2014年11月 5日 (水)

ラッキーセブン

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写真の牛は、ペンシルベニア州のピッツバーグ・スティーラーズにある「Vale Wood Farms」で生まれた「ベン」です。taurus
アメフトの選手「ベン・ロスリスバーガ」から名づけられ彼の背番号は「ラッキーセブン」なんだそう。

幸運を運んできてくれそうですね。shine
牛では耳標管理が普通ですが、耳がねてると見にくいですよね。wobbly
額の模様が番号なら、個体確認が簡単で作業がはかどりそう!って思いました。rock

写真:http://www.dailymail.co.uk/news/article-2771662/Adorable-baby-calf-born-NUMBER-SEVEN-head-named-Big-Ben-honor-Pittsburgh-Steelers-quarterback-Ben-Ben-Roethlisberger-wears-number-seven-jersey.html

2014年11月 4日 (火)

負けないで、もう少し

先日、11月2日に開催された、帯広フードバレーマラソン。


ET研究所からも、女子職員3名と、研究室長1名、計4名参加しました!

たかがハーフ、されどハーフ。
苦難の連続でした、ハーフマラソン。


ここで実況中継、失礼します。


フードバレー、走られた方、ぜひ一つでも「分かるー」てのがあったら、いいね!ボタンお願いします。


走られてない方、本日のブログ、スルーしてください。

スタート地点。
いつの間にかスタートのホイッスルが鳴った。


2km地点。まだまだ余裕。周りもお喋りしながら走ってる。

5km地点。喉が渇くが、給水所がない。


6km地点。給水所がない。


7km地点。ZARDの「負けないで」が聞こえてくる。

と、同時に思わず道端に目を奪われた。
チアガールだ。
若い女の子たちが私達のために寒い中、ミニスカで踊ってくれてる。


ここで、一気にペースアップしたのは決して私だけではないはずだ。


8km地点。これが噂の心臓破りの帯広の森への坂道かぁ。

心が折れそうになった時、ちょうど折り返してきたトップのランナーとすれ違う。

彼らの筋肉隆々の足と腕を見て惚れ惚れしつつ、ちょっとだけペースアップ。

10km地点。やっと折り返し。。。

かと思いきや、なんかグネグネした道を走って、なかなか先が見えないコースへ。。。


12km地点。やっと下り坂。
この時、リタイアした人たち専用の回収バスとすれ違い、中に約2名のランナーが乗っていた。

バスに乗りたくない。あのバスには乗りたくない。。。

14km地点。行きで見たチアガールと再び再開!
負けない、もう少し、最後まで走り抜けてみせる!

15km地点。やっとの給水所。
…と思ったら、熱々のスープカレー!!死ぬかと思った。


16km地点。そろそろ走ることに飽き始める。足も痛み始める。


18km地点。ランナーズハイ突入。体中が麻痺し始め、気持ち良くなってきた。

20km地点。残り1kmが長くて長くて長くて仕方ない。苦しい。


21km、ゴーーールーーー!!
誰か私を抱きしめて!!!
…と言いたいとこだが、そんな人もおらず、トボトボと休憩ベンチへ。。。

だが、この達成感は半端ないです。
あんな苦しかったのに、もう一度走りたいって思うのは、人間がMにできてるからですかね?

ありがとう!応援してくださった方々!
ありがとう!チアガール!!


Image



2014年11月 3日 (月)

卵子の成熟チェック

先週は受精率チェックのお話をしましたが、

同じ染色方法で卵子の成熟度のチェックもできるんですよ~eye

体外受精の場合未成熟な卵子を卵巣から吸引採取するので、

体外で卵子を成熟させるための培養が必要となります。

成熟培養終了後に卵子を染色するとこのように見えますdownwardleft

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画像が非常に見づらくてすいません・・・bearing

卵子が成熟しているとこのように卵子の核(画像真ん中あたりの赤丸)と

第1極体(画像下の赤丸)が観察されます。

この状態であれば受精可能ですgood

うまく成熟できていない卵子はこんな感じで観察されますdownwardleft

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第1極体が卵子内に認められず、核しか観察できませんでした。

体外受精で胚を作出する場合には、最初の関門が成熟培養になりますdash

ここでより多くの卵子を成熟させることができれば、

体外受精による胚の生産率アップにつながるかもしれませんthink

2014年11月 1日 (土)

短角途中経過

以前も記事にしましたが、ET研究所には現在15頭の日本短角種牛がいます。
彼女らの現在の繁殖状況ですが、20ヶ月齢前後でうち10頭ほどが無事受胎を確認でき残り数頭は鑑定待ちの状態ですshine
先日までは待てど暮らせど発情が見えずどうなるものかと思いましたが少し安心しましたhappy01

実は途中で夜間の放牧を実施したのですが、これが功を奏したのか発情を見せるものもちらほら。そうでなくとも生殖器の発育が進み、ホルモン剤での定時ETが可能になりなんとか受胎させることができました。

感想ですが、やはり短角種に適応した使用管理の検討が必要であると思いました。
一般に言われる放牧での繁殖適期よりも今回は遅くなってしまった印象ですのでこの点の改善がポイントになりそうですflair
しかし、一旦発育してしまえば受胎性は黒毛やホルスタイン以上のものがあると感じますので、非常に面白い試験テーマになりそうです。

次年度以降は不明ですが、残りも早く受胎させたいですねhappy01

2014年10月30日 (木)

eCGの使い道:その④(最終回)

 さて、本日は4週にわたりお送りしてきた「eCG(ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン)」の使途についての紹介の最終回ですweep

 本日は、より臨床での応用が期待できる、「eCGの定時人工授精プロトコルへの適応」についての適応についてご紹介していきますeye

原著:Use of Equine Chorionic Gonadotropin to Control Reproduction of the Dairy Cow: A Review

著者:F De Rensis and F López-Gatius

出典 Reproduction in Domestic Animals Vol 49, 2,  177-182

・GnRH、PGF2α、E2等のホルモン剤を使用して、定時人工授精(FTAI)が行われているが、栄養状態が制限された状況や、分娩後早期、低BCS、暑熱ストレス、無発情牛においては、FTAIの成績は安定しないことが多い。

・一方、eCGのLHおよびFSH双方の作用により、上記のネガティブファクターがある中で、FTAI成績が向上した報告がある。

・Souza et al. (2009)・・・低BCS牛で大幅に受胎率向上

1・Gracia-Ispierto et al. (2013)・・・無発情牛を対象に試験

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*: 有意差あり

・一方、BCSが低い牛の割合が少ない牛群では、eCGを用いたプロトコルにより成績が向上しなかったという報告もある (Ferreira et al. 2013)

・eCG投与でにより双胎が増え、プロジェステロン除法剤の留置により増える傾向があるが、5日間留置の場合は9日留置の場合よりも双胎を減らすことができる。

→結論として、eCG投与を組み込んだプロトコルは無発情や低栄養状態において良好な成績を発揮しうる。

・・・以上、暫くの間お付き合いいただきましたが、お役に立てそうな情報はありましたでしょうか?

なかなか牛の状態が良くならず、繁殖でもお困りな状況にある方は、活用されるのも一つの手かと思いますsmile

2014年10月29日 (水)

ふゆじたく

昨日、ET研では初雪が降りました。
もうそんな季節なんですね。

牛舎も冬支度。house
カーテンつけましたよ。

Image

2014年10月28日 (火)

徒然なるままに

とうとう、雪が降りましたねeye

昨日まで20度近くあったのが、まるで夢みたいです。

北海道の紅葉は、炎のように一瞬に色づき、そして枯れてゆきます。

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青と黄色と赤のコントラストが素敵です。


道を走ってると、たんちょうも見かけます。
最近は十勝でもタンチョウがよく見られるようになりました。

この日は通りがかった畑でタンチョウを見つけカメラを向けました。

刈り込みの終わった畑の落ち穂でも食べているのでしょうね。


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雪が降ったら、このたんちょう達はどこへ行くのでしょう?
このまま、十勝で冬越えするのでしょうか?


