をすれば、例えばスズキさんが自分の牛を勝手に「スズキ牛」と呼んだりするのはもちろん自由ってことですね
ちなみに、日本全国人気第一位のブランド牛は、山形県の米沢牛でした。