愛情をカタチで示してください。
この扉からニュッと出ている黒い物体![]()
一体なんなんでしょうか?!

よく見たら、浮き輪ですね(*^^*)
農家さんの手作りワクワクさん作品です。
扉に浮き輪をつけることで、牛が扉にぶつかって怪我するのを防いだり、転倒するのを防ぐために、取り付けてるみたいです![]()
机等の角で、足の小指、ぶつけたら痛いですよね![]()
牛も牛舎内の交通渋滞で、後ろから押されて扉の角に体をぶつけたら、痛いんです。
この浮き輪は、農家さんの愛情の表れ、なんですね![]()
感心です![]()
この扉からニュッと出ている黒い物体![]()
一体なんなんでしょうか?!

よく見たら、浮き輪ですね(*^^*)
農家さんの手作りワクワクさん作品です。
扉に浮き輪をつけることで、牛が扉にぶつかって怪我するのを防いだり、転倒するのを防ぐために、取り付けてるみたいです![]()
机等の角で、足の小指、ぶつけたら痛いですよね![]()
牛も牛舎内の交通渋滞で、後ろから押されて扉の角に体をぶつけたら、痛いんです。
この浮き輪は、農家さんの愛情の表れ、なんですね![]()
感心です![]()
世界中のくだらない記録まで登録されているギネス・ワールドレコード![]()
みなさんご存知ですか?
たびたび話のネタなんかに「こんなんだったらギネスブック載っちゃうぞ~」なんて
言ったりすることあったりしますよね![]()
テレビで話題になったりすることも多いですが・・・
そのギネスに世界最大の牛が登録されて大きな話題となっているようですよ![]()
YouTube: Meet Blosom the tallest cow ever - Guinness World Records
デ、デ、デカイッ
笑
ホルスタインなんですが、背の高さが約190センチで全長約400センチなんだそうです![]()
目の前に現れたらコワイですねーーーー![]()
![]()
最近,顕微授精(ICSI)を始めました。
一般に広く行われている体外受精では,卵子の入った培地に精子を入れることにより,体の中で起こる現象と同様に,精子が泳いで卵子にたどり着き,自力で侵入することで受精が起こります。
一方顕微授精では,マイクロピペットという細い針のような管の中に1個の精子を吸い取り,これを顕微鏡下で卵子に直接注入することで受精を引き起こします。
顕微授精の技術は現在,精子無力症(精子が泳げない)や精子減少症(精子が極端に少ない)など,男性不妊症治療の救世主としてヒトの不妊治療において広く行われております。
この顕微授精ですが,かなり高度に熟練した技術が必要であるため,現在練習中です。
まずはマイクロピペットに精子を吸い取って(かなり見づらいですが,管の先から逃げようとしているのが精子です)

卵子に注入します

熟練したプロの技はこんな感じです
YouTube: piezoの顕微授精(ICSI)~札幌市不妊治療セントベビークリニック~
生命誕生の一番最初のステップである受精を,こんな風に顕微鏡下で行ってしまえるなんてすごいですね。
この技術が,生産現場の受胎率向上につながることを目指し,練習に励んでいきたいと思います![]()
(H27/07/02 16:00 一部訂正しました)
(総合指数ランクGNTP 訂正し、+1738)
(受精卵の母 ソフフイア を ソフイア に訂正)
(牛郡を牛群に訂正)
本日より上記11卵、他の受精卵とともにリスト発信いたします。
現時点でNTP No.1のスーパーサイアーのX精液を使用して作成した受精卵です。
X精液を利用しているので、90%程度の雌産子が期待できます。
リスト注文の締め切りは翌週水曜日となっておりますので、お早めにご確認を
この日は帯広畜産大学(通称ちくだい)から20名ほど見学に来られました。
そんなわたしも学生のときにET研に見学にきたことがあったのでした。![]()
ちなみに・・・
なんと、ET研職員の出身大学としてはちくだいは堂々の1位!
続いては鹿児島大学、酪農学園大学でしょうか?
普段は分からないETについて知り興味をもっていただけたらうれしいな~![]()
見学ありがとうございました。
熊本県は、消費者のヘルシー志向で需要が高まっている県産ブランド牛「くまもとあか牛」の増産に向けて、あか牛の受精卵をホルスタイン(乳牛)に移植し、代理出産させる新事業に乗り出します![]()
県によると、品種改良以外の目的で、乳牛にあか牛を産ませる取り組みは全国初らしいです。

そのホルスタインに代理出産させたあか牛の子牛11頭が6月24日、初めて酪農家から出荷され、1頭約50万~37万円(平均約44万円)で畜産団体に売却されました。
今年度内に約150頭が出荷される見込みです。
黒毛和牛の受精卵をホルスタインに移植し、代理出産された子牛が市場に出回るのが当たり前に感じている今日この頃ですが、今回、このような赤牛の代理出産が初というニュースに、逆に驚きました![]()
さらに、別の記事なのですが、日本農業新聞より
「酪農家が肉用となる交雑種(F1)を産ませるため、乳用牛に黒毛和種を種付けした割合(2014年)が3割を超え、過去3番目に高かったことが日本家畜人工授精師協会のまとめで分かった。
酪農主産地の北海道は2割超で過去最高だった。
コスト上昇に苦しむ酪農家が相場の高い肉用子牛の出荷を増やそうとしたのが原因。」
以上の記事から代理出産、F1増産が行われている半面、乳用子牛、つまりは後継牛の出生数は減るため、牛乳の生産量も減少しているのも、また事実です![]()
酪農家は、自分のホルスタインに何を産ませると一番儲かるか、今まさに苦渋の選択を強いられている時期なのかもですね。
米科学雑誌サイエンスにメダカの生殖幹細胞が卵になるか、
精子になるかを決定している遺伝子を発見したと発表されました![]()
生殖幹細胞とは卵または精子になる細胞で、
2010年に脊椎動物で初めてメダカの卵巣内で発見されました![]()
従来の考え方では、体の性に従って生殖幹細胞が卵巣内に存在すれば卵に、
精巣内に存在すれば精子になると考えられていました![]()
しかし、メダカのメスが卵を作る時に生殖幹細胞で活発に働く一方、
オスが精子を作る時にはほぼ働かない遺伝子「fox13」に注目したところ、
どうやらこの遺伝子が鍵だったようですね![]()
この遺伝子を人工的に失わせたメダカを作ったところ、
メスの卵巣内で大量の精子が作られたそうなのです![]()
さらに半年後・・・
精子を作りながら卵も作れるようになったそうですよ![]()
![]()
![]()
ど、ど、どういうことなんでしょう![]()
![]()
精子を作るようになったメダカの卵巣の写真だそうです↓
http://mainichi.jp/graph/2015/06/12/20150612k0000m040158000c/001.html
遺伝子を人工的に失わせた個体から作られた精子も卵も
他の個体の卵や精子と受精して子孫を残すことができたそうです![]()
動物のオスの多くは生殖幹細胞があり、生涯にわたって精子を作るのですが、
ヒトなどの哺乳類のメスは胎児の段階で生殖幹細胞は失われていると考えられています![]()
この鍵となる遺伝子「fox13」は哺乳類では見つかってませんが、
鳥類や爬虫類には存在しているのだそうです![]()
生き物の性の決定に関わっているものがまた1つ解明されましたね![]()