以上、北海道へ来て、感動したモノたちを徒然なるままに挙げてみました。

2014年10月27日 (月)

受精のチェック

受精卵を得るためには、成熟し受精能を獲得した精子と、

細胞質と核(染色体)がきちんと成熟している卵子が必要になってきますflair

成熟期に達した卵子に精子が侵入すると、

精子の核(雄性前核)と卵子の核(雌性前核)が形成されますtoilet

この2つの前核が卵子の中に確認することが出来れば正常な受精をしています。

Photo
少し写真が見づらいかもしれませんが、赤い丸で示した部分が前核になりますupwardleft

この受精卵の中には2つ確認できるので、正常に受精していることが分かります。

中には多前核形成(卵子内に3つ以上の前核が確認できる)のものもあります。

通常、受精の過程で1個の精子が卵子に侵入すると、

2個目以降の精子の侵入を防ぐ反応が起こるのですが、

卵子が未成熟であったり、老化により質が低下している場合に

2個以上の精子が侵入してしまう場合がありますwobbly

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この写真の受精卵には4つの前核が確認できますupwardleft

異常な受精が起こっていることが分かります。

このように受精後の卵子を染色することによって受精率をチェックすることができます。

精子によって精子侵入率や多精子受精率などが違うので

精子の能力の評価なんかに使えますよ~note

2014年10月24日 (金)

牛の体温は?

突然ですが、牛の体温がどの程度か皆さんご存知でしょうか?
教科書的には正常な成牛の体温(直腸温)は37.8~39.2℃とされています(獣医内科学 大動物偏より)taurus
これは牛によって常に一定なのでしょうか。いえそんなことはありません。
過去の報告ですが、牛の体温に影響する環境要因を調べています(柏村文郎 1995 http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/cgi-bin/gazo.cgi?no=212326)。
報告によると牛の体温は朝8時がもっとも低くなるそうで、その後は寝たり立ったりで体温が上昇、下降を繰り返すそうですrecycle
ほかにも飲水などによって体温は一時的に下がるそうですが、牛くらいの体の大きさになると立っているだけでどんどん体から熱が逃げていくそうですwobbly

最近は気温もマイナスを記録し始めていますので牛にコールドストレスを与えないためにも長時間牛を立たせたまま捕獲しないようにする、よく牛が寝れるように床の状態をよくするなどの工夫が必要なんですねflair

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寒いときは縮こまって寝るのが一番ですcat

2014年10月23日 (木)

eCGの使い道:その③

「eCG(ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン)」の使途についての紹介の③回目ですsun

本日は「eCG処置の卵胞と黄体における性ステロイドホルモン合成に及ぼす影響」について紹介いたしますeye

原著:Use of Equine Chorionic Gonadotropin to Control Reproduction of the Dairy Cow: A Review

著者:F De Rensis and F López-Gatius

出典 Reproduction in Domestic Animals Vol 49, 2,  177-182

・eCGは顆粒層細胞と卵胞膜細胞におけるエストロジェン (E2) およびプロジェステロン(P4) 分泌を促進する。

 ・卵胞期では、E2産生促進による正のフィードバックにより、排卵前のLHサージに作用する。

 ・分娩後14日目の乳牛においても、eCG 750 IU投与により、無投与よりE2産生が促進される。

 ・発情から7日目の黄体期に投与すると、黄体の成長が促進され、血中P4濃度の上昇が、無投与の場合より2日程度早まる。一方、黄体の大きさ自体には影響しないことから、機能性の黄体細胞の比率および機能の増加が生じるのだと考えられる。

・排卵前のeCG投与もP4濃度を増加させる。これは、eCGが顆粒層細胞・卵胞膜細胞の双方に働き、卵胞を増大させ、黄体も増大させることによると考えられる。

 →結論として、eCG投与は黄体に直接働きP4産生を促進するのみならず、排卵前の卵胞に働き、卵胞機能およびサイズを増大させることで、黄体発育を促進し、P4産生を促進する。

 ・・・排卵前および、黄体形成後もP4分泌を向上させる、とういことは即ちAIでもETでも応用できる可能性があるなぁと感じましたhappy01

 次回はいよいよ最終回!!「eCGの定時人工授精プロトコルへの適応」についてですup

2014年10月22日 (水)

去勢

本日は論文の紹介をしたいと思います。moon3
肉牛には避けて通れない去勢に関する論文です。hairsalon
 
原題:Intratesticular hypertonic sodium chloride solution treatment as a method of chemical castration in cattle.
Olmiro Andrade Neto
Theriogenology 82(2014) 1007‐1011
(高張塩化ナトリウム溶液を精巣内に注入する化学去勢の方法)

去勢の方法にはメジャーなものとして精巣をゴムリングで締め付け自然脱落させる方法や、器具で精巣ごと精管をはさんで挫滅させるバルザック法、切開し睾丸を摘出する方法などなります。
しかし、感染を引き起こし経済的な損失につながる、ウシのトラウマになったりするようです。weep
今回の論文では高張塩化ナトリウム溶液(20%)を精巣内に注入する(ITI)化学去勢方法の有効性を調べています。

40頭のオス子牛を用いて5区に分けて実験を行いました。
・生まれてすぐ外科的に去勢した牛(NC)
・なにもしてない牛(PC)
・生後1日から5日にITIした牛(G1)
・生後15日から20日にITIした牛(G2)
・生後25日から30日にITIした牛(G3)

結果として、
G1とG2では生後12ヶ月のテストステロンの分泌と精巣の発達を著しく損ないました。
繁殖健常性を評価している間精巣構造と精子細胞は観察されませんでした。
結論として、
生後20日までに20%塩化ナトリウム溶液を精巣内に注入する化学去勢方法により不妊となり、テストステロンの分泌も抑制されることが分かりました。

簡単で安価な方法なので現場への応用が期待されます!sagittarius


2014年10月20日 (月)

なんだこれは!

突然ですが、今日はET研の敷地内で変わったクモを見つけましたcoldsweats02

こんなクモを見たのは初めてでしたし、最初見たときは衝撃的でした・・・

画像載せてます↓

クモ嫌いの方はすいません・・・

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女性陣はこの毒々しいクモを見て「きゃぁきゃぁ」言っておりました(笑)

柄や色が奇抜な虫って気持ち悪いですよね~bearing

ちなみにこのクモはコガネグモ科のキバナオニグモというクモらしいです。

平地の草原や林縁に生息していて、北方系のクモだそうです。

本州には高地に生息するらしいのですが極めて稀なんだそうです。

(青森県、下北半島の一例のみだそうです)

腹部は鮮やかな黄白色に黒の奇妙な模様があるのが特徴で、

この模様は個体によって変異があり、

腹部後部中央に大きな黒斑をもつ「アトグロ型」と呼ばれるものも存在するようです。

ちなみにET研で見つけたクモはアトグロ型ではないみたいですねeye

調べていると、どうやらこのクモはメスっぽいですねvirgo

お腹がかなり大きいので産卵を控えているのかもしれません・・・

ところで、クモに異常に恐怖心を抱くクモ恐怖症のことを

「アラクノフォビア」と言うらしいです。

高所恐怖症、閉所恐怖症などは聞いたことがありますが、初耳ですear

クモがいそうな場所にいたり、目に見えるクモの存在(クモの巣など)を見ると

落ち着かなくなってクモを見るとパニックに陥ってしまうそうですね。

そしてこのアラクノフォビアという題の映画があるそうで、

製作総指揮をとったのは、あのスティーヴン・スピルバーグだそうですcatface

新種の毒グモに襲撃された町を舞台に、クモ恐怖症の医師達がそれに立ち向かう

という内容だそうですよwink

今日は何だか1匹のクモを調べていたら色々話が広がってしまいましたcoldsweats01

それではクモの話題はこの辺で・・・paper

2014年10月17日 (金)

マウイファミリーのご紹介

昨日、優良ホルスタイン受精卵のリストを更新いたしましたので、

ぜひご一読をsign01

ET研ホームページは → こちらより

本日ご紹介させていただく受精卵は、

あのミス マーク マウイを曾祖母に持つ

「セジス ビユーテイ エルトン ダンデイー マウイ」に、

「アトウッド(7HO10506)」

を掛け合わせた受精卵です。通常の精液で作成しています。

本牛は、未経産ミドルクラス、経産牛シニアクラスでオールニッポンに選ばれております。

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 他にも娘の写真などもリーフレットに載っておりますので、

ちょっとでも興味のあるかたはぜひご覧になってください。

(リーフレットは、こちらより。PDFです。)

 

 

 

 

 

2014年10月16日 (木)

eCGの使い道:その②

先週から、木曜日に最近出た総説を元に、FSH作用、LH作用双方の作用を持ち、ウマではLH作用が強く、ウマ以外の動物ではFSH作用が強いことでしられるホルモン「eCG(ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン)」の使途について紹介していますhappy01

今回はeCG投与の卵巣上の卵胞への反応についてご紹介します。

原著:Use of Equine Chorionic Gonadotropin to Control Reproduction of the Dairy Cow: A Review

著者:F De Rensis and F López-Gatius

出典 Reproduction in Domestic Animals Vol 49, 2,  177-182

・eCGの投与により、5mm以下の小さな卵胞が動員され、発育率が増加するとともに、中~大サイズ(6-9mm)の卵胞発育も継続されることで、結果として退行する卵胞を減らすことができるという多数の報告がある一方、高用量を投与したとしても効果が無かったという報告もあり、これらより、eCGの投与効果は、投与量および投与する牛の発情周期に左右されると考えられる。

 ・一般的には高用量で卵胞発育が著しく促進されると考えられているが、発情周期の9-12(1st  wave退行期に当たる)に投与を開始すると、効果が無かったという報告がある。

 ・分娩後14日目に投与すると、無投与の場合妊娠角側の卵胞発育が妨げられ、反対角よりも小さくなるが、eCG 250 IUまたは750 IUを投与すると、卵胞発育が促進され、卵胞サイズが両角で変わらなくなる。

 ・分娩後6日目にeCG 500 IUを投与すると、初回排卵が早まるとともに、発情周期の回復も早まる。

 ・eCGの投与は、排卵を促進し、取り分け分娩後早期や、低BCS、長期の無発情やヒートストレス下など、ネガテイブファクターがある状況下で有効であると考えられる。

→結論として、eCG投与は排卵前と排卵時の内分泌機構に影響を与えるのではなく、一般的には主席卵胞の発育と排卵率を増加させると考えられる。

・・・激烈な反応がある印象が強いeCGですが、やはり卵胞発育ウェーブは無視することができないことを再認識いたしました。分娩後の卵巣機能回復や、種々のネガティブファクターがある状況下での効果等、臨床的な使用意義は色々とありそうだなぁと感じましたeye

次は「eCG処置の卵胞と黄体における性ステロイドホルモン合成に及ぼす影響」についてご紹介いたしますbleah

2014年10月15日 (水)

うしのふんから・・・

今年もノーベル賞の受賞者が決まりましたね。shine
日本人からは青色発行ダイオード(LED)の発明と実用化ということで3人の方がノーベル物理学賞を受賞されました。flair

みなさんはイグ・ノーベル賞というのをご存知でしょうか?eye

イグ・ノーベル(Ig Nobel)賞は「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられ、本物のノーベル賞受賞者を含むハーバード大やマサチューセッツ工科大の教授らが書類選考し「他の誰もやりそうにない、ユーモアと独自性を兼ね備えた研究や開発」に授与します。

おもしろい研究ばかりですが、ウシ関係の研究をみつけたので紹介します。

*2007年 イグ・ノーベル化学賞
ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究
山本麻由

 山本さんは国立国際医療センター研究所の研究員だった04年に今回受賞した抽出方法を開発しました。
牛糞1グラムに水4ミリリットルを加え200度で60分間加熱すると、1グラムあたり約50マイクログラム(マイクロは100万分の1)のバニリンが抽出できました。
 バニリンは樹木などの木質成分「リグニン」から生成するため、馬や山羊などの草食動物の排泄物も利用可能になるようです。
抽出コストはバニラ豆を原材料にする方法に比べ「およそ半分」になるようです。
シャンプーやロウソクの芳香添加物などの応用が考えられるそうです。(引用:毎日新聞)。


工業的には化学合成でさらに安く作ることができるようですが、牛糞の有効活用!
おもしろいdelicious


2014年10月14日 (火)

牛白血病の感染様式

地方病性牛白血病の原因ウイルスである、牛白血病ウイルス(BLV)は、ウイルスがリンパ球に感染し、リンパ腫を発症する疾病です。

感染様式は水平感染、垂直感染と感染様式が多様であることから、蔓延防止対策が困難であり、全国的に広がっています。

垂直感染(病原体が母から子へと感染する、いわゆる母子感染のこと)について一般的には感染率は数%と低いと言われていて、垂直感染に関する研究報告は少ないです。

平成25年に、BLVの垂直感染について調査した報告があったので、紹介させてください。


この報告内では、牛白血病に感染したホルスタイン種経産牛18頭の産子について調査を行っています。


検査方法として、抗体検査およびBLVウイルス遺伝子検査を実施。

結果、18頭中9頭の50%の産子で抗体及び遺伝子検査においてBLVの垂直感染が疑われました。
また、陽性初乳を給与した産子においてもBLVプロウイルス遺伝子を検出することにより垂直感染と診断。

また、感染母牛のプロウイルス量が、10,000/105 cell以上の場合は、感染母牛のプロウイルス量が100/105 cells 以下の産子と比べ垂直感染する可能性が考えられました。


以上のことから、牛白血病の清浄化対策として一般的な水平感染対策と合わせて、牛白血病の垂直感染対策として、プロウイルス量が多い感染母牛からの後継牛生産の中止及び陰性母牛からの陰性後継牛の確保などの交配計画の検討や、導入前の抗体検査等による陰性導入牛の確保などの対策が重要であることが、示唆されました。

引用元:日本獣医師会雑誌 Vol.67 No.10 2014「地方病性牛白血病における垂直感染状況の実態について」

2014年10月13日 (月)

最初が肝心

特殊なRNA(リボ核酸/時間が経つと分解して残らないため安全性が高いといわれています)を

使い、受精卵が細胞分裂する際の様子を3次元動画で観察し、

染色体異常の有無を見分ける方法を大阪大学の山縣特任准教授らが開発したそうですflair

特殊なRNAを受精卵に注入すると細胞内の染色体が光り、

細胞分裂時の染色体の動きを確認することができるようになりますeye

この技術を元に、不妊治療で余った受精卵を観察したところ、

70個の受精卵のうち、約26%が最初の分裂で染色体をうまく分けられませんでしたshock

特に36歳以上の女性患者の卵子にその比率が高く、

年齢と共に卵子が老化するという事実を裏付ける結果にもなったようですsign01

マウスでも同様の実験を行ったところ、最初の分裂で染色体異常を起こした受精卵は、

母体に移植しても流産していまうという結果になったそうですdown

ちなみにマウス受精卵にRNAを注入して子宮に戻したところ無事に出産したので、

RNA注入の影響ではないそうですねpaper

現在のところ、ヒトの受精卵に特殊なRNAを注入して

子宮に戻したという報告例はないそうですが、

この検査法でより流産しにくい受精卵を選び出すことができるのではと期待されていますshine

受精卵はかなり初期の段階でその後の運命が決められてしまっているのですねcoldsweats02

ET研ではと場由来の卵子を使って研究を行っておりますが、

卵巣がたくさんあるときは採取できた総卵子数が1000個以上になるときもありますfull

果たしてこの中で何%くらいの卵子が正常に卵割しているんでしょうかねthink

BSEが発生してからと殺場内に1日卵巣を保存しているのでその影響もありそうですねcoldsweats01

牛では、最初の卵割のときに割球が均等にきれいに分かれているかどうかで

染色体異常かどうか判断する方法も報告されておりますよ~taurus

効率よく受胎能の高い胚を選抜出来る可能性があるので

体外受精で移植を行う場合にはチェックをすると良いですねhappy01

2014年10月10日 (金)

牛の硬さと栄養

今日、10月10日の日本農業新聞からの情報です。
牛の栄養状態を把握するのに果物用の硬度計を用いる方法が宮崎県の畜産試験場で開発されたそうですflair

方法も簡単で、牛の腰部に硬度計を押し当てるだけだそうで、硬い場合は皮下脂肪が少なくやせ気味、柔らかければ脂肪が多く過肥気味になるそうですgood

この硬さは繁殖性とも関連するそうで、我々も採卵のドナー牛に応用できるかもと思ってしまいます。

ちなみに果物用では先端が尖っており、牛が痛がるそうなので牛専用の硬度計が今後発売になるそうですshine

ちなみに果物用のお値段が2万円~のようなので少し高級品になりそうですね。

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↑ちなみに果物用はこんなのです。

2014年10月 9日 (木)

eCGの使い道:その①

 eCGといえば、馬の子宮内膜胚(胎盤の一部)から生産され、馬でLH作用、他の動物ではFSH作用を強く示すホルモンとして、多くの方がご存知かと思います。

 過去には過剰排卵処理によく用いられていましたが、半減期が長いため、発情後も卵胞が発育し続け、受精および胚の発育・輸送を妨げてしまうため、現在はあまり使用されていません。

 学生時代に得たこういった知見から、個人的にはeCGにあまりよいイメージは無かったのですが、発情同期化関連の文献を見ていると、案外目にする機会が多いと感じていますeye

 これから木曜日に数回に渡り、先日出された総説を基に、eCGの使い道についてご紹介していきたいと思いますwink

原著:Use of Equine Chorionic Gonadotropin to Control Reproduction of the Dairy Cow: A Review