夏になると出てくる赤いものといえば・・・
「スイカ!」ではなく、牛の目の病気、ピンクアイです![]()
ハエなどの昆虫を媒介して夏場流行する目の病気で、名前の通り白目が赤っぽくなるのが特徴です。
涙が出てきて目がかゆくなったり痛くなったりしてしまいます。
↑今年度一頭目を本日発見いたしました。
↑まずは生理食塩水で洗ってやります。
↑乳房炎軟膏にステロイド系消炎剤を混ぜたお手製の点眼薬。

↑点眼後のウシ。ビジュアル系バンドを彷彿とさせます。
預託牧場と併設していることもあり、研究所内でもどうしても見られてしまう病気なのですが、早期発見と迅速な治療でできるだけ流行を防いでまいります![]()
ちなみに写真はホルスタインです。
凍結精液は1952年にイギリスのポルジという研究者により開発されたそうです。このときはまだドライアイスでの保存でした。
ここから研究が進み、日本では昭和35年ごろから普及したようです。![]()
凍結精液が開発された当時から精子の希釈液には卵黄が添加されていたようです。![]()
この卵黄なんと![]()
いま流通している凍結精液にも添加されています。
(一部の精液には添加されていません)
様々な報告があり卵黄にとって代わるものを見つけようと研究者たちは奮闘しているようですが、なかなか卵黄は優秀なようです。
卵黄を添加するという発想はいったいどこから出てきたんでしょう。![]()
研究にはアイデアが必要なんだなと思うのでした。
人工授精前に精液ストローをよくみてみてください。
黄色かったら卵黄入っていますよ。![]()
最近、ブームになってる「熟成肉」。
しかしブームになりすぎるあまり、熟成肉が間違った方向に進みつつあるみたいです![]()
そもそも、熟成肉ってなんなのか?
熟成の仕方にも二種類あって、ドライエイジングとウェットエイジングに分類されます。
ドライエイジングは、温度1℃~3℃、湿度60%~80%で常に肉の廻りの空気が動く状態を作り、そのまま20日~時には2ヶ月。

骨からの旨みなどもいっしょになり肉質はやわらかく、芳醇な香りになります。
ウェットエイジングは、肉の乾きをおさえた状態でのエイジング方法です。布で巻いたり、真空パックなどの状態のまま、0℃~2℃の低温で15日~25日程度ねかせます。
熟成肉を作ろうとしたそもそもの目的が、なかなか高価で手に入りにくい和牛に対抗して、肉質の硬い経産牛をいかに美味しい精肉として販売できないかと試行錯誤した結果だといいます。
しかし、いまブームになっている熟成肉は、本来ならドライエージングであるはずなのだが、ここ最近のメディアが発信する情報を見ると、なんでもかんでも熟成肉として捉えられています。
つまり、数日間冷蔵庫に入れた牛肉も、「熟成肉」と呼ぶ人も少なくないみたいです。
熟成肉!
一度は食べてみたいですが、目の前の熟成肉を見るだけではなく、背景を確認してから買った方がいいのかもしれませんね![]()
体外受精により世界で始めて子供が誕生したのは、1978年だそうです![]()
それ以降、生殖補助医療業界は急速に成長してきました![]()
現在では、世界に約4000の不妊治療クリニックがあり、
年間約150万件の治療が行われているそうで、体外受精により
毎年35万人の赤ちゃんが誕生していると推計されるといいます![]()
また、世界のカップルのうち6組に1組が何らかの不妊の問題に悩んでいると推測され、
1回の不妊治療サイクルの費用が1万ドルを超えることも多く、
通常5件の治療のうち、4件は出産までに至らないという状況だそうです![]()
これらのことから生殖医療業界が医薬品、技術、臨床サービスで上げる収入は
今後急激に増えると予想されています![]()
そこで、シドニーに本拠を置くジェネアという会社では受精卵の発育を監視するための
スマートフォン向けのアプリを開発中なんだそうです![]()
ジェネアは「Geri」という受精卵を培養するための装置(インキュベータ)を販売していますが、
経時的に受精卵の画像を撮ることが出来るものです![]()
このインキュベータめっちゃかっこいいです↓
http://jp.wsj.com/articles/SB11729237550577364065404581014854187481080
欲しいです(笑)
中の様子を観察できるので、観察のため受精卵を取り出すことによって
インキュベータ内の環境が変わる(受精卵の発育には良くないです)ことや、
人為的なミスを防ぐことが出来ます![]()
そしてこのGeriからスマートフォンに画像をライブ配信することで、
医師や患者が受精卵を24時間監視出来る様にするシステムを開発しているのだそうです![]()
ヒトの体外受精は、卵子と精子を受精させた後5日間インキュベータの中で培養するので、
今日、体外受精しました。から5日待つ・・・ということを考えると患者さんにとっては
すごく不安でながーい5日間なんだろうと思いました![]()
受精卵の発育を離れている所からスマホで観察できる・・・
文明の利器ってすばらしい![]()
昨日、我が家に大変うれしい贈り物が届きました
その贈り物とは…