著者:F De Rensis and F López-Gatius

出典 Reproduction in Domestic Animals Vol 49, 2,  177-182

序論:

eCGの歴史

 eCGは妊馬血清性腺刺激ホルモン(PMSG)とも呼ばれ。1936年に発見された。1938年に、eCG使用の国際基準が確立され、1941年には、eCGにより卵胞発育を促し、hCGにより排卵を誘起する「2段階プロトコール」がヒトで用いられた。このプロトコールは長期にわたり使用されてきたが、eCG投与により抗体が産生されることが問題視され、1972年にヒトでは用いられなくなった。対照的に、1934年に750IU投与が発情と排卵を引き起こすことが報告されて以来、牛では使用され続けている。

eCGの分子特性 

 eCGはLHやFSHと同じ糖タンパクホルモンのファミリーである。LHやFSHが全ての哺乳類の下垂体から分泌される一報、eCGは妊娠中の馬の子宮内膜胚(胎盤の一部)で生産される。eCGは二つのタンパク質の構成要素からなり、その一方のタンパク質の構造はLHと同一であるが、そのタンパク質に結合している糖鎖の違いにより、eCGのほうが肝臓での代謝や腎臓での濾過を受けにくいため、LHよりも半減期が長い。牛に1500IU投与すると、血中での生理活性は5日程度持続する。

  また、eCGは卵巣上のLHとFSH双方の受容体に対する親和性が高いため、双方の反応を引き起こす。よって牛では、繁殖をコントロールする動物用医薬品として用いられる。

 一般的には、単一の排卵を促進するためには200~1000IU、過剰排卵を引き起こすためには2500IUが必要であると考えらている。

  ・・・今回はeCGの基礎的な内容について書かせていただきました。次回はeCG投与の卵巣上の卵胞への反応についてご紹介します。

2014年10月 8日 (水)

Nanopurified!

新たな精子の精製方法により受胎率が良くなったという論文を紹介いたします。confident

原題:Increased Conception Rates in Beef Cattle Inseminated with Nanopurified Bull Semen.(ナノ粒子精製精液により肉牛の受胎率が向上した) Biol Reprod. 2014 Sep 17

ユビキチンとよばれる欠損した精子の細胞表面に付着するたんぱくと
Peanut agglutinin(PNA)と呼ばれる欠損したアクロソーム(精子頭部にある受精にかかわる部位)に独占的に付着するたんぱくの
それぞれに対する抗体をコートしたナノ粒子を精液と混ぜます。
磁石を用いて抗体に結合した精子を集めることで不良な精子を~30%取り除き、
ストローあたり1000万精子(10M)または2000万精子(20M)を封入し凍結します。
実験区は未処置の精液(10M CON)と(20M CON)、PNA(10M PNA)、ユビキチン(10M UBI)の4区です。

肉用牛にAIした受胎率の結果は下のようになりました。
(10M CON)53.7%
(20M CON)63.3%
(10M PNA)64.5%
(10M UBI)51.3%

未処置1000万精子とPNA2000万精子をもちいた受胎率に有意差はみられませんでした。
また、PNA区では精子を精製する際の回収率が68.5%でした。

このことからPNAナノ粒子精製をすれば未処置精子の半分で同じ受胎率が得られます。
さらに、作製できるストロー数も未処置精液より多くなることがわかりました。

あたらしい発想でおもしろいなと感じました!taurus
現場で実用化されるようになるのでしょうか?bud

2014年10月 6日 (月)

牛泥棒

今日は何かおもしろい話題はないかと探していたところ、

びっくり仰天なニュースを見つけましたflair

ロシアの牛泥棒の映像らしいですtaurus

えぇsign02牛って盗まれることあるのsign02って感じですが、そんな国もありえるのですね・・・

牛を盗む
YouTube: 牛を盗む

いや~すごい手口でしたねcoldsweats01

1台の車がやってきて、牛を後部座席に無理やり押し込んで、

1分足らずで作業終了で走り去っていますcar

動画を見たユーザー達から信じられないというコメントが寄せられる中、

「ロシアならありえる」とコメントしている方もいたそうで・・・

えぇっsign02ロシアってそんな国なんですか?笑

この動画は本当の映像なのかどうかは明らかにはされていないらしいのですが、

車で牛を盗もうとする・・・

しかも後部座席に押し込む・・・

牛さんはどこに連れていかれてしまったのでしょうか~shock

びっくり仰天でしたぁ~coldsweats02

2014年10月 3日 (金)

十勝再発見

今回は1つの雑誌を紹介したいと思います。
それがnorthen style スロウ十勝という雑誌ですbook

Surou

北の暮らしを見つめなおし、楽しむための本というコンセプトの雑誌であるスロウの十勝板です。
内容は一般的な旅行雑誌などとは異なり、北海道の普段はスポットを浴びないようなところまで紹介しているため、より深く、より広く北海道のことを知ることができる情報雑誌です。
また北海道内の様々な風景も多く紹介されており、北海道に居ながらしてその魅力を認識させられますshine

なんと今回のスロウ十勝は十勝の酪農にスポットをあてていますtaurus
様々なスタイルの生産者の方がインタビューに答えており、各経営者の考えやポリシーなどが伺える内容でした。中には作業でお邪魔したことのある生産者の方もいたりで、色々なことを考えて農場を経営しているんだなと普段とは違う視点で考えることができます。
なかなか見る機会は少ないですがスロウは年4回、スロウ十勝は年1回、発行だそうでよくファーマーズレストランなんかに置いてあります。これからの時期、本州から視察などで北海道に来られるかたも多いと思います。よければこの雑誌を手にとって北海道をより一層楽しんでみてくださいhappy01

2014年10月 2日 (木)

高齢牛でのOPU-IVF

 牛の繁殖に取り組んでいらっしゃる方ならご存知かと思いますが、卵巣を超音波診断器で観察しながら、長い針を膣を介して卵巣に刺し、卵巣から卵子を吸入するOPU(Ovum pick up)という技術と、卵巣から吸引した卵子を受精可能な段階まで成熟培養し、その後体外で精子と共に培養し、受精させるIVF (In vitro fertilization)を組み合わせたOPU-IVFが、牛でも行われていますhappy01

 そんなOPU-IVFによって、高齢牛から採取した卵子から子牛の生産に成功した事例が新聞に取り上げられていました(高齢牛でも良質牛出産 読売オンライン 2014.10.1)

 和歌山県畜産試験場と近畿大学の協同研究により、親牛の遺伝能力を現す指標である「育種価」の高い高齢雌牛の後継牛を残すことを目的として、OPUの前段階のホルモン剤の処置を研究したそうです。

 その方法を用いて、13歳の雌牛から取り出し、培養した受精卵を2頭の若い牛にETしたところ、2頭とも出産ができたそうですsign03

 生産者の方々に取って、優秀な牛の子を残すことは切実な願いでしょう。そのニーズに答えるべく、我々も負けてはいられないなぁと感じましたup

2014年10月 1日 (水)

ドキュメンタリー映画

今日は映画の紹介です。movie
秋の夜長にどうぞ~sign01

「わすれない ふくしま」 監督・編集:四ノ宮浩

notesストーリーnotes
2011年3月11日東日本大地震、そして太平洋沿岸部500キロに渡る大津波により多くの人々が犠牲になった。また、その翌日の3月12日からの福島第一原発の爆発により大量の放射能が放出された。この映画は2011年5月福島第一原発北西に40キロの福島県飯舘村から始まり、そこから避難したある家族と、いまだ警戒区域で300頭の牛を飼い続けている畜産家の日常を追った記録です。その背景には、原発事故後、牛を殺処分させられた酪農家が自殺した事件、フィリピン人妻を持つ家庭の現実など様々な問題が存在した。 監督は「忘れられた子供たち スカベンジャー」で第44回マンハイム国際映画祭ベストドキュメンタリー賞を受賞した四ノ宮浩。震災直後の2011年4月下旬から福島に入り撮影を始め、2012年12月末までカメラを回し続けた。作品完成後も監督は福島を忘れないために現地に居続けている。

たくさん感じることが多い作品だと思います。今を知るってとても大事なことだと思いました。

映画HP : http://wasurenai-fukushima.com/#theater

2014年9月30日 (火)

季節外れの大地の恵み

最近、朝晩がぐっと寒くなりましたね。
ここ1週間で本当に秋がやってきたように感じます。

そんな季節にもかかわらず、十勝の道を走ってると、意外な景色に出会うことがあります。


Image


↑西日に、季節外れのヒマワリが映えます!


ヒマワリといったら、夏の観賞用作物だと思い込んでいた私。


実は、このひまわりは作物ではありません。
かといって、観賞用でもありません。


このひまわりは、この後、畑の肥料になるのです。


畑で作っていた作物の収穫を終えた後、もう一度ひまわりの種をまいて育てます。
夏は終わったとはいえ、まだまだ十分な日光を浴びて成長したひまわりは、たくさんの栄養を作り出します。


そのひまわりを刈り取ったりせず、丸ごと畑の中にすき込み、来年作る作物の肥料としてしまうのです。


この方法を「緑肥」と言います。

観賞用の花も心を癒されますが、
こうして植えられた花も、自然を大切にする農業へとつながっているのですね。

2014年9月29日 (月)

梅のパワー

県立医科大の宇都宮准教授と和歌山高専の奥野准教授らの研究グループは、

和歌山特産の梅に含まれる成分が難治性不妊患者の

妊娠率向上に効果があるとの研究成果を発表したそうですflair

梅は昔から動脈硬化や胃潰瘍、糖尿病、免疫力向上に効果があるといわれ、

梅干の副産物の梅酢を混ぜたエサを与えた鶏とその卵のおいしさ、

栄養価もアップすることが分かり、

人気ブランド「紀州うめどり・うめたまご」が誕生したのだそうですchick

鶏の卵にいいのならヒトの卵子にもいいのでは・・・ということで、

梅の抗酸化作用に着目し、体外受精や顕微授精の

高度不妊治療を受ける女性を対象に臨床試験を行いましたvirgo

梅酢の研究に参加したのは、33~43歳の

DHEA(ステロイドホルモンのサプリメント)を服用しても効果が出なかった9人で、

引き続きDHEAを飲んでもらい、合わせて塩分を抜いた濃縮梅酢を服用してもらいましたbar

その結果、何も服用しなかった場合の妊娠率は5.6%だったのに対し、

DHEAと濃縮梅酢の併用により、妊娠率は55.6%にまでアップしたそうですup

また、DHEAを服用せず、梅酢のみによる研究も行った結果、

29~41歳の女性10人のうち、6人が妊娠に成功、4人が無事出産したそうですshine

研究グループはこの卵の質を高める梅酢の成分が

「3、4-DHBA」であることを発見しておりますeye

通常、加齢に伴い増加する酸化ストレスが卵を覆う顆粒膜細胞にダメージを与え、

細胞死を起こすのですが、「3、4-DHBA」は酸化ストレスから顆粒膜細胞を保護し、

良質な卵の形成に寄与することも確認したそうですsign03

梅パワーすごいですねhappy01

牛にも梅を食べさせると効果があったりするのでしょうか・・・think

2014年9月26日 (金)

鳥類の受精と多精子受精

ニュースでみたのですが、静岡大学などの研究グループが顕微授精にて受精させたウズラを孵化させることに成功したそうですshine
これは鳥類では世界初のことであり今後希少な鳥類の繁殖に寄与することが期待されていますhappy01

あんなに卵子が大きい鳥類で顕微授精の成功が初だなんて意外だなと記事を読んで思ったのですが、よく読むと鳥類は受精の際に卵子に1に対して複数の精子が侵入する必要があるそうで、これが顕微授精を難しくしていた要因らしいです。
哺乳類の場合は基本的に卵子へ侵入する精子は1つであり、それは1つ目の精子が卵子に進入する際に透明帯が変化することで2つ目以降の精子が侵入できなくなる仕組みがあるためです。むしろ多数の精子が卵子へ侵入する(多精子受精)はその後の胚の発育に影響しますので体外受精などでは問題になってしまいますdanger

個人的には鳥類が多精子受精であることを初めて知り驚きましたsweat02
何億もの精子が競い合い、たった1つの精子のみが受精できるという殺伐とした哺乳類の世界に対してみんなで仲良く受精するという戦略があったことはこれまでの固定概念を打ち消してくれました(哺乳類でも受精できなかった精子も役割はあると聞きますが)。
よく考えてみると鳥類の繁殖生理についてはあまり勉強してきませんでした。きっと鳥類のことも勉強すれば哺乳類についても新たな知見が得られそうですねcoldsweats01


2014年9月25日 (木)

お茶と繁殖和牛

生産者人口が減少の一途を辿り、耕作放棄地の増加が深刻化していますbearing

一方で、その耕作放棄地を草地に替え、繁殖和牛を飼い、元から行っていたお茶の生産との複合経営で成果を挙げた事例が新聞で紹介されておりました。

茶、繁殖和牛 放牧で両立を可能に 大分県豊後高田市 永松英治さん(日本農業新聞 2014.9.23)

大分県のお茶の生産者の永松さんは、高齢化に伴い生じた荒廃茶園や耕作放棄地に、牧草を植え、繁殖雌牛を導入したそうです。

施設は子牛の給餌のための給餌場、電気柵、給水場、岩塩のみであり、お茶の農閑期に耕作放棄地を切り開き、牧草を植え、放牧地に替えていったそうです。

粗飼料自給率は80%、子牛1頭生産するための飼料代は親子合計で約8万9000円で、全国平均約19万円(12年度農水省統計)の半分以下だそうですeye

分娩は放牧地での自然分娩、分娩後は子つきで飼っているそうですが、3月後には発情も来るとのことでした。2頭からはじめ現在は40頭程度まで増頭できているそうです。

耕作放棄地の転用については太陽光発電機への転用等様々な使途があるかとは思いますが、農地から農地への転用が実現した好例ですねhappy01

2014年9月22日 (月)

第21回日本胚移植研究会

ちょっと遅くなりましたが、9月11日~12日に第21回日本胚移植研究会が開催されましたshine

会場は岡山大学で、今年は去年より参加者が多かったように思いますeye

20140922_172034
シンポジウムでは「乳牛経産牛の繁殖性から見た課題とその対応策について」

研究発表では「成熟培地に添加したメラトニンがウシ体外受精胚の発育に及ぼす影響」

あとは実際に研究を行った韓国の先生が研究会に参加できなかったので、

「牛体外受精胚の非凍結低温(チルド)保存に関する研究」を

代理で発表させていただきましたsign03

20140922_171217

全ての発表において皆様から高い関心を寄せていただきましたhappy01

今回の研究会はOPU(経膣採卵)に関する報告が多かった気がしますthink

色々な研究報告を聞いてお勉強した後は、懇親会にも参加しましたwink

懇親会では岡山名物バラ寿司や蒜山やきそば(B級グルメだそうですよ)、

鰆のお刺身などなど岡山らしい食材もいただけましたrestaurant

畜産業界の方々と色々な話ができて良かったですnote

また機会があったら参加して、お勉強をしたいと思います~confident

2014年9月19日 (金)

流産

昨日、牛を見回りしている方から乳房が急に張ってきたとの報告があり、今朝牛の状態を確認しにいったところ牛床に流産した胎子が落ちていましたshock
牛の履歴をみると分娩予定日にはまだまだ早い様子。

流産の場合、期待された産子も得られず、牛乳を搾るにも早すぎ、それまでの苦労がすべて水の泡に…。生産の現場においてこれほど経営にマイナスなこともないように思いますdown

頻繁に流産が起きるようであれば伝染病などの疑いもあり、これも大問題ですが単発で起こる流産の場合には明らかな原因がわからず嫌な気分だけが残ってしまいます。

流産直後の母体におかしいところもなく、流産胎子の形状も問題なし。何らかの要因で急に胎子が死亡したのか、母牛に過度のストレスがかかったのか…。謎は深まるばかりです。

ちなみに以下は流産直後の子宮のエコー画像です。

Dsc_0119


さすがに子宮内には貯留物があり子宮壁も肥厚しています。
通常の分娩に比べれば早いと思いますがこの画像をみるとまだまだ回復には時間がかかりそうですsweat02


2014年9月18日 (木)

エコ畜産に向けての取り組み

近年の素牛や、輸入飼料価格の高騰により、生産者の方の経営状況は少なからず打撃を受けているかと思いますbearing

飼料用米により、輸入飼料の大体を図る取り組みについては、当ブログでも紹介してきましたが、

最近、廃棄食品を牛飼料に用いる取り組みを行っている牧場があるそうです。

(日本経済新聞 電子版 2014/9/17)

島根県の松永牧場では、肉牛や乳牛に対して、飲料メーカーや外食チェーンが排出するコーヒーや茶葉のカス、うどんの食べ残しなどについて、仕入れルートの拡大を行っているそうです。

コストダウンももちろんですが、本来ただのゴミになるようなものを有効に活用でき、非常にエコであると思われますhappy02

増大量等にどれほど影響するのか等、課題はあるかと思いますが、中々畜産農家に明るい材料がないこのご時勢、何かしら打って出る必要性は言わずもがなであり、非常に面白い取り組みであると感じましたconfident

2014年9月17日 (水)