じゃーん、山形名物のサクランボです!!
真っ赤にきらめく輝きと、口いっぱいに広がる上品な甘さ…ああ、
日本の果物って本当に素晴らしい…![]()
![]()
![]()
この宝石のようなサクランボを送ってくださったのは、山形県のとある農家さん(Sさん)です。
私たち全農職員は、初年度に全国のJAで3週間におよぶ研修を行います。
その中で、私はこのサクランボを送ってくださった農家さん(Sさん)のお宅で2日間お世話になりました。
それまで農業に関わったことがなかった私ですが、Sさん一家が本当に温かく受け入れてくださったおかげで多くのことを学ぶことができ、一生忘れることのできない貴重な経験となりました。
Sさんはこうおっしゃっていました。
「自分の仕事に誇りを持っていれば文句も言わないし、やり方は変わってくるはずだ。農業で生活していけるかどうかは、努力とアイデア次第だ。」
私は、この言葉に感銘を受けました。
近年、日本の農業にはなにかと暗い話題ばかりが目立ちますが、Sさん一家は非常に前向きに、高いモチベーションをもって農業というものに向き合っていらっしゃいました。
もちろん、TPPや担い手不足、それから畜産分野においては下降し続ける受胎率などの問題が山積みなのは事実です。
しかしそんな中でも私は、Sさん一家のように地道に前向きに、一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。
Sさん一家の皆様、それから山形県のJAの皆様、本当にありがとうございました。
いつの日にか皆様に恩返しができるよう、成長していきたいと思います!!
導入して間もないホルスタイン種未経産牛のエコーによる生殖器チェックをしていたら、次のような所見と遭遇いたしました![]()
子宮に液体が貯留していると思われる腔が見られます。画像が悪くモヤモヤ白く見える部分がありますが、実際に見た際は特にエコジェニックな浮遊物は見られませんでした。
一見妊娠かと思ってしまいますが、胎子はもちろん胎膜のような影もなく、胎膜スリップも触知できませんでした。また導入して間もないことから、誤って授精したという可能性も低いと考えられます。
卵巣上には、右側に黄体が見られました。
子宮内に薬注を試みましたが、子宮頚管が細く、歪曲しており、頚管拡張棒を挿入することもできませんでした。
以上より、本牛の病態は、子宮頚管閉塞あるいは重度の子宮頚管狭窄に続発する子宮水症あるいは子宮粘液症であると考えられました。
黄体遺残を併発していると考えられたため、PGF2αを投与して、経過を観察しています。
頚管が閉塞していたら手の打ち様がないですが・・・。
無事発情が来て貯留物が排出されることを願います![]()
(参考:獣医繁殖学 第4版 文永堂出版)
精子はよく「おたまじゃくし」と表現されますよね?![]()
実際に顕微鏡でみた写真がこちら

頭にしっぽが生えてて、確かにおたまじゃくしに似ています。![]()
でも実は、うしの精子は平たいのです!しゃもじの形なんです!
立体的な楕円形の頭ではなく平たい楕円形の頭をしています。
ちなみに、精子頭部の大きさや形は動物によって異なっています。
マウスの精子頭部は尖って湾曲していたり、人はラフランス形だったり様々です。
ウシの精子はこのしゃもじ形のおかげで、現在では普及の進んできた精選別精液の
精選別精度(ちゃんと精液が分けられているか)が高いといった特徴もあります!![]()
しゃもじ形に感謝。![]()
みなさんのご意見をお聞かせください。
症例の概要:症例は未経産ホルスタイン種。プロジェステロン製剤とPGにて発情誘起後、6月10日に人工授精を実施。その際、直腸検査にて、左卵巣にゴルフボール大の腫瘤を触診。
6月16日、同牛への追い移殖のために直腸検査にて黄体確認をしようとすると、左卵巣に1週間前に触診したのと同様の腫瘤を触診。エコーで観察すると、下の写真のようなエコー像を得ました。


卵巣内に卵胞らしき無数の濾胞状のものと、20mmの主席卵胞らしきものが1個、その他10mmの卵胞が数個。中には卵巣実質が充実している部分もあります。
黄体は存在しません。
中に液体が入っているような、卵胞嚢腫のような触診です。
多胞性卵胞嚢腫か?顆粒膜細胞種か?・・・・
顆粒膜細胞種であれば、一般的な超音波検査の所見で、断層像が境界明瞭で充実感を示し、触診ももっと硬いはずなのですが、今回の症例では、大きい主席卵胞があり、さらには触診がやわらかい卵巣なのです。
我々は卵胞嚢腫を疑っていますが、過去にもこの牛は幾度のCIDR留置とPG投与を試みていますが、この変な卵巣所見は変わらずなのです。
相変わらずの頑固者なのです。
はて、この卵巣所見、皆様はどのような診断を下し、さらにはどのような治療法を試みますか?
ご意見をお聞かせください。
ET研では歓迎会を開きました~![]()
ちょっと遅い歓迎会となりましたが・・・
5名の新人さんと、新所長、
ブログでも紹介されておりましたがつい先日、岩手県から研修に1名来られまして
年齢層がグッと若くなり、なんとなくフレッシュな会となりました。笑
そうそう、女性も増えましたよ~![]()
![]()
![]()
ふっふっふ![]()

ET研究所は上士幌町という所にありますが、
みんな住んでいるところがバラバラなのもありますし、(上士幌、士幌、音更、帯広)
なかなか大人数で頻繁には集まれないので良い機会となりました![]()
実はここ近年、ET研の中で士幌町民の勢力が増しております。笑
昔はほぼいなかったのですが、ここ数年の新人さんは士幌に住むことが多かったので
若い方が多いですね~![]()
でも今年は私の住む音更町民も入ってこられましたので音更も少し増えました![]()
地域の話題も意外とネタになりますしね~笑
新人さんはET研に入ってしばらく経ちましたが、
まだまだ分からないことがいっぱいあると思います![]()
こうしてみんなと交流を深めて少しずつ仲良くなって、一緒にお仕事がんばりましょう![]()
研修に来られた方も短い間ではありますが、一緒にがんばっていきましょうっ![]()
さてさて、本日のお料理です↓笑

これに天ぷら、お寿司がついておりました~![]()
お腹もいっぱいで大満足な会となりました![]()
楽しかったでーす![]()
最近、マイクロマニピュレーターを用いた胚操作の練習をしています。