ET研究所では日々の業務として採卵、胚の凍結や胚移植をしています。
ウシでの体外受精、胚の凍結などは他の動物と比べると研究が進んでいるなと思います。taurus


Animal Reproduction Scienceという雑誌にウサギに関する研究が載っていたので紹介したいと思います。flair
タイトル:A novel technique for oviduct occlusion to generate live births from cryopreserved rabbit oocytes after in vivo fertilisation

Animal Reproduction Science 148(2014)197-204

卵母細胞の凍結は胚や精子の凍結とは非常に異なり難しいとされています。これまでにヒト、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ウマ、ネコ動物でのみ産子の誕生に成功しています。
今回の報告では凍結卵母細胞(卵子)を外科的に卵管へ移植後、人工授精をおこない産仔の誕生に成功しました。
これまでの筆者らの報告では3.3%の確率で移植した凍結卵母細胞から産仔が誕生していますが、今回の報告では13.2%にまで改善されました。shine
移植時の卵管のダメージを最小限に抑えることで改善されたようです。
shine

ウサギの体内胚と体外胚の写真が載っていましたが、大きさが10倍以上の違うんです。eye体外胚のほうが小さいようです。
ウシではそんな違いはありませんよ。taurus
不思議ですね。confident

2014年9月16日 (火)

東日本分場体験レポート

更新が遅くなり申し訳ありませんsweat01

さて、先日ですが所用で茨城県にあるET研究所の東日本分場へ行ってまいりました。
いつもは顔をだして終わりでしたが、今回は現場作業に少し同行させていただきました。

久々の出張、朝早くからの採卵もなくゆっくり寝れるshineと思ったら現実は甘くありませんdown
今回は千葉県の農場を回ったのですが、茨城からは2時間弱かかるとかで結局いつも通りの起床時間でしたshock
普段は茨城、栃木、そして千葉のあたりを回っているそうで、たまに静岡や愛知にまで行くとかsign02その移動距離にびっくりですcoldsweats02

140912_145051

↑が分場の業務車両です。広い車内で荷物も沢山詰めて非常に便利そうです。

さて、この日は7~8軒の農場をまわったのですが、やはり北海道とはかなり異なる形態でした。
地域性もあるのでしょうがまず牛のサイズが少し小ぶりで作業がしやすい!
また一頭一頭に手をかけているのか大人しい牛が多いように感じました。

140912_145034

一般的な繋ぎ牛舎ですが、1頭当たりのスペースが広く牛もゆったりしています。また通路幅がかなりある点も特徴でしょうか?

その他、こちらの農場に合わせた我々の作業スタイルもだいぶ異なり、持ち帰って試したいものもあり地域ごとに作業工程にも違いを感じます。

地域ごとの違い、そしてその土地に合わせた作業のスタイルがあることを同じET研究所の内部で感じることが出来ました。東日本でこれならば北日本(岩手県)や九州はどうなっているのでしょうか?
たまに顔を出すと地域に合わせた様々な進化を遂げているのかもしれませんねhappy01

2014年9月11日 (木)

妊娠診断はどこまで早められるか

生産効率を高めるためには、妊娠診断は早いに越したことはない一報、超音波診断器が普及した昨今においても、どれだけ早い時期に診断できるかは個々人の技量に拠るところが大きく、また、早ければ早いほど、誤診のリスクは高まりますdespair

早期の妊娠診断について、最近出た論文をご紹介します。

タイトル:肉用種経産牛における免疫細胞の遺伝子発現と超音波で評価した黄体機能に胚が引き起こす変化:妊娠診断はどこまで早められるか

(原題:Conceptus-induced Changes in the Gene Expression of Blood Immune Cells and the Ultrasoundaccessed Luteal Function in Beef Cattle: How Early Can We Detect Pregnancy?)

出典:Biolpogy of Reproduction in Press

著者:Pugliesi ら (サンパウロ大)

内容を簡潔にご紹介いたします。

免疫細胞である末梢血単核球(PBMC)中には胚が産生し、妊娠認識に関わるインターフェロンτにより発現が強まる遺伝子があります。著者らは発情から15-18日目において受胎牛と不受胎牛で発現量に際が見られた遺伝子(OAS1とMX2)の発現量、および超音波で経時的に観察した黄体の退行により、発情から20日目において妊娠診断が可能かを調査したところ、下表のような結果が得られました。

エンドポイント 超音波による黄体退行診断 遺伝子発現
(2遺伝子)
超音波
&遺伝子発現
面積のみ 血流のみ 両方
感度(%) 98 98 100 67 67
特異度(%) 88 86 86 88 95
受胎的中率(%) 84 80 81 76 88
不受胎的中率(%) 98 98 100 82 83
正確度(%) 92 90 91 80 84

感度:実際に受胎していたもののうち受胎と診断できたものの割合

特異度:実際に不受胎だったもののうち不受胎と診断できたものの割合

受胎的中率:受胎と診断したものが受胎していた割合

不受胎的中率:不受胎と診断したものが不受胎だった割合

正確度:診断したもののうち診断が的中していた割合

・・・遺伝子発現の定量で、8割程度の正確さでの診断が可能なようです。

まだまだ現場で使えるレベルではありませんが、今後も動向に注目していこうと思います。

黄体の退行については、面積の縮小および血流の減少を追いかけることでかなり正確に診断で切るようですね。

2014年9月10日 (水)

繁殖成績改善

「繁殖成績改善への近道」という記事が十勝NOSAI HPから観覧することができます。taurus
経産牛の繁殖について紹介されています。wink
具体的にフローチャートやカレンダーをつかい分かりやすく書かれています。
涼しくなってくるこの時期に繁殖管理について改めて見直してみてはどうでしょう~moon3

十勝NOSAI HP:http://www.tokachi-nosai.or.jp/gijutu/cn27/pg53.html

2014年9月 9日 (火)

薬液注入とMFBPの比較

「繁殖技術」の今月号で、面白い記事があったので、ここで紹介させて頂きます。


原題「黒毛和種繁殖障害牛に対する子宮内薬液注入処置およびModified Fast Back Programの適用」記野聡史(日高地区農業共済組合)著

●目的:不妊の繁殖牛の受胎率向上のために診断的治療としてAI後に子宮内薬液注入処置やCIDRの挿入が実施されるが、その有効性については様々な報告があり、適用対象も定まっていない。
今回、2回以上のAIによっても受胎せず3回目以降のAIを実施した黒毛和種繁殖牛に対して、これらの処置を実施し、その有効性を検証した。

●材料及び方法以下の3群に分類した
・薬注群…AI翌日に子宮内にアンピシリン500mgを注入したもの(n=37)。

・Modified Fast Back Program(MFBP)群…AI後5日目に膣内にCIDRを挿入し、19日目まで留置(n=23)

・対照群…これらの処置を行わなかった群(n=49)。

以上の3群の受胎率を比較した。

また、それぞれの処置群を前回のAI日から処置前のAI日までの日数により正常周期(21±3日あるいは42±6日)群と、異常周期群に分けて比較した。

●結果
受胎率…薬注群67.6% 、MFBP群73.9%、対照群49%。
特にMFBP群は対照群よりも有意に高い受胎率(p< 0.05)であった。


正常周期の受胎率…薬注群71.4% 、MFBP群58.3%、対照群38.1%。
薬注群は対照群に比べて有意に高い受胎率(p< 0.05)であった。


異常周期の受胎率…薬注群55.6% 、MFBP群90.9%、対照群57.1%。
MFBP群は対照群に比べて有意に高い受胎率(p< 0.05)であった。


発情の異常周期は黄体形成不全や胚死滅等が挙げられます。
MFBP処置は黄体期早期に外因性のプロジェステロンを補充することで子宮内膜の増殖や子宮腺の発達を促進し、胚の発育や生存性を高め受胎率を向上させたと考えられます。

正常周期において、薬注処置により受胎率が向上した結果からは、正常で発情が回帰する個体では不受胎の原因が細菌性の子宮内膜炎である場合が多いと考えられます。

以上の結果から、正常周期で発情が回帰する場合には子宮内膜炎を疑い薬注処置を、発情周期の異常が認められる場合には黄体期のP4濃度を高める目的でMFBPを適用することが受胎率向上のために有効かもしれませんねup

2014年9月 8日 (月)