上の写真は受精卵の除核(核を取り除くこと)をしている様子です。
左のピペットで受精卵が動かないようにおさえながら、
右の針で透明帯に切れ目を入れ、そこから核を押し出して取り除きます。
少し前に一世を風靡したクローン動物は、こうやって核を取り除いた後に別の細胞を入れることで作ることができます。
私はかつて、除核ってすごく複雑な装置や方法が必要な特別な技術なんだろうなぁと想像していたのですが、意外と単純な方法でできてしまうことに驚きました![]()
ウシがウシであるための遺伝情報をすべて含んだ、いわば生命のプログラムである
「核」という重要な存在をこんなにも単純かつ物理的な方法で取り除くことができるなんて、なんだか不思議です。
それと同時に、生命を自在に操ることができてしまう生殖工学技術の進歩に恐怖と敬意を抱きました![]()
…ちなみに「単純な方法」と書きましたが、実は結構コツがいるため、私にはまだまだ修行が必要です![]()
一日でも早く胚操作をマスターし、家畜生産の発展に貢献するために練習するぞー!!
今年度新人3名が加わったET研に、さらに新しいメンバーが加入しました![]()
↑お決まりの表札前ショット
岩手県本部からの研修生で、半年間ET研にて修行してもらうことになります![]()
以前ブログの記事にもありましたが、最近大動物分野に進む女性が多くなってきていることを肌身に感じます![]()
我々メンズも尻に敷かれぬよう頑張らねば・・・![]()
![]()
無性に肉が食べたくなる時ってありませんか?
豚肉に含まれるビタミンB1は疲労回復によいってよく聞きます。
調べてみると、豚肉は身近にある食材の中では抜群にビタミンB1を含んでいるようです。
その含量は牛肉のおおよそ10倍![]()
なんて優秀なんだ。
ビタミンB1は、酵素の働きを助ける補酵素として働いて、お米などの糖質からエネルギーを生み出すのをサポートしています。
不足するとイライラしたり集中力が低下するそうです。
お疲れの時にはおすすめの食品なのでした![]()
熊本大学の生命資源研究・支援センターの教授らが、
実験用のマウスで1匹のメスから100個以上の卵子を得ることに成功したそうです![]()
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020150608eaab.html
通常は下垂体から卵巣を刺激するホルモンが出て、多くの卵子が成育しますが、
卵子が過剰にならないように調節するインヒビンというホルモンも出ているため、
自然ではマウスは1度に5-10匹の子供を生みます![]()
実験動物のマウスでは効率的に子供を得るために、
メスに妊馬血清性腺刺激ホルモン(PMSG)を投与し、過剰排卵させます![]()
この方法では20-30個の卵子が得られます![]()
ところが今回はインヒビンを捕らえる抗体が入った「抗インヒビン血清」を使用し、
メスの体内のインヒビンを中和することで、
通常の過剰排卵処置で卵子を100個以上得ることに成功したのだそうです![]()
この得られた卵子を体外受精し、
仮親の卵管に移植して正常に子供が生まれることも確認できたみたいです![]()
マウスは卵子採取の際に殺してしまうので、
実験動物愛護の点でとても意味のある技術です![]()
牛でも現在の過剰排卵技術がもっと進化すると良いと思いますが・・・
マウスは多産で牛は1頭しか子供を生まないので比較すると
割合的には過剰排卵処置によって非常に大量の卵子が取れているのかな・・・?
芝浦工業大学の山西陽子准教授が、針のない注射器を開発したそうです![]()
注射器の先端から高速で発射される気泡がはじける力で皮膚に小さなな穴を開け、その穴から薬をまとった微細な気泡(なんと大きさ1000分の1mm)が細胞内に注入されるとのこと。
気泡のガスは細胞内で収縮して消えるため、薬だけが患部にとどくうえ、細胞へのダメージも極めて少ないそうです。
つまり痛くない!!子供にやさしい!!!![]()
痛みを伴わずに薬を高い精度で目的の場所に届けることができるということで、様々な分野から注目されているというこの素晴らしい技術、当然私も卵子の研究に応用したい!!と考えたわけですが…
すでにウシ卵子の除核操作(卵子から核を取り除くこと)において実用化されつつあるそうです。一歩、いや、だいぶ遅かった…![]()
さらに山西准教授は細胞への遺伝子導入やがん治療、再生医療などへの応用を目指しているとのことでした。
泡の力が現代科学の常識をくつがえす日は近いのかもしれませんね![]()
ナイタイ高原牧場での放牧が始まったことは数日前の記事でお伝えしましたが、今後日本のあらゆるところで和牛の放牧が始まるかもしれないようです(荒廃地放牧 後押し 牛導入、技術習得に助成 農水省 日本農業新聞 2015.6.4)。
農水省は荒廃した農地に和牛を放牧し、農地を復旧させようと、JAなどを対象に、繁殖牛の購入費と牧柵、簡易牛舎などの資材費を最大2分の1、牛舎から放牧地までの牛の運搬費や放牧の訓練、専門家による技術指導などの経費を、原則として全額助成するそうです。
飼料コストの低減や飼料自給率の向上にも繋がると考えられています。
日本の里山・田園風景が大きく変わるかもしれません![]()
この時期、ET研究所周辺では山菜がとれます。
今日は敷地内にてうどを収穫しました。![]()
牛たちの糞から出た養分で大きく育っているようです。![]()
調理方法、レシピを調べたところ、きんぴら、うどと牛肉のしぐれ煮などごはんの進むおかずになってくれそうです。
漢方では根茎を解熱・駆風・鎮痛などに用いるそうです。
ちなみに漢字では「独活」と書くそう。
独り身な自分にはなんだか似合う山菜だなと感じたのでした。
先日、爆発的噴火をした口永良部島。
「年単位」との専門家の見方も出る中、ふと、あることに疑問を抱きました。
「はて、この島には牛がいるのか?」
一時、島の外へ避難を余儀無くされた住民達ですが、飼育していた牛や豚達はどうなるのだろうか?
調べたら、やはりこの島にも牛が飼育されていました。
島内には四件の生産農家があり計60頭の牛が放牧されています。
放牧で自由に草を食べてしのげれるけど、長期避難で世話ができなければ親牛は痩せる。子牛も出荷の適齢期を過ぎてしまう。
牛が大きな資産となるこのご時世、県として、国として、島にいる牛への対策も講じるべきですね。
http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20150601k0000m040119000c&fm=rnk06
英国のレディング市では主に牛の排泄物から生成される
バイオメタンガスを燃料にして走っている運行バスがあります![]()
バイオメタンガスとは・・・家畜の糞尿などを密閉した容器に入れ、
空気に触れさせないで嫌気発酵をさせることにより、
メタン菌の働きでバイオガスと消化液になります![]()
バイオガスはメタンとCO2の混合ガスなので、燃料として使え、
消化液は即効性の液体肥料として化成肥料の変わりに使えるのです![]()
なんとエコなんでしょう![]()
話は戻りますが、そのバイオガスを燃料にしているバスが
走行試験で最高速度、時速129.9kmを記録したそうです![]()
一周のラップタイムで時速123.6kmだったそうですよ~![]()
ものすごいパワーですね![]()
通常の定期運行バスの記録としては最高速なんだそうです![]()
この結果によって、輸送用の持続可能燃料として、
バイオメタンガスや自然ガスが大きな価値を持つことが示されました![]()
ちなみにこのバスホルスタイン柄をしていて結構おしゃれな感じです↓

ナイタイ高原牧場レストハウスにて、女子会ランチをしました!
ご存じの方も多いと思いますが、ET研究所はナイタイ高原牧場のふもとにあるため、
たまに頂上のレストハウスでランチをします。
(…といっても私は今回初参加でした
)

私は焼きチーズカレー、先輩方はナイタイ和牛カルビバーガーと豚丼を食べました。
トロトロの牛すじ入りカレーがおいしかった~![]()
その他にも上士幌名物のナイタイ和牛を使ったハンバーグや牛丼などのメニューが盛りだくさん!!これは全制覇せねば…。

おだやかな青空の下、育成牛たちが草をはむ姿を眺めながらドライブした後のランチは格別です!

牛たちも幸せそうですね~![]()
たくさん食べて、丈夫な体をつくるんだ!!
緑が美しいこの季節、皆さまも美味しい食事と牛たちに癒されてみませんか??
「昼間分娩誘起ってなんで起こるんですか?」と後輩に尋ねられ、返答に窮してしまったので、少し勉強してみました。
昼間分娩誘起術とは、文字通り、分娩管理・新生子管理をラクにするために分娩を昼に引き起こす技術であり、方法は「分娩の2週間前から夜間のみ給餌し、翌朝全て残餌を除く」というものです。
思わず「ホントかよ」といってしまいそうですが、実際に80%以上の昼間分娩率を達成している報告がいくつもありました![]()
一体、どんなメカニズムで起こるのか気になるところですが、過去に検討した報告が一報見つかりました。
(日畜会報, 69(2):133-139, 1998 田中義信ら 酪農学園大学獣医学部)
この報告においては、夜間給餌群の昼間分娩達成率は64.3%であったのに対し、通常給餌群では51.9%であり、有意差は見られなかったそうです。一方で、妊娠後期に胎児の体重と共に増加し、分娩発来機構の起点である胎子副腎からのコルチゾールの分泌を促進しるPGE2の血漿濃度は、夜間給餌群においてのみ、夕方のPGE2濃度は増加しなかったそうです。
つまり、
朝の節食制限→夕方のPGE2濃度増加抑制→朝のPGE2濃度上昇→朝のコルチゾール分泌増加→昼間分娩
という流れで誘起されているのではないかと考察されておりました。
この他、節食の分娩前の体温変化や性ステロイドホルモンの合成への影響も気になるところです![]()
ET研に勤めていると牛の分娩に立ち会うことはあまりないのですが、久々に学生時代に分娩前の朝夕、直腸温を計って、分娩間近になるとモニターで監視し、いざとなったら介助に農場に向かっていた思い出がフラッシュバックしました![]()
北海道もめっきり暑くなってきました!![]()
屋外での作業には熱中症対策、日焼け対策のために帽子が必要ですね。
じつは精子くんも帽子をかぶっているんです。
先体と呼ばれています。
蛍光顕微鏡で分かりやすく帽子を染めてみました~
その写真がこちら。

赤色の精子頭部の上に緑のぼうしをかぶっているのが分かります。
この先体はヒアルロニダーゼとアクロシンと呼ばれる酵素が含まれている袋のようなものです。卵子の透明帯に結合すると先体反応が誘起され、先体からこれらの酵素を放出して透明帯を溶かし、卵子の中に進入、受精します。
受精にはこの帽子必要なんですね。![]()
英語ではアクロソームキャップと呼ばれているんですよ。やっぱり帽子なんだ。
今日は、農家さんの工夫シリーズです。
農家さんを回っていると、たまに「ほおおおお」と感心してしまう工作を見つけてしまうことがあります![]()
今回紹介させて頂く工夫は、鹿追の農家さんの牛舎で見つけた手作りの傑作です。
まずは下の写真をご覧ください。


①のフックをはずすと、自動的に紐が引っ張られ、フックは壁の端に収まります。
なぜフックが自動的に動くのかというと、④の鉄の柱の中に重しがあり、



①のフックを外すと、④の重しが重力で紐を引っ張ることで、②、③の滑車を伝ってフックは定位置に落ち着きます。
ので、紐は一度も弛むことなく、収納されるわけです。
牛が遊んでフックを外したとしても、②~④の滑車・重しが働くことで、紐やフックは床に散らばらずに、糞で汚れることなくちゃんと収納されるわけです。
この仕組みを見つけたときの感動といったら。。。
ほんと、あっぱれです。ピタゴラスイッチです。
しかも、牛舎のあちこちにこの仕組みが見受けられ、搾乳で牛を移動させる際に、この道具が大活躍しているみたいです。
まだまだ農家さんの工夫シリーズは今後も続きます。
結婚や出産で職を離れた女性獣医師が、再び現場に戻りやすいように、
農水省は今年度、女性獣医師の職場復帰を支援する取り組みを始めるそうです![]()
同省によると、獣医学部の学生の約半数は女性で、
働いている獣医師の中でも20代で45%、30代で47%を女性が占めているそうです![]()
その一方、結婚や出産、子育てのために離職する女性獣医師も多く、
技術面への不安などから復職に難しさを感じている人もいるみたいです![]()
特に、畜産業を支える産業動物獣医師は、地域によっては慢性的に不足しており、
女性獣医師が仕事を続けられる環境の整備が急務だと農水省はみているようです![]()
支援策の柱の一つは、再就職や職場復帰へのハードルを下げるため、
腕を鍛える仕組みの整備だそうです![]()
インターネットを利用して自宅で勉強出来るようにし、
家畜伝染病や飼養管理基準の教材も用意し、都道府県の家畜保健衛生所で、
検査や診療の技術研修も出来るようにする考えみたいですね![]()
他にも獣医師を目指す学生に向けては、生産現場で活躍を続ける
女性獣医師の体験を紹介するセミナーや職場体験を開き、不安を除くことで
産業動物獣医師を目指してもらう狙いだそうです![]()
ET研でも女性獣医師活躍しておりますよ~![]()