精子を守る蛋白質の盾

ヒトにおいて、細菌から精子細胞を守る蛋白質に着目した研究が発表されましたflair

病原菌に対し保護作用を持つデフェンシンという蛋白質のなかでも、

ヒトβデフェンシン1という蛋白質は、体の各種組織でみられるが、

男性の生殖器官での役割は不明でしたtyphoon

不妊男性325人、生殖能のある男性190人の精子を対象に

精子細胞内のヒトβデフェンシン1の濃度を調べたところ、

精子無力症または生殖器官内の感染症による膿精子症の男性では、

不妊の問題のない男性よりもこの蛋白質の濃度が低かったそうですdown

また、精子細胞内のこの蛋白質の濃度を高めると、精子がより効率的に運動し、

病原菌と戦う力が大きくなり、より効率的に卵子に貫通することができたそうですshine

精子には、女性の生殖器官内に存在する病原菌に対する抗菌力が必要であり、

次は蛋白質レベルを高めることの安全性の解明が研究課題だそうですsign01

ヒトβデフェンシン1という蛋白質は病原菌に対する抗菌力の他に

精子の運動性や受精にも関与している可能性がありそうですねsign03

この研究論文は「Science Translational Medicine」で発表されておりますsmile

2014年9月 4日 (木)

ヒートストレスからの回復

9月ですね。

今年は冷夏という記事もありましたが、十勝はさらに最近めっきり涼しくなってきました。

ヒートストレスは繁殖に悪影響を及ぼすのは皆さんご存知かと思います。

季節的に過ごしやすい秋口は牛の繁殖にうってつけのようにも思えますが、ヒートストレスからの回復はそう簡単ではないことを明らかにした論文をご紹介します(ちょっと古いのですがcoldsweats01

タイトル:Improvement of quality of oocytes collected in the autumn by enhanced removal of impaired follicles from previously heat-stressed cows

(和訳:ヒートストレス感作により傷害を受けた卵胞の積極的な吸引による秋季回収卵母細胞の品質の改善)

出典:Reproduction (2001) 122, 737–744

著者:Rothら(ヘブライ大学)

緒言:

 乳牛の繁殖能力は夏季に低下するが、ヒートストレスが消失した秋季であっても低い状態が続く。

 本研究は夏季のヒートストレスが遅延して秋季の卵母細胞の品質に及ぼす影響を明らかにするとともに、夏季にヒートストレスを受けた卵胞を積極的に除去することで卵母細胞の品質を改善させることを目的に行った。

材料及び方法:

供試動物:夏季にヒートストレスを受けたホルスタイン種経産牛 16頭

実験方法:秋季に4つの連続した発情周期において、試験区、対照区下記の日程で3-7 mmの卵胞を超音波ガイド下でOPUにより吸引した。発情19日目でPGF2αを投与し、発情21日目でGnRHを投与し、繁殖周期を維持させた。各周期のDay4で回収した卵母細胞を体外受精に供した。

表: 対照区と試験区における4つの連続した発情周期において卵胞を吸引した日程

対照区

Day 4

試験区

Day 4, 7, 11, 15

 

結果:

・高品質胚(グレード1)の割合の増加が試験区(周期2)の方が対照区(周期3)より早かった。

・卵割率は対照区で38-58%であったが、試験区では40-75%であり、周期3,4で有意に高かった (P < 0.05)

・胚盤胞発生率は、試験区では低いままであったが、対照区では周期3、4で有意に増加した(P < 0.05)

 

・・というわけでヒートストレスの影響は涼しい秋になってもしぶとく残り続けるようですeye一方傷ついた卵胞を膿を取り除くように頻繁に吸引することで、卵母細胞の発生能は高まるようですね!

受精卵回収においてもプログラムに入る前段階での卵胞吸引が有効な気がしますhappy01

 

2014年9月 3日 (水)

とうもろこし

日本の食料基地とかちではさまざまな作物が収穫を迎えています!
この時期にはじゃがいも、とうもろこしなどをよく頂きます。happy02

とうもろこしにはたくさん種類があるって知っていましたか?粒の色をみてみてくださいnote
きいろいの
しろいの
しろときいろまじりの

それぞれ名前が
ゴールデンコーン
シルバーコーン
バイカラーコーン
という種類らしいです。

先日みかけた白いとうもろこしには「ショコラホワイト」という可愛らしい名前がついていました。
食べるのが楽しくなりますね。shine
いくつかの品種は生で食べられるそうですよ!
品種改良が進めば芯まで食べられるようになるかも!?と期待していますscissors

2014年9月 2日 (火)

北海道の4色

十勝管内をあちこち回っていると、今の時期、畑の収穫だったり、牧草刈りだったり、早いとこだとデントコーンの刈り取りだったり、農家さんはあくせくと働いてらっしゃいます。

牛も放牧され、のほほんと草を食んでおります。

目に見えるのは、草の緑と、牛の白と黒と、空の青の4色しか目に映りません。

この景色を見ると、「北海道に来てホントに良かったなぁ」と心から思います。

ET研に隣接するナイタイ高原も広々とした斜面に牛が放牧されており、誠に気分が良い次第です。

長い冬がやって来る前に、この景観を目に焼き付けといてやろうと思います。


Image


2014年9月 1日 (月)

国際反芻家畜生殖科学シンポジウム

先日ブログで紹介いたしましたが、

第9回 国際反芻家畜生殖科学シンポジウムに参加して参りましたrun

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著名な方々の研究発表を聞かせていただきましたear

学会中には夜に懇親会が開かれ、そこにも参加してまいりましたrestaurant

20140830_112755

このように、優れた研究者には賞が送られておりましたcrown

席は決められていないので自由に座ることができ、

世界各国の研究者達が熱く議論している様子も見られましたsign01

情報交換の場として良い機会ですよねshine

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ディナーの一部です↑

かなり豪華でしたcatface

学会は1週間開催されておりましたが、

海外から来られていた方々は、研究についての有益な情報が得られたとともに

北海道、十勝を十分に満喫して帰られたのではないでしょうか~confident

2014年8月29日 (金)

今年は冷夏?

8月ももうすぐ終わり、北海道では朝などは肌寒く感じられるようになりました。
そんな中、近年は猛暑の影響で本州以南の地域では牛に対する暑熱ストレスが大きな問題となっていますsun
我々としても大きな関心ごとであり、それに対する対策としてETの普及などをおこなっています。
そんな中、出張で九州へ行ってきたのですが、空港に着いて気付いたことは、暑くない…sign02
帯広を出発した時点で25℃くらいだったのですが、福岡はそれより低い22℃。現地の方に聞いてみると今年は異常気象だとか。過ごしやすいし、牛も調子いいよ、とのことでした。
きっと繁殖も悪くないのでしょう、来年の春は例年以上の産子が期待できるとともに牛乳の出荷も安定するかもしれませんtaurus

しかし、良いことばかりでないのがこの冷夏。家畜は良くとも農作物には大打撃とかshock
長雨と冷夏の影響でかなり発育が悪いようです。これから収穫の秋を迎えますが、今年は色々と厳しい面もあるのかもしれません。

2014年8月28日 (木)

不妊に梅が効く!!

和歌山市の産婦人科病院と和歌山県立医科大により、梅が人の女性不妊に効果がある可能性があると発表されました!!

(時事ドットコム 2014/08/28)

難治性の不妊患者19人に、梅酢を6mlずつ、2ヶ月間飲んでもらった後、体外受精を行ったところ、11人が妊娠したそうです!!

梅に含まれている「3,4-DHBA」という物質に抗酸化作用があり、加齢による卵子の酸化を防ぐ可能性があると考えられているそうです!

牛でも試せないか?と思い調べてみると、「大阪ウメビーフ」と呼ばれる牛が存在することが分かりました!!(大阪ウメビーフ協議会)

大阪ウメビーフは、梅酒の製造過程で生じる漬け梅を肥育に用いた和牛もしくは交雑種牛で、商標登録されています。

出荷前の6ヶ月以上、1日1kg以上給与するそうですが、嗜好性はかなりいいようです。

梅を肥育に用いた例ですが、繁殖和牛においても給与させることで、繁殖性の向上が期待できるかもしれませんねhappy01

2014年8月27日 (水)

9th International Ruminant Reproduction Symposium

~9th International Ruminant Reproduction Symposium~
第9回 国際反芻家畜生殖科学シンポジウムが8月25日から29日まで帯広市で開催されています。
反芻動物(とくにウシとヒツジ)の生殖科学の世界中の研究者が集まり、最新の研究成果について議論する場となっています。
研究開発室から4名参加させていただきました。

このシンポジウムのマークがかわいいんです。heart

Irrsprogram


ET研究所からは8月26日のポスター発表にて1タイトル参加しました。
研究成果をポスターにまとめ掲示し、これを使って研究の説明を行います。発表時間には自分のポスターの前で研究内容の紹介をしたり、質問に答えたり、アドバイスを頂いたりします。confident
写真はちょうど議論しているところです。sign01