今日もお仕事頑張っておりました~![]()
現場に研究に大活躍です![]()
頑張れ
女性獣医師![]()

これは何の写真でしょう?![]()
いくら?ゼリー??いやいや,ちがいます。
これはなんと!牛の卵胞です!!![]()
卵巣の中に埋もれている卵胞を切り出し,丁寧にトリミングして余分な組織をはがしたところ,
こんなに美しい卵胞を取り出すことができました![]()
![]()
右の卵胞は表面に血管が多く,さかんに性ホルモン産生を行っている元気な卵胞です。
左は…残念ながら死にゆく卵胞だと思われます。
これらの卵胞を破ってみたところ,卵胞液とともに卵子が出てきました。
こんなに美しい球の中に生命の源が眠っていると思うと,なんだか不思議な気分になりました。
日々研究を行っていても,生命現象は分からないことや理解できないことだらけです。
とてつもなく複雑な体の仕組みについて考えていると,もしかしたら神様は本当にいるんじゃないかなぁ,なんて思ってしまいます。
少しでも牛の繁殖能力を上げられるよう,神頼み…ではなく頑張ります!!![]()
産業技術総合研究所は、牛の霜降り具合が生きたままでも分かる技術を開発したそうです![]()
プロトン核磁気共鳴スキャナという、MRIのような技術を用いて、脂肪組織中の脂肪分子と筋肉組織中の水分子を識別することで、水分量から筋肉量を推定、肉用牛の定量的な脂肪交雑の計測を可能としたそうです。
ただ、現在は、ロース芯は深すぎて判定ができず、それよりも浅い僧坊筋による判定が可能なようです。
牛以外の動物や、筋炎などの臨床応用も視野に入れているそうです。
肉質の生体評価が主流となる時代が来るかもしれません![]()
○の中には何が入るでしょうか?![]()
今日はETではありません。EX牛の話ですよ〜
EX牛とは体型得点90点以上(エクセレント)の牛のことです。
乳牛の審査は、体の各部位の機能性を評価することにより、その牛が生涯にわたって高い泌乳能力を発揮できるか否かを判定する唯一の手法です。
外貌と骨格、肢蹄、乳用強健性、乳器の4項目を評価し、審査標準を具体的に示した標準体型と実際の牛と比較、計算により決定得点をだします。
乳牛を飼う人にとってEX牛を出すことは大きな夢なんだそう!
昭和11年に日本ではじめてのEX牛が出てから平成10年までの間に2700頭がEX牛になったそうです。
すごく少なくてびっくり![]()
写真を見てみると本当に美しい牛たちです。![]()
脚はすらっとしてるのに、おっぱいは大きく美しいのでした。
いつか間近でお目にかかりたいです![]()
平成29年に宮城県で行われる和牛のオリンピック、宮城全共の情報です!!
【イベントテーマ】
感謝と美味しさ牛(ぎゅー)ッと込めて 和牛の祭典 2017 in みやぎ
イメージキャラクターのデザインが決まったみたいです!
さらには、なんと!!
名前を募集中!!

↑伊達政宗感、ハンパないっす。
正宗ぎゅぅ~、牛もおだて(伊達)りゃ、サシ入る、とな。
orz、すみません。
ぜひぜひ、みなさん、応募しましょう!
といいたいとこですが、応募できる人は、宮城県在住の人限定みたいです。
最優秀の人には、賞金2万円と、仙台牛1kgらしいですよ。
そういや、鹿児島でも、昔、経済連から黒毛のキャラクターの名前を募集してましたよね。↓