Irrs


先週はずっと雨続きでしたが、今週は今のところ十勝晴れが続いていてよい歓迎になっているのでは!?sun
十勝の魅力たくさん知ってもらいたいと思いますbleah
学会は金曜日まで続きます。新たな技術開発のためにたくさん勉強してきたいと思います。

2014年8月25日 (月)

グループ行動

精子は卵子と受精するために

何億という数の精子とたった一つの卵子をめぐる競争をしていますrun

精子がこの競争に勝つには、スピードだけでなく、

いかに卵子の方向へ正しく移動できるかが重要になりますtyphoon

今回、精子は単独でいるよりも、

ある程度グループでいた方が正しい方向へ移動できることが分かったそうですflair

げっ歯類の精子の動きを顕微鏡下で観察し、その動きを数学的モデルで解析しました。

精子を単独~小規模なグループ、多数の精子が存在する大きなグループ、

その中間(精子が6~7個)に分けて調べていきました。

グループのサイズは小さすぎても、大きすぎても良くなくて、

6~7個の精子のグループがスピード自体は変わらないものの、

正しい方向へ向かうことですばやく移動できましたsign01

さらに生物種ごとに見ていくと、シカネズミの精子は近縁のハイイロシロアシマウスと比べて、

精子の形状は似ているものの、動きが早く、

適切なサイズのグループを作りやすいということがわかりました。

ハイイロシロアシマウスは 一雌一雄で、シカネズミはそうではないので、

シカネズミの精子のほうが他の個体との競合もあるので、

より激しい競争を勝ち抜くために適切なサイズのグループを作るように

進化したのではないかとのことでしたthink

なぜ6~7個の精子のグループだと適切な方向にいけるようになるのかは不明だそうですsign01

Proceeding of the royal societyで発表されておりました↓

http://rspb.royalsocietypublishing.org/content/281/1790/20140296

2014年8月22日 (金)

新人研修と

今日も一日雨が降り、若干肌寒い日でしたrain
本州ではまだまだ暑い日が続いているそうですが、お盆を過ぎ早くも北海道では秋が近づいていそうです。
そんな中、全農の子会社である科学飼料研究所より今年入社した新社会人2名がET研究所にきていますshine
どうやら研修の一環で、北海道の畜産、とくに牛農家を見て回り内地と北海道の違いなどを勉強していくそうですtaurus
ちなみに今回来られた2名は初の北海道であり牛を見たこともあまりないとのことだそうで、すべてが新鮮な経験のようです。何に対しても目新しく反応が良いので我々も調子に乗って解説なんてしてしまいますねbleah
しかし何も分からないところから生まれる疑問というのも面白いものです。普段何気なく使っているものも、いざ質問されると自分もよくわかっていないもので、勉強せねばと感じることが多いですcoldsweats01
さて明日で研修も終わりですがあと一日、頑張っていきましょうup

2014年8月21日 (木)

アメリカの繁殖管理

 本日十勝青年獣医師会という十勝管内の若手獣医師を中心とした会合の勉強会があり、「牛の繁殖に対する治療困難な状況と現在わかっている解決策」という演題で、アメリカの製薬会社メルクアニマルヘルスのAndrew Skidmore先生からお話を聞かせていただきましたeye

分娩後の無排卵の重要性および対処法、リピートブリーダーについて、繁殖技術のサイクルなど、様々なお話を聞かせていただいたのですが、お話全体を通して、「日本とアメリカの繁殖管理における根底的な考え方の違い」を強く感じました。

 日本の酪農における繁殖管理の基本は、「発情をきちんと見つけて、授精する」ことであると思います。発情がこない牛などの問題牛がいた際は、都度現場において獣医師が頭を悩ませ試行錯誤しながらホルモン剤等の処置を行っています。

 一方日本よりも規模がはるかに大きいアメリカでは、日本以上に繁殖業務の省力化が前提となります。そのため日本とは異なり、予め設けた生理的空胎期間以内に授精を行うこを前提とし、オブシンク法を用いた定時人工授精を行っているそうです。アメリカでは初回PG投与の14日後で再度PGを投与、その後12-14日目からオブシンクを開始するプレシンク法が一般的に行われているそうですが、この方法であれば、生理的空胎期間を70日と設定した場合、子宮卵巣機能が回復していない可能性も高い分娩後34日目からホルモン剤処置を開始することとなります。

 射つ注射の数もかなりの数になるわけですが、「木曜日は授精の日」といったように曜日ごとに作業を統一化して繁殖業務の簡略化を図っているわけです。

 頭数規模、薬価等、日本で行ってコスト的には合わないとも考えられます。直にお話を聞くことで、改めてアメリカの酪農の規模の大きさを感じられるいい機会となりましたconfident

 

2014年8月20日 (水)

夢は牛のお医者さん


全国各地で上映中!slate
獣医さん関係の映画やドラマは気になってチャックしちゃいますね。happy01
産業動物獣医師をテーマにした映画ってあまりないように思います。

~Story紹介~

1987年(昭和62年)。
新潟県の山あいにある生徒9人の小さな小学校に、3頭の子牛が入学してくる。
当時、小学3年生だった高橋知美さんは、病気がちだった子牛の世話を続ける中で、いつしか“牛のお医者さん”である獣医になる夢を膨らませてゆく。
親しんだ牛との辛い別れを経て、家族や周囲に支えられ、高校生活は親元を離れ勉強一筋。一途に夢を追い続け、故郷への強い思いを胸に挑んだ13.5倍の難関。
ペットではない“家畜”のお医者さんとなったかつての少女はやがて母となり、かけがえのない“いのち”と向き合いながら今日も戦っている。

十勝ではこれから上映予定があるようです。

映画HP:https://www.teny.co.jp/yumeushi/staff.html

2014年8月19日 (火)

勝手に性転換

先週、夏休みを頂き、実家に帰省がてら、さらに南下して、珊瑚礁の海へ潜って参りましたhappy01

浅瀬を探索していると、あちらこちらのイソギンチャクから、大きなカクレクマノミが威嚇してきます。

この威嚇してくるクマノミ、♂かと思いきや、実は♀なんです。

地元のインストラクターの話によると、クマノミは性転換するらしいです。

イソギンチャクの中には何組かのクマノミ夫婦が共同生活をしており、一番大きな♀が門番をします。
その♀が死んでしまうと、そのイソギンチャクに住んでいる♂の中で一番体が大きな♂が性転換をし、次の門番になるのです。


ファインディングニモの話はウソだったってことになりますね。

他にも♂→♀に性転換する生き物として、エビやエソ等、深海魚に見られます。

その理由として、深海で外敵に襲われる危険が少ない代わりに、同族魚種と出逢う確率も低いことから、より魚体が大きいほうが♀化して多く卵をもてるほうが効率がいいかららしいです。

逆に外敵が多い浅層や熱帯の海域では、外敵対策を優先してガタイのいいのが♂化、その代わりにハレムを形成して繁殖を効率化ってのを選択したわけですね。

例えば、ベラやハゼ科の魚は♀→♂へ性転換するみたいです。

とすると、カクレクマノミはなぜ亜熱帯浅層に生息しながらも、リスクの高い一夫一妻制、♂→♀化を選んだのか?
とても不思議です。


イソギンチャクとの共生って能力を先に獲得してたからですかね?


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↑人が近づくと、このように威嚇してくるんです。

2014年8月18日 (月)

氷結晶結合蛋白質に関する国際会議

1週間ちょっと前になりますが、「氷結晶蛋白質に関する国際会議」に参加してきましたsign03

参加と言っても一応口頭発表をするので、英語での発表ですcoldsweats02

人生初ですsweat01

とても緊張いたしましたwobbly

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あぁ、母国語が英語だったらなぁ~と何度も思いました(笑)

会場内は最終日ということもあってそんなに人数は多くなかったと思いますが、

色々な国の方々がいらっしゃってましたeye

それだけで圧倒されました(笑)

さらに壇上で発表している方々の饒舌なこと・・・(笑)

日本の学会発表の様子とは少し雰囲気が違って、

壇上を少し歩いてみたり、ジェスチャーが大きかったですねpaper

いやいや、非常にお勉強になりましたthink

そして度胸がついたような気がしますcoldsweats01

サポートして下さった方々に心より感謝申し上げます。

ところで話は変わりますが、

発表前には「腹が減っては戦はできぬ!」ということで、

気合を入れるためにおいしいご飯を食べてきましたrestaurant(すいません、ゆるして下さいcrying

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ここはあの仙台の有名店でございますflair

札幌に進出したんですねsign01

知らなかったですshine

おいしいご飯を食べて、良い経験をさせてもらって、

緊張のあまり倒れてしまうんじゃないかと思いましたが、(笑)

参加して本当に良かったと思いましたcatface