今や、ギュージンガーブラックという、イケてる名前をつけられてる彼です。
が、彼が無名だった頃、名前募集中だった彼の名付け親にならんがごとく、迷わず応募した学生時代の私。
その名も
「セクシーブル」
理由は、体つきもセクシーなオス牛だから。
見事に落選したセクシーブルという名は、参加賞のクリアファイルと共に、闇に葬られていきました。
卵子のもとになる細胞を卵巣から取り出し、その一部を本人に移植して質を改善した結果、
不妊に悩むカナダ在住の女性が男児を出産したと、
米国を拠点に不妊治療クリニックに技術提供しているオバ・サイエンス社が発表しました![]()
卵子の質に問題があり、不妊治療を続けてきた女性の卵巣から
卵子の元になる細胞を採取し、細胞の中でエネルギーを作り出す
ミトコンドリアを取り出しました![]()
ミトコンドリアをその女性の発育不良の卵子に移植したところ、
女性は妊娠し、男児1人を出産したそうです![]()
でも、若い健康な女性などに移植をするなら分かるのですが、
どうして不妊に悩む女性が、自分自身へ移植を行うことで
このような結果がでたのでしょう???
不思議です![]()
埼玉医科大教授によれば、科学的に検証できる材料が乏しく、
評価は時期尚早だと指摘しているそうです![]()
普段私たちがウシに与えている飼料がどのようにして作られるのか、
知っていますか?
先日、本所の研修に参加して、飼料原料の購入から製品化までの過程について学んできました。
まず、飼料の主な原料であるトウモロコシは、ほとんどがアメリカから
輸入されています。
北海道にいると、自家製デントコーンの使用が当たり前のように感じますが、
実は日本はトウモロコシの輸入量が世界一なんですね。![]()
アメリカ中西部のコーンベルトと呼ばれる地域で作られたトウモロコシは、
巨大ないかだに乗せられてミシシッピ川を下り、河口のニューオリンズで
輸送船に積み込まれた後、パナマ運河を通って日本へとやってきます。
日本に到着したトウモロコシは病原害虫などの検疫を受けた後、
港に建設されたサイロに貯蔵され、さらに併設の飼料工場で配合飼料へと
加工されます。
私は今回茨城県の鹿島港を見学してきたのですが、
海沿いに巨大なサイロと輸送船が並ぶ姿に圧倒されました。
乗せていただいた船には、なんと1万トンものトウモロコシが積まれて
いるとのこと!
一体ウシにとって何十年分の食料になるのでしょうか…![]()
ウシたちには、長い長い旅をして作られた飼料をたくさん食べて、
元気に過ごしてもらいたいものですね![]()
最近読んだ論文を簡単に紹介します。
題:排卵後12日目における副黄体誘起は高泌乳牛において黄体退行を遅延させうる
原題: The Induction of a Secondary Corpus Luteum on Day 12 Post-Ovulation can Delay the Time of Luteolysis in High-Producing Holstein Cows
ジャーナル:Reproduction in Domestic Animals 49, 920–925 (2014)
著者:Dizier ら (フランス)
緒言:
・高泌乳牛では黄体が早期に退行することが多い
・その対処法として、AI後12日目にプロジェステロン(P4)徐放剤を挿入することで、早期胚死滅が防げたという報告もある一方、同様の手法で上手くいかなかったという報告もある。
・発情後Day5-7 日でhCGやGnRH投与で副黄体を誘起する方法もあるが、その場合形成された黄体は、元々あった黄体の退行に伴い退行することが見られる。
・より遅い時期に副黄体を誘起するために、排卵後12日目にhCGを投与し、副黄体の形成とP4産生について調査を行った。
結果
・hCGを投与した27頭のうち、20頭がhCGに反応、排卵し、副黄体が形成された。
・副黄体が形成された群は、形成されなかった群に対し、胚の着床期にあたる排卵後Day14-16における血中P4濃度が高くなった。
コメント
本報においては、受胎率についての検証はなされていませんが、過去には受精後11-14日でGnRH類縁体を投与することにより受胎率の向上が見られた報告もあるようです![]()
先週あたりからナイタイ高原でも放牧はじまりました!
牧草のなかでのんびりしている牛たちを見ると気持ちがいいもんです。![]()
が!
放牧には危険もあります![]()
ピロプラズマ病というダニが媒介する病気や、有毒な植物、落ちている金属など。
意外にもわたしたちの大好きな山菜のわらびは牛には有毒なんです。![]()
牛が食べると急性ワラビ中毒症として白血球や血小板の減少や出血などの骨髄障害、あるいは慢性血尿症が発生し、膀胱に腫瘍ができる場合があります。
今時期、北海道ではわらびがシーズン。牛たち食べてないかな・・・と心配しております。
あく抜きしないと美味しくないよ!
ちなみに、放牧期間が長い牛は食べなくなるそうです。
様々な細胞や組織に変化する能力を持つヒトの胚性幹細胞(ES細胞)や
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使用して、
傷ついた体の組織を修復する治療法の研究が行われておりますが、
やはりヒトの臓器を体外で作るのは難しいとされています![]()
しかし、英科学雑誌nature電子版にヒトのES細胞やiPS細胞に、
マウス受精卵と混じり合って変化、増殖する能力を持たせることに
近畿大農学部の研究チームが成功したと発表されました![]()
これまでヒトのES細胞やiPS細胞は、マウス受精卵に移植しても
増殖や分化はしないとされていましたが、
「Wnt抑制剤」という化合物を加えるなどの新たな方法でヒトのES細胞を培養し、
着床後のマウス受精卵に注入すると下半身に成長する部位に定着し、
神経や筋肉などの元となる細胞に分化したそうです![]()
iPS細胞も同様に増殖がみられたそうです![]()
この研究は将来、ブタなどの動物の体内で人間の臓器を作り、
臓器移植に使う研究に応用できる可能性がありますね![]()
国内では現在、倫理上の問題からヒトの細胞を導入して
動物の子を作ることは禁じられています![]()
すぐに実用化に結びつくものではないですが、
ヒトの発生の仕組み解明にも期待がされる研究です![]()
今日の作業でみた双子の子牛です![]()
![]()

さてその血統は何でしょう?
答えはコメントを参照してみてください![]()
ゴールデンウィークを利用して、住まいのある北十勝から南十勝の広尾町を抜け、海岸沿いを通って襟裳岬に立ち寄った後、そのまま日高地方までドライブしてきました![]()
草地に牛が放されている光景は十勝でもよく見受けられるのですが、日高地方はサラブレットの産地であり、だだっ広い草地に馬が贅沢に放されておりました。
一方で、時折牛、特に肉用牛の姿を見かけることもありました。
日高地方におけるサラブレットの飼養頭数は全道の実に80%を占めるそうですが、近年では軽種馬経営からの複合・転換により、肉用牛の使用等数も増加しているそうです(ひだかの農業2013:北海道日高振興局産業振興部農務課)

↑牛のバックにサラブレットが見えます。
先日のブログの記事にてホルスタインとブラウンスイスの交雑種(ホルブラ)についての紹介がありましたが、亜熱帯気候のエジプトにおける報告で、ホルブラの暑熱期における家畜としてのポテンシャルの高さを垣間見ることができるものがありましたのでご紹介いたします。
原題:Reproductive performance of Brown Swiss, Holstein and their crosses under subtropical environmental conditions(和訳:ブラウンスイス、ホルスタインおよびそれらの交雑種の亜熱帯環境下における繁殖能力)
出典:Theriogenology (article in press)
著者:Mahmoud S ら (ザガジグ大学、エジプト)
要約:
ブラウンスイス種(BS)、ホルスタイン種(HO)、ホルブラ(F1)、ホルブラにホルスタイン種を戻し交配した種(BC)の受胎性、産乳性などについて比較しております。
受胎率は下の表の通り、BSとF1がHOとBCより有意に高く、F1は比較的不快指数が高い時期でも受胎率が低下しないことが分かります。また、F1の乳量はHOおよびBCと変わりません。
文献中では、F1はHOやBCと比べて早期胚死滅や子宮炎の発生頻度も低いことも示されておりました。
a,b: 同行数値と有意差あり
x、y:同列数値と有意差あり
暑熱期でも高い受胎性が期待でき、乳量もホルスタイン種と遜色ないホルブラは、かなり利用価値が高いと感じました
一方戻し交配した品種の受胎成績は今ひとつだったので、もし導入を検討されるのなら、空いた腹に全農を受精卵を植えて頂ければ・・・と思います(笑)


そんな4月25日、待ちに待ったナイタイ高原牧場レストハウスOPENしました~![]()
冬季閉鎖中だったゲートが開き、展望台まで行けるようになりました。![]()
まだ放牧は始まっていません。(まだ牧草がね、生えてないです。
)
27日の帯広は4月なのに夏日!30度近くもあったようで、これから牧草も伸びてくるでしょう![]()
中国の研究チームは、ヒトの受精卵を使って、
遺伝性の病気に関係する遺伝子を改変したとする論文を
オンラインの学術誌「protein and cell」に発表しました![]()
ヒト受精卵を使った遺伝子改変の報告例は世界で始めてとみられております![]()
研究チームは不妊治療クリニックから得たヒトの受精卵を使用して
近年急速に普及している「ゲノム編集技術」を使い、
遺伝性血液疾患であるベータサラセミア(地中海性貧血症)の原因となる
遺伝子の操作を試みたそうです。
実験では86個の受精卵を使用したところ、48時間後に生存したのは71個、
このうちの28個で狙った遺伝子の改変を確認出来た一方、
目的外の遺伝子を改変してしまったケースもあり、
臨床応用にはさらなる検証が必要と結論付けました。
この研究によって懸念されることは、
デザイナーベビー(親の望む外見や知力などを持たせるよう設計された赤ん坊)誕生の
時代の到来につながりかねないことです![]()
この結果はnatureやscience誌にも投稿したのですが、
いずれも倫理的な反対で却下されたそうです![]()
こんな問題の多い論文が掲載されたことに驚きですね![]()
重複外子宮口とは、外子宮口が2つあるものを言います。中腎傍管の融合不全が原因と考えられており、牛では0.2~2%程度みられる珍しい症例です。
実は今日伺った農家さんでこの症例に当たりました。


そろそろゴールデンウィークですね![]()
ET研は基本的に月、水、金曜日に採卵を行っており、採卵予定のドナーの人工授精はその一週間前に行っているのですが、来週の水曜日は「昭和の日」でお休み、ということで、採卵日が30日木曜日にずれこんだため、不定期ながら午前午後と人工授精業務が入りました。
それに加え和牛の移動や発情同期化処置など、木曜日に普段行っている業務もあるため朝からかなり逼迫したスケジュールとなりました![]()
牛相手に休み無く働いていらっしゃる酪農・畜産農家の方々を相手に仕事をしておりますと、連休をいただくのも恐縮ではあるのですが、牛も人も一休みして受精卵をたくさん生産できるよう頑張ります![]()
本日、移植で伺った農家さんで飼われている牛で、一頭、ん?ホルなの?F1なの?黒毛なの?と首を傾げる牛がいました![]()



黒毛×F1にしては、体毛がコーヒー色っぽい。
足や頭部が白い模様は、F1ぽい。
尻尾の毛並みが直毛のようで、ホルの尻尾みたいに巻いている。
答えは、ホルスタイン×ブラウンスイスのF1、通称「ホルブラ」です。
私はホルブラを見るのが初めてで、思わず写真を撮ってしまいました![]()
だけど、ホルブラって実はすごいんです。調べてみると、色々と良いことが判明しました。
・暑熱に強い
・産乳量が多い
・平均授精回数が少ない
・粗飼料高肥育が望める
などなど。。。さすが交雑種。
ブラウンスイスについても、蹄病に強い、乳脂肪分が高い、など、様々な利点があります。
ということは、ホルブラの交雑種を作ることで、二つの種の利点を合わせ持つ牛である上に、
日本酪農の二大疾病である、蹄病と乳房炎はホルブラで解決できるのでは!?とちょっと疑問に思いました。
このブログを読まれている方、分かる方がいらっしゃったら初心者である私に、教えてください
ホルブラは、果たして蹄病と乳房炎に強いのでしょうか?
だとしたら、ホルブラって、まじですげぇやつなんじゃ!?
4/15に国際宇宙ステーションに向けて、民間宇宙企業スペースX社の
「ドラゴン補給船」を搭載したロケット「ファルコン9」が打ち上げられました![]()
補給船には、宇宙での長期滞在が動物に与える発ガン性リスクなどを調べるため、
マウスの凍結受精卵が載せられています![]()
遺伝的に放射線感受性の高いマウス、ガンになりやすいマウスの他、
遺伝子突然変異解析用マウスなど様々なタイプの受精卵を載せています![]()
この受精卵を日本の実験棟「きぼう」で約6ヶ月間冷凍保存し、
その後地上に戻して受精卵を発生させ、宇宙放射線被ばくによる個体発生、
発生後の寿命や発ガンおよび遺伝子変異への影響を調査するそうです![]()
この試験は、将来の月面や小惑星などでの滞在を見据えて宇宙環境における
放射線防護のための基礎データを提供し、
リスク評価や防護基準の対策に貢献するのだそうです![]()
このような分野にマウスの受精卵が活用されているのですねぇ~![]()
これはマウス凍結受精卵を用いた世界初の宇宙実験なんだそうですよ![]()
初の試みで貴重なデータが取れそうですね![]()
「ミオスタチン欠損変異」を持つ血統を知らないか?と尋ねられました。
聞き覚えのない単語ですが、巷では「ダブルマッスル」と呼ばれているそうです。
ダブルマッスルは、筋肉の成長を妨げる「ミオスタチン」と呼ばれるタンパク質が突然変異により生成されなくなることにより起こり、ヒトでは5歳でダンベル3kgを軽々と持ち上げたり、幼児なのに腹筋が6つに割れていたりする・・・。なんてこともあるようです。
和牛では日本短角種において報告されているそうですが、黒毛和種でも見つかれば、「究極の増体系」の血統がつくれるかもしれません![]()